2006年03月30日

一新力 市民のための政策学校一新塾 『主体的市民』の集まる場がここにある

一新力 ~自分をALL CLEARする勇気ありますか?


一新塾に参加している友人に送って貰った本を読んでみた。

大前研一氏はマッキンゼーを退社して、1992年に平成維新の会を結成して政治活動を開始。『大統領と同様の強大な権限がある東京都知事』選挙に打って出たが、あえなく落選。


平成維新


今で言う政策マニフェストを用意して、都民の良識に訴えたが、全く泣かず飛ばずで、たしか5位くらいだったような記憶がある。

筆者も実は大前氏に一票を投じたのだが、日本で超一流のインテリの大前氏をもってしても、外での選挙活動を一切せずに自宅に引きこもっていたタレントの青島幸男に敗れたことで衝撃を受け、あらためて日本の政治を変えることは難しいと感じた記憶がある。

大前氏は都知事選落選を機に政治活動は一切やめ、その体験を『敗戦記』に書いてオールクリアした。


大前研一 敗戦記


大前氏自身の政治活動はその時に終わったが、平成維新の会で集まった問題意識を持った人々が勝手連的に作り上げたのが、一新塾アタッカーズビジネススクールだ。

一新塾は市民活動の為の政策学校、アタッカーズビジネススクールはビジネススクールという違いはあるが、それぞれユニークな活動をしている。

一新塾は東京三田の30坪弱のスペースにパイプいす80脚を置いて、平日夜に週1回、土日に月1回、講義とディスカッション、小グループ活動などを行っている。事務局長の森嶋伸夫さんが世話役だ。

合宿研修もあり、入会金は3万円、受講料は17万円(分割払いあり)で、学習塾よりずっと安い。

2002年より株式会社からNPOに組織替えした。

塾生は本科60名、地方在住者向けの通信科が40名で、一期約100名の塾生を、17期まで輩出し、卒塾生は2,600人を越え、地方議員54名、国会議員4名、市長2名を輩出している。

この本では一新塾の様々な活動が紹介されている。


超一流の講師陣

一新塾の講師リストはスゴイ。一新塾のホームページに過去や今年の講師の紹介がある。

青山貞一さん片岡勝さんの一新塾の代表理事をはじめ、松沢神奈川県知事、上田埼玉県知事、片山善博鳥取県知事、台湾総督府顧問金美齢さん楽天取締役の小林正忠氏、精神科医の和田秀樹氏、自民党の河野太郎氏、社民党の福島みずほ氏、一新塾出身の国会議員、市長、市民活動家等々様々な分野で活躍している人を選りすぐっている。

しかし一新塾は教室で様々な人の講義を聞くためだけの塾ではない。『生活者主権』をめざす『主体的市民』として(1)政策提言、(2)社会起業、(3)市民プロジェクトのチーム活動に参加し、現場での活動を重んじている。

講義は週一回だが、それ以外の平日の夜とか土日はチーム活動で塾生が集まり、活発な議論がなされている。

創設者の大前研一氏も講師として登場したことはあるが、アタッカーズビジネススクールの様に、学期の最初と最後に講義するということはなく、大前さんは一新塾ではあくまでも創始者としての関わり合いだ。


市民プロジェクト・社会起業のインキュベートの場

この本では多くの市民プロジェクトがレポートされている。そのいくつかを紹介する。

既に何年か続いているものとしては、元々大前さんが提唱し平成維新の会が推進した道州制の実現を目指す道州制ドットコム、投票所でもらえる選挙済証を商店街の割引クーポンとして受け入れ投票率向上をめざす選挙セール、経営不振で廃業が相次ぐ年金を使って建設されたグリーンピアなどのハコモノを再生するプロジェクトなどがある。

新しいプロジェクトとしては、日本に住む外国人労働者との共生を研究する外国人・多文化共生プロジェクトや、病気の子供も預かる病児保育プロジェクト、生活の安定しない芸術家を助ける芸術家のくすり箱プロジェクトなども紹介されている。

外国人・多文化共生プロジェクトは、少子高齢化時代に突入し、予想される深刻な労働力不足のため外国人労働者の受け入れ拡大が叫ばれている今の日本にとって、非常にタイムリーで、意義あるプロジェクトだと思う。

日本には200万人もの外国人労働者が住んでおり、彼らとの共生は必要だが、相互の交流・理解不足のために、先日の広島の履歴詐称ペルー人の女子児童殺害事件などが起きると、言葉の問題、生活習慣の違いなどから外国人全体に対する偏見や誤解が生まれやすい現状だと思う。

このプロジェクトでは、中南米系の労働者が多い群馬県太田市、静岡県富士市など1年間で10箇所余りの自治体を訪問、市役所や、学校などを訪問し、まさに『現場主義』で調査を行い、『ゼロベース思考』で白紙の段階から議論を始め、神奈川県、埼玉県などに政策提言を行っている。

芸術家のくすり箱プロジェクトとは、収入が安定しない芸術家の健康をサポートしようというものだ。

たしか大前さんの『質問する力』に、クラシック音楽の演奏でメシを食える人は日本でも数えるほどしかいないと書いてあったが、芸術で安定的に収入を得られる人はほんの一握りだ。

ほとんどが不安定な収入とアルバイトで暮らしており、ケガや病気でもしたら生活に困窮してしまう。

そんな芸術家たちを助けようというプロジェクトだ。


オールクリアからの始まり

一新塾に参加している人たち、特にビジネスマンは、筆者の友人もそうだが、それまでの経歴をオールクリアして、この活動に一市民として参加する人が多い様だ。

より良き社会にする為に、これからの人生を有効に使おうと決心した一新塾の人たちには頭が下がる思いだ。

楽天の三木谷さんも、「なにができたら成功だと思いますか」と聞かれて、「フェアな社会ができること」と答えたと、どこかで読んだ記憶があるが、ビジネスを通じてでも、あるいは市民活動を通じてでも、より良き社会にすることは可能だと思う。

筆者は当面ビジネスのキャリアを続けるつもりだが、いずれは一新塾の様な魅力あるチームに加わりたいと感じた。

大前さんが平成維新の会を立ち上げ、都知事選に出馬したが、あえなく落選し、一度は地面に落ちた花から種が成長して、だんだんに花開いてきた様な気がする。

是非これからも『主体的市民』として、世界に誇れるユニークなNPO活動を続けていって欲しいものだ。

ちなみに、この本については、欲を言えばもう少し一般の人にもわかりやすく編集上の配慮をして貰えば、さらに良い本になると思う。

たとえば左ページの上に2002年12月からの講師名、講演タイトル、日付が記されており、その数100を超え、講師陣の充実ぶりがよくわかるが、ここに書いてあるのは過去の講義記録だという旨の説明が、筆者には見つけられなかったので、てっきり普通の本の様に、そのページの章題が記されているものと思っていた。

再度読み直して、はじめてここに書かれているのは講義記録だということに気が付いた。

すごい講義記録だが、気が付かなくてはなにもならない。

ともあれ多くの人の活動や講義を紹介しており、その意気込みとエネルギーには感服する。

一新塾の多彩な活動がわかる好著である。


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2006年03月27日

リッツ・カールトンが大切にするサービスを越える瞬間 リッツ・カールトン・ミスティークとは?

リッツ・カールトンが大切にする サービスを超える瞬間



リッツ・カールトンのサクセスストーリー

筆者が最初に米国に駐在していた1980年代はアメリカのベストホテルといえば、ワシントンのフォーシーズンズが定番だった。きめ細かいサービスが評判で、一度泊まった宿泊客が次回行くとフロントが名前を覚えているという話だった。

米国のベストホテルについて最近フォローしていなかったが、だいぶランキングが違ってきている様だ。フォーシーズンズはいくつかベスト50に入っているが、ワシントンのフォーシーズンズは今はランクインしていない。

代わってのしてきたのがリッツ・カールトンだ。

元々はパリの有名なホテルリッツとロンドンのカールトンホテル(現在はリッツ・ロンドン)が一緒になったもの。

元祖リッツ・カールトンはアメリカでもいくつかホテルを運営していたが、うまく行かず、最後に残ったボストンのリッツ・カールトンホテルを1983年にアメリカの不動産王のW.B.ジョンソンに売却した。

ジョンソン氏は自分がつくったアトランタのモナーク・ホテルと合併させて、ザ・リッツ・カールトンホテル・カンパニーをスタートさせた。これが現在のリッツ・カールトンだ。


著者の高野登さんはリッツ・カールトン日本支社長

著者の高野登さんはニューヨークのプラザホテルなどアメリカの一流ホテル勤務後、リッツ・カールトンに入社し、現在はリッツ・カールトン・ホテル(大阪)の日本支社長だ。

表紙の裏に「お客様自身が気づかれていない望みとは何か」、「それに対して自分ができる最高のおもてなしは何か」、これらをつねに考え、思い、感じること…と書いてある。

リッツ・カールトンが目指しているのは、この本のタイトルの通り、サービスの善し悪しという段階を越えて、一生記憶に残る感動を与えることだ。そのために従業員みんながチームワークで励んでいる。

リッツ・カールトンの創立メンバーで初代社長のホルスト・シュルツィは高野さんに、良いホテルかどうかは「ホテルの温度を感じろ」と言っていたと。"Don't think. Feel!"であると。


"We are Ladies and Gentlemen Serving Ladies and Gentlemen."

上記の英文がリッツ・カールトンのクレドのモットーだ。

リッツ・カールトンの従業員はクレド(信条)と呼ばれる4つ折の小さなラミネートカードを常に携帯している。

表面には『クレド』、『エンプロイー・プロミス(従業員への約束)』、『モットー』、『サービスの3ステップ』、裏面には『ザ・リッツ・カールトン・ベーシック』と呼ばれるスタッフの為の20項目の行動指針が記されており、これらを総称してゴールド・スタンダードと呼んでいる。

クレドも、従業員への約束も、サービスの3ステップも、書いてあることは、どんな業態にでも通用するサービスの基本理念、ホスピタリティを示したものだと高野さんは語るが、一見普通に見える中でもキラリとひかる言葉がある。

それはクレドのなかの「お客様が言葉にされない願望やニーズをも先読みしておこたえするサービス」、従業員への約束のなかの「リッツ・カールトン・ミスティーク」、サービスの3ステップのなかの「お客様のニーズを先読みし、おこたえします」という部分だ。

つまり「お客様の願望、ニーズを先読みしてこたえる」というのがワオ・ストーリあるいはリッツ・カールトン・ミスティークと呼ばれる、リッツ・カールトンならではの感動を呼ぶサービスの基本なのだ。

高野さんはサービスは科学だと言うが、まさに仮説・検証の繰り返しが感動を与えるサービスの本質なのだ。


採用がカギ

リッツ・カールトンは人材の採用に十分時間をかけ、入社後の教育も毎日欠かさず行う。

高野さんが受けたリッツ・カールトンの採用面接は1対1の面接を5名とおこない、実績やスキルについてはほとんど尋ねられず、人間性や性格を探る様な質問ばかり受けた。まるで深層心理を探る精神科医のカウンセリングの様な不思議な面接だったと。

「最近どんな本を読みましたか?その本のどこに感動しましたか」とか「最近家族を喜ばす為に何をしましたか」とか「同僚があなたに協力的でなかったら、あなたはどうしますか?」といったものだったと。

またリッツ・カールトンの面接会場はホテルの宴会場で、入り口にはドアマンが立っており、中にはグランドピアノの生演奏、面接では管理職がウェイターとなり、コーヒーやジュースを運んでくれるという、応募者に対しても、お客と同じ様なもてなしをするという。

これは最初にリッツ・カールトンの理念や価値観を伝えるためであり、事実応募者の半分くらいは会場の雰囲気を見て、自分には合わないとして帰っていってしまったと。

リッツ・カールトンの従業員は『エンパワーメント』と呼ばれる、最高2、000ドルまでの上司の判断を仰がずに使える即時決裁権が与えられていることは有名だ。

また、他のセクションを手伝うときは、自分の通常業務を離れることが認められており、従業員がその場で判断して、行動できるようなしくみにしている。

信頼できる従業員を採用しているからこそ、このような授権のしくみが生きてくるのだ。

技術は訓練できても、パーソナリティは訓練できないからであると。


リッツ・カールトンの訓練

リッツ・カールトンでは新人の時から、感性を発揮するチャンスを与えたり、グッドアイデアボードというアイデア投書箱がある。

ラインアップ(朝礼)はマネージャーが指示・注意を与えるという形式ではなく、ディスカッション方式で、司会役がゴールドスタンダードから選んだ質問を、みんなで考えて話し合うというものだ。

正解が用意されているわけではなく、ディスカッションを通して、それぞれが自分の頭で考えるプロセスが重要なのである。

ラインアップでは今日のベーシックということで、20項目のベーシックを一日一項目読むことを、毎日必ず行っている。こうしてベーシックを徹底的に頭にたたき込むのだ。


トップ5%の顧客の感性を大切にする

リッツ・カールトンのブランド戦略は『トップ5%の顧客』の感性を満足させるようなサービスを提供するということを目標にしている。

ディズニーからも多くを学んだが、ディズニーとリッツ・カールトンの共通点は一人一人のお客様に目を向け、つねに感性を磨くステージを提供しているという点であると。

ディズニーではディズニーマジックと呼び、リッツ・カールトンではリッツ・カールトン・ミスティークと呼ばれているものは、お客様が言葉にされない願望、ニーズを先読みして、お客様が想像すらしていなかったサービスを提供することでワオ・ストーリー、感動を引き起こすことだ。

感動を持続させることで、さらに一段上の感謝へと進化していく可能性のあるものである。

ブランドを評価する基準はリピート率とリファーラル率(口コミ)だ。大阪のリッツ・カールトンの場合、リピート率は50%であり、高いリピート率が生涯顧客の創造につながるのである。

ちなみにディズニーランドの場合、リピート率は90%だ。



一番印象に残ったストーリー

リッツ・カールトン・ミスティークあるいはワオ・ストーリーと言っている通り、いくつもの感動するストーリーが一杯の本だ。

感動のストーリーをいちいち挙げていては興ざめなので、詳しくは紹介しないが、筆者が一番印象に残ったストーリーを引用したい。

それは「あなたのパラシュートを詰めるのは誰?」という話だ。

これは顧客の体験ではなく、高野さんがリッツ・カールトンのアトランタ営業所のスタッフから教えて貰った話だそうだ。

ベトナム戦争に従軍したエリートパイロットのチャールズは大きな戦果をあげていたが、最後にミサイルで撃ち落とされた。パラシュートで脱出に成功したが、ベトナムで捕まり、長い投獄生活を送った後、解放され無事生還した。

ある日のこと、彼が妻とレストランで食事をしていると見知らぬ男がそばに寄ってきて、「あんた空母キティホークにいたチャールズじゃないか。撃墜されたんじゃなかったのか?」と言った。

驚いたチャールズがなぜそんなことを知っているのかと尋ねると、男は「あのとき、おれがあんたのパラシュートを詰めたんだよ。どうやらちゃんと開いたようだな。」

「もちろんだ、あの時あんたのパラシュートが開かなかったら、私は今ここにこうしていられるはずがない!」

チャールズはその夜一睡もできなかった。あの男のことが頭から離れなかったのだ。

同じ海軍とはいえ、あの男は一水兵で、自分はエリートパイロット。彼とも何度か顔を合わせていたに違いない。しかし「おはよう」とか「元気か」とか自分から声をかけたことが一度でもあっただろうか。

何十人という水兵が船底に近い作業所で、言葉をかわすことすらないパイロットのために、毎日何時間も黙々とパラシュートを折り畳み、丁寧に詰めている姿をチャールズは思った。

人は皆、気づかないうちに、誰かに様々なパラシュートを詰めて貰っている。思いやりのパラシュート、情緒的なパラシュート、祈りのパラシュート…。

チャールズは思い返していた。

落ちていくジェット機から必死の思いで、パラシュートを開いたこと。長い投獄生活の苦しい年月の間、家族や友人たちのことを思うことによってどれほど自分の心が勇気づけられたのかを。

それから彼は自分の経験から学んだことを講演して歩くこととなったと。


このストーリー自体は感謝の心を常に忘れずにというものだ。

ホテルもドアマン、ポーター、ウェイター、コック、皿洗い、ベッドメーカー、洗濯、アイロン掛け、フロント、コンシェルジェ等々様々なスタッフに支えられて成り立っていることを思うと、このストーリーが本当に意味を持ってくる。

ホテルのサービスを提供する精神はオーケストラではなく、ジャムセッションの精神であると高野さんは言っている。

即興性と各パートの連携が大事なのだ。なるほど言い得て妙である。

さすがにベストセラーになるだけのことはある。是非一読をおすすめしたい本だ。


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検索エンジン戦争 検索エンジンの歴史と方向性がわかる

検索エンジン戦争


このブログで紹介したヒルズな人たちとか図解ネット業界ハンドブックの著者、佐々木俊尚さんとECジャパンにSEOコラムを連載しているジェフ・ルート氏の共著だ。

検索エンジンとポータルサイトは、現在のインターネット産業の2大分野であり、インターネット広告分野でも最も延びている分野である。

タイトルに惹かれ、またこの前読んだウェブ進化論にも触発されてこの本を読んでみた。

検索エンジンの歴史と現在の対立構造がよくわかる。

各章のタイトルを紹介すれば、内容が推測できると思うので、次に紹介する。

第1章 先史時代の検索エンジン

第2章 検索エンジンと広告の物語

第3章 パックス・グーグル(グーグル王国の平和)

第4章 そして、乱世が幕を開けた

第5章 ますます広がる検索エンジンの役割

第6章 パワー・トゥ・ザ・ピープル(オープンソースの検索エンジン)

検索エンジンを巡ってのグーグルとヤフーの力関係の変化、ヤフーの逆襲、マイクロソフトのグーグル買収を初めとする戦略、アマゾンもウェブサービスで参戦と続く。

最後にオープンソースでの検索エンジン開発の動きであるNutchも紹介している。

筆者は知らなかったが、グーグルに囲い込まれてしまわない開発者の集団がナッチを支えていくのだと。

サッ読めて、グーグル、ヤフー、マイクロソフト、アマゾン等の列強の対立構造がよくわかる良い本だ。

ウェブ進化論と一緒に読むことをおすすめする。


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2006年03月23日

遊ぶ奴ほどよくデキる! 大前さんの計画的遊び、趣味、家族マネージメントのすすめ

亡き友 篠塚一太君の"Work hard. Play hard."を思い出す

筆者は商社に勤めているが、会社の長い歴史の中で飛行機事故で亡くなったのは二人しかいない。それほど飛行機事故に遭うリスクは小さいということだが、二人とも1984年8月のバングラデッシュの飛行機墜落事故で亡くなった。

そのうちの一人は筆者の職場の後輩、篠塚一太君だった。

当時ちょうど筆者も篠塚君もゴルフで50を切るかどうかという時だったので、よく一緒にゴルフに行ったが、彼がよく言っていた言葉が"Work hard. Play hard"だった。

決して洗練された言葉ではなく、和製英語かもしれないが、気持ちは伝わると思う。

この大前さんのエッセーも同じ『良く遊び、良く働け』の精神で、亡き友 篠塚一太君を思い出す。仕事は精一杯やりながら人生を楽しむ様々な実例が紹介されていて面白く、参考になる。


遊ぶ奴ほどよくデキる!


はじめに大前さんのメッセージがある。「『オン』と同じくらい『オフ』にも若いうちから神経を使い、クレバーに時間、金、余裕を生み出して大いに人生を楽しんでもらいたい」と。

『ONとOFF』というタイトルでは、ちょっと前にソニーの出井元会長の本がベストセラーとなった。出井さんの本はソニーの社内報(?)のエッセー集をまとめたもの、大前さんの本は週刊ポストの連載だ。どちらもスッと楽しく読めた。


ONとOFF



大前さんの遊び

大前さんの遊びはスゴイ。本の表紙にモトクロスに参加している写真があるが、スキューバダイビング、スキー、スノーモービル等々。さらに引退した後の楽しみとして、クルージングとつりを残してあると。

大前さんの本には時々商店主の発想の話とかが出てくるが、オフロードバイクでの仲間にはサラリーマンはおらず、商店主や職人の人がほとんどだそうだ。

サラリーマンはもっと遊び、オンと同時にオフも充実させようと呼びかけている。

そのためにはオフを年間の長期休暇計画をつくって計画的に楽しみ、オフの資金も住宅資金、教育資金、自家用車等を見直すことによってつくることをすすめている。

たとえばクルーザーだ。クルーザーを持つということは、贅沢で金持ちの趣味の様に思えるが、実はクルーザー自体は中古なら自家用車程度の価格でも買える。

試しにYahoo! Auctionで『クルーザー』で検索してみると、何艘か出品されている。

もちろん維持費とか係留費とかが掛かるし、免許も要るので、それなりに高く付く遊びではあるが、たしかに手が届かないということではない。

日本は漁民優遇で、2、927もの漁港があるが、現実には漁港として機能していないところが圧倒的に多い。漁港をプレジャーボートなど一般に解放すれば、ふつうにマリンスポーツを楽しめる国となるのではないかと。

いつもながら、なるほどと思わせる。

特にクルーザーのところで、カナダのバンクーバー沖のキングサーモン・フィッシングの話が出てきたが、これは以前、バンクーバー駐在経験者から話を聞いたことがある。筆者も行ってみたくなった。

カナダのフィッシングやウイッスラーのスキーなども、格安チケットを利用すれば、本場での贅沢な楽しみが比較的廉価でできる。

実現可能で、そそられる話だ。


大前さんの趣味

大前さんは多趣味で、ちょっとしたことでも凝っている。元々楽器演奏が趣味で、大学時代はオーケストラでクラリネットを吹いていたこともある。60歳の時には還暦記念コンサートも開催したほどだ。

買い物は定番、たとえばゴールドファイルのセカンドバッグ、トゥミのブリーフケース、香港仕立てのマオカラーのシャツなど。

時間の過ごし方では、美容院、タイ式マッサージ、ネイルサロン、電気自転車でのぶらぶら散策、バイクで江戸川河川敷を散策、蓼科の別荘など。

グルメも行きつけのお気に入りの店(西麻布交差点近くの屋台風のかおたんラーメンがお気に入りだとのこと)の休日の一人メシから、年に数回早朝5時起きして家族で行く築地市場の大和寿司、ビジネスに使える店などTPOに合わせて広いレパートリーを持っている。

読書ではジャックウェルチの『わが経営』や、ユニクロの柳井さんの『一勝九敗』などのビジネス書、敗者を描いた司馬遼太郎の『峠』などの歴史小説、プラトンの『ソクラテスの弁明』などの哲学書、ファラデーの『ロウソクの科学』などの自然科学書なども大前さんのおすすめだ。

筆者は以前は書斎を持っていたのだが、今は次男の子供部屋になってしまった。現在はリビングの書斎コーナーでこのブログを書いているが、大前さんは子供部屋を削っても書斎を持つべきで、ひとりの時間を生産的に過ごせと語る。

パソコンを使っての調べ事、自分史作成、オークションや酒場の楽しみ、男の料理、老後の趣味、ボランティア、海外移住など他の趣味の話も満載だ。


『脱・ビジネス時計』大前さんも元はモーレツ人間

大前さんは今でこそ多趣味で、オン・オフを使い分けているが、マッキンゼーに入って数年は、入社四年目で出版した『企業参謀』が売れに売れて、引っ張りだことなり、ほとんど休みを取らなかったので、過労で体調を崩し、喘息を併発した。

これではマッキンゼーをやめるしかないと思い、当時のアメリカ人支社長に相談すると長期休暇を取るよう薦められた。辞めるかどうかはその後に決めろと。

それで年末年始も入れて3週間の長期休暇を取り、家族でパラオに行った。ダイビングを楽しみ、テレビもなく、新聞もない生活を数日続けていると、自分のなかのビジネス時計が止まり、オフ時計に切り替わったのだと。

脱・ビジネス時計は重要で、『リバー・ランズ・スルー・イット』のモンタナ州はアメリカ人に何もない場所として人気の場所だと。

ロバート・レッドフォード、ブラピのフライフィッシングと、きれいな川の風景を思い出す。筆者もモンタナのイエローストーン自然公園には、実はビジネスで行ったのだが(イエローストーン地区産のタルクを日本に輸出した)、次回は是非フライフィッシングに行きたい。


リバー・ランズ・スルー・イット


国内、海外旅行はオフのメインイベント。マイレージは最高の親孝行のツールだと大前さんは語っている。


大前さんの家族(チーム)マネージメント

大前さんはどんなに忙しくとも毎週木曜日夕食は奥さんとの定期点検にあてて、奥さんから家庭内の悩みを聞き、基本方針の意見統一をしていた。土日は家族や友人で楽しむオフの時間で、悩みを聞いたり、うち明けたりするには不向きだからだと。

筆者は平日でもできるだけ自宅で食事をとるようにしているが、必ずしも家内と意見交換しているわけではない。大前さんのやり方は導入できないかもしれないが、考え方は参考になる。

大前さんの奥さんはアメリカ人だが、趣味は邦楽、歌舞伎、剣道など純日本的だ。大前さんは『夫婦別行動で家族の会話を豊かにしよう!』と言う。それが夫婦円満の秘訣であると。

奥さんに自由と権限を与えれば、熟年離婚は遠のくと。


大前さんの子育て

子育てでは機会を逃さないことが重要であると。

筆者も大前さんと同様に、息子が二人いるが、全く同感である。子供はすぐ大人になるので、子供の時代に一緒に過ごすことが自分にも、将来の子供との関係にも良いと信じている。

子育てについては『ジャングルの掟』とか、「同級生としか遊ばない子供はダメになる」とか、「子供に教えるのでなく、『学ぶ手助け』をしよう」とか、参考になる考え方が披露されている。

特に印象に残ったのは「『小遣い廃止』から始める子供のマネー教育」という部分だ。

日本では1,600万人もが消費者金融を利用しており、多重債務者は150ー200万人と推定されている。個人の自己破産件数は21万件余りだと。

こんな状態になったのは、学校でも家庭でも、お金とのつきあい方を学ぶ子供のためのマネー教育が欠如しているからであると大前さんは言う。

家事手伝いなどで、小遣いは労働の対価だと覚え込ますのだと。


軽い話題でスッと読め、それでいて話題が充実しており、主張すべきことは主張している。大前さんらしい、よくできたエッセー集だ。是非一読をおすすめする。



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2006年03月20日

さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 息子にも読ませたいやさしい会計の本

2006年3月20日追記:


このブログでも書いたが、山田真哉さんの本に触発されたこともあり、またビジネス実務上も簿記の知識があると役立つので、簿記3級の試験に挑戦した。

昨年11月の試験では準備不足もあり、あえなく不合格だったので、この2月の試験では前回失敗した点、良く出るポイントをじっくり見直し、試算表とか決算書の作成ドリルを何例もこなして、手際よく処理できる様に備えて合格できた。

筆者の年になって簿記3級というのも、あまり人には言えないかもしれないが、やはり3級は簿記の基本で、簿記の知識は会社経営にも役立つので、年齢にかかわりなく、取得あるいは勉強をおすすめできる資格だと思う。

ただ、筆者自身はあまり簿記に向いていないのではないかと途中で思えてきた。うっかりミスや見落としが多いのだ。

だから、さらに2級商業簿記をチャレンジする気持ちには今のところなれないのだが、読者の皆さんは筆者のように頭が固いとか、うっかりミスは多くないだろうから、ご興味のある方は、年齢にかかわらず簿記3級あるいは2級のチャレンジをおすすめする。

簿記の話題なので、山田真哉さんのベストセラー『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』を再掲する。




さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学

『女子大生会計士の事件簿』など会計もののベストセラーを数々出している山田真哉氏の最大のベストセラー。手元の本も既に15刷である。

図書館で予約して約3ヶ月ほど待ったが、待った甲斐があった。わかりやすく、子供でもずぶの素人でもわかる本である。高1の息子にも読ませようと思う。

もともと出版社の人から、「一般の人が会計に親しめる本ができないか」と言われたことが、きっかけだと。

「アメリカでは子供のころからビジネス教育がなされていて、会計も一般常識として教育されているが、日本では会計の勉強は商業高校か大学の商学部、一部のビジネスマンしかやりません。しかし、日本でももっと会計の知識を浸透させていく必要があるのではないでしょうか?」

もっともアメリカでも『金持ち父さん、貧乏父さん』ではファイナンシャル・インテリジェンス(蓄財の知恵)は学校では教えないと言っているが、いずれにせよお金の知識を持つことは重要だということは同感である。


金持ち父さん貧乏父さん


この本の構成は次となっている(カッコ内は論点):答えを知ると面白みが半減してしまうので、どうしても答が知りたい人は続きを読むを見てください。:

1.さおだけ屋がやたら近所を巡回しているのに、人が買っているところを見たことがない(利益の出し方)

2.住宅街のはやらない高級フランス料理店(連結経営)

3.在庫だらけの自然食品店(在庫と資金繰り)

4.完売したのに怒られたスーパー店員(ヒントになるので続きに記載)

5.トップを逃して満足するギャンブラー(回転率)

6.あの人はなぜ割り勘だと支払い役にまわるのか?(キャッシュフロー)

7.数字に弱くても数字のセンスがあればよい

ゲーテが会計学は『最高の芸術』と評したそうだが、このように身近な事例から考えるとよく理解できる。「どうすれば物事を的確にとらえることができるようになるのか?」ということにチャレンジし続けているのが『会計』という学問である。

筆者も一念発起現在簿記の勉強中だが、利益や資本金など見えないものを数字で表して、なおかつ会社の実体を捉えることができる会計はたしかにすばらしい発明だと思う。

著者はものを捨てられない『貧乏性』だが、奥さんは『捨て魔』だと。なにやら筆者のウチと同じ家庭があった。しかし会計的に考えるなら、使わないものはさっさと捨ててしまったほうが、はるかに合理的で効率の良い『正しい方法』なのだ。

売掛金/売上高などの『わり算』で得られる係数は真実をあぶりだす力がある。だから「木を見て森を推測する」のが会計士の仕事である。つまり重要そうな一部を調べて、問題がなければ全体も大丈夫だろうと太鼓判を押すのが会計士の仕事である。

『数字の壁』、『数字のセンス』も面白い。

数年前の全日空の50人に1人の搭乗券が無料という『楽乗(らくのり)キャッシュバックキャンペーン』を考えた人は相当に鋭い数字のセンスの持ち主であると。

全体の2%の当選確率ゆえ、コスト的には2%の値引きにしかなっていないが、50人に1人とすることで、必ず搭乗機に当たりが数人いることとし、それが口コミで伝わり、全日空に乗り換えた人も多く、このキャンペーンでの利益は数十億円と言われているそうだ。

著者にもともと会計学に開眼させてくれたのは、アルバイトでつとめていた学習塾の塾長のコメントであると。

「XX塾、○○中学に120人合格。市内6教室にて展開」というチラシを見て、普通なら120人も合格するならすごいと感じるところを、1教室あたりでは20人に過ぎず、自分の塾は1教室だが40人合格している。

この塾の合格者総数は昨年と同じだが、教室数は増えているので、力は落ちていると見抜いた由。

『わり算』が分析の基本であり、ある特定の数字を定期的におさえることが、分析の極意であり、数字のセンスである。

家計でのキャッシュフローの重要さを説き、安易な繰り上げ返済や保険見直しに警鐘を発する。個人の場合、いくら負債が多くても、すぐに支払うべきものでなければ気にする必要は全くないと。

また自宅の資産価値が下落しても、ずっと住み続けるのであればこれも気にする必要は全くない。

会計学って簡単だなと思わせ、ちょっとでも興味を持ってもらえれば著者にとっては及第点であると。

他の本も読んでみたくなった。

普通ではとっつきにくい会計学をここまで売れる『商品』にしている。著者の山田さんはすごい会計士だ!

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2006年03月12日

成功読書術 元アマゾンのカリスマバイヤーが名著30冊を紹介 やはり最初はカーネギーだ

成功読書術 ビジネスに生かす名著の読み方


元アマゾンのバイヤーで、メルマガでビジネス・ブック・マラソンを発行している土井英司さんの30冊の名著の紹介。

アマゾン・ジャパンで立ち上げの1ヶ月前に入社し、4年間仕事をしてきた土井さんは、アマゾンでは一般に言われている専門書が売れる他、古典的名著もよく売れることに気が付いたと。

今注目されているロングテールマーケティングである。

土井さんは出版業界ではビジネス書フリークと呼ばれているそうだ。土井さん自身は『ビジネス書バカ』と卑下しているが、この30冊のセレクションと簡潔な紹介は、さすがと思わせるものがある。

やはり土井さんもカーネギーの『人を動かす』から始めている。


人を動かす 新装版


構成は次の通りだ:

1.人間探求の書

2.勝負師たちに学ぶ極意

3.教えを実践した経営者たち

4.自らを高め、人生に成功する

最後にスティーブン・コヴィーの『7つの習慣』、エリヤフ・ゴールドラットの『ゴール』と続き、トロイ遺跡を発掘したシュリーマンの『古代への情熱』で締めくくっている。


古代への情熱―シュリーマン自伝


学生の時、岩波文庫で『古代への情熱』を読んで感動したことを思い出す。

同じ原書の異なった翻訳本が岩波文庫、新潮文庫、小学館、角川文庫から出ているという本も珍しいのではないか。

それほど時代を通じて多くの人に感動を与えているということだろう。

30冊の中には筆者も読んだことがない本も多い。

筆者の好きなビジネスの達人の新将命さんは、メンターとも言うべき影響を受けた人物としてカーネギー、安岡正篤、ドラッカーを挙げている。

筆者はドラッカーは、最新書も含めて何冊も読んでいるが、どうも頭に入ってこない。

土井さんはドラッカーの1966年発刊の古典的名著『経営者の条件』を選んでいる。この本から、またドラッカーを読み直そうと思う。


新訳 経営者の条件


ケミストリーが合う土井さんの推薦する30冊。すこしずつ読破して行こうと思う。

良い本に会えたと感じる一冊でした。


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Posted by yaori at 11:24Comments(0)TrackBack(0)

図解 ネット業界ハンドブック ネット業界が概観できるおすすめハンドブック

図解 ネット業界ハンドブック


このブログでも取り上げた『ヒルズな人たち』の著者佐々木俊尚さんのまとめたネット業界ハンドブック。


ヒルズな人たち―IT業界ビックリ紳士録


東洋経済のハンドブックシリーズは就職活動の業界参考書にも使われるので、それを意識した構成となっている。

各企業の特徴をよくつかんでおり、佐々木さんがネット業界に精通しているジャーナリストであることがよくわかる。


この本の構成は次の通りだ:

1.ネットビジネス驚異の成長10年史

2.勝ち組ネット企業の秘密

3.ネットビジネスの儲けの仕組み

4.ネットビジネスを支えるキーワード

5.ネットビジネス成功のカギ

6.ネット企業の育て方

7.ネット企業で働いて成功する

資料 ネット業界主要企業データ


ネット業界の歴史から説明し、主要企業、ビジネス(儲け)のしくみ、成功のカギ等も説明しているので、わかりやすい。

広く浅く説明しているが、ポイントを押さえているので、新入社員教育用にも適当なおすすめハンドブックである。


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Posted by yaori at 02:35Comments(0)TrackBack(0)

2006年03月05日

息子たちと私 石原慎太郎さんの深い子息愛がわかり共感できる

息子たちと私―子供あっての親


筆者は息子と電話で話すのが好きだ。電話の口調というか、声のトーンというか、話していて楽しいという感じが伝わってくる。

カーネギーの本の人に好かれる方法の有名なくだりを思い出す。"he will almost jump out of his skin to show you how much he likes you." "with leaps of joy and barks of sheer ecstasy."

これは人の話ではない。犬と彼の子供の頃の愛犬チッピーの話だが、カーネギーは無条件の愛の例として使っている。

犬と同列にしたら息子も怒るだろうが、無条件の愛、好かれているという感じは、この犬の例が一番直感的にわかると思う。

石原慎太郎さんの『息子たちと私』も、石原さんの子息に対する無条件の愛がよくわかる。

石原慎太郎さんといえば、昔は『スパルタ教育』というベストセラーを出して物議をかましたことがあるので、息子には厳しいスパルタ教育をしている様な印象があったが、この本を読むと石原さんの深い子息愛が感じられる。


石原さんの息子への愛の原点

石原さんの息子への愛の原点は、石原さんの父親が会社で会議中に昏睡状態となって、そのまま帰らぬ人となった時だと。

会社に行って冷たくなった父親の遺体にふれたときに、自分と父の関わりは決してこれで終わったのではないと信じていたと。

石原さんは長男が生まれて『ああ、これでまた確かに環が一つ繋がったな』と強く感じたそうだ。

筆者も子供が産まれて、これで次代につなげるという人間として最低限の貢献はできたとを感じたものだ。


酒と教育

石原さんの最近のエッセーは『老いてこそ人生』とか『弟』を読んだが、自然体で、いわゆる昔のタカ派のイメージは薄れている。

しかしそれでもホテルオークラのメインバーで『大丈夫か』と念を押して頼んだドライマティーニがひどい出来だったので、突っ返すという様な『教育』をしている。

酒は文化であり、日本を代表するホテルで相手が外国人であれば恥をかくのはホテルではなくて、東京であり日本であるからだと。

この件は、後日談があり、たまたま居合わせたどこかの商事会社の社長が見て、石原は都知事になって人前で些細なことでホテルの従業員を叱りつけていたが、慢心は禁物だなどと批判していたという話を後から聞きつけ、石原さんは酒は文化であり、それがわからない手合いのレベルはしれていると人づてに伝えたそうだ。


石原さんは実は先輩

石原さんは実は高校、しかも同じサッカー部の先輩なのだが、石原さん自身の言葉によると受験校にいやけがさして登校拒否の様になり、1年間休学したそうで、あまり母校に良い思い出はない様だ。

そのせいか、子息は全員幼稚舎から慶応に入れている。全員姓名判断を受けての命名の長男の伸晃(のぶてる)さんは政治家、次男の良純さんは俳優(と気象予報士)、三男の宏高さんは昨年代議士となり、四男の延啓(のぶひろ)さんは画家となって、全員所帯持ちとなり、いまや石原さんには6人の孫がいる。


目次

この本の目次は次の通りだ:

1.存在の環

2.幼稚な親

3.子供たちの災難

4.兄と弟の関わり

5.似たもの同士

6.息子たちの仕事と人生

7.どういう生き方をするのか

8.スポーツに関するわが家のDNA

9.酒はわが家の伝統

10.酒という教育

11.海に関するわが家の系譜

12.叱る、諭される

13.子供の性

14.息子との旅

15.息子の結婚と新しい家族たち


印象に残るストーリー

いくつか印象に残るストーリーがある。

良純さんがホノルルマラソンに出て、残りあと何キロかという地点で突風に帽子を吹き飛ばされ、拾おうとしたが、今まで走ってきた脚を一瞬とはいえ急に止めたら痙攣が起こりそうで、暑さも激しく痙攣も怖いので、しばらくその場で脚踏みしながらついに思い切って立ち止まり、帽子を拾って走り出したという話だ。

この話を聞いて石原さんは感動したと。含蓄のある話だが、たとえ良純さんがいつか人生で突発事に巻き込まれても、彼は少なくとも他の男たちよりはそれに耐えられるに違いない。その理解こそが父親と息子のいうにいわれぬ根源的な関わりというものなのだと思うと。


子供の性

筆者も思春期の息子を持つ身であり、実はひそかに期待していた『子供の性』という章は、石原ファミリーの性教育がわかるのではないかと思っていたが、あまり詳しくはない。

やはり幼稚舎から慶応に入れると、ませた連中がいて、自然とわかる様になるのかもしれない。筆者の場合は、自分で考えるしかなさそうだ。

筆者の友人の六本木の婦人科の赤枝クリニックの赤枝先生も登場する。都の条例改正の時に、最近の性風俗の話を石原さんにレクチャーしたようだが、年輩者相手なら安心だと援助交際のアルバイトを娘にすすめる母親がいるとか驚かされる話だ。

サッと読め、石原さんの深い愛に共感できる良い本だった。                                     

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2006年03月02日

楽天の三木谷社長夫人の三木谷晴子さんとは?

2006年3月2日追記:

楽天『三木谷社長夫人』あるいは『三木谷晴子さん』で検索して、このブログを訪問される方がまたも急増している。

今回の1,000億円もの楽天の公募増資に際して、三木谷社長と三木谷晴子さんの両方が10万株ずつ市場で売却するという発表があったためだと思う。

現在の楽天株の相場が9万円前後で、創業者として取得価格はほとんどゼロなので、それぞれ90億円の株式売却利益が出ることになる。

莫大な利益が上がるので、たぶんご夫妻でビルゲイツ夫妻の様に、慈善事業とかに社会貢献をされるのではないかと思うが、今後どういったニュースが出てくるのか楽しみだ。

さすが三木谷さんと言わせるような発表を期待したい。

楽天グループの株主構成等は次の記事が詳しいので、再掲します。




2005年12月1日追記:

依然として楽天三木谷社長夫人の三木谷晴子さんで検索してこのブログを訪問される方が多い。

評論家の山崎宏之さんが三木谷夫人のことを書いておられるので、追加でご紹介しておく。

筆者は山崎さんのブログの内容については全く知らないし、三木谷夫妻の私生活には全く興味がない。真偽のほどは読者にてご判断願いたい。

私生活がどうであれ、楽天=三木谷夫妻が日本でも希な盤石の経営体制を持っていることに対する筆者の驚きと尊敬は変わらない。

ちなみにこの盤石の経営=所有体制は前例がある。西武グループの堤康次郎が実は確立していたのだ。




依然としてこのブログへのアクセスが急増している。

検索キーワードで見ると三木谷夫人、三木谷晴子さん、(旧姓)下山晴子さんというキーワードで検索して、このブログを見る方が多い。

実はYahoo!で『三木谷夫人』や『三木谷晴子』で検索するとこのブログがトップで表示されるのだ。

Yahoo!の検索エンジンの威力を思いしったところである。

楽天のTBSとの経営統合提案の関係で、三木谷浩史社長が「無一文になってもやり遂げる」と、三木谷夫人に言ったというマスコミ報道がなされているので、三木谷晴子さんとはどういう人かと興味を持った人が多い様だ。

このブログでは今回の楽天、TBSの関係では次のタイトルでアップしてある。

東洋経済の『IT・ネット業界地図』 楽天とTBSどっちが大きい?全体像を知るには最適のハンドブック

楽天の研究 これぞホントの楽天研究

これらを見て頂くと同時に、訪問者の方の参考の為に2004年度の楽天のホームーページで公開されている事業報告書の楽天の株主構成を紹介する。

三木谷浩史          19.34%
クリムゾングループ     19.11%(三木谷社長の投資会社)
三木谷晴子          13.20%
マスダアンドパートナーズ  4.53%(CCCの増田社長の投資会社?)
信託2口             6.25%
本城慎之介           2.11%
増田和悦             1.91%
ゴールドマン・サックス    1.47%
杉原章郎             0.97%

三木谷夫妻以外で個人名が出ている人はすべて楽天の創業メンバーだ。

クリムゾングループを入れると三木谷社長自身で38.45%、これに三木谷晴子夫人の持ち株を加えると51.65%となり三木谷夫妻で過半数を抑えている。

つまり三木谷社長は自分だけでも拒否権があり、夫人と意見が異ならない限り楽天の経営を思う存分できる盤石の資本構成なのだ。

楽天の時価総額は約1兆円なので、三木谷夫妻の資産は楽天株だけでも5,000億円、三木谷社長は他のIT企業の多くにも投資しているので、さらに数千億の資産はあるだろう。

実際には大量に楽天株を売ると、株価は急落するだろうが、それでも「たとえ一文無しになっても」というのは並々ならぬ決意表明なのだ。

赤坂の土地とかの不動産資産価値は別にして、本業で民放4位に転落のおそれがあるTBSが最適なのか?という気もしないでもない。起死回生のTBSターンアラウンド策はどういうものがあるのだろうか?

その意味で『踊る大捜査線』などのコンテンツもあり、民放トップのフジテレビに目を付けたホリエモンは、目の付け所が良いが、経営統合の実現可能な相手ということではTBSしかないということかもしれない。

いずれにせよ三木谷氏が本当に自分の財産を売ってでも、TBSとの経営統合を強硬に推し進めるのか、それともお茶を濁したような和解的な解決となるのか、目が離せないところである。

エンターテインメントの王者ながら、業績としては長期伸び悩みの民放業界の再生がいかなる手法で可能なのか?注目される。


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Posted by yaori at 12:44Comments(0)TrackBack(2)