2005年04月10日

人は仕事で磨かれる 読後感さわやかな伊藤忠丹羽さんの人づくり

人は仕事で磨かれる (文春文庫)人は仕事で磨かれる (文春文庫)
著者:丹羽 宇一郎
販売元:文藝春秋
発売日:2008-02-08
おすすめ度:4.5
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バブル時代の膿を出し切り、1999年の約4、000億円の特損処理をはじめ大胆な外科手術をして伊藤忠を甦らせた丹羽宇一郎会長の自伝。

『読んだ本しか買わない』私が久しぶりに買った本。

表紙写真は地下鉄の青山一丁目の出口から上がってくる丹羽会長の写真。日本の企業トップにはほとんど他に例がない地下鉄通勤を続けている。

ビジネスマンの書く自伝はかたくて素人っぽいものが多いが、この一冊は読み物としても面白い。

前作の『まずは社長がやめなさい』は一橋大学の伊丹敬之教授との共著とはいえ、実質伊丹教授の本であり、まったく丹羽さんの色が出ていなかった。

まずは社長がやめなさい (文春文庫)まずは社長がやめなさい (文春文庫)
著者:丹羽 宇一郎
販売元:文藝春秋
発売日:2005-09-02
おすすめ度:3.5
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前作が誇大タイトル本としか思えなかったので、あまり期待していなかったのだが、新鮮な驚きを持って読んだ。

骨のあるいわゆる胆力のある、日本を代表する経営者である。

大企業の社長でありながら、そのうち普通の小父さんとなるんだという意識で郊外から地下鉄通勤を続け、週3冊は本を読み、資産管理や家計は奥さん任せ、愛車は昔からカローラ、私生活も全く気取らない。大学時代は学生運動の闘士だったというのも驚き。

伊藤忠に入社。食料畑が長く、アメリカ駐在の時に大豆相場が急落し、一時は巨額の含み損を抱えたが、結局その年は不作とわかると一転して大豆相場が急騰し、結局は相当な利益を出した。

業務部長に転身してから大型投資にふみきりファミリーマートへの1,350億円の投資も(4,717円が取得コスト)商社が今までのように口銭ベースで仕事をする時代は終わり、利益の源泉に迫るために実施したのだと。商社は従来原料と物流しか携わっていなかったが、食品なら食品製造と販売にも進出し、これを『縦の総合化』と呼んで伊藤忠では推進してきたと。

仕事の報酬は見える報酬と見えざる報酬とある。

見える報酬は金とか待遇で、見えざる報酬は自分の成長であると。人は仕事で磨かれる。これがタイトルとなっている。気取らない普段着の尊敬できる経営者である。

私も通勤時間を利用して、新聞、雑誌に目を通し、週3冊以上の本を読んでいる。

同じような考え方の人の本を読んでいると本当に頭にスッと入ってきて、読後感もさわやか。

著名経営者の本で、読後感がさわやかな本も珍しいのではないか?

Posted by yaori at 23:25│Comments(0)TrackBack(0) 自叙伝・人物伝 

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