2005年12月30日

インターネットを使って自宅で1億円稼いだ!超・マーケティング 札束を燃やす覚悟がありますか?

インターネットを使って自宅で1億円稼いだ! 超・マーケティング


マーケティング部門メルマガNo. 1の金森重樹さんが書いたインターネットビジネス成功のためのノウハウ集。

SEO(サーチエンジンオプティマイゼーション)やキーワード広告など技術的な説明をしている本は他にわんさとあるが、この本のようにマーケティング(見込み客集め)の考え方と覚悟、広告の活用法、メルマガ利用法等、実戦的なノウハウをわかりやすく説明した本は少ない。

金森さんの主張は「札束に火をつけて燃やす覚悟がない人間は、商売の世界では勝てません」という言葉に集約されている。

どんな商売をするかの着眼も重要だが、一旦ビジネスを始めたら、借金してでも広告費を投入して、札束を燃やす緊張感の中に置かれてこそ、商売の感覚は研ぎ澄まされて成功への道が開けると。

余裕ができたら広告を打つという発想では爆発的な成功はありえない。

念力でどんなに頑張っても、池の水を動かすことはできない。池の水を動かすには、小石を投げ込むしかないのだと。


金森さんのケース ー インフォミディアリー(情報仲介業)

金森さんはサラリーマンをやめて、国民生活金融公庫から300万円の融資を受け、自宅で行政書士事務所を開設した。

筆者は国民生活金融公庫というのは初めて知ったが、起業する人に1%台の金利で開業資金を貸し出すという有利な制度金融の様だ。

開業当初からファックスを使って大量集客を達成していたが、自分一人でやっていては処理能力に限界があり、ボトルネックとなっていたので、インターネットを利用して、ホームページを開設し、メールで資料のやりとりとか、依頼の受付も自動化して業務効率化を図ろうとした。

ところが、インターネットで公開したので、自分の営業範囲の東京以外の全国各地からも依頼が来て、到底取り上げることができないため莫大な機会損失を感じた。

そこで全国の行政書士をネットワーク化して、顧客と近くの行政書士を結びつけるというマッチング、インフォミディアリー(情報仲介業)のサービスをはじめ、個人の行政書士サービス提供から、情報仲介業に業態を変え、何百倍、何千倍もの処理能力のあるスケーラブルなビジネスに転換した。

まずは知り合いの行政書士、司法書士に声をかけ、全国の30%くらいからはじめたが、集客で困っている行政書士向けに『超・営業法』という本を出版して、本と連動したホームページをつくり、さらに広告も打って、数百人単位で行政書士を集め、ついに全国ネットを作り上げたのだ。


超・営業法



失敗からしか学びは得られない

渡辺仁さんのベストセラー『起業バカ2』については、このブログで取り上げたが、渡辺さんは「バカは成功に学んで失敗し、利口は失敗に学んで成功する」と言っている。

金森さんも「成功は何も教えてくれず、失敗からしか学びは得られない」として、マーケティングにおいては、失敗は成功以上に必要なものであると説く。

今までのテレビや新聞などを使ってのマスマーケティングでは、巨額の費用が掛かるわりには、異なったやり方や、違ったクリエイティブ(表現)を見せて、効果を比較するということが簡単にはできなかった。

ところが、インターネットを使ってのマーケティングは簡単にこれらの比較ができ、さらにマスマーケティングでは不可能な、誰が実際に購入したかもトラッキング(追跡)できるので、広告の効果がはっきり検証できる。

テレビだとせいぜい1万人程度のモニター母集団の視聴率調査に依存せざるをえないが、インターネットであればやろうと思えば、購入者全員のデータが取れ、しかも購入者のその後の行動まで追跡できるのだ。

だから札束に火をつけて燃やして広告を打っても、決して無駄にはならないのだ。


いくつか参考になったポイントをあげておこう。

『コントロール』と『スプリットラン』

ダイレクトメール広告にはリスト(対象)、オファー(提供内容)とクリエイティブ(表現)の3要素があるが、異なったオファーとクリエイティブの組み合わせを同時にためして(『スプリットラン』)、最も反応が良かったものが『コントロール』(基準)となる。

一旦コントロールが決まれば、次回以降はオファーを変えたり、クリエイティブを変えたりの部分変更で対応し、より高い反応率を目指すのだ。

アマゾンのABテストについてはこのブログで紹介したが、市場のことは、市場に聞くのが一番なのだ。

最高の広告原稿(コントロール)はお客さんが教えてくれるのだ。


ツァイガルニック効果

ツァイガルニック(Zeigarnik)という人が見つけたのでこう呼ばれている。問題が解決されてしまうと、その問題については忘れてしまうが、中断されたり、答がなかなか与えられないと、それが深く記憶に残るという効果のことである。

たとえば自分が答えられなかったなぞなぞが良い例である。

筆者も30年以上前の大学入試の数学の問題を覚えている。三角関数でタンジェントα=Xと置いて、方程式をつくり図形の面積を求めるという問題だった。

今思えば、こんな三角関数がなぜできたのか、信じられない問題である。


ホームページとメルマガでどちらが稼げるか? ザイオン効果

答はメルマガの方が何倍も稼げるだ。

これはザイオン効果(単純接触効果)によるものだ。ザイオン効果とは接触頻度が上がれば、その対象に対する好感度が上がるというものだ。

だからテレビコマーシャルなどは、同じ広告を繰り返して流したりする。

メルマガはお客さんの絞り込みとコミュニケーションのためにはコストも安く、非常に有効なツールなのだ。

メルマガ受信を選択してくれたお客は、既に優良見込み客なので、ターゲット層に適した内容のメルマガを送り、コミュニケーションの機会を増やることで、購入してくれる確率を高めるのだ。


集客後の販促、営業が受注増のカギ

金森さんはネットビジネスはネットだけでは完結しないと説く。

表題だけあげておくが、おわかりのように非常に実用的な内容なので、SOHO事業家には是非一読をおすすめする。

1.メールで来た客にメールで回答するな。
2.フルフィルメントの改善 ー 無コストでできる販促活動
3.テレマーケティング
4.メール分散処理システム
5.メールの高速処理のために

このブログで『楽天の研究』を紹介したが、この『楽天の研究』のブログ記事の中程にある『楽天の営業:小林正忠氏、杉原章郎氏』というところに、ツー・ミニッツ・コールの話を紹介している。

楽天ではインターネット経由で資料請求があったら、原則2分以内に電話連絡するのだ。実際には10秒以内に電話していると言う。

まさにネットビジネスはネットで完結させないという典型である。


さすがマーケティング部門メルマガNo. 1のマーケターである。
実戦的で至れり尽くせりの、おすすめできる本である。


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2005年12月27日

負け犬の遠吠え 頭にスッと入る酒井順子さんのエッセー 負け犬なんかじゃないよ 一生懸命生きよう!

負け犬の遠吠え


ちょっと前のベストセラー。今年の初めに家内が読んでいたが、面白そうだったので、自分でも今回読んでみた。

女性作家のエッセー集は、家内の好きな林真理子とかを一時読んでいたが、最近はご無沙汰である。

この本はカバーがピンク色で、筆者のようなおじさんが表紙カバーむき出しで読んでいると、ちょっと恥ずかしい。

若干抵抗があったが、読んでみたら断然面白い。

負け犬とは狭義では『未婚、子なし、30代以上の女性』だそうで、離婚して今は独身、シングルマザーなども広義の負け犬に入る。

「でも○○さんみたいに、美人で仕事もバリバリやっている人は、結婚していなくても負け犬ではないのでは?」という名誉白人みたいな例外は本書では認めないと。

「既婚子持ち女に勝とうなどと思わず、とりあえず負けましたと自らの弱さを認めた犬の様に腹を見せて置いた方が、生きやすいのではなかろうか」という処世術と見て貰っても良いと。


以下羅列となるが、印象に残ったポイントをあげる。この本の魅力が垣間見えると思う。


余はいかにして負け犬となりし乎(か)

言うまでもなく夏目漱石の『吾輩は猫である』の出だしをもじった章題。

男であれ、仕事であれ二つの選択肢があった場合、右はまっとうで安心、でもあまり面白みはない道、左はあぶなっかしいけどスリリング、そしてアメイジングな道。

この中で、右側を選ぶことができるのが勝ち犬、左を選ぶのが負け犬であると。

それにしても「負け犬」はともかく、筆者には「勝ち犬」という言葉は今ひとつ抵抗がある。

筆者はティーンエージャーの子供がいるので、塾とか学校の説明会とかで「勝ち犬」軍団に囲まれることも多い。こういった会合は家内もいまひとつとけ込めないので、筆者を行かせるのかもしれない。

たしかに国民の再生産に貢献しているという意味では、勝ち犬なのかもしれないが、大勢集まってくっちゃべっている集団に取り囲まれると、結婚/子持ちで勝ち負けが決まるという訳でもないと思うのだが…。

負け犬からすると勝ち犬はどこかで、恥を捨てた人に見えると。

結婚という目的を達成するために、手練手管を使って男に取り入ろうとする人を見ていると、いたたまれない気分になってしまうと。それが負け犬が負け犬でいるゆえんであると。

これを含羞(がんしゅう;恥を知ること)という言葉で表現している。うまいことを言うものだ。言い得て妙である。


負け犬と年齢

先輩負け犬に言われたことがある。

「そうやって『子供なんかいらない』とか堂々と言っていられるのはね、30代前半だからなのよ。30代後半になったらきっと、違う気分になると思う」と。

子供を産むリミットが近づいてきていると。

オスの負け犬でありながら全てを超越している寅さんに悲壮感や哀愁がなく、メスの負け犬には哀愁があるのはこれが理由なのだろう。


負け犬と少子化ー『低方婚』とオスの負け犬

伝統的に日本の男性はじぶんよりある意味で『下』の女性を結婚相手に選ぶという『低方婚』を好むから、『高』女性が余るのと、オスの負け犬が増えていることが原因だと。

オスの負け犬は次の5タイプがいる:

1.オタ夫  あまり生身の女性に興味のない人
2.ダレ夫  女性に興味はあるけど、責任を負うのは嫌な人
3.ジョヒ夫 女性に興味はあるけど、負け犬には興味のない人(男尊女卑)
4.ブス夫  女性に興味はあるけど、全くモテない人
5.ダメ夫  女性に興味はあるけど、単にダメな人(酒乱、ギャンブル、仕事しないなど)

いずれもメスの負け犬の伴侶としては不適であり、それゆえ少子化の進行が止まらないと。


負け犬と年金論争

森喜朗前首相が「年金はそもそも子供をたくさん生んだ人にご苦労様、として渡すべきものであって、子供をつくらない女性が歳をとったからといって税金で面倒見ろというのはおかしい」という発言を平成15年にしたそうだ。

この発言に対して当然の事ながら、「何言ってるんだバカ」、「こっちはたんと税金払ってるんだ」という非難が寄せられた。

それに対してテレビで「子を産まない人たちは贅沢三昧の生活をしているのに、子育てで苦労している私達と同じ年金をもらうのはいかがなものか」という発言をしている主婦がいたという。

この論争でどちらかの肩を持つつもりはないが、結婚や子供の有無で年金金額が変わること自体がおかしい様に思う。


負け犬と家族

ある40代の負け犬は「うちの母親が最近『私はあなたを看取ってから死にたい』ってよく言うのよ」「うちの母親は結婚もせず、子供も産まない私が、不憫でならないのね。私が一人で死ぬというのが可哀相でたまらないんですって」

逆縁は悲しいものだが、この母親の気持ちは分かるような気がする。


負け犬と女の幸せ

相手を完膚無きまでに打ちのめす「それを言っちゃあおしまいよ」的なフレーズは、「あの人は女として幸せじゃない感じがするよねー」だと。

緒方貞子さんのような人の存在のせいで、「日本で一番優秀で、忙しいキャリアウーマンですら、結婚して子供も産んでいるのにだ。しもじもの女が、『仕事が忙しくて結婚なんてする暇ありませんでした』などと言うのは言い訳だ。単に魅力がないだけだ」という空気が濃厚になってきたと。


負け犬の先達

向田邦子的ないい女系の独身女。もうひとりはあまりにも一芸に秀でつつも結婚しない孤高の人系の長谷川町子系の独身女。


負け犬と孤独

二つのタイプがある。孤独に強いというより、孤独がすきであるが故に、結婚せず負け犬となったタイプと、孤独に弱いあまり、男性とつきあってもベッタリしすぎて暑苦しくおもわれて負け犬になったタイプ。


負け犬と敗北

負け犬界のヒエラルキーがあると言う。結婚歴ありが上、恋人有りが上、しかし不倫は下、過去にモテた経験ありが上、蜘蛛の巣城のお姫様タイプの負け犬を見下ろしつつ、「よかった私はあんなんじゃなくて」と胸をなで下ろすのだと。

「私は貧乏な主婦だけど、でもとりあえず現時点で結婚はしている。負け犬ではないのだ」というところを心のよりどころにして頑張っている人もいるので、負け犬も存在価値があるのかもしれないと思うと。


負け犬がシンパシーを寄せる最後の大物サーヤ

本ではこう書いてあったが、でももう負け犬ではないもんね。サーヤおめでとう!


最後に負け犬に成らないための十箇条:

1.不倫をしない
2.「…っすよ」と言わない
3.腕を組まない
4.女性誌を読む
5.ナチュラルストッキングを愛用する
6.一人旅はしない
7.同性に嫌われることを恐れない
8.名字で呼ばれないようにする
9.「大丈夫」って言わない。
10.長期的視野のもとで物事を考える


負け犬になってしまってからの十箇条:

1.悲惨すぎない先輩負け犬の友達を持つ
2.崇拝者をキープ
3.セックス経験を喧伝しない
4.落ち込んだときの対処法を開発する
5.外見はそこそこキープ
6.特定の負け犬とだけツルまない
7.産んでいない子の歳は数えない
8.体を鍛える
9.愛玩的欲求を放出させる
10.突き抜ける


これを読んであなたはどう感じるだろうか?

この本のあらすじを紹介することで、一度収まった論争に火をつけてしまう様な気もするが、ともかく読んで面白い本だ。

いままでなんとなく縁遠かった未婚女性に親しみを覚える。

一生懸命生きることと結婚や子育てとは直接関係ない。

負け犬なんかじゃないよ。一生懸命生きよう!


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2005年12月25日

ニュービジネス活眼塾 大前研一のアタッカーズビジネススクール講義録

ニュービジネス活眼塾 アタッカーズ・ビジネススクール講義録


大前研一氏が塾長をつとめるアタッカーズ・ビジネススクールの1995年から2002年までの大前さんの講義録をまとめたもの。

アタッカーズ・ビジネススクール自体は『平成維新の会』のボランティアたちが、若い人たちに大前さんの経営ノウハウを伝授してもらいたいということで、勝手連的につくりあげたものだ。

講義は半年間で、年間2回開講されている。既に4,000名の卒塾生を送り出し、卒塾生が起業した会社は600社にものぼり、筆者の知人も卒塾生に名を連ねている。

アタッカーズ・ビジネススクールは24時間ビジネス衛星放送のビジネス・ブレークスルーと合併し、ビジネス・ブレークスルーとして最近上場した。

同じ様な経緯でできたものにNPO政策学校『一新塾』があり、筆者の友人にも参加している人がいる。

大前さんは始業式と卒業式に5時間ずつ2回講義をしており、この本はその講義のいくつかをピックアップしたものだ。

大前さんの本は新しいアイデアが常にあり、いつも刺激を受ける。この本はビジネススクールの講義だけに、基本的な発想法や構想力の鍛錬法などを、自分の体験を元に説明しており、参考になる。


いくつか印象に残ったポイントをご紹介する:


メンタルブロックバスター

起業家になるには、メンタルブロック(思いこみ)を外す必要がある。日本の教育は覚えることに主眼を置いて、考える力を養っていない。一旦記憶すると、それが正解だと思ってしまい、そこで思考が止まってしまう。

メンタルブロックバスターで自分を鍛え直すには、何事であれ、わかったつもりにならずに、「本当にそうなのか」、「そうじゃない例が本当にないのだろうか」、「なぜそんなことが言えるのか」ととことん追求してみる訓練が役立つ。

また電車に乗って広告を見たときに、「自分が営業部長ならあんな広告をやるだろうか」とか、「自分ならこうやる」とか、誰を対象に何を訴求するかを常に考える訓練をして、事業について考えるチャンスをつくっていかないといけない。

覚えてしまってはダメである、そのとたんに頭はレイジーになり思考停止してしまうのだと。

大前さんの『考える技術』『質問する力』については、このブログで紹介しているが、たしかに覚えることが目的の教育だと、答が出た段階で満足してしまい、それ以上突っ込むことはしない。

大前研一もMITに留学したとき、原子炉の設計の難しい計算はできるのだが、それなら直径3メートルの原子炉を設計してくれといわれると、とたんにできなくなったという。

筆者も反省するところ大なのだが、なんでも頭に詰め込んで覚える、知識があることだけでは学者の世界はともかく、ビジネス、特に経営の世界ではダメなのだ。

ビジネスに必要なのは考える力であり、質問する力であり、コミュニケーション能力である。

メンタルブロックバスターで面白い問題が例題として出されている。

内径がほとんどピンポン玉と同じで、長さ60センチの鉄パイプが地面に突き刺さっている。ピンポン玉がパイプの中に落ちてしまった。道具は電球のフィラメント、ハンマー、糸、針金、板、鋸、ハンマーなどがある。パイプを破壊せずに、どうやって玉を取り出すか?

答は文末の続きを読むをクリックして見て頂きたいが、筆者は正解できなかった。自分のメンタルブロックを痛感する。


事業戦略の基本は3C

戦略を考える場合のキーワードは3C、最も重要なのがCustomer, 次にCompetitor, 最後がCompany(自分の会社)である。

つまり「カスタマーニーズに対して、コンペティターよりも相対的に優位な製品またはサービスを、持続的に提供すること」が戦略の定義であると。

案外実際のビジネスでは最も重要なCustomerより、自社の技術や製品に対する過信や思いこみ(Company)が優先されてしまうことがよくある。

たとえば写真フィルムはコダックが20枚撮りを出しているということで、長年12枚、20枚、36枚の三通りだった。

大前さんが、18,000枚の写真を分析して、カスタマーニーズを分析して、24枚撮りのフィルムをつくった。またレンズとフラッシュ付きのフィルムをつくったのだと。

カスタマーは何を求めているのかをとことん追求して失敗した事業家はいない。肝に銘じておくべきである。


FAW(Forces At Work)

事業を起こすということは、人が考えないことを考えることでもある。話の根っこにあるトレンド(そこに働いている力:FAW=Forces At Work)について真剣に考える訓練をすべきであると。

知的好奇心と執着力の旺盛さが起業家の基礎的条件である。

アタッカー起業家の例として、オムロンの立石一真さん、ヤマハの川上源一さん、ダスキンの千葉弘二さん(その後逮捕され有罪となったが、経営感覚の価値は決して損なわれるものではないと)、元スクウェア社長でお台場ヴィーナスポートの仕掛け人の宮本雅史さんなどが紹介されており、参考になる。


卒塾生の言葉

第一期塾生のケンコーコム後藤玄利社長が「Just Do It!の精神で起業にチャレンジを!」という一文を寄せている。

後藤氏はアタッカーズビジネススクールを受講したころは、健康食品の通信販売会社を立ち上げたばかりだったが、1999年にアメリカでeコマースが急拡大するのを見て、リスクを取ってeCサイトのケンコーコムをスタートさせた。

どうせリスクにさらされているなら、そのリスクを楽しみ、あわよくばチャンスにしようという精神が、大前氏のJust Do It!というかけ声に感じられ、それを実践したのだと。

アタッカーズビジネススクール。大前さんだからできたユニークな起業家養成組織だ。

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2005年12月13日

新第三世代ネットビジネス 電子商取引法の権威 蒲俊郎氏の新著 ネット業界の教科書として最適!

新第三世代ネットビジネス―新たな潮流に対応できる法務・マーケティング


桐蔭横浜大学法科大学院教授で、日本で初めて電子商取引法講座を開設した蒲俊郎氏と、インターネットやポイントCRMのコンサルタント林一浩氏、ICカードやポイントカードの専門家昌栄印刷の信濃義朗氏の3人の共著である。

このトリオで前著『第三世代ネットビジネス』を2003年6月に発刊している。

第三世代ネットビジネス―成功する法務・技術・マーケティング


前著は大学の教科書用に1/4程度が各種法律の引用資料編だったのに対し、新著は同じタイトルに『新』をつけただけながら、内容は全く異なる。

資料編無しで380ページもの大作である。じっくり読むと延べ10時間くらい掛かったが、内容が濃く実戦的手法が満載で驚く。

いくつかの例を挙げると:

マーケティング 顧客のシーンを考える

マーケティング解説では、顧客に選ばれる企業こそが勝ち残る企業だという考え方から、選ばれるために次の切り口から顧客のシーンを分析している。

タイトルを見れば内容が想像できると思うが、非常に実用的な解説である。

1.Webを見つけるシーン
  (1)ドメイン名はどんな名前にすればよいのか
  (2)検索サービスを有効に使う
  (3)広告
  (4)SEO(サーチエンジンオプティマイゼーション)
  (5)アフィリエイト
  (6)検索エンジンとPPC(Pay Per Click)広告
  
PPC広告の説明の中ではGoogleのAdWordsのクリック上限単価とクリック率の相関関係による課金額の決定方式がコラムとして紹介されており参考になる。

2.Webを見続けるシーン  
  (1)利用者にあわせたページつくり
  (2)アクセシビリティ(受け入れやすさ)という考え方

利用者を引きつけるウェブサイトのナビゲーション、構造、デザイン、文章の作り方などの基本が説明されており役に立つ。

3.利用後のサービス(会員化/メール/ポイント)
  (1)会員組織を作るということ
  (2)会員登録は個人情報を提供するに値するサービスとなっているか
  (3)ネットにおけるポイントの意義
  (4)ポイントの種類と動向

2005年のインターネット白書によると、最も投資効果の高いアクセス誘導対策は次の通りである:

  会員登録して貰った人へのメルマガの配信   23.8%
  SEO(検索エンジン上位に表示される技術)   20.8%
  キーワード広告への出稿              17.9%
  懸賞・プレゼント企画への参加            7.7%
  オークションへの出品                 7.1%
  アフィリエイトプログラムの導入            6.5%

会員組織をつくり、個人情報データベースを構築する最も効率的な手段がポイントである。

4.口コミとネットビジネス
  (1)口コミマーケティングの科学
  
イノベーター(新しもの好き)、メイブン(イディシュ語で博識な人のこと)、コネクター(顔の広い人)というカテゴリーが紹介されており興味深い。

  (2)会員組織とネットビジネスの関係
  (3)お友達紹介の構造  

5.クレーム対応とネットビジネス
  (1)利用者の声は誰のため
  (2)FAQとフィードバックのツール

カスタマーサポートツールASPお任せ業務メーラーというサービスが紹介されており参考になる。

ネット関連の新しい技術動向として、ブログ、携帯電話、QRコード、QUICPay、おサイフケータイ、電子マネー、ICカードなど専門家の見地からわかりやすく説明してあるのも参考になる。


ネットビジネスにおける法務

第2章のマーケティング編も参考になるが、なんといっても本書の肝は、電子商取引法を得意とする蒲俊郎弁護士みずからが、実例に基づき詳しく説明する第3章である。

前著『第三世代ネットビジネス』ではネットビジネスに関係する諸法規を網羅的に解説していたが、本書では次のテーマをそれぞれ掘り下げて説明しており、大変参考になる。

1.ネットビジネスとコンプライアンス経営
雪印食品の不祥事などが相次ぎ、企業の社会的責任とコンプライアンス(法令・倫理遵守)がいっそう重要になってきている。

内部告発者保護の公益通報者保護法が2006年4月より施行され、もはや隠蔽することが大きなリスクとなったことも、企業のコンプライアンス重視にいっそう拍車をかける事になるだろう。

2.ネットビジネスにおける規約の役割と重要性
会員制を取っている多くのネット企業が会員規約をサイト上に掲載しているが、蒲教授がサンプル規約をベースに詳しく解説をしている。

インターネット業界に働く人でも、実際に自社の会員規約を読んだことがない人が多いのではないかと思うが、この本を読めばまるで蒲教授を家庭教師にした様な親切な解説で、会員規約の考え方やリスクが理解できる。

未成年者を会員とする場合、契約の成立時期、個人情報の利用、免責事項、クッキー使用の注意書きなど、すぐに役立つ解説である。

丸紅ダイレクトが19万円のパソコンを1万9千円と価格を誤表示した事件などの具体例も解説しており、わかりやすい。ちなみに丸紅ダイレクトのケースは、注文を受けると自動的に注文確認メールが発信されるシステムであったことから、丸紅は表示価格通りで販売するという苦渋の選択をした様だ。

しかし、2ちゃんねるで『祭(まつり)』になり、注文が殺到したことを考えると、発注者も誤表示であることを認識してた訳でもあり、悪しき前例を残さないためにも『誤表示であって契約は無効である』と主張して対処する方が適切であったと解説している。

3.ネット広告における法規制
景表法(不当景品類及び不当表示防止法)による表示の規制、ネット上の懸賞についての制限、ポイントが当たる懸賞広告、特定商取引法(通信販売への規制)による誇大広告等の禁止、迷惑メール規制(特定電子メール法)と電子メール広告の平均単価下落、広告倫理綱領、広告掲載ガイドラインなど、実用的な説明が満載である。

4.ネット上の誹謗中傷
掲示板で誹謗中傷されたという事件が、古くはニフティ、最近では2ちゃんねるを相手にしていくつかの訴訟が提起されている。この関係で2002年に施行されたプロバイダ責任制限法を説明している。

結論的には、よほど極端な例を除いて、開示請求に応じない方がリスクが少ないと。

プロバイダ責任制限法は発信者からの意見聴取義務を定めているので、本書では発信者への通知のサンプルまで掲載されている。至れり尽くせりである。

サイト運営者が掲示板等で誹謗中傷されるケースでは、無視して放置しておくのが最善の策であることが実は多いと。

追従者を出さないように徹底的に叩くという選択肢もありうるが、いずれにせよ基本スタンスがぶれないことが重要である。

ちなみに日本では名誉毀損の損害賠償額は低額なので、勝訴しても弁護士費用もまかえない程度であることが現実である。

5.現時点でのビジネスモデル特許の意義
もはやビジネスモデル特許は神通力が薄れているので、あまり気にする必要はないと思われる。

6.ネットビジネスにおける個人情報保護法
各省庁のガイドライン一覧、過去の個人情報漏洩事件、訴訟リスクと慰謝料相場、個人情報保護法の概説、サンプル規約、事故対策がわかりやすく解説されている。

NPO日本ネットワークセキュリティ協会2004年度情報セキュリティインシデントに関する調査報告を公開しているが、個人情報漏洩の原因別件数による集計結果は次の通りである:

(1) 盗難(36.1%)
(2) 紛失・置き忘れ(21.6%)
(3) 誤操作(10.7%)
(4) 管理ミス(9.8%)
(5) 内部犯罪・内部不正行為(7.9%)
(6) 不正な情報持ち出し(2.7%)
(7) 目的外使用(2.7%)
(8) 不正アクセス(1.9%)
(9) 設定ミス(1.6%)
(10) バグ・セキュリティホール(1.4%)

個人情報漏洩事故の多くは企業内の人為ミスと犯罪によるものであり、技術的対策不足に基づく事故は少数にすぎない。従い社内体制整備を確立することによって個人情報漏洩事故の大半は防止できるのだ。

漏洩経路もネット経由でなく、紙やディスク等の媒体経由であることが多い。さらに大規模被害を引き起こした事故の多くは、内部者が関与するケースである。

その意味でも社内体制整備が最重要だが、社員を監視し、疑うのではなく、ちゃんとやっていることを社外にもアピールし、それによって会社を守り、ビジネスチャンスをつかむという積極的な発想が重要であると結論づけている。

最後のコラムはカカクコムの不正アクセスとメアド流出事件を取り上げている。非常に実用的で、すぐに実際の業務に使える。まさにネット業界の教科書である。


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2005年12月12日

団塊世代を総括する 下流社会の著者三浦展氏の団塊世代レポート

団塊世代を総括する


『下流社会』がベストセラーとなっている。この本は同じ三浦展(あつし)氏によるもの。三浦展氏は団塊世代が『下流社会』を生んだと言っている。


下流社会 新たな階層集団の出現


三浦展氏はみずからのホームページカルチャースタディーズにて、下流社会や団塊世代につき、レポートしているので、ご興味あればこちらのサイトを覗いて頂きたい。

著者によるこの本の抜粋もサイトに掲載されているので、今回は詳しいあらすじは書かないが、この本の構成が次の通りとなってることからも、内容がある程度推測できると思う。

プロローグ 団塊世代とは何か?

1.消費する若者

2.ニューファミリーの光と影

3.マイホーム主義の末路

4.存在理由が問われる定年後

エピローグ これから彼らがなすべきこと

参考までに子供人口の増減の資料が統計局のサイトに載っているので、ご紹介しておこう。

統計局のホームページも要ブックマークだ。

この本自体は団塊世代の統計資料と解説が主体で、「(団塊世代の)自由尊重という名のほったらかしがフリーターを生んだ」と、『下流社会』の導入部となっている。

中流社会を完成させた団塊が中流社会を壊すのだと。

不況により団塊世代は勝ち組と負け組にわかれ、勝ち組団塊の子供は良い条件で就職しており、負け組団塊の子供は無業ないしフリーターになっている可能性が高い。

親子ともに大企業に勤めている世帯と、親がリストラされて子供も無業という世帯が生まれ、大きな格差が生まれたのである。

著者の結論としての提言は次の通りだ:


団塊世代は自分の会社を作って若者を雇え!

定年起業して、空洞化の起きるはずの都心にオフィスを借り、なんらかのビジネスで年商3,000万円を目指す。

そうすれば単に消費のみの生活よりも、消費が増え、国も税収が増える。さらに月収が37万円以上になれば国は年金を1円も払わなくてもすむ。

さらにフリーター、無業者の若者を雇用して、新しい社会システムをつくるのだと。


団塊世代は心身共に若い。昔の60歳とは違う。

定年延長と定年起業。団塊世代のどれだけが、自分で起業のリスクを取るか疑問が残るところではあるが、団塊世代の何百万人もが一挙に定年退職して、非生産階級となるのはいかにも日本の社会にとってマイナスだ。

そのためにも定年延長以外に団塊世代を支援する政策を導入すべきだ。

団塊世代の男性は今まで子供の教育や自宅のローン返済で四苦八苦していたので、自らの能力開発は進んでいなかった。

しかしたとえば税制で再教育、トレーニングを支援するとかの制度を打ち出せば、自らの能力アップにも取り組む人は多いはずだ。

日本がこれからも活性化を続けるのか、あるいは団塊世代とともに斜陽の国になるのか、団塊世代の戦力化がカギとなると思う。


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Posted by yaori at 23:53Comments(0)TrackBack(1)