2005年08月31日

半島を出よ 村上龍の近未来小説 北朝鮮のコマンドが福岡制圧!

半島を出よ (上)


今週は休暇を取っているので、ひさしぶりに長編小説を読んでみた。

詳しいあらすじを書くと興ざめなので、簡単に紹介するが、北朝鮮の反乱軍の『高麗遠征軍』を名乗るコマンド9名が改造漁船に乗って日本に侵入。

プロ野球開幕戦が行われる福岡ドームを占拠し、観客を人質に取って、北朝鮮の反乱軍『高麗遠征軍』として声明を出す。満員の観客は電光掲示板を一発で破壊したロケット砲の威力で完全に掌握される。

2時間後レーダーに捕捉されにくい木製のアントノフ2型複葉機30機に乗った完全武装の増援部隊が500人、旧日本軍の基地だった雁の巣飛行場跡に到着、高麗遠征軍は総司令部をホークタウンに設営する。

日本政府は大阪府警のSATチーム数十名を数台のバスで送り込むが、福岡大濠公園で高麗遠征軍の持ち込んだ30ミリ機関砲でバスを切り刻まれ全滅する。

脅された福岡が、高麗遠征軍支援を表明し、日本からの独立を宣言する。これを合図に、12万人の北朝鮮反乱軍兵士が北朝鮮から400隻以上の船にのって、大挙して日本を目指す。

日本のイージス艦は100以上の目標を同時に攻撃できるので、400隻など目ではないが、攻撃命令は出ない。

12万人が日本上陸直前に、町の公園で普段たむろしていた武器マニアなどを中心とした不良グループが決死の抵抗行動を起こす。

シュリ、タワリングインフェルノなどを思い起こさせるストーリー展開だが、詳しくは本を手にとっていただきたい。

全体で2週間程度のイベントのストーリーにしては原稿用紙1,650枚というのは、ちょっと長いのでは?という印象。


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世界一の金持ちになってみろ! ホリエモンの旧体制打倒宣言

世界一の金持ちになってみろ!―単純に考えればうまくいく


1年前の2004年10月に出版されたホリエモンと評論家竹村健一氏との対話集。タイトルは『金持ち』だが、今になって読み返すとホリエモンの政界進出宣言の様に思える。

ホリエモンはまえがきでこう語っている。

「この国にはおかしな、理不尽な仕組みが山ほどある。特に仕事の実行スピードにかかわる部分には大変な非合理が発生している。」

中略

「理不尽な仕組みを変えないのは、古い組織に属する人たちが、動かないからである。結局新興企業がむりやりこじ開けて市場に参入するまでは変わろうとしないのだ。」

「明治維新の時、江戸城を無血開城させたのは旧勢力である江戸幕府で重要な職位にあった勝海舟だった。不合理でスピードの遅い経営をしている旧世代の企業と、新興勢力が無駄な争いをして消費者に迷惑をかけるのは、時間とお金の浪費である。」

「勝海舟のような人物が現代の旧勢力にも現れてくることを祈りつつ、私は新興勢力としてできるだけのことをしていこうと思っている。」

たんに経済のことだけではない。この時点で政治のことまで視野に入れているのではないか?

それにしても勝海舟=小泉純一郎ということになるのかな?この時点でホリエモン自身も勝海舟=小泉さんとは考えていなかったはず。急転直下、亀井さんへの無所属刺客となるとはなんかおかしな展開だ。

小泉さんの側近は、たぶんこの本を読んだのだろうと思うが、ホリエモンに目を付けたり、マドンナ刺客を打ち出したりして今回の選挙戦略を立てた自民党の戦略家はスゴイ。

ホリエモンと亀井静香さんの広島6区がメインイベントとすると、他にもサブメインイベント的な小池百合子対小林興起、野田聖子対佐藤ゆかりとか、片山さつきさん等のマドンナ刺客とか、格闘技チックに郵政民営化反対候補と刺客『対決』を20余りの選挙区で演出している。

片山さつきさんは東大卒、大蔵省で女性初の主計官となった。舛添要一氏と離婚後、マルマン創業者の子息の産業再生機構執行役員と再婚している。一緒に会議などに出たことがある筆者の知人によると、15年ほど前の話だが、大蔵省時代はミニスカートでキメていたそうだ。容貌もさることながら、論理鋭く光るものがあったそうだが、大衆相手で力を出せるかどうかは未知数といったところ。

これでは否が応でも今回の選挙は注目され、若者中心に投票に行く人も増え、全国イベントして盛り上がることは間違いない。

自民党は昨年の参議院選挙で惨敗したので、あのまま行けば民主党の政権獲得、日本もアメリカ型の二大政党政治に移るかと思われていた。

ところが今回の造反議員を逆手に取り、今回の選挙を『郵政民営化選挙』という国民の大多数が興味が薄いテーマにすり替え、格闘技イベントに仕立てている。

小泉さんの人気回復の勢いに乗って、このままだと政権維持ができそうなくらいまで回復してきた。

アメリカでは二大政党制とはいえ、議員個人が法案の是非を判断する。一般的に共和党の議員はブッシュ大統領寄りではあるが、民主党の議員でも必ずしも反対ではないので、大統領が共和党、民主党の個別の議員に攻勢をかけて法案に賛成してもらったりしている。

日本は議院内閣制なので、アメリカの大統領制とは異なるが、各議員が一つの議案の党議拘束に従わなかったからといって、党から追放することで良いのかどうかどうも理解できないところである。

議員は選挙区から選ばれてはいるが、日本国民全体の代議士=代表である。その議員個人には判断力はなく、党の多数派の意見に100%賛同するしかないというのもおかしなものである。

いずれにせよ自民党は選挙巧者で、今のところ自民党ペースに進んでいるが、小泉さんのことだから、『人生いろいろ』発言の様に、一夜にして人気を失うこともありうる。だから岡田さんとの党首討論を忌避しているのだろう。

政権交代となるかどうか注目したいところである。

ところでこの本であるが、申し訳ないが『竹村さんは老いたなあ』という印象が残った。昔の竹村さんであればもっと突っ込んだだろうが、ホリエモンペースですべて進んでおり、竹村発言も刺身のツマだ。

筆者もたしかにホリエモンは優れた経営者だと思うし、新進気鋭の若手経営者を支持するのは良いが、「彼は私以上に変わった『新しい人間』ーそんな印象を受けました」ではあまりに毒がなさ過ぎるのではないのか?

もっとぶつかり合いを期待していたのだが…。


なにはともあれ、この本の参考になる部分をいくつか紹介すると:


なぜ貯金しなければいけないのか理解できなかった(ホリエモン)

「たとえば郵便局に貯金をしたとします。そのお金がどこに行くかというと財政投融資の資金として公共事業に回される。日本中、いたるところにある無駄な道路や橋は、この資金でつくられています。」

「本来なら償還がすめば返済されるはずなのですが、いつまでたっても赤字なので、お金が戻ってこない。」

「そんなところに資金を投じるより、もっと消費活動に資金を回せば、経済が循環して景気はよくなっていくはずです。お金を使えば使うほど景気は良くなっていく。この原則を知らずに、単に『貯金しろ』というのは間違っている。」

一生懸命働いて高収入を得る。それをしたいことに使う。そうすると人間は幸福感を得られるし、明日もまた頑張ろうという気になる。それがホリエモンの考え方であると竹村氏は言う。

ホリエモンの六本木ヒルズの2LDKは220M2、リビング40畳、家賃1万円/M2だそうだが、ホリエモンは自宅の居間から東京の夜景を眺めながら次の戦略を練るのだと。

モトローラのガルビン会長は敷地の中に芦ノ湖があるような広大な別荘を持っているそうだが、ガルビン氏は「私が別荘に行くのは、明日に向かうファイトを仕入れに行く」と言っていたそうだ。

ホリエモンの考え方はガルビン氏の考えと共通しており、人間の活力の源泉となるのは、こうした充実感や幸福感ではないのかと竹村氏は語っている。


シニア層は積極的に若者にお金を貸して欲しい

直接間接的に若者にお金を貸して、若者に事業を拡大させる。若者の収入が増えて、事業規模が大きくなれば、また彼らはお金を借りて事業を拡大していく。

こうして景気が回復すればシニア層が老後に不安を持たなくなる。また税金も間接税主体とすればお金が回るほど税収も増えて社会保障や福祉に回す財源も増える。


最善の経営をすれば、売上倍増は偶然でなく勝ち取れる

ホリエモンは自分で経営をやって、売上を毎年大きく増やしてきたが、徹底的なコスト見直し、業務の効率化を図り、営業力を強化し、高い事業目標の完遂をすれば、当然の結果であると。


本来の利益を上げようと思うなら、歳をとったサラリーマン社長を、時代に敏感で、気力も体力も充実した若い人材に代えなければダメだ

経験は密度の濃さX年数である。ホリエモンは人の何倍もの密度の濃い8年間を過ごしてきたので、経験はベテランサラリーマンに負けないと。

しかし大半の企業は60歳前後のサラリーマン社長が経営を行っている。一般のサラリーマンなら退職する年齢である。変化やチャンスをとらえるセンサーも働かず、スピードも柔軟性もないのではないかと。

経験は豊富かもしれないが、それは古い前の時代のビジネスで得たもので、トップの仕事をするならば、まず新しいビジネスを学習し、新しいビジネスに対応できるように訓練する必要があるが、多くの企業はそんなことはしていない。

多くの企業は本当はもっと大きな利益を得られるチャンスを、自分から放棄しているとしか思えないと。

子会社として傘下におさめた企業の社長に本社のトップ候補からはずされた部長などが行くことがよくある。それがむしろ社内遊泳が苦手な実力派であればまだいいが、引退前の腰掛けにしかならない社長が結構多いらしい。

経営者を60代のサラリーマン社長から、30〜40代の若くて優秀な人材に代えたら、もっと成果があがり、社内も活性化する。

ライブドアもどんどんM&Aをやってみたいと。


ライブドアの成果報酬制度

ホリエモンは、稼ぐ人というのは能率がすごくいいので、稼ぐ人にお金をどんどん渡していこうというのが持論であり、期待度と成果に対してはきちんと報酬を出す主義であると。

ヘッドハンティングしたような人には月収で200万円くらいの給与を出し、4半期毎に査定をし、ある一定額を超えたら自己申告制になる。

ライブドアの成果報酬は360度査定で、自己評価と10名程度の同僚の評価を中心とする他者評価でポイントを決める。

上司の評価は反映されない。個別の評価はフィードバックされないが、ランクだけはわかるようにしてある。

基本はその部門が4半期にどれだけ利益を上げたかで評価される。

年収が1000万円を超える社員の査定にはホリエモンも加わるが、他は自己評価と他者評価できまると。

マネージャーは年収2000〜3000万円で、部下が50〜100人、年間利益5〜10億円といったところ。年金も退職金もない。

経費もないので、交際費は経費では落とせない。交際費は名前を変えた遊興費にすぎないので、そういった無駄な出費は認めていない。ホリエモン自身も食事はすべて自腹であると。

なるほどと思わせる。ホリエモンは愚直なまでに基本に忠実な優れた経営者だと思う。

政界に向いているとは決して思えない。たぶん大前さんの時のように惨敗するだろう。それでも新風は吹き込めるのか?注目したい。



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2005年08月26日

顧客ともっとつながる リアル店舗中心のケータイ活用術

顧客ともっとつながる―誰も気がつかなかった店舗のケータイ活用術


たまたま図書館の新刊書コーナーにおいてあったので読んでみた。本の帯のドコモの夏野剛部長の『これがケータイ・マーケティングの現場だ!』というキャッチにも惹かれた。

基本的にはリアル店舗のケータイを使ったCRMソリューションの説明であり、最後にフェリカOSを使った自社サービスのTOWNPOCKETを紹介している。

おサイフケータイの使い道は音楽ダウンロードとか、コンサートにチケットレスで行くとか、電車に乗って駅ナカで買い物するとか、いろいろ紹介されているが、いずれも今ひとつ現実味に欠け、必要性がわからない。

ケータイマーケティングも多くの企業で進んでいない。たとえば大手家電量販店は数百万人のカード会員がいるのに、ケータイ会員は数万人に過ぎない。他の企業でもカード会員よりケータイ会員は2桁少ないということはざらだ。

その最大の理由は企業がとりあえずケータイでも情報発信しておこう程度の理由だけで始めているからで、サイトや情報の更新も滞りがちとなり、結局さびれたサイトになってしまう。

「とりあえず始める」というのではダメなのだ。

ケータイのできることを知り、明確に目標を設定していくことが、成功を収める秘訣である。

具体例としては大手焼き肉チェーンをあげている。ここは来店客にアンケート調査を実施しており、アンケートに答えるとクーポンがプレゼントされる仕組みになっている。

毎日膨大な顧客満足度を測る情報が寄せられるので、これを集計し毎日各店舗にフィードバックして従業員教育を実施し、全国どこでも同じサービスレベルを保っている。

また着実に活用が広がっているのかチラシやクーポン誌などにQRコードを印刷し、それをケータイで読み込んでクーポンを配るという使い方だろう。

おサイフケータイにはEDY、来年1月からはモバイルSUICAが載る様になるが、これを使ってのサービスとしてTOWNPOCKETがある。

これは端末をレストランとかショップの店頭に置き、ケータイを使って店をブックマークできるサービスである。

まずはブックマークで登録してもらい、次にメールコミュニケーション、クーポン、店舗での会員確認、ポイントの付与といった一連の流れがフェリカケータイで、できるのだ。

またケータイショッピングではガールズウォーカーのなかにあるガールズショッピングというケータイサイトが10代から20代の女性に受け、月間訪問者2,000万人、9億PVというお化けサイトになっている。

ケータイで物を買う時代にいずれなるのかもしれない。


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2005年08月21日

ハリアーハイブリッド 補助金が交付されます

ハリアーハイブリッド

ハリアーハイブリッドはじめハイブリッド車には、財団法人日本自動車研究所からガソリン車との値差の半額が補助金として支給される。

年間何万台と枠が決まっているのだと思うが、いまのところ枠に余裕あり、申請すれば問題なく承認される。

筆者の場合ハリアーが納車されたのは5月で、納車されてすぐに補助金の申請を行ない、6月には承認がとれた。

実際の補助金の入金は8月末となり、筆者の場合には21万円が交付された。

補助金交付の条件はハリアーの場合、6年間は乗り続けることで、6年内に日本自動車研究所の承認を得ないで転売すると補助金の返還を求められることがあるとのこと。

たぶん理由があれば転売は承認されるのだろうが、とりあえず筆者は6年間は乗り続けるつもりなので問題はない。

ハイブリッド車が増えてくればこの補助金も財源がなくなると思うので、ここ数年がチャンスなのかもしれない。

ハリアーの場合、市街地走行では燃費向上分は3割程度なので、平均月1,000KM走ったとしても、せいぜい年間3〜4万円程度。

6年間でこれが約20万円、補助金が21万円で、市街地走行だけでも6年でガソリン車との値差がなくなるという計算になるわけだ。

ハイブリッド車購入をご検討の方は参考にして欲しい。


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2005年08月17日

ウケる技術 うーんノリ切れない やっぱりトシかな?

ウケる技術


今回はビジネス書ではありません。

ホリエモンのブログに紹介されていたのでタイトルに惹かれて読んでみた。

ウケる人の無数の会話を整理すると、誰でもマネできる有限のパターンの組み合わせに分解できることがわかったと。

それが相手をとりこにしてしまう6つの戦略ということだが、どうもノリ切れない。次の説明を聞いておわかりになるだろうか?

1.ガイジン化すること
  ガイジンとはウケるための前提として、ノーマルの状態からテンションが上がってモードが変わっている状態。

ガイジン化の例:
パーティ会場でソニーの出井さんと会ったことを想定:

「出井さんですね?」
「そうですけど」
「読みました!XXX誌で書かれた○○○に影響を受けまして、一度お会いしたいと思っていたのですけど、あのご提言はすばらしかった」
「…。」
「すみません、ぼく一方的に話してますけど、興奮するとこうなってしまうんです。」
「アハハハ。いいよ、気にしなくて。私はね、若い人と話すの結構好きなんだ。」
「そうなんですか!?じゃあイデたん、今度合コンでもする?」
「…。(なんだこいつなれなれしいな)」
「す、すみません。出井さんと仲良くなりたくて思い切ってフランクに呼んでみましたけど、完全に裏目に出ました。」
「アハハハ。」ということで、出井氏と昼食の予定を入れることに成功。

2.逆境でねばり強い
自分に逆風が吹いている状況で、ねばり(しつこさ)がきくかどうか。

「今からウチこない?」
「でも終電なくなっちゃうし。」
「大丈夫だよ、オレ終電止めるし。」
中略
「だって、君のウチ行ったらあぶないもん。」
「じゃあ、こうしよう。君、オレの家きて、オレ、君の家にいくから!」
「アハハハ。意味ないじゃん。」
「つーかさ。とにかく来なよ。今、周りのひとにどう思われているか知ってる?家に誘う必死な男とそれを拒む女の争いの行く末を好奇心一杯で見守るギャラリーだらけだよ。さあどうする。このまま行くと家に誘うのに必死な男は土下座しかねない勢いだ。そんなのはずかしくない?」
「メッチャはずかしい。」
「だったらウチ来なよ。ウチに来てから対策を考えれば、少なくともこのはずかしさからは逃れられるわけで。」
「アハハハ。でもなぁ…。」
「君はこのはずかしさから逃れ、自由の翼を手に入れることができるんだ。Do you understand? Yes!というわけでタクシー!」
「ちょっと!」

ここまで書いて疲れてしまったので、後の例は割愛するが、筆者はトシなので、どうも付いていけないが、業界人やタレントを目指す人には参考になるかもしれない。

3.神の視点で見ること
  コミュニケーションはプロレスである。切り返して会話をころがすことが先決で、そのためには自意識を捨て去り、自分のルックスでさえも神(俯瞰者=ふかんしゃ)の立場で、おもしろおかしくころがす。

4.逆をねらうこと
  普通の展開でない逆を意識すること。意表をつくこと。

5.チューニング力があること
  相手の波長にあわせてくりだす言葉を変化させていく。

6.番組化すること
  間がもたないときこそ、サービス精神が問われる。

著者も大手広告代理店クリエイティブ局勤務、外貨取引トレーダー、慶応卒の六本木くらぶ2001年の男性ストリッパーと変わったとりあわせ。

コミュニケーションはプロレスである」とか「コミュニケーションはサービスである」とか、たしかにコミュニケーションにサービス精神は不可欠。

ところで筆者はホステスのいるバーとかクラブは嫌いだ。

超一流のクラブなら全然違うのだろうが、筆者ごときがいけるレベルの店となると、場を盛り上げるためホステスを自前のネタでエインターテインしなければならない。

金を払って、なぜ店の従業員をエンターテインしなければならないんだ?

どうもそれが不条理に思えて、だからクラブとかは嫌いなのだ。

しかしそんな頭でいるから、いけないのかもしれない。

この本を見習って、誰と話すときもコミュニケーションはサービスとわきまえ、それに徹する。

それがこの本の最大の教えだ。

ホリエモンもこの本を読んだのだとしたら、頭ではわかってはいるが、やりとげられないのかもしれない。

筆者もノリ切れないが、見習わなければならないところが多い本である。

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2005年08月15日

壊れる日本人 柳田邦男のコラム集 題ほどのインパクトはない 

壊れる日本人 ケータイ・ネット依存症への告別


このブログでも取り上げた前作の『キャッシュカードがあぶない』が日本全体を動かすパワーがあったので、タイトルに惹かれ、図書館で予約して読んでみた。

残念ながら前作の様なパワーはない。

月刊誌『新潮45』のコラムをまとめた本なので、いくつものテーマが一つの本となっている。

あまりにもシリアスな佐世保の小学6年生の同級生殺人事件、西鉄バス乗っ取り事件、神戸市の少年A事件、長崎市の五歳児を駐車場より投げ殺した事件等、子を持つ親として、つい涙が浮かぶ被害者家族の手記と、ケセン語(気仙沼地域の方言)の聖書の話が一緒の本になっていると、アンバランスは否めない。

柳田氏自身がワープロもパソコンも使っておらず、手書き派であると本の中で言っており、その人が『ケータイ・ネット依存症』の事をレポートするというのは、なんとなく場違いな印象だ。

カーナビ付きのレンタカーを借りて、「うるさい。だまれカーナビ」とつぶやいたと言っている。

筆者もカーナビを使ったことがなかったが、つい先日義父の葬儀の関係で、山梨県の山奥のキャンプ場に行っていた長男を車でピックアップして、そのまま伊勢の葬儀場に直行した。

片道約600KMのドライブだったが、どちらも初めて行く場所で、片方は山の中で電話もない場所、片方は名古屋市内を初めて通って夜になって到着することになった。

地図をいちいち見ていては、到底一日で両方行くことは不可能で、カーナビなくしては不可能な旅だった。

バカとはさみならぬ、道具は結局使いよう。食わず嫌いではないのか?

それはさておき印象に残るストーリーも多い。

『医師としてできること できなかったことー川の見える病院から』

四国遍路の話。

徳島鳴門市にある大塚製薬の創業者がつくった大塚国際美術館(世界中の美術品・史跡等を一箇所に集め再現している)

インドボパールのUCCの有毒ガス漏れ事故は、従業員がガス漏れを目撃して所長に通報したが、計器パネルがOFFで警報も鳴っていなかったため、所長が計器を信用して、「ティータイムが済んだら行く」と人間の通報にすぐに取り合わなかったので大事故となった話。

井上ひさし氏の自宅がぼやになったとき、かけつけた消防士は「もうすこし日が大きくならないと、放水するわけにいかない」として傍観していた話。

栃木県鹿沼市図書館の、本の寄贈、特に文庫の寄贈はたとえ郷里出身の柳田邦男氏のサイン入り全集であったとしても受け取れないとの回答。

神戸の少年A事件の少年審判担当判事だった井垣氏が、当初の遺族の傍聴を拒否した対応を反省し、むしろ少年審判手続きのなかでも遺族が語れる時間と場所をもうけるべきと考えを変えた話。

ぐっと惹きつける話もあり、シリアス編は印象に残った。

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2005年08月14日

一勝九敗 社長に復帰したユニクロ柳井正さんの自伝的ビジネス論


一勝九敗

ユニクロの柳井さんが慶応ラガーマン玉塚氏を排して、二年半ぶりに社長に復帰すると発表したので、ひさしぶりに柳井正さんの著書を読み直してみた。

今回のあらすじは長いので、まずポイントだけまとめます。

1.タイトルの一勝九敗が示すとおり、柳井さんでも失敗の方が多かったが、失敗を糧にさらに成長した。

2.ユニクロの成功の要因は、カジュアルウェアのセルフサービスストア、SPA(製造小売業)というビジネスコンセプトと会社としての実行力。

3.ユニクロがこれだけ大きくなったのは上場して得た資金をてこにうまく使ったから。上場して飛躍的に拡大したという点はウォルマートも全く同じ。

4.ユニクロの成功にはすぐれた広告の貢献も大きい。


この本は2003年11月に出版された。柳井さんが玉塚さんに社長職をゆずったのが2002年11月なので、ちょうど社長交代してから1年後にこの本を出したことになる。

柳井正さんは山口県出身で早稲田大学卒業後、イオンに就職するが10ヶ月で退職、父親の経営する衣料品店や建設業の小郡商事で働いた。

父親が脳溢血で倒れ、35歳で社長となる。父親は柳井さんが50歳の時に亡くなるが、葬儀で「ぼくの人生最大のライバルでした」と語り、人前であれだけ涙を流したのは初めてだったと。

上下が女兄弟の唯一の男子で、子供の頃は『山川』というあだ名がついたほどで、他人が『山』といえば『川』というあまのじゃくだったそうだ。

小郡商事は紳士服店とVANショップのカジュアル店を持っていたが、柳井さんが入ってジャスコの経験を元にいろいろ口を出し始めると従業員がどんどんやめてしまった。

最後は柳井さんと番頭の浦さんの2人となり、2人でなにからなにまでやった。このときに小売りのすべての仕事を経験する。

自分でなんでもできるというのが、柳井さんのいい点でもあり悪い点でもあるのだろう。今回の社長交代も玉塚氏に任せておけないということになったのではないかと推測する。

紳士服は20歳以上の男性しか買わないが、カジュアルウェアは世代、性別を選ばないので将来性のあるカジュアルウェア中心のビジネスとしていく。

海外からも仕入れ、ギャップ、ベネトンなどに刺激を受ける。

アメリカの大学生協を訪問したときに、セルフサービスのカジュアルウェア店というユニクロのコンセプトを思い立ち、1984年に広島でユニーク・クロージング・ストア、後のユニクロとなる第1号店を出店し、大成功を収める。

当初は"UNICLO"だったが、香港のバイイング子会社登記の時に間違って"UNIQLO"としたため、こちらの方が格好が良いとしてUNIQLOになった。

直営店とフランチャイズで店舗展開を拡大していたが、規模の利益があまり上がらないので、株式公開を目指す。

熱闘「株式公開」―いまだから店頭登録入門


このとき「熱闘『株式公開』」という本の著者の公認会計士の安本さんに会って、コンサルをお願いするとともに、後にユニクロの監査役になって貰う。

安本さんに言われたことで次の2つが印象に残っていると。
1.株式公開がすべてではなく、社会的に認められる様な会社にしないと、競争社会で生き残っていけない。
2.社長がいなくとも、組織で動く会社にしなければいけない。

経営ってそういうことだったのかと新鮮な気持ちで聞き、改革を始めた。

会社の成長のためには資金調達、出店地域確保、人材獲得が必要で、そのために株式公開を目指す。

1991年に社名を小郡商事からファーストリテーリングFAST RETAILING(早い小売り)に変更。顧客の要望を素早くキャッチして、製造委託して商品化し販売することを目標とする。

自ら「商売人から経営者へ」と語っているプロセスだった。

1991年当時の総店舗数は29店だったが、三年間の中期計画を発表し、年に30店舗ずつ出店し、3年後には100店を越えるので、その時点で株式公開を目指すと宣言。

さらに10年後には売上3,000億円という計画をつくる。これはリミテッド、ホームデポ、ウォルマートの成長の軌跡と一致している。

ロープライスエブリデイ


サム・ウォルトンの自伝を読んだことがあるが、株式公開をてこに、親族経営から大会社へ変身したウォルマートの急激な成長と同じプロセス、同じ様な軌道を描いていると感じた。

やはり株式公開は会社の成長の最高のブースターロケットである。

直営店100を越え、売上も300億円となり1994年7月に広島証券取引所に上場、初日は買い気配、翌日公募株価の7,400円を大きく上回る14,900円で初値がついた。

ユニクロは次の3つの約束をしているが、1995年には「ユニクロの悪口を言って100万円」という広告も出した。

1.購入後3ヶ月以内であれば理由を問わずに返品・交換します。
2.広告商品の品切れの場合は、即取り寄せるか、代替商品を手配します。
3.クリンリネスの徹底した売場をつくります。

当初は岐阜県などの衣料品メーカーから購入していたが、生産の中心は中国に移った。中国各地に品質管理事務所をつくり、『匠(たくみ)プロジェクト』として、日本の繊維産業を退職した熟練技術者を採用して技術指導にあたらせ、品質を高める努力をしている。

なかなか関東圏で成功できなかったが、1998年11月の原宿店で大ブレークした。このとき1900円のフリースを売り出し、そのヒットが原宿店の開店と重なり、ユニクロのイメージが『安いけど、結構いいじゃん』に変わった。

ユニクロの広告宣伝は定評がある。

「ユニクロのフリース 51色」の回転機のCMなど、いろいろな広告作品が記憶に残っているが、これらはアメリカのワイデン&ケネディのクリエイターで日本支社長ジョン・ジェイ氏の力が大きい。

山崎まさよし他の出演する「ミュージシャン、27才」のテレビCMシリーズ。山崎まさよしが自分で語り、最後に「ユニクロのフリース 15色 1900円」というコピーが流れる。

実はカメラに写らないところで、テリー伊藤が質問してそれに山崎まさよしが答えているのだと。CF制作現場で本音を引き出せるのはテリー伊藤しかいなという結論になったそうだ。

すごい発想である。

ユニクロはチェーン店展開しているが、マニュアル人間ではダメである。たとえばこんなことがあった:

雨の降った日に子連れのお母さんが来て、子供が病気なので電話を貸してくれと言って来た。店長はマニュアル通り、私用電話には貸せないと断ったが、後でご主人から猛烈なおしかりがあったと。

マニュアル人間を排し、『独立自尊の商売人』を目指せということでSS(スーパースター)店長制度を導入。なかには年収3,000万円という店長もいる。店長は会社の主役であり、本部はあくまでサポート役で、店長が店舗の経営者なのだ。

ユニクロは実力主義を徹底しており、3ヶ月毎に人事考課をしている。人事考課のためだけの役員会を開いている。賞与は年3回あり、3回目が会社業績による決算賞与である。

出店失敗、ファミクロ、スポクロ、ロンドン進出、上海進出、永田(ながた)農法でつくった野菜を売るFRフーズなど失敗も相次いだ。しかし失敗から学び成功したのだと。

社長を退任した理由は、自分の言っていることが実行されずに、かけ声だけに終わってしまうおそれがあると感じたからだと。

じつはこの部分が最初に読んだとき一番印象に残ったところだ。20〜40代の社員と一体となった経営。会社全体の中で、自分自身が浮いてはいけない。

筆者も常に自分の身を見直さなければならない。

続きを読むには、柳井さんの起業家十戒、経営者十戒を記載したので、ご興味のある方は見てください。そのほかに経営理念23条というものを柳井さんはつくっているが、こちらは割愛した。

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2005年08月09日

やっぱり変だよ 日本の営業 トップセールスになりたい人は読んではいけない組織的営業力強化の本


やっぱり変だよ日本の営業―競争力回復への提案

ソフトブレーン社長の宋文州さんのベストセラー。

はじめにガツーンとやられる:

「営業とはセールスではありません。企業の営業とは、営業マンの営業とは全く異なります。企業の営業とは売ることではなく、事業を営むことです。」

「我々はもっと売らないことの重要性を認識すべきです。
我々はもっと撤退することの重要性を認識すべきです。
我々はもっと売上から利益にシフトすべきです。」

「我々が常識と思ってきた営業の非常識を解剖してみせます。」

この考えはABC分析(Activity Based Costing)などにも共通する考えであるが、マンネリ化した営業のやりかたを見直す気づきを与えてくれる好著である。


宋さんは、中国から北海道大学大学院への国費留学生だったが、天安門事件が発生して、中国に戻るのをやめ日本で就職した。


大地の子
宋さんの家族は文化大革命で追放され、辺境の地を転々とし、兄・姉は物乞いまでしたという過去を持つ。『大地の子』を思い出させるストーリーの現実版である。

辺境では漢民族からは迫害されても、異民族からはいじめられなかったという経験から、日本でも全く不安や不満を感じなかったのだと。

最初に就職した会社は入社2ヶ月後に倒産したので、大学院で研究用に開発した災害被害シミュレーション・ソフトをパッケージにして13億円も売った。

この資金を元にソフトブレーン社を設立してSFA(セールス・フォース・オートメーション)、CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネージメント)のソフトウェア販売を始めた。

日本の製品は安くて高品質だから売れたのであって、営業力があったから売れたのではないと。

日本の営業の変な点として指摘されているタイトルをまとめると:

*同じ会社の営業マンが入れ替わり立ち替わり脈絡なく来る
*失礼な『無料』営業マン
*「パパ今日は早く帰ってきてね」
*営業が営業していない
*『人参教』信者の思いこみ(インセンティブが効かない)
*トップセールスマンの美談(トップセールスマンのハウツー本を読んで成功する人は少ない
*ウチはとっくに営業情報を共有しているよ
*なぜ撤退しないのか(チーズはどこへ行った?)
*なぜ携帯電話に気づかないのか(世界一の情報端末普及度)
*営業拠点はなぜあるのか
*営業会議はなぜあるのか
*担当者がなぜいるのか
*なぜ8人で訪問するのか
*日報はなぜ必要なのか
*営業課長はなぜ必要なのか
*営業マンはなぜ必要なのか
*顧客は神様ではない
*営業は足で稼げない(データが勝負だ)
*鳥瞰図のない経営
*営業マンは25歳までに転職する人材
*派遣社員のほうが売れる
*営業常識は非常識
*インセンティブ論の誤解
*人間力論は正論だが、常識にしてはいけない
*センス論 (どうやってセンスの有無を見抜くのだ?)

これの様な日本の営業の実態に対して宋さんは、自社のeセールスマネージャーというSFAのシステムをすすめる。これにより:

*日報をなくし、文字入力をなくしたアンケート方式で入力させる
*営業の最適化 マーケティングの考え方と分業を導入
*見える営業 勝ちパターン、負けパターンによるナレッジマネージメント
*神様に近づく方法(リアルタイムで仮説を修正することを繰り返す)

プロのアメフット選手の話は参考になった。プロもアマも一日の練習時間は変わらない。違うのはプロは常にアメフットについて考えていることにある。

プロはアメフットのグラウンドを1ヤード四方の升目に切って考えている。だからクオーターバックはレシーバーに、たとえば「縦41ヤード、横12ヤードの地点に七秒後に行け」と指示を出す。早くても遅くてもダメなのだ。

たしかにITとデータ分析の考えを取り入れることによって、日本の営業効率は飛躍的に向上する可能性があると思う。

日本で最も普及しているサイボウズでも一部SFAの機能はあるが、あまり使い込まれていない。

取引先社員の個人情報保護という点でも一考を要するので、このツールを導入するかどうかは別として、組織的な営業力を強化するうえで参考になる考え方である。

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2005年08月01日

ヒルズな人たち ストーリーの出来はばらつきがあるが参考になる


ヒルズな人たち―IT業界ビックリ紳士録

日本のIT業界を代表する著名人の生い立ちやエピソードの紹介。

今や六本木ヒルズが日本のIT業界のメッカとなっているので、人目を引くタイトルをつけている。

こういった目立つタイトルを付けた本は、いかにも売らんかなというコマーシャリズム丸出しで、玉石混淆というよりなことが多い。この本はストーリーの出来はかなりばらつきがあるが、のストーリーもあり参考になる。

この本は次の面々を取り上げている。

ライブドア       堀江貴文

楽天          三木谷浩史

ソフトバンク      孫正義

サイバーエージェント  藤田晋(すすむ)

元プロジー社長     榎本大輔

オーケイウェブ社長   兼元謙任(かねもとかねとう)

USEN          宇野康秀

センティビジョン    明瀬洋一

M2X           松島庸(いさお)

光通信         重田康光

著者のフリージャーナリスト佐々木俊尚氏のつきあいの深さが違うのか、あるいはフリージャーナリストというポジションでは、なかなか直接インタビューは難しいのか、それぞれのストーリーの出来がかなりばらついている。

ホリエモンはとっつきがたいようで、三木谷氏に『堀江?そんなのもいましたかね』と言わせて溜飲を下げたり、『ミもフタもない人間嫌いの男』と決めつけており、内容も薄い。

イーバンク電話脅迫事件(ライブドアとイーバンクの泥仕合で、イーバンクの松尾社長が、ライブドア宮内氏のケータイに『あんまり遊んでると、おまえの会社ぶっつぶしちゃうよ。俺は本気になるぞ。お前。それじゃな』という留守録を残したとライブドアが公開したもの)が契機で、ホリエモンが老人支配社会への怒りを覚える様になったと言っている。

これはホリエモン本人が言っているわけでもなく、単に推測にすぎないのでは?

三木谷さんのところで参考になったエピソードは、楽天出店料は5万円/月と価格破壊だが、支払いは6ヶ月分前払いとして、低価格で大手モールに対抗し、なおかつ資金ショートを防ぐという手法を取ったという点。

孫さんの経歴・ビジネス歴の部分は読みやすく、孫さんの政治力についてもふれており、よくまとまっている。ただ、様々な本に既に書かれており、特に新しい発見はない。

強いて言えばソフトバンクIDC社長の真藤豊さんはスピードネット社長として孫さんに三井物産からヘッドハントされてきたが、ソフトバンクが引いたので社長をわずか8ヶ月で退任したこと。

サイバーエージェントの藤田さんのところには参考になる指摘がある。

藤田さんの様な『団塊ジュニア世代』の起業家は、考え方は良識的で、態度は紳士的。強烈に自己を主張することもない。

カリスマ的な強烈な個性は乏しいが、すぐれたビジネスプランを考え出し、そのプランをもとにして会社がうまく売上を上げていく社内システムをつくりだしているのだ。

優れたシステムをつくり、あとは優秀な人材を配置すれば会社は自動的に拡大する。システムをつくりだす能力さえあれば、経営者はカリスマである必要はないのであると。

サイバーはJリーグの様にJ1〜J3という新規ビジネスの社内格付け制度=CAJJがあり、毎月昇格あるいは降格(撤退)したプロジェクトを月次決算の時に公表している。社員のモチベーションも自然と上がり優れた社内システムである。

OK Web(オーケーウェブ)の兼元(かねもと)さんの話は一番面白い。

孫さんの様に子供の時に在日韓国人として受けた差別。食うや食わずでドラム缶で寝泊まりしたこともある。

2ちゃんねるの様ないわば『共食い鮫』が集まっている様な掲示板に対し、『助け合いのネット』をつくれないかという発想。

これがナレッジマネージメントにもつながり、gooへのOEM提供『教えてgoo』の他、NECやトレンドマイクロなどのカスタマーサポート部分のアウトソーシングビジネスに広がっている。

ネットの匿名性が2ちゃんねるの書き込みの攻撃性を助長していると思うが、これはYahoo!知恵袋とOK Webの違いを見ればよくわかる。Yahoo!知恵袋はほとんどがID非公開なので不用意に質問するとひどい目にあう。

筆者もOK Webを利用しているが、質問すると早ければ30分から1時間くらいで回答が寄せられるあたたかみのあるコミュニティは感激もの。

また自分で答えられる質問があるとつい答えてあげたくなる。是非広がって欲しいサイトである。

USENの宇野さんの部分も参考になる。

宇野さんは溜池山王で働く社長のblogというのをやっているが、ホリエモンとか藤田さんに比べてマスコミカバレージやブログの情報発信量が少ないので、宇野さんのことは今まであまり知らなかった。

宇野さんは華僑の息子で日本に帰化した。

宇野さんの父親が始めた大阪有線は無断配線という黒いイメージがあったが、宇野さんが亡父の後を継ぎ、USENに社名を変更し、数百億円の利用料を支払いすべて正常化した。

USENブロードバンドは光接続の利用者拡大に苦労しているが、発想を切り換え、他社からラストワンマイル工事を請け負うビジネスをメインとした。

エイベックスや映画配給大手ギャガを傘下に持ち、満を持して無料ブロードバンド放送GyaOを立ち上げている。

学生時代から人を集めて組織するのが天才的にうまかったとのこと。納得である。

宇野さんはリクルートコスモスに入社し営業のノウハウを徹底的に仕込まれたあと、25歳でインテリジェンスを創業する。藤田さんのメンター、三木谷さんの良き相談相手となっている。

最後に著者が次のようにまとめている。

ネット起業家には2つの世代的特徴がある。

一つは1960年代半ば生まれの『新人類世代』。もう一つは1970年代前半生まれの『団塊ジュニア世代』である。

『新人類世代』は新しい価値観を持ち、コンピューターに対する親和性は従来の世代と比較にならないほど高く、この人達が経済界に新たなパラダイムシフトを起こしていく。

『団塊ジュニア世代』は戦後初の『失われた世代』、つまり親よりも生活レベルが下がる世代である。

価値観消滅の世代なので、必死に頑張って豊かになりたいとかいったモチベーションは希薄となり、生活や遊びをまったり楽しむという『コンサマトリー(consummatory)』と呼ばれる『そのこと自体を楽しむ』というメンタリティが特徴である。

つまり「面白ければそれでいいじゃん」というノリで、旧来の価値観に支配されない世代であり、旧世代からは「何を考えているのかわからない」といったことになる。

そういえばとなるほどと思い当たることもある。参考になる指摘である。

いずれにせよ彼らネット起業家は優秀な人を自分のまわりに集め、その人たちをうまくとりまとめて仕事を進めていく運営能力が優れている。

これが21世紀の経営者像なのだろう。

ネット業界はバブっているなどと斜に構えず、冷静な分析が必要である。
その意味でこの本は参考になる。

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