2018年10月08日

間違いだらけのコンプライアンス経営 蒲弁護士の最新作



ガンホー・オンライン・エンターテイメントやティーガイアなどの企業の監査役や桐蔭法科大学院長としても幅広く活躍している城山タワー法律事務所代表の蒲弁護士の最新作。このブログでも、「大人の法律事件簿」シリーズなどを紹介している

この本では、サラ・リー、ジョンソン&ジョンソンなど外資系企業の日本法人のトップを歴任して、多くの経営書を出版している新将命(あたらし・まさみ)さんの経営論を取り入れて、それを蒲弁護士自身の企業の監査役や顧問としての多彩なビジネス体験で肉付けし、法律や判例論議を超えた、新たな切り口の経営論を展開している。

単行本として出版されているが、多くの人に参考となる内容なので、いずれ新書として、より多くの人に読んでもらいたい良書である。

第1章は、「『法令』、『運用マニュアル』、『社内規定』を遵守しても炎上してしまう理由」という題で、次のようなテーマについて説明している。

1.「伝説の外資トップ」が考えるコンプライアンス
2.そもそもコンプライアンスとは何か?
3.企業の好循環を生み出す「三方よし」を忘れてはいないか
4.コンプライアンスは経営者の正しい理解から
5.コンプライアンス経営における「企業理念」の重要性
6.あなたの企業の「内部通報制度」は形骸化していないか

「伝説の外資トップ」とは新さんのことで、新さんの「経営の教科書」、「王道経営」などの著書から多く引用され、最後に蒲弁護士と新さんとの対談も掲載されている。このブログ記事のサブカテゴリーを「新将命」としたほどだ。






話はそれるが、そもそも日本で「コンプライアンス」という言葉を用いた最初の例の一つは、筆者が審査員となっているプライバシーマーク制度のベースとなっているJIS Q15001:1999規格である。

このJIS Q15001:1999要求事項の根拠となっているのは、1995年の「EUデータ保護指令」であり、これが2018年5月25日にGDPR(一般データ保護規則)」として生まれ変わった。

GDPRは、EU在住の人の個人データの取扱いに関するEU共通の規則で、これに違反すると、最高26億円または全世界の売上高の4%の罰金が科せられることから、話題になったので、記憶されている人も多いと思う。

1995年の「EUデータ保護指令」は個人情報保護が十分な国でなければ、EU在住の人の個人データの移送を禁止している。日本は「十分な国」とはみなされていなかったので、これの対応のために当時の通商産業省が1997年に「個人情報保護に関するガイドライン」を改訂し、1999年にJIS規格が制定された。1999年当時は、日本には個人情報の保護に関する法律は、まだなかった。

日本の法律が定めていない分野のことまで定めているから、JIS Q15001:1999をベースに構築した個人情報保護の仕組みは「コンプライアンスプログラム」と呼ばれた。法律のみならず、その他の指針、規範、さらにEUの指令をベースにしていたからである。

この辺は、次の本に詳しい記述がある。



横道にそれたが、この本では「コンプライアンス」という言葉が、「法令遵守」と訳され、ともすれば、法令や社内ルールに従っていればよいという誤った理解が広がり、問題が生じていることをいろいろな例を挙げて説明している。

まずは、バニラエアーが、奄美空港で同行者が車いすの身障者を車いすごと抱きかかえてタラップを上がろうとしたのを制して、バニラエアーの社内ルールを理由に、身障者自身に手でタラップをよじ登らせた例だ。この事件は日本のみならず、BBCなど海外のメディアでも大きく報道された

東レの子会社が検査データを書き換えていて、東レの社長まで知っていたにもかかわらず、1年以上も公表しなかった例も挙げている。東レの社長は「法令違反などがなければ、公表の必要はない」と発言して、さらなるメディアの批判を浴びた。

蒲弁護士は、「コンプライアンス」が「法令遵守」と訳されたから、東レのような大会社のトップでもこのような誤った理解が生じている。しかし、「コンプライアンス」で守られるべきものは、形式的な法令や規則のみではなく、社会的規範、社会常識、倫理も当然含まれると説明する。

この「コンプライアンス病(法令違反していなければ、それでよい)」は、多くの企業を蝕み、たとえば日経新聞電子版で「品質不正」というキーワードで検索すると、宇部興産、スバル、川崎重工、日産、スズキ、東洋ゴム、フジクラ、三菱マテリアル、神戸製鋼所など、1年間に138件の記事が出てくる。頭を下げて謝罪する企業トップの写真のオンパレードだ。

蒲弁護士は、「法令遵守」に代わり、新さんの「法徳遵守」という言葉や、桐蔭法科大学の同僚のコンプライアンスの権威の久保利英明弁護士の「コンプライアンスは"Be Gentleman”(紳士であれ)という一言で置き換えられる」を、より適切な言葉として例に挙げている。

さらに、旧経営陣の不正経理を内部告発したオリンパスの元社長のウッドフォード氏の「家族に堂々と言えない秘密を持つくらいなら、社長の地位なんかいらない」という発言を紹介し、「法令遵守」よりも、倫理性も併せ持つ「インテグリティ」(誠実さ、真摯さ、高潔)の方が適切と紹介している。

ドラッカーが「現代の経営」のなかで、経営者や管理職が他から得ることができず、どうしても自ら身につけていなければならない資質は、才能ではなく、「インテグリティ」であると語っているあの「インテグリティ」という言葉だ。

新訳 現代の経営〈上〉 (ドラッカー選書)
P.F. ドラッカー
ダイヤモンド社
1996-01


「インテグリティ」の日本版として、蒲弁護士は、企業の好循環をつくりだす、近江商人の「三方よし」(売り手よし、買い手よし、世間よし)を忘れていないかと語り、DeNAのキューレーションメディアの不祥事コンプガチャなどの例を挙げている。

元は近江商人につながる伊藤忠商事は、採用応募者向けページに「三方よし」を紹介している

ちなみに、筆者も「三方よし」を目標として、プライバシーマーク審査に取り組んでいる。申請者、審査機関、世間の三方よしだ。

この本では、新さんがジョンソン&ジョンソンのCEOだったジェームズ・バーグ氏に、経営者にとって最も重要な資質を問い、バーグ氏が「平均を上回る知性と極めて高い倫理性」と答えたエピソードを紹介している。

コンプライアンス経営における「企業理念」の重要性では、蒲弁護士自身が携わったグレイステクノロジー(マニュアルのプロで、滝川クリステルのCMの会社)の社長が「企業理念」の重要性に気づき、一時倒産の危機に瀕したが、その後立て直して、上場まで至ったことを紹介している。



「企業理念」が持つ危機管理面での効果について、ジョンソン&ジョンソンで1982年に起こった、タイレノールへの毒薬混入事件への対応と、ジャパネットたかたの個人情報漏えい事件の対応を挙げている。

逆に最悪の結果に終わった例として、阪急阪神ホテルズ社長の食材偽装会見や、日大のアメリカンフットボール部の監督・コーチの記者会見を紹介している。

ジャパネットの高田社長が「記者からの質問が出尽くすまで、2時間以上答え続けた」のに対して、日大の会見では、当事者でもない大学広報部の司会者が、記者の声を無視して強引に会見を終了させるなど、あまりにも不手際が多く、マスコミの先にいる「学生やその保護者」及び「被害者」らに対して説明するという姿勢が全く見られなかったと。



近年の不祥事は、「内部告発」によって発覚することが多い。内部告発は正規の社内ルートを経ずに、マスコミなどにダイレクトにリークするもの、一方「内部通報」は、多くの会社が取り入れている正規の自浄ルートだが、内部通報制度が形骸化して、機能していない場合も多く見受けられる。

この本ではオリンパス、東芝、逆にすぐれた例として中国のファーウェイのCEO(内部通報者を誉めて昇格させた)などの例を取り上げている。

日本の公益通報者保護法は、オリンパスの内部通報裁判を見ても実際のところ、本当の意味で社員を守ってくれないと見なされている。一方、米国では、内部告発者の告発で企業が摘発された場合には、制裁金の10〜30%を内部告発者に支払うという法律(ドッド・フランク法や自動車安全公益通報者法など)まである。

蒲弁護士は、日本の場合は内部通報者に分け前や昇進を与えるよりは、名誉を与えるべきだと語り、企業トップが裸の王様にならないためにも健全に機能する内部通報制度が必要だとしている。

この本の第2章は、次のような構成で身近なテーマを取り上げている。

1.ブラック企業とコンプライアンス(パワハラ、セクハラも取り上げている)
2.コンプライアンス経営と長時間労働(ワークライフバランス)(電通事件など)
3.コンプライアンスと不当表示
4.コンプライアンスと情報漏洩
5.ベンチャー企業のコンプライアンス

最後は蒲弁護士と新さんの対談で締めくくっている。新さんの勧めは、ブックメンターも含めて、社内・社外に3人のメンターを持てというものだ。

蒲弁護士自身の経験も含め、具体例が満載で、非常に参考になり「あたまにスッと入る」。冒頭に記した通り、いずれ新書としてより多くの人に読んでもらいたい良書である。


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Posted by yaori at 10:09Comments(0) 蒲俊郎 | 新将命

2018年10月07日

近大革命 4年連続志願者数日本1 マーケティング思考だ

2018年10月7日追記

以前紹介した近畿大学の2018年正月の「謝罪広告」が新聞広告賞2018広告主部門・新聞広告賞(第38回)
第71回 広告電通賞 新聞  サービス・文化部門 優秀賞を受賞した。

たしかに、「お詫び広告」という形で、近畿大学の優れた点をアピールしたよくできた広告だと思う。追記しておく。


2018年7月13日初掲:
近大革命
世耕石弘
産経新聞出版
2017-10-27


4年連続志願者数日本1。10年で志願者数が2倍になった近畿大学の改革を、創設ファミリーの広報マン(現総務部長)が語った本

著者の世耕石弘さんの祖父の世耕弘一さんは、和歌山県の貧しい村に生まれ、15歳で和歌山県新宮市の材木所に丁稚奉公し、ビジネスで頭角を現した。東京の材木商社に引き抜かれ、旧満州で材木商売を始めるなど、いろいろな職業を転々とし、東京で人力車の車夫をしながら、神田の英語学校で学び、27歳で日大に入学、その後朝日新聞社に勤めた。

日大の勧めで第1次世界大戦での敗戦国ドイツに5年間留学、帰国後日大教授となり、1932年に衆議院議員に当選、終戦時は内務政務次官として、旧日本軍がため込んだ隠退蔵物資の摘発を主導した。

1949年に新制大学制度ができた時に、理工学部と商学部から成る近畿大学を創設して初代理事長となったが、お金には一切縁のない清貧の暮らしを貫いたという。

経済産業大臣で参議院議員、近畿大学第4代理事長だった世耕弘成(ひろしげ)さんは、著者の世耕石弘さんのお兄さんだ。

筆者の友人には近畿大学出身の人はいないので、あまり近畿大学に対して接点がない。しいて言えば、学生時代に全日本学生ボディビル選手権の試合が関西であった時に、応援のために近畿大学の講堂に行ったことぐらいだ。

その時の近畿大学のボディビル部?の学生の応援の仕方には驚いた。関東では、選手個人を応援するということはまずない。単にポージングが終わって拍手するくらいだ。

ところが、関西の応援は全然違う。近畿大学の選手がポージングすると、応援の学生が「ごっつい腕!」とか、「ごっつい脚!」とかいって声を出して、選手個人を応援するのだ。

関西風の応援が関東でも広まったということはないが、関西では今でも同じような応援をしているのだろうか。 閑話休題。

著者の世耕石弘さんは、1992年に大学(ネットで調べたら同志社大学だった)を卒業。近鉄に入り、近鉄の広報担当課長から、2007年に祖父の創設した近畿大学の入試広報課長に転職した。転職当時、理事長だったお父さんの世耕弘昭さんからは、志願者数を減らしたらクビと言われていたという。

近畿大学の志願者数は1993年のピーク時には13万人を超えていたのが、2006年度は7万人強に落ち込んでいた。

日本の18歳人口は、1992年の205万人をピークに、減り続けており、2017年は120万人に減少している。そんな影響もあって、志願者数が減り続けていたのだ。

世耕さんが予備校や高校を訪問して調べてみると、「関関同立」という予備校がつくった語呂がいいだけのフレーズが、そのまま定着して近畿大学の壁となっており、これを打ち破る戦略が必要なことがわかった。

そこで、出願方法も紙の願書をやめて、「完全ネット出願」とするなど、学生の負担減にも配慮する一方、ユニークな広告を出し、年間500本弱のニュースリリースを出しすなど広報にも力を入れた。

その結果、近大マグロのブランド化も相俟って、志願者数は2010年から増え始め、2011年には関西でトップ、2014年からは全国でトップを5年連続で続けており、2018年度でも近畿大学が志願者数を伸ばして、トップの座を不動のものにしている。

この本では、近畿大学躍進の立役者の広報・広告戦略がわかって参考になる。

近畿大学はこれまでの広告を広告アーカイブとして大学のサイトに公開している。以下の広告の出典はすべて、この広告アーカイブだ。

この中で、2018年年初の「謹んで新年のお詫びを申し上げます。」という広告が、この本のエッセンスを「お詫び文」という形で紹介していて、大変面白い。

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また、2015年の広告は、大阪で開かれた第68回新聞大会に向けて電通の5チームが、広告主は口出ししないことという条件で、違った新聞に公告を出し、いわば社内コンペした作品で、大変面白い広告ばかりだ。

日経新聞に載せた広告が面白い。「近大生 勉強中」というコピーも絶妙だ。

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凝っているのは、産経新聞に載せた広告。よく見ると女性の歯に青のりが挟まっている。だからコピーが「オレはいま、世界から試されている」となっているのだ。英語でどう注意したら、彼女に恥をかかさずにすますことができるのか?

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これらの競作とは別のタイミングで出した次の広告も面白い。今や近大マグロはブランドとなっているが、近畿大学では次はウナギ味のナマズの研究中だ。ちなみに、ナマズのかば焼きは、イオンが商品化して、土用の丑の日に売り出している。パチモンとは偽物のことだ。

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近畿大学の入学式は、近畿大学出身のつんく♂がプロデュースするド派手な入学式だ。



KINDAI GIRLSが出演する。


ガンのため声帯を失ったつんく♂の祝辞。


ド派手な入学式は、深い意味があるという。近畿大学の入学者の約3割は、志望校に落ちた不本意入学者だ。彼らの大学生活のモチベーションを上げるため、ド派手な入学式は役に立っているのだ。

最後にこの本で発見した英単語を一つ紹介しておこう。

KINKYという単語は、「変態の」という意味がある。これまで近畿大学出身者は、国際会議などで失笑を買うことがあったという。英文名が、KINKI UNIVERSITYだったからだ。

そこで、国際学部開設にあわせて英文名をKINDAI UNIVERSITYに変更したのだと。

関係者にしかわからない悩みで、なるほどと感心した。

近畿大学躍進は、近大マグロの商業的成功や、付属病院を含む医学部、薬学部、農学部など14学部、48学科を持つ総合私立大学であること、実学教育を建学の精神とし、それを実践していること、ド派手な入学式などで話題性のあることなど、複合的な要素があると思うが、広報も間違いなく成功の要因だと思う。

そんなことが実感できる本である。


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Posted by yaori at 21:55Comments(0) 趣味・生活に役立つ情報 | 企業経営

2018年09月02日

ゲゲゲの女房 「その後」のゲゲゲの女房も出る

ゲゲゲの女房 (実業之日本社文庫)
武良 布枝
実業之日本社
2011-09-09



マンガ家水木しげるの奥さんの武良布枝さんの本。

NHKの朝ドラになったので、覚えている人も多いと思う。

野際陽子ナレーション 連続テレビ小説 ゲゲゲの女房 完全版 DVD-BOX1 全4枚【NHKスクエア限定商品】
松下奈緒、向井理、有森也実、星野真里、杉浦太陽 ほか
NHKエンタープライズ
2015



映画では俳優が代わっている。


著者の武良布枝さんは、島根県安来市出身、夫の水木しげるさんは中海の反対側の鳥取県境港市出身。境港市には水木しげる記念館がある。



武良さんは、戦争で左腕を失い、ニューギニアから帰ってきた水木しげるさんと1960年見合い結婚した。

見合いから結婚式まで5日間という超スピード結婚だった。

戦後、ラバウルから帰った水木さんは、絵描きを目指して武蔵野美術学校に入学するが、2年で中退、紙芝居画家になった。紙芝居でも、ゲゲゲの鬼太郎の原点の「墓場鬼太郎」などの作品を書いていた。

しかし、テレビの一般家庭への普及で、紙芝居業界が縮小し、水木さんは赤貧の生活を強いられていた。餓死しないために、必死だったという。その後、貸本マンガ家となったが、生活は苦しく、あらゆるもの、靴まで質に入れた。

この本でもお金がなかった時代のエピソードとして、武良さんは、水木さんの原稿を貸本の出版社に持ち込んだ話を書いている。

3万円という約束だったのに、作品にケチをつけられて1万5千円しかもらえず、粘っても往復の電車賃しか上乗せしてくれなかったことを、水木さんに報告すると、水木さんは何も言わなかった。

水木さん自身も、頼まれた作品を持って行ったのに、「たのんだ覚えはない」とかとぼけられたことがあったり、出版社がつぶれてお金がもらえなかったことがあった。

苦しい生活を続けていたが、息抜きとして夫婦で連合艦隊のプラモデルつくりに熱中していたという。上記の佳子さまの水木しげる記念館訪問のビデオに、展示品の端に軍艦のプラモデルがチラッと見えている。

水木さんは傷痍軍人なので国から恩給がもらえるが、それは境港の実家が受け取っていた。

苦しい生活の中でも娘さん二人が生まれ、水木さんの作品も貸本マンガ向けから、いよいよ雑誌向けとなった。

最初は「月刊ガロ」。おにぎり頭の南伸坊さんが、一時編集担当者だったという。

次に「少年マガジン」の講談社から依頼があり、「テレビくん」、そして「墓場の鬼太郎」と作品を発表し、「テレビくん」で講談社児童漫画賞を受賞する。

それからは続々と仕事が入り、水木プロを設立し、アシスタントを雇う様になった。

つげ義春池上遼一さんなどが水木プロのアシスタントとなっていた。

その後は、テレビ向けに「悪魔くん」、改題した「ゲゲゲの鬼太郎」などがヒットした。

「悪魔くん」の悪魔を呼び出す時の「エロイムエッサイム、我は求め訴えたり」という呪文は、筆者も覚えている。

売れるまでは大変苦労した水木夫妻だが、最後は「人生は…終わりよければ、すべてよし!!」と結んでいる。




水木しげるさんは亡くなったが、「『その後』のゲゲゲの女房」も、近々出版されるようだ。ぜひ読んでみたいと思う。


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Posted by yaori at 00:27Comments(0) 自叙伝・人物伝 | マンガ

2018年07月21日

今回のワイン愛好家の会はすごかった

年に3回ほど内田朝陽君のお父さんの店で開催させてもらっているワイン愛好家の会。今回は「とっておき」というお題だったので、ものすごいセレクションだった。

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スターターはドン・ペリニヨンのロゼ。

ドン・ペリニョン ロゼ 【ヴィンテージ2003】750ml【正規品】 【箱なし】Dom Perignon Rose Vintabe2003
ドン・ペリニョン ロゼ 【ヴィンテージ2003】750ml【正規品】 【箱なし】Dom Perignon Rose Vintabe2003

フランスを代表する白ワイン ムルソー。

[2007] ムルソー 1er Cru  レ ペリエール 750ml 白 フレデリック マニャン
[2007] ムルソー 1er Cru  レ ペリエール 750ml 白 フレデリック マニャン

ドイツの甘口ワインJ.J.プリュムのスペトレーゼ。

ヴェレナー・ゾンネンウァー・リースリングSPA 白 [2012]年 J.J.プリュム
ヴェレナー・ゾンネンウァー・リースリングSPA 白 [2012]年 J.J.プリュム

赤はフランスボルドーサンテミリオン地区のシュヴァルブラン1990年。

1990シュヴァルブランCh. Cheval Blanc
1990シュヴァルブランCh. Cheval Blanc

イタリアからは「スーパートスカン」の一つソライア。

【送料無料】ソライア 2014 テヌータ ティニャネロ (アンティノリ) 750ml [赤]Solaia Tenuta Tignanello (Antinori)
【送料無料】ソライア 2014 テヌータ ティニャネロ (アンティノリ) 750ml [赤]Solaia Tenuta Tignanello (Antinori)

ニュージーランドのピノノワールのクペ。

エスカープメント クペ(クッペ) ピノノワール[2011] Escarpment KUPE PinotNoir[2011]
エスカープメント クペ(クッペ) ピノノワール[2011] Escarpment KUPE PinotNoir[2011]


そのなかでも、やはりシュヴァルブランの1990年は最高だった。毎回こんなセレクションではやれないが、たまにはいい。ワイン愛好家の命の洗濯ができた。

ちなみに、最近はアマゾンでも高級ワインを売っている。





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Posted by yaori at 23:22Comments(0) 趣味・生活に役立つ情報 | ワイン

2018年06月19日

空飛ぶタイヤ 映画公開につき再掲 あの事故を思い出す

「空飛ぶタイヤ」が長瀬智也主演で映画化された。

予告編もYouTubeで公開されているが、面白そうな映画に仕上がっている。



映画化を記念して、「空飛ぶタイヤ」のあらすじを再掲する。

空飛ぶタイヤ空飛ぶタイヤ
著者:池井戸 潤
実業之日本社(2006-09-15)
販売元:Amazon.co.jp

以前紹介した「下町ロケット」が面白かったので、池井戸さんの他の作品も読んでみた。

下町ロケット下町ロケット
著者:池井戸 潤
小学館(2010-11-24)
販売元:Amazon.co.jp

初めは「空飛ぶダイヤ」ということで、国際輸送か密輸の話かと思ったら、「タイヤ」だった。

多くの人が記憶していると思うが、2000年前後に起こった三菱自動車の一連のリコール隠しのなかでも最も重大な事故が、三菱ふそうトラックのタイヤ脱輪事故だ。

2002年1月に横浜市瀬谷区で、三菱ふそう大型トレーラーの車輪が付け根のハブごと脱輪し、140キロのタイヤが通りがかった母子を直撃し、運悪く母親(29)が死亡し、長男(4)とベビーカーに乗っていた次男(1)も手や足に怪我を負った。

それが「空飛ぶタイヤ」というタイトルのゆえんだ。

池井戸さんの作風なのだろうか。「下町ロケット」と同様に、大企業相手に戦う中小企業の社長が主人公だ。

池井戸さんは「下町ロケット」で直木賞を受賞したが、その前に「空飛ぶタイヤ」でも直木賞候補になっている。さすが直木賞候補になる作品だけに、大変楽しめる。

いつも通り小説のあらすじは詳しくは紹介しない。アマゾンの「なか見!検索」で、小説のエッセンスがすべて詰まっている出だし部分が読めるので、是非こちらをクリックして「なか見!検索」を見てほしい。

三菱ふそうトラック脱輪事件を題材にしているが、ストーリーはフィクションで、大変面白い展開のエンターテインメント作品である。単行本で500ページ弱だが、一気に読める。


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Posted by yaori at 23:31Comments(0) 小説 | 池井戸潤

2018年05月20日

さらば!初代ハリヤーハイブリッド

このブログで取得からずっと紹介してきた初代ハリヤーハイブリッドを13年目にして手放した。

13年目で、おまけに車検切れの中古車では、普通なら、ほとんど値段が付かないと思うが、それでもそこそこの価格で売れたのは、さすがに人気車種だ。

13年前に買った時は、たぶん5年くらいしたらバッテリーを交換しなければならないと思って買ったが、結局13年間バッテリーは全く問題なく性能を維持した。

ニッケル水素電池を使っているので、通常はいわゆるメモリー効果で、だんだん電池性能が落ちてしまうが、ハイブリッド車の電池の場合は、車の性能に影響を与えるほど電池性能が低下することはない。

ディーラーの担当者も、初代プリウスからハイブリッド車が電池交換したという話は聞いたことがないという。驚くべきことだ。

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13年目の車検を迎え、タイヤも4本交換する必要があるので、トータルで掛かる車検費用と中古車で売れる価格と比較して、この際買い替えたほうがベターと判断したものだ。

ハリヤーハイブリッドにプラグインハイブリッド車が出たら買い替えようと考えて、ずっと初代ハリヤーハイブリッドに乗っていたが、プラグイン車が出る予定がないことから、今回新車に乗り換えた。




新型ハリヤーハイブリッドは、ミリ波レーダーを使った障害物や車間距離センサー等の安全装置が付いており、衝突防止装置も標準装備されて、安全性は格段に高まっている。

納車は3カ月程度かかる見込みだが、新車の到着が楽しみだ。


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Posted by yaori at 22:37Comments(0) 趣味・生活に役立つ情報 | ハイブリッド車

2018年05月11日

おとなの法律事件簿 今度は家庭編 ストライクゾーンがわかる



ガンホー・オンライン・エンターテイメントやティーガイアなどのIT企業の監査役や桐蔭法科大学院長としても幅広く活躍している蒲弁護士が、5年間「ヨミウリオンライン」の「おとなの法律事件簿」というコラムで書いた事例(フィクション)から22ケースを選んで編集したもの。最後の第22ケースは120年ぶりの民法改正について紹介している。

民法改正は、元々は「ヨミウリオンライン」で2015年に紹介された話題だ。なかなか国会で成立せず、やっと2017年に民法改正が国会で成立し、2020年4月に施行されることになった。

22のケーススタディは身近な話題ばかりで、「ヨミウリオンライン」に掲載した内容に、最新の判例や法令等を加筆・反映してアップデートしている。

この本で取り上げている身近な話題は次の通りだ。

これらの話題に関して、プラスになる判例等とマイナスになる判例等の両方を紹介し、どの辺が今の裁判所のストライクゾーンなのかが大体わかる。その意味でも実務家ならではの役立つ本だ。

第1章 転職、起業に関わる諸問題

CASE1 自分の名前で検索すると悪い情報が…。ネットの検索結果は削除できる?

このケース1は、アマゾンの「なか見!検索」で立ち読みできるので、こちらをクリックして見ていただきたい。

前作と同様、個人情報に関する最新のトピック、今回はEUで始まった「忘れられる権利(現在は消去権と呼ばれている)」について紹介していて参考になる。

CASE2 会社に内緒で副業を始めたいが、何か問題になる?

筆者も会社の人事部のOKを取って、会社員と審査員の二足の草鞋(わらじ)を履いて10年間、本業(子会社管理・統制業務)に直接役に立つ副業を続けてきた。結局副業が本業となって、会社を設立したようなものだ。自分のキャリアデベロプメントプランを考えて、積極的に副業を身につけることをおすすめする。

CASE3 自宅を利用して民泊を始めたいが、何に気をつければいい?

日本には民泊を規制する法律が何種類もある。民泊を始めるには、どの法律に沿って開始するのかで、次の選択肢がある。
・「旅館業法」(許可が必要)
・国家戦略特区の「特区民泊」(市長・区長の認定でOK。特区のみが対象)
・「民泊新法」(届け出だけでOK。年間180日まで)。
自分の住居に客を泊める余裕がある人は、どれが自分のニーズに合うのか見極めてスタートすることが重要だ。

CASE4 逮捕歴や懲戒処分歴、転職時に履歴書に書かないと経歴詐称?

いろいろな判例が紹介されているが、一言でいうと会社との信頼関係を根本から崩すような経歴詐称は、会社にバレると解雇等につながる可能性がある。

第2章 老親に関わる諸問題

CASE5 高齢の母を悪徳商法から守るにはどうすればいいか?

任意後見人制度法定後見人制度の活用。

CASE6 認知症の人が起こした事故における家族の責任とは

2016年3月1日の最高裁判決を紹介している。91歳の徘徊老人が、JRにはねられ死亡し、JRが遺族(要介護1認定の85歳の妻と遠隔地に住む長男)に720万円の損害賠償を求めていた裁判で、最高裁は家族の責任を否定した。

人身事故で電車の運行を止めた場合、家族に多額の損害賠償が求められるといういわば都市伝説があり、ネットでもいくつかの説が紹介されている。

一般化はできないが、事例によっては家族の責任が問われないケースもある、程度に考えておく方が無難だと思う。

万が一の事態に備え、賠償責任保険には入っておくほうが良いと思う。

第3章 子供に関わる諸問題

CASE7 子供が起こした事故、親はどこまで責任を負うか?

ケース7で紹介されている2015年4月9日の最高裁の判決は大変興味深い。小学校の校庭でサッカーボールでフリーキックの練習をしていた小学6年生の蹴ったボールが、たまたま校庭の外に出て、バイクで通りがかった85歳の男性がボールを避けようとして転んで死亡したという事件だ。

この判決で、最高裁は1審、2審の判決を破棄して、親の責任を否定した。

一方、小学5年生の児童が坂道を猛スピードで下って、老女に衝突し、老女が意識が戻らない状態が続いているという事例で、9500万円の賠償が認められた判決もあり、一般化はできず、事例ごとの個別判断が必要だろう。

CASE8 息子が同級生からいじめで大ケガ 法的手段は?

この例では、まず同級生の親、次に学校の責任を問えるか、親の慰謝料を請求できるか等について細かく解説している。もしこんなケースが発生したら大変役に立つと思う。

キーワードは「いじめ」。これを学校側が認識しているが、放置していたかどうかだ。

CASE9 娘の裸の写真がネットに流出、どうすればいい?

リベンジポルノ法のことが詳しく紹介されている。

このケースは、「SNSで知り合った人に裸の写真を交換」という事例で、本当にこんなケースがあるのか知らなかったが、この行為は「セクストーション」と呼ばれ、東京都では2017年12月に18歳以下の男女に自分の裸の写真を送るように脅す行為を禁止する条例を成立させているので、実際に多発しているようだ。

CASE10 血は繋がってなくても子供が欲しい! 特別養子縁組とは?

実親とは親子関係がなくなる養子縁組が特別養子縁組だ。

この特別養子縁組制度が成立した遠因を作ったのが菊田医師事件だ。

岩手県在住の産婦人科医が、妊娠中絶を考えている女性に出産を勧め、生まれた子を子宝に恵まれない夫婦に無報酬であっせんしたものだ。当時は現在の特別養子縁組制度に相当する法律が日本には無かったため、その際にはやむを得ず偽の出生証明書を作成して引き取り手の実子とした。それは実親の戸籍に出生の記載が残らないよう、また養子であるとの記載が戸籍に残らないよう、そして養親が実子のように養子を養育できるように配慮したためだった。

結局菊田医師は医師法違反などで同業者から告発され、有罪となったが、法律に違反しながらも100名以上の乳児の命を守ったことへの賛同の声が巻き起こり、特別養子縁組制度が誕生したものだ。

第4章 夫婦関係に関わる諸問題

CASE11 不倫をした夫から妻に対して離婚請求、認められる?

「踏んだり蹴ったり」判決として知られている1952年2月19日の最高裁判決で、有責配偶者からの離婚請求は認められないという判例が確立していたが、1987年9月2日最高裁判決は、その判例を覆す判断を下した。ただし、それは有責配偶者ならだれでも認められるというわけではない。

CASE12 妻と離婚しても子供と会える?

2013年12月23日に離婚調停中の男性が文京区の小学校に侵入し、次男と一緒に焼身自殺するという事件が起こった。

離婚してからも子供と面会できるかどうかは重要な問題だ。2012年の民法改正で、面会交流は明文化された。離婚後も親権を持つ親が、面会交流を認めない場合には、1日当たり5万円の支払いを命じた判決を正当と判断した最高裁判決(2013年3月28日)もある。

CASE13 妻と離婚したら自分の退職金と年金はどうなる?

年金分割制度が始まったが、離婚した妻が、元夫の年金、退職金の半分をもらえるわけではない。

会社員は3階建てと言われている年金制度の仕組みとか、別居期間はカウントされるか、退職金は対象となるのか、何年後にもらえる退職金まで対象となるか、どのように払うのかなど、具体的な内容について詳しく説明している。

第5章 身近な事件・事故に関わる諸問題

CASE14 愛犬が他人に怪我をさせた…。飼い主の責任は?

民法第718条第1項は、飼い犬が他人に損害を与えた場合、飼い主が責任を負う旨を規定している。飼い主が「相当の注意」を行っていれば、免責される場合もあるが、「相当の注意」を行ったという立証は非常に困難だ。

CASE15 プロ野球観戦中に打球が直撃して失明、誰に責任追及?

札幌ドームでファールボールが野球観戦中の女性の目にあたり、失明した事件で、2016年5月20日の控訴審の札幌高等裁判所は、3,350万円の日本ハムの賠償責任を認め、球場を管理する札幌ドームと札幌市の責任は認めなかった。

女性がボールの行方を最後まで見ていなかった点も過失相殺されている。

CASE16 自転車の危険運転による事故が多発、前科がつくおそれも

2015年6月1日に施行された改正道路交通法では自転車の危険行為として14類型を挙げて、安全運転違反者には自転車運転者講習の受講を命じることができるとしている。

第6章 住宅に関わる諸問題

CASE17 賃貸マンション退去時の補修費用、誰が負担?

筆者も誤解していたが、通常の原状回復のための補修費用は家主が負担するもので、賃借人には負担させられない。

第7章 相続や自分の死に関わる諸問題

CASE18 遺言書がないと、残された妻は兄弟に財産を奪われる?

まさにタイトル通りだ。子供がいないDINKS夫婦の場合には、残された配偶者に全財産を残すことを公正証書による遺言書にしておかないと、亡くなった配偶者の兄弟が「遺留分」を請求すると対抗できない。

CASE19 「全財産を兄に」と亡父が遺言、弟は1円も相続できない?

ケース18と同じ兄弟の遺留分の問題だが、蒲弁護士は法的解決でなく、まずは兄弟間でよく相談して解決することを勧めている。その通りだと思う。

CASE20 縁の切れていた亡父の莫大な負債、支払うべき?

本来相続開始から3ケ月以内に相続放棄はしなければならないが、後から巨額の負債があることが分かった場合などは、3ケ月を過ぎていても例外的に認められる場合がある。

CASE21 終活ブームの日本、尊厳死・安楽死の現状

米国のブリタニー・メイナードさんは2014年11月1日に予告通り「尊厳死」を選び、服毒死した。

この本では、究極の「終活」ともいえる「尊厳死」と「安楽死」の違いなど、具体的な事例を挙げて説明している。

第8章 総合編

CASE22 2020年4月施行の改正民法、ポイントを教えて

120年ぶりに全面改正される改正民法の主なポイントを紹介している。

1〜3年の短期消滅時効の廃止、法定比率の引き下げ(これにより保険料に影響がでる)、保証人の責任限度、敷金は原則返還、購入した商品の欠陥(「瑕疵担保」という難しい言葉はなくなるようだ)、定型約款などについての変更点を解説している。

改正民法の施行は2020年4月1日だ。オリンピック直前には改正民法が話題になることだろう。

以上のように、しろうとにも大変分かりやすく、かつ、話題としても面白い。この本はオンデマンド出版なので、ネット販売と一部の大手書店のみで取扱っており、一般の書店には並んでいないため、まずはアマゾンの「なか見!検索」で、立ち読みしてから購入することをお勧めする。


参考になったら、投票ボタンをクリックして応援願いたい。


  

Posted by yaori at 18:18Comments(0) 趣味・生活に役立つ情報 | 蒲俊郎

2018年04月26日

ラグビーワールドカップの東京地区のチケットに当選した

東京地区の住民向け枠で、ラグビーワールドカップのチケットに当選した!

日本VSルーマニアも申し込んだが、これは外れ。筆者が昔駐在していたアルゼンチン(ロス・プーマス)の試合が2試合と、ニュージーランドVSアフリカ地区代表の試合に当選した。

たぶん倍率は相当高かったのだと思うが、アルゼンチンの試合などは「穴」かもしれない。

申し込もうと思ったら、チケット販売サイトでは次のような表示となっていた。

Rugby Worldcup
















最初は動きがにぶかったが、そのうちどんどん減っていくようになり、筆者の順番が来た。

Rugby Worldcup ticket
















チケットが購入できた。その間20分くらいだが、いったんメアドを登録して、退出したら、すぐに順番になったというメールが来たので、もしそのまま待っていれば、10分程度でログインできたのかもしれない。

チケット購入サイトは、当初登録したワールドカップラグビーのIDとPWがクッキーで残っており、たとえ覚えていなくても問題はない。

サクサクと手続きができるサイトだった。

ラグビーワールドカップのポスターのスローガンは「4年に一度じゃない。一生に一度だ」というものだ。まさに筆者もそんな思いでチケットを購入した。

アルゼンチンの友達にも連絡しよう。来年が楽しみだ。


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Posted by yaori at 23:51Comments(0) ラグビー | 趣味・生活に役立つ情報

2018年03月17日

マイナンバーカードを使ってe-Taxで確定申告した

昨年設立した会社はeーTaxをするので、個人の確定申告も今年はe-Taxを使ってやってみた。

最初、パソリを接続して、マイナンバーカード読み取らせようとすると、マイナンバーカードを認識しないというトラブルがあり、ちょっとてまどった。

これは、e-Taxを使う場合はブラウザーはIE11と指定があったのに、Chromeを使っていたからだと思われる。

毎年国税庁の確定申告専用サイトで、確定申告用の各種の申告書を作成してたので、やる作業としては同じだ。

国税庁確定申告ページ
















出展:国税庁確定申告特集サイト

ただ、最後に申請書をPDFをダウンロードして、印刷して税務署に郵送するか、あるいはe-Taxで送信して終わりとするかだけの差だ。

確定申告コーナー
















出展:税務署への提出方法の選択ページ

驚いたのは、e-Taxであれば、通常紙での確定申告には必ず添付しなければならない次のような確証が添付省略となっていることだ。

・給与取得の源泉徴収票
・公的年金等の源泉徴収票
・上場株式等の配当等に係る支払通知書
・寄附した団体等から交付を受けた寄附金等の受領証等(出身校への寄附や、ふるさと納税などが対象だ)

個人のe-Taxの場合は、別途郵送しなければならない確証は医療費控除の明細書くらいだ。

e-tax送信票




















出展:e-Taxの書類送信票の一部

上記の源泉徴収票とか、支払通知書、寄附金の受領書などは、自分に送られてくるもののほかに、税務署提出用がつくられており、税務署提出用は、すべてマイナンバー記載が必須となっている。

マイナンバーで名寄せすることによって、税務署は今やあたなたの合法な所得をほぼ完璧に捕捉できているのだ。だから、上記の源泉徴収票とか支払調書とかを個人が添付する必要がないのだ。

これを「便利」と思うのか、「お釈迦様ならぬ税務署は、すべてお見通し」として、お釈迦様の手のひらの上で動かされていた孫悟空のように感じるのかは、人によって違うだろう。

たぶん真面目に確定申告してきた人は、「便利」と感じるだろうし、これまで結構チェリーピッキングのように所得を選択して申告してきた人は「脅威」と感じるだろう。

ついでに前回紹介したマイナポータルをマイナンバーカードとパソリを使ってのぞいてみた。

2017年12月29日付で、2017年の確定申告の内容(各種の所得金額、控除、税額など、確定申告書に記載している事項)が掲載されている。町田市が使用したとある。

良きにつけ悪しきにつけマイナンバーの利用拡大は進んでいく。銀行口座へのマイナンバー登録も、2018年から本格的に始まっている。国は所得などのフローだけでなく、預金などのストックも捕捉する準備が着々と整いつつある。

国の破綻を回避するために、国民の預金の10%を強制徴収する……なんてことが将来現実になるかもしれない。

そんなことを感じた最近の出来事だった。


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Posted by yaori at 22:59Comments(0) 趣味・生活に役立つ情報 | 個人情報保護

2017年12月29日

マイナポータルを使ってみた

マイナンバーを利用して情報機関間で情報をやりとりする「情報連携」が始まったので、それに対応して本人が自分のマイナンバーがどこで使われるかがわかるマイナポータルサービスが2017年11月13日からスタートした。

筆者もマイナポータルを使ってみた。

マイナポータルを使うには、ICカードリーダとマイナンバーカードが必要だ(スマホで2次元バーコードを使ったログインもできるが、アンドロイド端末に限られる)。

マイナポータルにアクセスして、「ICカードリーダライタを使ったログイン」をクリックし、カードリーダにマイナンバーカードを差し込むと、カードがサイトと交信して、次にログインのためのパスワード(4桁の数字)が求められる(マイナンバーカードを申し込むときに登録したもの)。

ログインパスワードを入れると、次のような画面が表示される。

マイナポータル
















ここの「やりとり履歴」で関係省庁がマイナンバーを使った履歴が表示される。ただし、情報連携が始まった2017年7月18日以降なので、たとえば筆者の場合は使われた履歴がなかった。

来年の確定申告時期になれば、いろいろ利用履歴が表示されると思う。

マイナンバーカードを持っている人は、一度試してみることをお勧めする。

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Posted by yaori at 22:42Comments(0) 趣味・生活に役立つ情報 | 個人情報保護

2017年11月11日

西川りゅうじんさんにお会いした 7年後の続報

2017年11月8日追記:

西川りゅうじんさんに7年ぶりにお会いした。またもや内田さんのお店だ。

お互い予想していなかった出会いだったが、西川さんにご挨拶すると、7年前に長男と一緒に内田さんのお店でお会いしたことをすぐに思いだされて、息子さんも東大ボディビル部でしたねと言われたことには驚いた。

こちらは長男と一緒にお会いしたことを完全に忘れていたのに。なんと記憶力がいい人なんだ!

学生時代から活動していたという日本を代表するマーケティングコンサルタントだけあって、人を引き付ける能力はただ者ではない。

西川さんのすごさにあらためて気づかされた再会だった。


2010年9月12日初掲:

日本を代表するマーケティングコンサルタント 西川りゅうじんさんに、筆者の友人の内田さんの六本木のお店でお会いした。

西川りゅうじんさんHP








なんと西川さんも内田さんのお店に30年くらい通っている常連だった。

筆者も内田さんのお店にはもう30年以上通っているので、いままでお会いしなかったことがむしろ不思議なくらいだ。

りゅうじんさんも、さっそく速攻でご自身のツィッターで書かれている。

西川りゅうじんさんTwitter








日本を代表するマーケティングコンサルタントなので、超多忙だと思うが、そのフットワークの軽さは驚異的だ。

またその腰の低いこと!一緒に連れて行った大学3年生の長男にも、ご親切にいろいろアドバイスを頂いた。ちなみに西川さんは、大学生の時に起業されたそうだ。

水は低きに流れるが、仕事も人気も腰の低い人に集まる。「仕事は忙しい人に頼め」というが、その典型のような人だ。さすが成功する人は違う。

ウィキペディアによると、西川さんの役職は次の通り紹介されている。

1.平城遷都1300年記念事業協会評議員

2.経済産業省新エネルギー普及委員

3.長野県スキー再興戦略会議メンバー

4.兵庫県広報アドバイザー

5.兵庫県21世紀ナビゲーターズ委員

6.千代田区街づくり懇談会委員

7.国土庁首都機能移転検討委員会専門委員

8.鹿児島県本格焼酎マーケティング研究会座長

9.拓殖大学客員教授

10.秋田県ストアデザインコンペティション審査委員長

11.奈良県観光PR大賞審査委員長・みやげもの大賞審査委員長

12.クリスタ長堀商業開発プロデューサー

13.Japan Expo大賞審査員

14.国土交通省ユーザーの視点に立った道路工事の改善マネジメント委員

15.日本道路公団IT時代における高速道路のあり方に関する検討委員

16.東京モーターショーオフィシャルリポーター

17.財団法人日本ウエルネス協会評議員

18.社団法人コンピュータエンターテインメント協会日本ゲーム大賞アカデミー委員

19.読売広告大賞審査員

20.茨城県つくば田園都市推進会議アドバイザー

21.千代田区街づくり懇談会委員

22.武蔵野市吉祥寺グランドデザイン委員

23.愛知県武将のふるさと愛知軍師

24.大分合同新聞社豊の国かぼす特命大使

25.鹿児島県薩摩大使

26.内閣府沖縄県離島活性化美ら島ブランド委員会委員

27.岐阜県ソフトピアジャパンメディアプラザ企画検討委員

28.神奈川県KSPマルチメディアデジタルコンテストCD-ROM部門審査委員長

29.経済産業省ヒューマンメディア委員

30.日本計画行政学会政策評価研究会メンバー

31.2005年日本国際博覧会誘致委員

32.大阪青年会議所アドバイザー

33.京都商工会議所アドバイザー
等。

今回頂いた名刺には、”土佐・龍馬であい博プロデューサー 高知県観光特使”となっていた。上記の役職にさらにこれが加わり、たぶんウィキペディアに載っていない他の仕事もされているのだと思う。

筆者も政府の研究会の委員として、経産省の企業ポイント研究会のメンバーだったことがある。他に掛け持ちなどなく、それ1件だけだったが、それでも月2回くらいは会議があった。

これだけ多くの役職を兼任するとは、信じられないマルチタレントだ!

西川さんは「「0円」で億を稼ぐ! 「タダ」よりすごいビジネスはない」という本を2008年に出されている。

「0円」で億を稼ぐ! 「タダ」よりすごいビジネスはない「0円」で億を稼ぐ! 「タダ」よりすごいビジネスはない
著者:西川 りゅうじん
販売元:マガジンハウス
発売日:2008-07-24
おすすめ度:5.0
クチコミを見る


今年初め話題になった「フリー」よりも1年も前に、”「0円」で稼ぐ”というアイデアを発表されている。

フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略
著者:クリス・アンダーソン
販売元:日本放送出版協会
発売日:2009-11-21
おすすめ度:4.0
クチコミを見る


その先見性は、さすが日本を代表するカリスマ・マーケティングコンサルタントだ。

世の中にはすごい人もいるものだ。大変感銘を受けた。さっそく西川さんの本を読んで、近々内容を紹介する。


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Posted by yaori at 11:15Comments(0) 趣味・生活に役立つ情報 | 西川りゅうじん

2017年10月08日

ミサイルがよ〜くわかる本 ミサイルについて知るには最適



北朝鮮のミサイルが現実の脅威となる恐れがある昨今、ミサイルについての最新の情報を知るために読んでみた。

2017年9月に出版されたばかりの本で、図書館の新刊コーナーに並んでいた。

この本はアマゾンの「なか見!検索」に対応していないので、目次を簡単に紹介しておく。

第1章 ミサイル入門
第2章 こんな場面で、こんなミサイル
第3章 ミサイルが飛ぶ仕組み
第4章 ミサイルを発射する仕組み
第5章 ミサイルの誘導と弾頭
第6章 ミサイルによる交戦
第7章 ミサイルの開発・配備とファミリー展開
第8章 ミサイルこぼれ話

著者の井上孝司さんは自衛隊勤務の経歴はない元マイクロソフトのライターだが、当初はIT分野、最近は航空・軍事・鉄道分野で著述業を展開しているとのことで、「丸」や「航空ファン」などに寄稿しているという。

丸 2017年 11 月号 [雑誌]
潮書房光人社
2017-09-27




ミサイルに関する知識ゼロでも興味深く読める。

ミサイルに関してはWikipediaで詳しい紹介があるので、これも参考にしてほしい。

Wikipediaではミサイルの種類により、さらに項目が設けられ、個別のミサイルごとに説明がある。

たとえば:

ミサイル

大陸間弾道ミサイル

火星14(北朝鮮のICBM)

という具合だ。

火星14の写真はないが、他の主要なミサイルは写真入りで紹介されている。

たとえば、歩兵が持ち運ぶことができる地対空ミサイルのスティンガーは次のような写真が掲載されている。

JPEG



















WS267-050 (1)



















LAAD_stinger (1)



















出典:いずれもWikipedia

この本で一番参考になったのは、敵味方を識別する装置=IFF(Identification Friend or Foe)についての紹介だ。ミサイル自身には通常組み込まれていないが、ミサイルの発射器や射撃管制システムに組み込まれており、同じエリアで任務につく航空機、地上レーダー、艦艇には事前に正しいIFFトランスボンダー・コード(通常4桁の数字)を決めてセットしておく。

そうすると、レーダーに設置したIFFインテロゲーターが狙いをつける際に探知目標を誰何(すいか)し、受けた側のIFFトランスボンダーが正しい応答信号をだすと、味方ということで識別できる。

もし間違った数字をセットしていると、敵とみなされ、味方から攻撃を受けるので大変なことになる。

上記で紹介したスティンガーミサイル本体にはIFFインテロゲーターは組み込まれていないが、照準器に組み込まれている。上記の写真でも照準器に何やら配線がきているのがわかると思う。

北朝鮮情勢が予断を許さない現状でもあり、時節柄おすすめの本である。


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Posted by yaori at 02:51Comments(0) 趣味・生活に役立つ情報 | 自衛隊・安全保障

2017年09月21日

今や電話って電話線がなくてもいいんですね

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ウチに業務用電話として設置した電話機。ソフトバンクの「おうちのでんわ」を使ったので、部屋にはこの小さな箱があるだけ。

電話加入権も電話線すら必要ない。単に窓際に置いておくだけ。この箱をコンセントにつなぎ、電話機のコードを繋げば、15分程度で電話が開通。

しかもソフトバンクとは携帯電話の契約があるので、固定電話の料金は最低月500円!

昔、電話加入権が20万円とかした時代の記憶がある私には、にわかには信じられません。

便利になったものです。


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Posted by yaori at 20:27Comments(0) 趣味・生活に役立つ情報 

2017年09月11日

友人のバンドのコンサートに行ってきました

友人のバンドのコンサートに行ってきました。オリジナルなし、すべてカバーのバンドですが、我々の青春時代にはやった曲ばかりで最高に楽しめました。
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Posted by yaori at 07:02Comments(0) 趣味・生活に役立つ情報 

2017年08月20日

東大式筋トレ術 一般の人にもわかりやすいトレーニング入門

東大式筋トレ術 筋肉はなぜ東大に宿るのか? (星海社新書)
東京大学運動会ボディビル&ウェイトリフティング部
講談社
2017-04-26


筆者のクラブの後輩が出した本。

筆者のクラブ出身者では、「スロトレ」や「筋肉まるわかり大事典」の石井東大教授が「筋肉博士」として圧倒的に有名で、多くの本を出している。今回は現役の部員がトレーニング法を本にまとめている。



単に東京大学運動会ボディビル&ウェイトリフティング部という名前で、最後に部室の写真が出てくるが、部員の名前は一切出ていない。写真にも写っている4年生が中心となって書いているようだ。

筆者も数年前からウェイトトレーニングを再開しているので、興味深く読めた。

アマゾンのカスタマーレビューには「プロボディービルダーが書いた本や雑誌の記事がよほど意味があるだろう。」というような厳しいコメントもあるが、筆者はトップビルダーの本は読んでも参考にならないと思っている。

石井教授の現役時代もそうだったが、現役トップビルダーは週6日くらいは練習している。

その練習は細かい筋肉を鍛えるのが中心で、週せいぜい2回か、多くて3回しかトレーニングしない一般人には、トップビルダーのトレーニング法はほとんど参考にならない。

むしろこの本のように、一般人を対象にして、基礎的なトレーニングと食事法やメンタル面での注意について書いたほうが、参考になると思う。

写真のモデルも多分現役部員なのだろうが、まだまだマッチョという感じではないので、その意味でも普通の人でも親しみがわくのではないかと思う。

この本はアマゾンの「なか見!検索」に対応していないので、「なんちゃってなか見!検索」で、目次を紹介しておこう。目次を見れば、大体の内容が推測できると思う。

まえがき
東京大学ボディビル&ウェイトリフティング部とは
受験で負けた、ダメだったという人こそ筋トレを!

第1章 勉強力は筋力である
筋トレは受験と同じ「正しい努力が実を結ぶ世界」
筋力は学力と同様、効率的な鍛え方がある
トレーニングにおいて壁を破る手段は「頭脳」のみ
筋肉=トレーニングX栄養X急速
モチベーションのコントロールが成否を分ける
見つけよう筋トレ仲間!
宣言して勝つ!
筋トレができない人間は、人生でも落ちこぼれる!
仕事をする上で退治な”見た目”から変わろう
筋トレ力は問題解決能力
筋トレ力は創造力
最高の自己投資、筋トレ

第2章 東大式筋トレの基礎を学ぶ
筋トレのメカニズム
筋トレ時、筋肉には何が起こっているのか
筋肉をデカくするには高負荷を!
トレーニングジムのススメ
ジムの選び方
ジムに持っていくもの
プロテインを飲もう
プロテインはおいしいほうがいい
コンディショニング用品を揃えよう
モニタリングの大切さ
ノー目標、ノー筋肉
筋トレメニューの組み方
ビッグ3とは?
鍛える筋肉を知ること
ジムでのトレーニング
トレーニングプログラムに落とし込もう

第3章 実践! 東大式筋トレ
いいフォームの共通点とは?
ベンチプレス
スクワット
デッドリフト
ビッグ3の様々なバリエーション
ベンチプレスのバリエーション
スクワットのバリエーション
デッドリストのバリエーション
補助種目

第4章 東大式筋トレを支える食事と栄養
三大栄養素とカロリー
カロリーコントロールの考え方
チートデイ(減量中に週1日、あるいは2週間に1日何を食べてもいい日を設ける)
食材の選び方
自炊のススメ
アルコールは飲んでいいのか
実際の食事例
コンビニ食の注意点
どうしても外食しなければならないとき
サプリメントについて

以上が目次だ。結構手取り足取り説明していることがわかると思う。

新入部員の指導にも適切な本だと思う。今年は新入部員が10名入部したと聞いている。ぜひこの本を全員が愛読して、学生選手権で個人あるいは団体優勝を目指して欲しいものだ。


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Posted by yaori at 23:42Comments(0) スポーツ | 趣味・生活に役立つ情報

2017年07月23日

マプチェの女 フランス人作家が書いた「汚い戦争」時代



以前の「本の雑誌」に取り上げられていていたので読んでみた。

筆者は1978年8月(アルゼンチンワールドカップが終わった直後)から1980年7月まで2年間アルゼンチンのブエノスアイレスに駐在していたので、この小説は非常に身近に感じられた。

当時は軍事政権の時代で、深夜でも女性が一人で歩けるほど治安は良かった。軍事政権下の警察に捕まると、もどってこれるかどうかわからないと思われていたからだ。

筆者が駐在していた前後の数年で、行方不明者が2万人とも3万人(この小説は3万人説をとる)とも言われている。

軍事政権と警察が、反体制的な活動をした人たちのみならず、たまたま反体制的な発言をした人たちまでも連れ去って、拷問にかけ、ひそかに葬っていたのだ。

これが「汚い戦争」と呼ばれる軍事政権の反体制派抹殺だった。

筆者は当時独身で、賄いつきの下宿にアルゼンチン人の同宿人数名と一緒に住んでいた。同宿人と一緒に外食したりして、少しでも政府に批判的な発言をすると「Ojo!」(オッホ=目、気をつけろという意味)と言われたものだ。

この小説の著者のカリル・フェレはフランス人だが、当時の「汚い戦争」で実際に使われた手口(反体制派を処分するために、飛行機からラプラタ川に突き落として殺していたと言われている)などをビビッドに描いている。

この小説に出てくる場所は、行ったことがある場所が多い。フィクションではあるが、ありえる話として、当時のアルゼンチンを知る者にとっては、心が痛む小説である。

ちなみにGoogle Mapで検索した当時筆者が住んでいたビルはこれだ

1階にあったクリーニング屋は別の店になったが、40年前とほとんど変わっていないことに驚く。

今はやたら、道に沿ってオートバイが駐車しているが、昔はこんなにオートバイはなかった。

小説の中で秘密のキーワードの「イトゥサインゴ69」というのが出てくる。このキーワードとは直接の関係はないが、日本人駐在員が会員になっていたゴルフクラブがブエノスアイレス郊外のイトゥサインゴ地区にあったことを思い出させる。「135」のように聞こえるので、筆者は当初は日本人のやっているクラブだと思っていた。

筆者は研修生だったので、ゴルフはやらなかったが、イトゥサインゴゴルフクラブの練習場には行ったことがある。

当時のアルゼンチンのゴルフ練習場は、ネットもなにもない単なる広いホールで、向こう側にヘルメットをかぶった球拾いの子どもが何人もいて、こちらの打った球を拾ってバケツに入れて戻してくれるというシステムだった。

ゴルフ場をラウンドするキャディも中学生くらいの子どもが多かった。

小説のストーリーは詳しくは紹介しない。マプチェ族というアルゼンチンの先住民の血を引く娘ジャナが、ゲイの友達パウラから、ゲイの仲間のルスのことで相談を受ける。

ルスからは、重大な話があると直前に言われていたのに、結局約束の場に姿を現さなかった。何かがあったのではないかと二人で調べ始める。

ほどなく、川に惨殺されて浮かんだルスの遺体が発見される。

ルスが殺された原因を探るため、ジャナ達は「汚い戦争」で行方不明者を探しているルベンという私立探偵にコンタクトする。ルベンはマリアという最近失踪した女性を探していた。

マリアはほどなく飛行機から落とされて全身の骨が砕かれた状態で見つかる。

マリアとルスの殺人に関連性を見出したルベンとジャナは協力して、事件の背後には「汚い戦争」で反体制派を殺害していた関係者が、自分たちの犯罪が明るみにでることを阻止しようと動いていることを知る。

そして、…。

文庫で650ページもの大作だが、バイオレンスあり、サスペンスありで、息もつかさぬ展開だ。

今も昔もアルゼンチンは遠い国だが、小説に出てくるストリートの名前や、町の名前は知っているものも多い。

この小説の中で出てくる地名、たとえばパウラの本業?としてやっているクリーニング店がある「ペルー」という通りをGoogle mapで「Peru 1000(適当な番地)、Buenos Aires」という条件で、検索してみると、2016年12月に撮影されたブエノスアイレスのペルー通りが表示される

まるでアルゼンチンを再訪したような気になる。便利な時代になったものである。

この作品を書くには、相当な現地取材をしているのだと思う。軍事政権時代のアルゼンチンでは、たぶんこの小説のような話が現実に起きていたのだと思う。

フランスでは第2次世界大戦終了後、ナチスに協力していたフランス人が「エピュラシオン」(粛清)として、裁判で死刑になったものは2,000人で、そのうち700名弱が実際に処刑された。裁判なしでリンチされたものは1万人と言われている。

この小説が描いている事件は、フィクションではあるが、現実に起こりうると思う。

筆者が駐在していた時代の軍事政権のトップの多くは、終身刑などに処せられている。アルゼンチンも「汚い戦争」時代の犯罪を、これからも精算していかなければならないだろう。

そんなことを考えさせられた作品である。


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Posted by yaori at 00:54Comments(0) 小説 | 歴史

2017年06月18日

天国の本屋 心洗われる小品

天国の本屋
松久淳+田中渉
かまくら春秋社
2000-12-31


本の雑誌の文庫本特集で取り上げられていたので読んでみた。




翻案されて「天国の本屋・恋火」という映画にもなっているようだ。



小説のストーリーは詳しく紹介しない。就活中の大学生さとしは、本屋でアロハシャツの不思議な老人に声をかけられる。

「こらこら、人がせっかく呼びに来たのに挨拶もしないでどこへいくつもりだ」

なんだかわけがわからないままに、さとしは気を失い、気が付いたら天国の本屋で働いていた。

さとしは昔、子どもの頃、亡くなったおばあさんに本を朗読してあげていた。それが天国で評価されていたのだ。さとしはお客の求めに応じて本を朗読する。

たとえば「泣いた赤鬼」などの物語だ。

泣いた赤鬼 (絵本)
浜田 廣介
小学館
2011-11-30


一緒に働くアルバイトのユイは、目の間に起こった事故で弟が亡くなるというつらい過去を持っていた。自殺して天国に来たが、まだ死にきれていない。

天国の本屋で朗読が有名になったさとしは、心を閉ざすユイになんとか心を開かせ、人間界に戻そうと努力する。そして…。

というようなストーリーだ。次に生まれ変わる前の居場所という天国の設定も独創的で面白い。

短い小説だが、深く印象に残る作品だ。「本の雑誌」で取り上げられるだけのことはある。


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Posted by yaori at 23:28Comments(0)TrackBack(0) 小説 

2017年05月29日

日英同盟 日本外交の栄光と凋落 日米安保条約を考える上での歴史の教訓

2017年5月29日追記:

安倍首相がイタリアでのタオルミナ・サミットの後でマルタを公式訪問した。新聞にも安倍首相のマルタ訪問の目的が、第1次世界大戦の時に地中海に派遣された日本海軍の戦没者の慰霊であることが報じられている。

第1次世界大戦で日本は日英同盟による英国の要請に従って、地中海に艦隊を派遣して、英国などの輸送船団の護衛にあたった。その際、駆逐艦「榊」が魚雷攻撃を受け、約60名が亡くなった。

そのことを記した関榮次さんの「日英同盟」のあらすじを再掲する。

2006年10月22日追記:

『日英同盟』の著者の関榮次さんからご招待を受け、昼食をご一緒させて頂いた。

著書にサインも頂いた。


関榮次さんサイン







関さんのストーリー構成力のすばらしさは、以前ご紹介したところだが、今度は日本が第2次世界大戦に参戦する要因の一つとなったと言われている事件を取り上げた本を英語で出版されるそうだ。

第2次世界大戦初期、ドイツの潜水艦が沈めた英国商船から回収された連合国の暗号文書が日本にも提供されたが、その情報を信じた日本は開戦に踏み切り、結果的にミスリードされたという事件だ。

タイトルは英国の出版社が決めたそうだが、Mrs. Ferguson's Tea Setというもので、いかにもしゃれている。沈没船にはMrs. Fergusonのtea setが積まれており、それの回収をMrs. Fergusonが求めたというエピソードを元にしている。

非常に面白そうで楽しみな本だ。

英語版が出版されたら一部頂くことになっているので、読んであらすじをご紹介する。

このあらすじブログが縁で、ご紹介した本の著者の方とのおつきあいが出来るようになり、筆者も大変刺激を受けた。

もう一つのブログも運営しているので、最近やや更新の頻度が落ちているが、引き続きお役に立つ様な情報を発信すべく努めるので、今後も興味ある記事があれば参考にして頂きたい。

日英同盟―日本外交の栄光と凋落


筆者は年間200冊以上の本を読んでいるが、たとえプロの作家でも本当に文才がある人は案外少ないと感じている。

今まで頭をガーンとやられる様なカリスマ性があると感じたのは安部譲二と角川春樹であることは以前書いたが、この本の著者の関榮次さんの文才というか、ストーリー構成力には感心した。

日英同盟に基づき日本が第1次世界大戦中に地中海に艦隊を派遣したという、知る人ぞ知る部類の歴史的史実をセンターピースにしていながら、徳川家康に仕えた三浦按針に始まる日本と英国の歴史からはじまり、現在の日米安保体制に対する提言まで、一連の流れでスッとあたまに入る様に構成されている。

また史実についても、この本の帯に「元外交官による10年にも及ぶ資料発掘の成果!」と書いてあるが、それぞれの事件の描写が関係者の回想録や外交文書などの綿密な調査に基づいていることがはっきりわかる深みがあり、興味深く読めた。


著者の関栄次さんは元外交官

以前紹介した日米永久同盟で日英同盟のことが言及されていたので、この本を読んでみたのがきっかけだが、『日米永久同盟』と提言も異なり、出来も全く異なる。

著者の関栄次さんは駐英公使、ハンガリー大使等を歴任した元外交官でノンフィクション作家だ。

日本のシンドラー6,000人のユダヤ難民を救った杉原千畝を取り上げたNHKのその時歴史が動いたでも、ゲスト出演した。

一般的に日英同盟は『日本外交の精髄』と呼ばれて、特に日露戦争の時の英国の協力(戦費調達、ロシアバルチック艦隊補給への嫌がらせや、アルゼンチンがイタリアに注文していた戦艦の日本への転売斡旋等)が、日本の勝因の一つになったとして、高く評価されている。

しかし、それは来るべき日露対決の事を考えて1902年に締結された日英同盟が、2年後の1904年に実際に日露戦争が起こったときに機能したもので、いわば当初の目的通りである。

日英同盟のおかげで日本はロシアに勝利して列強と肩を並べる『一等国』になったとの満足感に浸ったが、それは1923年に米国の圧力で終了するまでの日英同盟の21年の歴史のほんの一部でしかない。

関さんは日英同盟を礼賛する様な動きを諫め、余り知られていない地中海遠征という史実を通して、当時の日英両国の関係を描き、末期の日英同盟を救おうとする一連の動きを取り上げる。


第1次世界大戦まで

1914年に第1次世界大戦が勃発し、日本も参戦しドイツが領有していた青島を攻略、1915年には中国に対して21箇条の要求を出すに至って、日本は日英同盟を悪用しているとの批判が英国内に高まる。

しかし国運を賭してドイツと戦っている英国は、背に腹は替えられず、手を焼いていたドイツ・オーストリア連合軍のUボートの輸送船攻撃に対抗するため、日本に地中海への艦隊派遣を要請。

この時の英国首相はロイド・ジョージ、軍縮相はウィンストン・チャーチルだ。

日本海軍ではちょうど欧州視察から帰国したばかりの秋山真之(さねゆき)少将(司馬遼太郎の『坂の上の雲』の登場人物)が、地中海派遣という機会を生かせば、戦後の我が国の地歩が有利になるとともに、実戦経験は技術向上や兵器の改良にも役立つとして、優秀な若手士官を派遣することを熱心に進言していた。


地中海への艦隊派遣

英国の要請を受け1917年に旗艦を巡洋艦『明石』とする最新鋭の樺型駆逐艦8隻の第2特務艦隊が地中海遠征に派遣され、以後1919年の凱旋帰国まで2年間地中海で連合国の輸送船防衛の任務につくことになった。

日本の特務艦隊はマルタ島に本拠を構え、連合国のなかでも抜群の稼働率で出動し、各国からの信頼を得て、地中海の連合国輸送船護衛に大きな成果を上げた。

唯一の損害らしい損害は、駆逐艦榊がオーストリア・ハンガリー帝国の小型潜水艦の雷撃で、船首に大きな損害を受け、59名が殉職した事件である。

本書はこの事件を中心に、最後はマルタ島にある榊殉職者の慰霊碑を著者が訪れた時の記録で終わっている。

この事件に関しては非常に詳しいウェブサイトを見つけたので、ご興味のある方は参照頂きたい。

オーストリアもハンガリーも現在はいずれも内陸国なので、潜水艦と言われてもピンとこないが、旧ユーゴスラビア、現在のクロアチアは当時オーストリア・ハンガリー帝国の一部だったので、アドリア海を母港として地中海に出没していた。

日本から派遣された特務艦隊には後に巡洋艦出雲と駆逐艦4隻が増派され、終戦とともに戦利品のUボート数隻を伴って、凱旋帰国した。

戦後ロンドンで大戦勝パレードがあり、各国の軍隊が参加したが、日本は艦隊は既に帰国の途についており、わずかに4名の駐在武官がパレードに参加したにとどまった。

本書の裏表紙にあるこのときの貧相なパレードの写真は、日本の外交センスのなさを示す写真として紹介されている。


近代海戦では対潜水艦対策がカギ

筆者は駆逐艦が英語でDestroyerと呼ばれるのを長らく不思議に思っていたが、今回第1次世界大戦で既にドイツのUボートが活躍していた事を知り、なぜ駆逐艦をDestroyerと呼ぶのか、はじめてわかった。

駆逐艦よりずっと大きい巡洋艦はヨットの様なCruiser、戦艦はもっと簡単にBattle Shipと、どうということがない呼び名がついているが、駆逐艦だけがデストロイヤーというおどろおどろしい名前がついている。

第1次世界大戦の時から潜水艦が海上輸送の大きな脅威で、潜水艦に対抗して商船隊を護衛するには高速でかつ小回りの利く小型艦船が必要だったのだ。

そのため排水量1,000トン前後で最高速度30ノット前後の小型の駆逐艦が大量に建造され、対潜作戦に当たったのだ。

日本から派遣された樺級の駆逐艦も排水量665トンの小型船舶だ。

地中海遠征を通して、日本は神出鬼没の潜水艦に対抗するには多数の駆逐艦など小型船舶と、航空機による護送船団方式しかないことを経験したわけだが、この教訓は生かされず、相変わらず大艦巨砲主義に固執し、それが結局第2次世界大戦の敗北につながった。

現代では駆逐艦の代わりに、航空機と哨戒艇が対潜水艦戦略の中心であることは『そのとき自衛隊は戦えるか』で紹介したが、日本は第2次世界大戦の反省もあってか、哨戒機99機、哨戒ヘリ97機と突出した対潜水艦戦闘能力を持っている。


日英同盟の末路

第1次世界大戦後のパリ講和条約交渉では、エール大学卒の俊英を代表にたてる中国に対し、日本は21箇条の要求の理不尽さを突かれ守勢にまわる。

同盟を結んでいた英国も日本を援護すべく努力はするが、日本を支援することが英国内の世論の賛成を受けられず、限界があった。

日本は地中海派兵を行い、榊の乗組員の犠牲を払ったが、自らの行動に世界から支持を得られず、もはや日英同盟を継続することは不可能であった。

英国は日英同盟を終結する時に、ロイド・ジョージ首相、バルフォア枢密院議長などが、英国の名誉のためにも第1次世界大戦で貢献した日本に対する信義を守らなければならないと呼びかけ、アメリカを説得し、さらにフランスも入れて、1923年の4カ国条約締結に至る。

1923年のワシントン条約で軍備制限が合意され、大正デモクラシーのもと、束の間の平和が訪れるが、日本は軍制度改革や軍備縮小に失敗し、5.15事件、2.26事件等を経て軍部の介入がひどくなり、太平洋戦争に向かっていく経路をたどる。


日米安保体制への教訓

著者の関栄次さんは日英同盟の教訓をもとに日米安保体制について考察している。たぶんこれが最も関さんが伝えたかった点であろう。

日英同盟が双務的な盟約であったのに対して、日米安保条約は対日講和後も米軍基地を維持しようという米国の意図から生まれた片務・従属的な条約である。

たしかに日本の復興・発展に日米安保条約が果たした役割は大きく、それがため日米関係は『最も重要な二国関係』と言われる様になってはいるが、安保条約のために日本の国民の防衛意識が希薄になってしまったと関さんは指摘する。

筆者が昔読んだ小沢一郎の『日本改造計画』(絶版となっていたが復刻される)で、小沢氏は『普通の国』という表現を使っていたが、戦後60年が過ぎ、共産圏対自由主義圏という冷戦構造もなくなり、アジアでは中国、インドのBRICS諸国の台頭が著しい現状では、日米安保条約が現在のままで良いのかどうかを日本国民の間で真剣に議論する時ではないかと筆者も思う。

日本改造計画


関さんは現在の日米安保体制が国家の自主性を損ない、国民の外交感覚を鈍らせる結果となっていることが気がかりだと指摘している。

また沖縄に集中する米軍基地の縮小についても、真剣な対策をおろそかにしてきた歴代政権の責任は重大であると指摘する。

さらに現状のままでは、80年前に日英同盟がワシントンに葬られたように、いつの日か日米安保体制が北京に、あるいはモスクワなどに葬られないという保障はないと警告する。

同盟は、盟邦以外の諸国を疎外し、外交上の選択の幅を狭めることになるので、いわば劇薬のようなものであり、国益を守るため他に十分な手段がない場合の補足的措置であるべきであり、慢性的に常用してよいものでもないと。

共産主義に代わり、国際テロが国際社会への脅威となり、世界情勢が変わり、ピンポイントで攻撃できる巡航ミサイルなど軍事技術も進歩した。

米国自身も国内外の基地展開を縮小している現状で、日米安保がそのまま継続されるべきなのかどうか。

そもそも日本国憲法を改正し、自衛権を明文化すべきではないか。様々な観点での議論が必要だ。

関さんは日本国民が必ずしも納得しない米国の世界戦略に奉仕することを求められることもある現在の安保条約を、国民的論議も十分に尽くさないまま惰性的に継続することは、日米の真の友好を増進し、世界の平和と繁栄に資する道ではないと語る。

米軍基地をグアムに移転するから移転費用の1兆円を日本国民が負担しろというアメリカ政府の提案が明らかになり、日本政府がそれを受け入れようとしている現在、国民の税金を使う前に、普通の国となる議論が再度なされるべきではないかと筆者も感じる。

その意味で筆者は、小沢一郎の民主党代表就任は一つの転機になるかもしれないと期待している。

元外交官のからを破った関さんの提言は斬新で拝聴すべき意見だと思う。読後感さわやかなノンフィクション作品である。



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Posted by yaori at 08:03Comments(1)TrackBack(0) 歴史 | 関榮次

2017年05月27日

カエルの楽園 改憲への呼び水となるか?

カエルの楽園
百田尚樹
新潮社
2016-02-26


ベストセラー作家の百田尚樹さんの風刺小説。このあらすじを書くためにネットで検索してみたら、櫻井よしこさんが、オフィシャルサイトで「現行憲法擁護派への痛烈な批判である百田氏の著書を読み現実を見る力を」という題で、紹介していた。

小説のあらすじはいつも通り詳しく紹介しない。

平和だった祖国を体の大きなダルマガエルに奪われたアマガエルのソクラテスは、友人のロベルトと安住の地を求めて旅にでた。

長い旅の末、たどりついたのが、アマガエルとはほぼ同じ大きさのツチガエルの国ナパージュだった(JAPANの逆さ読み)。

この国には「三戒」があった。「カエルを信じろ」、「カエルと争うな」、「争うための力を持つな」の3つだ。

ナパージュの崖の下には体の大きいウシガエルが大量に住んでいたが、ナパージュはこの三戒のために守られているのだという。

ナパージュの人々は集まって「謝りソング」を歌っていた。

「我々は、生まれながらに罪深きカエル
すべての罪は、我らにあり
さあ、今こそみんなで謝ろう」

昔多くのツチガエルが殺されたというナポレオン岩場には、次のような石碑があった。

カエルの楽園
















出典:インターネット検索、本書44ページに百田さん画の原画あり

ソクラテスたちは、ナパージュのカエルが昔、隣国エンエンのカエルにひどいことをしたらしいと思い込んでいることを知る。ウシガエルたちも、ナパージュのカエルにひどい目にあわされたと言っているらしい。

また、ナパージュは「三戒」によって守られているのではなく、実際には、年老いてはいるが、力の強いワシのスチームボートによって守られてきたことを知る。

やがてスチームボート排斥運動がおこり、スチームボートが去ると、……。

といったストーリーだ。

読む前から予想していた筋書き通りの本だ。

百田さんのお友達の安倍首相が2020年改憲を公式に発表した。





賛否両論があると思うが、一度は正式にこの問題を国民として討議して決を採るべきだと思う。

改憲への呼び水となるか?「カエルの楽園」


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Posted by yaori at 23:42Comments(0)TrackBack(0) 小説 | 百田尚樹

2017年05月21日

武士の家計簿 こんな地味な話題が面白いなんて



江戸時代、1842年(天保13年)から明治12年(1879年)まで37年間、加賀藩に御算用
者として仕えた猪山家の家計簿を中心として武士の生活の実態を明らかにした本。

無名の武士の家計簿なので、非常に地味な素材だが、磯田さんの軽妙な語り口から、ビビッドな武士の生活風景が浮かびあがってくる。

この本を原作として堺雅人主演の映画「武士の家計簿」が2010年に封切られている。半沢直樹で大ブレークする前の堺雅人が、堅実なそろばん侍を好演していて面白い映画に仕上がっている。





磯田さんの「歴史の愉しみ方」に「武士の家計簿」の映画化の話が紹介されている。



ある日突然、映画会社から映画化させてほしいとの電話があったのだと。

松竹の太秦(うずまさ)の時代考証技術は高く、映画の小道具には江戸時代の本物がかなり使われていたという。高津(こうづ)商会という道具会社の巨大倉庫から出してくるそうで、「高津は美術館も持っている」との説明だったと。

製作費4億円をかけてチャンバラのない時代劇を撮った。興行的には大成功で、Wikipediaによると15億円の興行収入があったようだ。

撮影所に招待されて、磯田さんは、ちょんまげ姿の堺雅人さんと話したとのこと。堺さんは、映画会社が勧めても高級ホテルに入らず、ウィークリーマンションにこもり、役作りに関係したメモや文章をこつこつ書いているとのこと。堺雅人さんの人柄がわかるエピソードだ。

この映画は2010年の作品なので、2012年に亡くなった森田芳光監督の最後の作品の一つだ。

この本の目次を紹介しておく。

第1章 加賀百万石の算盤係

第2章 猪山家の経済状態

第3章 武士の子ども時代

第4章 葬儀、結婚、そして幕末の動乱へ

第5章 文明開化のなかの「士族」

第6章 猪山家の経済的選択

猪山家は代々加賀藩の御算用者、つまり会計係で、地道な仕事が評価され、そこそこの収入を得ていた。父と夫の二人が御算用者として勤め、ダブルインカムで現在の貨幣価値で1,742万円の年収があった。

しかし、武士の身分では祝儀交際費や儀礼行事用をケチるわけにはいかず、下女、草履取りの家来もいたので、家計は火の車で、方々から年収の倍の借金をしていた。

そこで、猪山家では、一大決心をして家財道具の主なものはすべて売り払い、債権者と交渉して、分割払いかつ金利減免の条件を取り付けて、リストラが成功したのだ。家計簿が残されたのも、この大リストラのおかげだ。

リストラで衣装を売り払ったので、猪山家の夫婦はまさに着たきりスズメの生活に耐えた。衣装代は祖母と母のみで、妻のお駒には衣装代はない。夫の直之は悲惨で、こずかいは月々約6,000円しかなかった。

武士に跡継ぎの男子が生まれると、毎年のようにいろいろな行事があり、親戚を呼んで宴を催す。

映画では絵に描いた鯛の場面が出てくるが、実際には猪山家では跡取り息子の宴は本物の鯛で祝い、娘の祝い事では絵に描いた鯛で済ませていたようだ。

武士の儀礼で最も出費があるのが葬儀だ。猪山家では、年間収入のほぼ1/4を葬儀費用に費やしている。

猪山直之の跡取り息子、猪山成之は、幕末に大村益次郎に見込まれ、維新後は海軍に勤め、海軍主計大監まで出世している。

この本では、猪山家の親族の維新後の身の振りようを”文明開化のなかの「士族」”として紹介している。やはり士族の一番の出世は、新政府の役人や軍人になることで、猪山家では成之の息子二人が海軍に勤め、海軍一家となっている。

しかし、猪山家はその後の日露戦争で三男をなくしたり、甥がシーメンス事件に巻き込まれるなど、晩年は不運が続いた。

猪山家の東京の住居は、現在の東京タワーの近くの聖アンデレ教会がある場所だったという。筆者もこの教会の前を時々通るので、感慨深い。

最後に磯田さんは、猪山家の人々から、「今いる組織の外に出ても、必要とされる技術や能力をもっているか」が、人の死活をわけることを教えてもらったように思うと書いている。筆者も同感である。芸は身を助ける。

士族から海軍は、たぶんベストの「転職」ではないかと思うが、それは算盤に長けていたからだ。ナポレオンも砲兵士官だったが、軍隊では大砲の弾着を計算するのに、数学は必須だ。まさに、「算盤侍」が海軍士官には適していたのだ。

あまりに地味なタイトルなので、長らく読もうという気にならなかったが、読んでみたら大変面白い。2010年の時点で20万部を超えていたので、いまではさらに売れているだろう。

映画も大変面白い。映画もおすすめである。


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Posted by yaori at 23:18Comments(0)TrackBack(0) 歴史 | 磯田 道史