2007年10月29日

セカンドライフ まずはどんなものか知ってみよう

一時の勢いはなくなったが、今でも話題に上るセカンドライフ。

日本語にも対応してきたので、利用者も増えているようだ。

取り扱いが難しいと言われているので、セカンドライフを楽しむサイトもマグスルとか、セカンドライフの歩き方とか何種類かある。

セカンドライフがどういうものか知るのには、「やさしいセカンドライフ入門」がおすすめだ。

やさしいセカンドライフ入門


セカンドライフのユーザー登録から専用ビューアーのダウンロード、アバターの調整法まで、スクリーンショット入りで、わかりやすく解説している。

セカンドライフではベーシックアカウントなら無料、土地が所有できるプレミアムアカウントなら月9.95ドル、3ヶ月か1年分まとめて払うと割引がある。

セカンドライフでビジネス展開を考えるなら、「ウェブ仮想社会『セカンドライフ』」が入門書としてはわかりやすい。

ウェブ仮想社会「セカンドライフ」 ネットビジネスの新大陸 (アスキー新書 8)


著者の浅枝大志さんは、セカンドライフ参入支援サービスの(株)メルティングドッツの社長で24歳だ。

浅枝さんはセカンドラフは「現実に近い体験」が得られるバーチャルの本質を具体化したサービスだと語っている。

セカンドライフでは性別、年齢、人種、血縁など制約のすべてをリセットして、新たな生を得ることができる。その意味で本当の自分と出会えるのだという。

この2冊を読んでみたが、筆者はアバターにハマッたことがないこともあり、今ひとつセカンドライフを試す気にならなかった。

やはり世代の違いかもしれないが、筆者が興味を感じるのはゲームまでで、自分でアバターをつくって楽しもうという気にならないのだ。

余談になるが、時間があれば、やりたいと思っているのは大前研一さんが訳したダニエル・ピンク氏のハイコンセプトで紹介されていたAMERICA'S ARMYだ。

1年前で760万人が参加といわれていたので、今は1,000万人程度が参加しているのではないかと思う。

高度なオンラインシューティングゲームなのだと思うが、アメリカ陸軍がリクルート・広報の一環として提供しているものなので、興味がある。

America's Army2








ともあれ、日本でもセカンドライフを試してみる人は増えているので、どんなものか知るためには参考になる2冊だと思う。


参考になれば次をクリックお願いします。


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2007年10月27日

坊ちゃん オーディオブックが絶対おすすめ

坊っちゃん 上 (1) (新潮CD)

坊ちゃん







前回紹介した「東大のこと、教えます」で小宮山東大総長が、今までもっとも感銘を受けた本に「坊ちゃん」を挙げていたので、オーディオブックで読んで(聞いて)みた。

「坊ちゃん」はたしか小学校の教科書にも載っていたし、中学だったか高校だったか、いつ読んだか覚えていないくらい前に読んだ。

小宮山さんも「坊ちゃん」が初め読んだ小説だったということで、感銘を受けたそうだが、それにしても「最も感銘を受けた本」に選ぶのは違和感を感じていた。

坊ちゃんを再度本で読むのは、正直抵抗があったので、図書館で借りて何十年ぶりかでオーディオブックで聞いみた。

朗読は俳優風間杜夫で、「…ぞなもし」という松山弁も絶妙で、おばあさんのせりふも、登場人物各人のせりふも声色を変えているので、自分で本を読むよりも楽しめる。

オーディオブックなら「坊ちゃん」1冊が4時間半程度で、通勤の行き帰りで数日で聞ける分量だ。

たぶんほとんどの人が「坊ちゃん」は一度は読んだことがあると思うが、再度読むなら絶対オーディオブックをお勧めする。



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2007年10月26日

東大のこと、教えます あまり東大のことがわからない東大紹介本

東大のこと、教えます―総長自ら語る!教育、経営、日本の未来…「課題解決一問一答」


行動派学長、東大総長小宮山教授への55問。

小宮山さんの「課題先進国日本」を読んで好印象を受けたので、この本も読んでみた。

この本は2007年3月の発刊で、「課題先進国日本」が2007年9月なので、ほぼ同時期のものといえる。

News Weekの世界大学ランキングでは東大は16位だった。東大より上はアメリカの大学とイギリスのケンブリッジ、オックスフォードのみだった。上位30位に入っている非アングロサクソンの大学はカナダの大学一校と、東大、京大、スイス連邦工科大学チューリッヒ校、ローザンヌ校だけだった。

独仏の大学は一校も入っていない。独仏の不振の原因は、研究機関と教育機関を分けてしまったからではないかと指摘されているという。

日本は世界の「課題先進国」として、もっと世界に対して情報発信すべきであり、東大は世界の知の頂点として世界の課題解決に役立つ大学を目指すべきであると。

ちなみに小宮山さんの父親、叔父も東大、弟も東大、息子も娘も東大という東大一家で、それゆえ東大に対する愛校心が人一倍強いのだと。

この本は次の5部構成となっている。

1.東大にしかできないことがある
2.東大がニッポンを変える
3.東大だってお金が欲しい
4.(番外編)東大総長の胸のウチ
5.特別対談 小宮山宏 VS 梅田望夫

55の質問

全体で55項目の質問に小宮山総長が答える形となっている。たとえばこんな具合だが、質問の構成が網羅的でないので、正直これを読んで東大のことがわかる人は少ないと思う。

あきらかに東大を目指す高校生向けの本ではない。ビジネスマンの読者をねらった本だ。

・東大に新しい学部をつくるとしたらどんな学部ですか…ビジネススクール

・東大に就職部をつくったのはなぜですか…学生には正しい情報が伝わっていない
 (東大でも留学生や、博士号取得者の就職は難しい)

・早慶やハーバードよりも東大のいいところはどこですか…「総合力」では世界一だ
 (特に工学部などの実学が強い ちなみに小宮山さんは化学工学が専門だ)

・東大では、世界トップレベルの研究が行われていますか…1/3は世界トップ
 (固体触媒光化学の藤嶋昭名誉教授、化学チップの北森武彦教授、固体物性物理学の十倉好紀教授など、思いつくままに40名以上の名前が挙げられると)

・東大には海外から優秀な教授を引き抜く力がありますか…東大にはあるが、問題は日本のインフラ
 (問題は住居や子女教育なので、東大は大規模なインターナショナル・ゲストハウスを建築予定だ)

・ビル・ゲイツを客員教授に呼ぶならばどう口説きますか…口説かなくても来てくれる
 (小宮山さんはオラクルのラリー・エリソンと親しいが、彼の自宅は京都の桂離宮をそっくり模した建物で、宮大工を多いときは60人も呼んだそうだ。サンのスコット・マクナリーは昨年東大で講義した)

・40年前と比べて、東大生の学力は落ちたと思いますか…学問自体が複雑化していることも考えるべき
 ところで東大の女子学生比率は、40年前の理科一類では0.3%だったのが、現在は20%になっているという。

・ドラゴン桜の様に、もともと成績が悪くても受験テクニックで東大に合格できますか…燃え尽きていなければ、テクニックでもOK

・お金持ちの家庭でないと、東大に入れないのでしょうか…親の年収データは、正確なのか見極めるべき
 (自営業の年収捕捉率に問題があるのではないか)

・どうすれば世界における日本の地位が上がりますか…コンセプト先行型でいこう
 (例えば2005年のサミットでの小泉首相の「日本は3Rを推進します」発言は評価できると。3RとはReduce, Reuse, Recycleだ)

・若い世代の活字離れを食い止めるにはどうしたらいいと思いますか…ネットの情報だけでは、頭がバラバラになってしまう

・学者が社外取締役を兼務するのは、望ましいですか…どんどんやればいい
 (東大の50歳くらいの教授の年収は1,100万円くらいであると。社外取締役になって稼いで、自分の研究に投資してほしいと)

・経営者になる自信はありますか…利益を第一に考えたことがないから、自信がない

・経営者で、東大教授にスカウトしたい人はいますか…若者が好きな人なら歓迎
 (伊藤忠の丹羽宇一郎さんは物事を原理的に考える人なので、学者に向いている。ウェブ進化論の梅田望夫さんもいいと思うと)

・自分の研究ばかりで学生の教育をしない教員はいてもいいのですか…研究成果があってこそ、良い教育ができる

・もっと給料をもらうべきだと思っていますか…この激務なら二倍は欲しいところ
 (小宮山さんの年収は2,480万円だと)

・協業してみたい!と思う経営者がいますか…大構想「アジアの水田」に賛成してくれる人、求む
 (燃料としてコメを使うと石油の40%のカロリーだが、石油より安い。日本の技術でベトナムでコメを三期作するとか、ヤシ油を使ったバイオマスとか。アジアの水田は「金のなる木」だという。)

・これまで一番感銘を受けた本は何ですか…「坊ちゃん」(この答えに正直筆者は???だ)


梅田望夫氏との対談も面白い

最後の梅田望夫氏との対談も面白い。一般的な話題が多いが、特に印象に残ったのは、梅田さんは1975年以降生まれの日本人はすごく違うという。たとえばMixiの笠原さんとか、はてなの近藤さんだ。

帰国子女も増えて、語学力のある人が増えてきた。

彼らは15,16歳でバブルがはじけ、大学に入ってパソコンを使い出したが、大学に入ったときはバブル後のひどい時期で、卒業した時期に金融危機があり、自分たちはどうやって生きていくか真剣に考えているという。

卒業して1−2割が外資系やベンチャー企業という、旧来の「日本株式会社」でないところに就職した。旧世代よりよっぽどグローバルなメンタリティを持っているので、彼らを応援してやれば、日本は必ず良くなると。

さらに梅田さんはその次の世代は1991ー93年頃生まれになるだろうと。今の中学生の年代だ。彼らは生まれたときから世界一のITインフラの中で生きてきていると。

最後に東大教授になりたくないかと聞かれ、梅田さんはこう答えている

「そういって頂けるのは大変光栄です。先生からそういわれたら、1,000人中999人が『ありがとうございます』って受けるわけですよね。でも、僕は残りの一人になりたい。組織に属さないで、これだけ大きな事ができるっていうのを、身をもって示したいんです。

大学で教えることはすごく大事だと思いますが、同じエネルギーがあったら、僕はネットの向こうにいる不特定多数に向かって、自分が考えていることを語り続けたい。東大で僕の授業を受ける100人は、優秀かもしれないけど、本当に僕の話を聞きたい順に上から100人ではないでしょう。

ネットでは、何かを本気でやっていると、志を同じくした人たちがマグネットみたいにつながってくるんです。そっちのほうが面白いですね。」


梅田さんのブログには毎日15,000人がアクセスするという。さすが梅田さん、ネットの面白みをマグネットにたとえるのは、秀逸だ。

ひとことで言うと「読者愛」なのだろう。筆者も同じ思いだ。それゆえこのブログを三年弱も続けることができているのだと思う。

ビジネスマン向けのミクロ的東大紹介として読むと、参考になる本だ。


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2007年10月24日

マザーズ族 成功途上の経営者の話も参考になる

マザーズ族 Leading Entrepreneurs in TSE Mothers (Kobunsha Paperbacks 105)


起業バカ起業バカ2でヒットを出しているジャーナリスト渡辺仁さんによるマザーズ上場会社41社の社長プロフィール。

このブログでも紹介したヒルズ族(「ヒルズな人たち」に次ぐベンチャー経営者群だ。

「ヒルズな人たち」で取り上げられた人たちは、ホリエモンの様に栄枯盛衰があった人も居るが、楽天の三木谷さん、USENの宇野さん、サイバーの藤田さんなど、ベンチャーを通り越して、今や中堅企業となって活躍している。

いずれこの41人の中からも、中堅企業として伸びていく人も出てくると思う。

この本では、起業のきっかけ・着眼点、経歴、IPOと創業者利益、社長の役割・条件、情報源、尊敬する経営者などについて質問を用意して、それぞれの経営者から聞き出した内容をまとめている。

渡辺仁さんは、41社に取材を申し入れたそうだが、今をときめく企業などは、相手にされず、ほぼ半分の20社の社長には取材できなかった。そのため記事の内容もばらつきがある。


取材できなかった社長

取材できなかった社長のなかで、有名どころは次の通りだ:

GCA(M&Aアドバイザリー) 渡辺社長(48歳)佐山社長(53歳)2社長体制 マザーズ時価総額4位

Mixi(SNS) 笠原社長(31歳) マザーズ時価総額5位

アドウェイズ(アフィリエイト) 岡村社長(27歳) 史上最年少でマザーズ上場

比較.com(価格比較)  渡辺社長(35歳) 1円起業で初のマザーズ上場

ゲームオン(サムスンの子会社)  李相(イサンヨプ)社長(47歳) オンラインゲームメーカー

エムケーキャピタルマネージメント 加藤一郎太社長(52歳)不動産アセットマネージメント


億万長者か紙くずか、玉石混淆のマザーズマーケット」というイントロダクションのタイトルが示すとおり、興味本位の取材目的が透けて見えるので、多くの会社から敬遠されたようだ。

ちゃんと話を聞けた経営者のストーリーは参考になる。いくつかピックアップして紹介する。


・MonotaRO社長瀬戸欣哉氏

瀬戸欣哉社長(46歳)は筆者の後輩の元商社マンで、「プロ経営者」を目指していると語る。デトロイトの駐在員からダートマスにMBA留学した経歴を持つ。

米国最大の工具通販大手グレンジャー社と合弁で始めたMonotaROは、零細流通が牛耳っていた工場用工具・副資材ビジネスの「ルールを変えたベンチャー」だ。

資金を数回に分けて30億円も調達して、筆者も端で見ていて大丈夫かというくらい、チラシ宣伝などで毎年数億円使い、文字通りお金を燃やしていた(毎月の赤字幅をバーンレートという)。

しかし、その長期戦略が実を結び、今や18万社の中小企業を顧客に持ち、2007年の売上は前年比20%以上アップの120億円弱の規模で安定的に成長している。

Eコマースで売上高100億円以上というのは、非常に大きな規模で、瀬戸社長の不撓不屈(ふとうふくつ)の精神に頭が下がる。

上場しても瀬戸社長自身は、若干のストックオプション以外創業者利益も取らなかった。

尊敬する経営者は元上司の平沼重巳氏(筆者も尊敬している先輩だ)と語る。好きな言葉は「夫子の道は忠恕のみ」だと。

筆者に「ウェブ進化論」を勧めてくれたのも瀬戸社長だ。元同僚として誇れる熱血プロ経営者である。


・バリューコマース ティモシー・ウィリアムズ会長、ブライアン・ネルソン社長

日本に来て遺伝学を学んでいたニュージーランド人のティモシー・ウィリアムズ氏(36歳)が創業して、ギャラップ社のセールスディレクターだったブライアン・ネルソン氏(39歳)を社長に引き抜いた。

バリューコマース社は1999年にアフィリエイトを始めた老舗だ。

会社を大きくしていく段階で2005年にYahoo! Japanに、TOBという形で約110億円で50%弱の株式を売却した。

創業者のティモシー・ウィリアムズ会長は、会社設立資金にした300万円をニコスから金利18%で借りて、会社を設立したという。その元手300万円が、一時は時価総額300億円に大化けしたのだ。

ティモシー・ウィリアムズ会長の尊敬する経営者はマネックス・ビーンズ証券の松本大社長だという。ゼロからソニーの出資を得て、会社を大きく伸ばした経営手腕がスゴイという。


・マガシーク 井上直也社長

マガシークの井上社長(42歳)は伊藤忠のファッション事業出身。この本の表紙の社長群の写真の最下段に載っている、一見グッドウィルの折口社長かと思わせる風貌の人だ。


「プロ経営者」の条件


現在"CanCan", "non-no", "Oggi"など14の女性誌と提携し、女性誌に掲載されたアパレルやアクセサリーをネットで購入できるサービスを展開している。つまり14の女性誌をストアフロントとしているのだ。

2007年3月期の売上高は60億円弱で、株価総額は92億円だ。

大企業ベンチャーの会社公開でもあり、井上社長の創業者利益はゼロだという。

社長の資質で最も重要なのは人間性だという。「この人についていけるかどうか」というのがポイントだと。

尊敬する経営者はワタミの渡邊美樹社長、日本電産の永守社長、GEのジャックウェルチだという。


・ソースネクスト 松田憲行社長(41歳)

松田憲行社長(41歳)はゼロと鳴くカエルのコマーシャルのソフトメーカー、ソースネクストの社長だ。売上高100億円強、時価総額は214億円。

大学を卒業して日本IBMに勤めるが、IBMでは非常に優秀な部長クラスでも住まいは郊外の2DKと知り、会社を辞めシステムコンサルタントとして独立し、自分の会社をつくる。

4年前からインドの会社と提携して、セキュリティソフトのゼロなど、安くても特徴のある製品を売っている。ソフトを1,980円(イチキュッパ)で売り出したことでも有名だ。

ウイルスセキュリティZERO (新パッケージ版)


社長の資質として一番必要なものは、決断したことを推進するリーダーシップであると語る。


・ドリコム 内藤裕紀社長

企業向けブログシステムやCGM(Consumer Generated Media)ネットメディア開発のドリコムの内藤裕紀社長(28歳)は京都大学の学生の時にチラシを配って仲間を集め、やることもろくに決まっていなかったのに学生ベンチャーとしてスタートした。

2006年3月期の売上高は約7億円。時価総額は154億円。

ブログのパイオニアで、企業向けブログサービス「ドリコムブログオフィス」では大小とりまぜて導入企業は1,000社を超すという。

IPO時に株を売ったので、創業者利益は20億円だという。

社長の資質としては、社長の目標設定が大事だという。社内の人がわくわくする目標なり、夢なりを掲げているのが経営者だと語る。

尊敬する人物は三国志の諸葛孔明などの戦略に優れた人、現代人ではアップルのスティーブンジョッブス、孫正義さんだと語る。


・ネットエイジグループ 西川潔社長

ネットエイジグループの西川潔社長(50歳)といえば、渋谷をビットバレーと呼んだ日本のネットベンチャーの兄貴分だ。

2000年だったか、日本のインターネットバブルの頃、西川さんを中心に、今や閉鎖した六本木のヴェルファーレでネットベンチャーを集めた大パーティを開催した。

その時、スイスのダボス会議からチャーター機で戻ってきて駆けつけた孫さんが参加して最高に盛り上がった話は有名だ。

ネットビジネスのインキュベーションを初めてビジネスにした経営者だろうと。

その最大の孝行息子がMixiだという。Mixiの笠原さんは、西川さんのオフィスの一角に机を2つ置いて、まずは求人サービスで創業した。

ネットエイジグループは、ファイナンス事業では48億円を5本のファンドで動かしているという。そのうち5億円は学生起業家ファンドで、7社に1億円強投資しており、いわばエンジェルの様な事業だ。

ベンチャーの兄貴分らしい活動だ。

西川さん自身は東大教養学部出身。私立武蔵高校の出身ということは、MonotaROの瀬戸社長の先輩だ。KDDIに入社し、アーサーDリトルに転職、その後バドワイザージャパン、AOLジャパンを経て1998年にネットエイジグループを創設した。


・リミックスポイント 吉川登社長(41歳)

画像処理・保存・管理技術のリミックスポイント社長の吉川さんは、大学卒業後、設計事務所に就職した。

いくつかのプロジェクトを経験して、建築やデザインを学んだ後、住商ファイングッズ(現住商インテリアインターナショナル)に転職して、IT関連事業を担当。

その後小さいデータの画像でも鮮明に拡大する画像処理技術を持つセラーテムテクノロジーに転職、社長を経た後、2004年にベンチャーキャピタルの出資を得てリミックスポイントを設立して独立した。

警視庁やALSOKの警備ロボットに使われているセキュリティ性の高いデジタル画像解析技術が売り物だという。

社長に求められる資質は、行動力と判断力、つまり「思いっきり」だろうと語る。


以上IT関係を中心に紹介したが、他のマザーズ上場企業として、秋田県のリードフレーム等の電子部品検査装置メーカー(インスペック社)、新薬・医薬品検査でナンバーワンの応用医学研究所、激安ふぐ料理の「とらふぐ亭」の東京一番フーズ、レストランチェーンのペッパーフードサービス、ハーバードMBAのマンツーマン英会話のGABAの青野仲達社長など、様々な業態のマザーズ上場企業の社長が紹介されている。


マザーズに上場して創業者としていくら儲けたんだ、という様な興味本位ではなく、成長途上の企業の経営者の話として読むと参考になる話が多い本だ。


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2007年10月21日

不都合な真実 アル・ゴアが力説する 地球温暖化の恐るべき事実

2007年10月22日追記:

「不都合な真実」の著者のアル・ゴア元米国副大統領がノーベル平和賞受賞者となったので再掲する。筆者は結局この映画は見なかったが、大変参考になる本だった。

地球の気候の変化は身近まで押し寄せている、是非この本を読んで現状を再認識することをお勧めする。


不都合な真実


映画も公開されているアル・ゴア元米国副大統領の地球温暖化、環境問題についての事実をふまえた訴え。

アル・ゴアは2006年のサイエンティフィック・アメリカン誌の「最も影響力のあった指導者」として選ばれている。

世界一受けたい授業







先日日テレの世界一受けたい授業に出演していたので、見た方も多いのではないか。

Futsugou







映画のホームページでは予告編が見られるので、是非見て頂きたい。エッセンスが紹介されている。

アル・ゴアは副大統領になる前の1992年に「地球の掟」というベストセラーを出している数少ない環境保護論者の政治家である。

またクリントン政権の副大統領時代に情報スーパーハイウェイ構想を発表し、ITの力でアメリカが世界の産業界をリードするポジションを取り戻した立役者でもある。

シリコンバレーを民主党びいきにしたのも、彼によるところが大きい。

ちなみにアル・ゴアの父親アル・ゴア・シニアは米国のハイウェイ網建設を推進した政治家の一人で、父親のハイウェイ構想と対比された情報スーパーハイウェイ構想だった。


悲運の大統領候補

筆者はアル・ゴアが敗れた2000年の大統領選挙をアメリカに居て経験した。

エレクションデイ(11月の第2火曜日)の夜、各テレビネットワークが州別の勝ち負けを発表し、青と赤で地図がどんどん色分けされていく中で、全米中が興奮していた。

2000 electipn






たしか真夜中にはアル・ゴアが優勢(当確?)と報道された様な記憶があるが、翌日起きてみるとまれに見る接戦で、フロリダの獲得票が最終の結果を決めることとなり、ブッシュの勝利が一旦発表され、アル・ゴアもブッシュ・ジュニアを祝福した。

得票数ではアル・ゴアが勝っていたが、アメリカの大統領選挙は選挙人を選ぶ間接選挙なので、選挙人の数では277:266でブッシュがわずか5人の差で勝利を収めた。

ところがフロリダの各カウンティの無効票の数え方がおかしいとして、再集計が発表され、アル・ゴアもブッシュに対する祝福を取り消した。

再集計に結構時間が掛かり、その再集計結果がおかしいとゴア陣営が提訴し、このままズルズルと大統領が決まらないという異常事態になった。

結局連邦最高裁が5:4の評決でこれ以上の再集計中止を決定し、ブッシュの勝利が確定した。この間たしか1ヶ月ほどだった。

その後アル・ゴアは政界から引退し、たしか大学教授となった後、ビジネス界で独立系テレビ会社や投資事業会社などの会長を務める他、環境問題の啓蒙家として、世界で積極的に活動している。


アル・ゴアが大統領になっていたら

世界の先進国の中で、地球温暖化を食い止める為の京都議定書を批准していないのはアメリカとオーストラリアだけであり、これはジョージ・W.ブッシュがクリントン政権が結んだ京都議定書を批准していないからだ。

なにか昔の国際連盟の話の様だ。第一次世界大戦直後の国際連盟も、アメリカ大統領ウィルソンが提唱したのだが、当のアメリカではウィルソンの民主党に敵対する共和党が議会の多数を占めており、議会が否決して結局アメリカは国際連盟に加入しなかった。

イラクに侵攻したのもブッシュ大統領であり、これは石油業界の利権、カーライルを中心とするファンドにバックアップされた軍需産業の後押しも感じられる。

こうしてみるとアル・ゴアが大統領になっていたら、世界は違った展開になっていたのは確実と思う。それもたぶん今より良い世界となっていたのではないか。


恐るべき事実

この本でアル・ゴアは、地球の二酸化炭素濃度が過去50年急速に上昇し、温暖化のスピードが速まっている事実を指摘する。

1860年以降、地球の平均温度は確実に上昇しており、2005年は過去最高温度の年で、最近の20年はすべて平均気温が高いトップ21に入っている。

各地の氷河の消え去り方、キリマンジャロの雪が数年でなくなるなど、一目でわかる数々の事例が写真で紹介されている。

2004年、そして2005年にニューオリンズを襲ったハリケーンカトリーナは記憶に新しい。毎年毎年ハリケーンの勢力は強くなり、ブラジルなど、今までハリケーンのなかった地域にもハリケーンが発生している。

これも温暖化で起きる現象だ。

もっと深刻なのは北極だ。南極の氷冠は3000メートルの厚さがあるが、北極の氷は平均3メートル以下だ。北極は地球で一番温度が上がっている場所で、直射日光と海水の気温上昇のダブルパンチで、急速に氷が溶けている。ホッキョクグマも絶滅が心配されている。

地球の平均気温は14.5度だが、気温が2−3度あがるとき、赤道付近では0.5−1度しかあがらないが、北極付近は7度あがる。


海洋コンベアベルト

地球にはメビウスの輪の様な「海洋コンベアベルト」がある。

北大西洋で蒸発により塩分濃度が上がったメキシコ湾暖流が、毎秒2000万立方メートルという信じられない速度で沈み、深層水の流れとなる。

それが南米から南極を通って太平洋で浮上し、赤道付近でまた暖流となってアフリカを通ってメキシコ湾に戻る。

北極やグリーンランドの氷が溶けたとき、この海洋コンベアベルトがどうなるのか。地球に与える影響は計り知れない。

もしグリーンランドと南極の氷が溶けたり割れたりすると、海面は5.5−6メートル上昇する。そうなると世界地図は変わる。

海面が上昇した場合のシミュレーション地図が多く載せられている。上海では4000万人が非難、バングラデシュでは6000万人が家を失うことなる。


エネルギー消費の急増

世界の人口は爆発的に増えている。1945年に23億人だった人口は、2000年には65億人になった。2050年には91億人になると予想されている。

森林伐採はひどい傷跡をアマゾンなどに与えている。

この本の中にある地球の夜の合成写真も驚く。

都市の夜の照明の他に、アフリカ、アジア、オーストラリアではたき火で煮炊きするので、かなりの部分が赤くなっている。シベリアでは天然ガスを燃やしているので、黄色くなり、東シナ海や日本近辺の海では釣漁灯のために水色になっている。もっとも北朝鮮はまっくらだ。

世界中で温暖化ガスが放出されているのだ。


アメリカが世界最大の温暖化ガス排出国

温暖化ガスの排出量では、アメリカ一国で世界の30.3%を占める。ヨーロッパが27.7%、ロシアが13.7%、東南アジア・中国・インドで12.2%、日本は3.7%だ。

アメリカは中南米、アフリカ、中東、オーストラリア、日本、アジアのすべてを合計したよりも多い温室効果ガスを排出している。

科学において、地球が温暖化しているということほど皆の見解が一致することはまれであると。

過去10年間に地球温暖化に関する論文は928に対して、地球温暖化を疑う論文はゼロだった。

ところが過去14年の間に新聞に掲載された地球温暖化に関するマスコミの記事は636で、地球温暖化を疑う記事はその53%だった。

誰かが世論を操作しているのだ。

それは石油業界や自動車業界などに支援されたブッシュ政権に他ならない。アル・ゴアはこれはタバコの害を隠した、タバコ会社のロビー活動と同じだと断ずる。(アル・ゴアの姉は肺ガンでなくなった。)

ブッシュ政権は京都議定書を批准していないが、米国の多くの都市は京都議定書を独自に"批准"し、温暖化物質を減らす政策を実行中である。

またエクゼクティブの中にも、GEのイメルト会長のように「環境に優しいことはお金にもなると考えている。環境面の改善が、経済面の利潤にもつながる時代なのだ」という考えの人も増えている。

アル・ゴアは将来を守るため、私たちはもう一度立ち上がらねばならないと呼びかけている。


アル・ゴアが呼びかける私たちにもできること

1,自宅の省エネを進めよう
  電球の代わりに電球型蛍光灯を使う。省エネ家電を買う。冷暖房効率を上げる。お湯を節約する。無駄なスタンバイ電力を減らす。風力などのクリーン電力に切り替えるなどだ。

2.移動時の排出量を減らす
  公共交通機関を利用する。賢く運転する。停車中は、エンジンを切る。燃費の良い車に乗り換える。ハイブリッド車に変える。タイヤの空気圧をチェックする。飛行機の移動を減らす。在宅勤務をするなどだ。

3.消費量を減らし、もっと節約しよう
  消費量を減らそう。長持ちするものを買おう。買う前にごみを減らそう。リサイクルしよう。紙を無駄にしないようにしよう。こまめに蛇口をしめよう。買い物にはマイバッグを。生ゴミや落ち葉は堆肥にしよう。マイボトルを持ち歩こう。食生活を変えて肉の摂取量を減らそう。地場産のものを買おう。木を植えよう。カーボン・オフセット(植樹活動)を買おうなど。

4.変化の推進役になろう
  気候変動についてさらに学ぼう。他の人にもおしえてあげよう。自分の学校や会社が排出を減らすように促そう。自分のお金で投票しよう。自分の投資の影響を考えよう。政治的な行動を起こそう。環境団体を支援しよう。


ビジュアルで印象深くまとめてある。映画も見てみたい。是非おすすめできる本である。

最後に一言。高校生の息子にこの本を勧めたら、インキがくさいと言われた。たしかにインキくさい。これで大豆インキを使用していたら(においの点は変わるかどうかわからないが)さらによかったと思う。


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2007年10月18日

子育てキャッチボール 古田政界入り説の火ダネとなった本

子育てキャッチボール―ボールひとつから始まる教育再生


古田敦也






最近このブログを「野村スコープ」というキーワード検索で訪問する人が増えている。

Googleの「野村スコープ」検索で20位台に、このブログで紹介した野村さんの「無形の力」がでてくるからだ。

この本はその野村監督の愛弟子、監督退任と選手引退が決まったばかりのヤクルト古田敦也氏と、民主党で7月の参議院選挙の東京都選挙区で2選を果たした鈴木寛氏の対談だ。

古田氏が政界に転身するのではないかという噂の火ダネともされている本だ。

古田氏、鈴木氏が自らの子育ての経験について語るのかと思ったが、予想していたのとは違う内容で、子育て・教育一般についての雑談集だ。

子供とキャッチボールすることで、相手のことを考える子供を育てようと語る。

ただ公園は大体ボール遊び禁止だし、学校の校庭には部外者は入れないとなると、実際問題どこでキャッチボールやるんだ?という気もしてしまう。

鈴木氏と古田氏は共通の友人のラグビーの平尾誠二氏を通じて知り合ったそうで、二人とも子供好きで、野球教室などのスポーツやコミュニティ・スクールなどの活動を通して一緒に活動してきたという。

この対談は2007年4月19日、古田氏が2,000本安打達成した後で監督として初めて退場になった試合後に行われた。

6月に発刊されたことといい、ところどころに「すずかん式」なるコラムがあり、鈴木寛氏の7月末の参議院選挙を意識した選挙対策本という感じがある。


古田氏の生い立ち

古田氏は、以前筋肉番付のスポーツマンNo. 1決定戦などに出演して、頭脳バトルのランダム数字暗記などに抜群の強さを発揮していた。

地頭の良さを感じさせるクレバーなキャッチャーで、筆者が好きな野球選手の一人だ。下で働きたい上司のトップに毎年あげられ、国民的人気もある。

そつがない受け答えに好印象を持っていたが、この本を読んで古田氏の生い立ちがわかり、非常な苦労人だと初めて知った。

古田氏の父親は格闘家で、柔道で国体も出ているが、「格闘技は銭にならん」というのが口癖だった。

宇和島出身で、山口県の宇部に稼ぎに出たが仕事がなくなり、やむなく大阪に出てきた。苦労の連続で、共働きで家はずっと貧乏だったと。

お父さんから、「野球選手が一番儲かるので、野球をやれ」と言われ、野球で両親を楽にさせたいと思ったことが、古田氏が野球を始めた理由だ。

古田氏は中学時代に、ひどいいじめにあう。(鈴木氏も小学校5,6年生で先生の遅刻や勤務態度を壁新聞で批判したら、先生にいじめられた経験を持つ)

貧乏ななかで、お母さんに無理して買って貰った真新しいスパイクを先輩に上納し、毎日先輩の汚れたスパイクを磨かせられていた。

お母さんはてっきり古田氏がスパイクを大事にしていると思っていたそうだ。古田氏がこの話をすると、いまだにお母さんは泣くという。


高校は進学校で甲子園予選は1回戦負けばかり

古田氏の出身校は新設の進学校なので、5時半には一斉下校しなければならなかった。授業が4時までだったので、野球部は1時間しか練習できなかった。

しかもグラウンドは共用なので、バッティング練習は週に2回、30分ずつしかできない。

PL学園は朝から夜10時まで練習しているのに、甲子園なんか目指せる訳がない。
ちょうど同地区で市立尼崎高校の池山隆寛というスーパースターが居たという。

古田氏は大学は自力で受験勉強して、15校くらい受験して、立命館と関大に受かった。

家が貧乏なので、自宅通学できる関大に行こうと思っていたところ、立命館の監督から是非にと勧誘され、立命館大学に進学した。

古田氏の高校は弱かったが、たまたま監督が試合を見ていて、古田氏の印象が残っていたという。


大学では指名を逃すが、社会人2年目でヤクルトが指名

大学では2年生からレギュラーとなり、4年の時は数球団から2−3位でドラフト指名すると言われ、記者会見場まで準備していたが、結局どこの球団も指名せず、恥をかいた。メガネをかけたキャッチャーは大成しないという判断だった様だ。

古田氏は乱視でコンタクトが合わないので、メガネをかけて野球をやらざるを得なかったのだ。

「絶対に見返したる」と気持ちを切り替えて、トヨタに就職し、ソウルオリンピックでは銀メダルを獲得、2年後にヤクルトに2位指名される。

しかし古田氏のお母さんは「トヨタのほうが良いと思うよ」と言っていた。一流企業だし、大卒で入ったので、普通に出世すれば生涯賃金がこのくらいで、プロになるより良いという話だ。

プロになってもそんなに稼げないぞ、よく考えろとみんなに反対された。


プロの球を全く打てず、投手のクセから球を予測する観察力をつける

プロに入ってから、実際プロの球を全く打てなかったので、いつも人のフリーバッティングを見て研究した。

投手のクセを必死に見つけ、投げてくるボールを予想し、なんとか打てるようになった。

打撃開眼して、ボールが飛び出したのは、中西太コーチからの又聞きで「ボールの外側を打て」と言われたことだという。ボールにストレートスピンが掛かって、よく飛ぶ様になったと。

それからの活躍はウィキペディアに詳しい。

2,000本安打を達成した初めての大卒、ノンプロ出身選手である。


古田氏が国民的英雄になった2004年のプロ野球ストライキ

古田氏が一躍男を上げたのは、2004年のプロ野球始まって以来の選手ストライキの時だ。選手会長として選手会をまとめあげ、巨人の渡邊恒雄オーナーから「たかが選手がなにをいうか」と言われながらも、ねばり強く交渉し、ついにオーナー側の1チーム減の11チーム、1リーグ制案を葬り去る。

さらに新規参入も決まり、近鉄がなくなった代わりに楽天が新規参入し、2リーグ制は存続し、長年の懸案だった交流戦も決まった。

オーナー側にファンのことを本当に考えて、プロ野球を興行として成功させるマインドを持たせ、現在行われているクライマックスシリーズなど、多くのプロ野球改革の誘因となったとも言えると思う。

ピンチがチャンスになり、ストライキがベストの結果を生んだのだ。


恩師野村監督の教え

このブログでも野村監督の著書は2冊紹介しているが、野村監督から、観察眼を磨き、投手のクセを見抜くことを習った。

例えばフォークボールを投げるときは、どうしてもセットに時間が掛かるので、不自然に見せまいとしてボールを持つ位置があがる。

こういうクセを見逃さず、球種を予想してその通りの球が来れば、ヒットになる確率は高くなる。それがプロの打ち方だ。

「幸いにして、野球選手で頭を使っている奴は少ない。おまえらだけ頭を使えば勝てるじゃないか」と野村さんは言っていたという。


トヨタと野村監督は真逆

社会人として働いたトヨタではイエスマンになるなと教えられたのに、野村監督からは、反論すると「おまえ、トヨタに行って何してたんや。社会人の2年間を無駄に過ごしやがって、このやろう」と怒られたという。

「おまえなぁ。俺はおまえの何や?」「監督です」「監督と言えば上司やろ。部下は上司の言うことにハイと言っていればいいんや」と。

トヨタの教えとノムさんの教えは真逆だったと。

野村監督はお歳暮を贈らないと怒るという。入団してすぐ「この中にお歳暮を贈ってない奴がおる」と、ミーティングで説教された。

監督を観察して、何が好きかリサーチして、お歳暮を贈った選手がほめられたという。

古田氏は、最初の年ははやっていた入浴剤を送って、門前払い同然だったが、3年目に監督の好みをリサーチして、パパイアを送り、まあ、うちに入れと合格を貰ったという。

古田氏に実績がついてきたら、話をきいてくれる態度をみせてくれる様になったというが、トヨタの教えと「野村の考へ」が真逆だったことが、二人の名キャッチャー出身の監督の間に溝がある理由の様だ。


野村監督の古田評

ちなみに野村監督の方は、古田氏のことを次のように評している。(野村ノートより)

古田は野村さんに年賀状もよこさない。だから正直、古田が野村さんのことをどう思っているのかわからない…。

古田は過信家といってもいいほど自己中心的な性格をしているが、ことリードという点では探求心、向上心があった。なにより野球に対するセンスが良く、頭脳明晰である…。


王監督は、日本でも台湾でも野球教室を開き、リトルリーグ支援でも有名だった。古田氏も、野球の古田塾をつくり、専門的に野球をやりたい子供達に直接教えたいと語る。

当分古田氏の動向から目を離せない。これだけの人材と人気なので、いずれは政界入りという選択肢もあるのだろう。是非明晰な頭脳を日本の為に役立てて欲しいものだ。


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2007年10月15日

リクルートのDNA リクルートの強さの秘訣がよくわかる

+++今回のあらすじは長いです+++

リクルートのDNA―起業家精神とは何か (角川oneテーマ21 A 61)


リクルート創業者江副浩正さんの自伝的ビジネス書。

リクルート出身の知人もおり、リクルートは人材輩出企業として有名なので、タイトルに惹かれて読んでみた。

江副さん自身は凡庸な人間だと語る。凡庸な人間でも精一杯頑張れば、ある程度のことができる一つの例として、これから事業を始める若い人の参考になればと、この本を書いたと言う。

江副さんは甲南中学・高校出身。東大の教育学部卒だが、大学にはほとんど行かず、東大新聞の企業向け広告営業で成功し、就職するのがばからしいくらいの収入を得る。

東大新聞社理事の天野勝文さんに「広告もニュースだ」と言われたことがきっかけで大学新聞の就職広告からスタートして、数々の情報広告メディアつくりに進出し、現在のリクルートグループをつくりあげた。

江副さんの功績は、大学生の就職情報、転職、不動産、中古車などの情報を広告と結びつけた新しい広告分野を作り上げたことと、人材輩出企業と呼ばれるリクルートというビジネスシステムを作り上げたことだ。


江副さんの考える成功する企業風土

江副さんの考える成功する企業風土で、一番に来るのが考え方を同じにするということだ。

藤田晋さんの本で紹介されていた話だが、リクルートコスモス出身の現USEN社長宇野さんが現在のインテリジェンスを創業したときに、藤田さんを勧誘したのも『大事なのは金じゃない。本当に大事なのは志を共有できるかどうかなんだ』という言葉だった。

起業するときは仲間全員が同じ方向に向いているが、数年経つと考え方が違ってきて、一度ベクトルがずれるとなかなか元の起動には戻らない。

経営者にカリスマ性があれば、社員はその人についていくが、江副さん自身カリスマ性はないので、自分のメッセージを出せず、弱点を克服するために苦労したという。

次のようなことまで語っている。

「私は子どもの時からケンカが弱く、他人と競うことを避けてきた。人を統率する力はとても弱い。いつも会社のトップでいることがつらかった。そのため社員の誰よりも懸命に働こうと、一番に出社、夜は最後に電気を消して鍵をかけ帰っていた。」

ちょっと信じられない言葉だが、江副さんの本心からの言葉かもしれない。

人前で話す代わりに、江副さんの思いや経営に対するスタンスをリクルートの社訓、心得などにまとめて社員教育の教材とした。結果的に共同体意識が醸成でき、独特の企業風土や企業文化が生まれたのだと。


江副さんは”エゾリン” 社長もニックネームで呼ぶ会社

自由闊達な雰囲気は、社員同志が社長も含めてニックネームで呼んで親愛の情を示していることでもわかる。経営者も社員一人一人をよく知って、現場第一主義に徹していたという。

現役社長時代、江副さんは”エゾリン”と呼ばれており、社員で江副社長と呼ぶ者はなかったという。

現在の社長の柏木斉氏はカッシーだという。ちなみに柏木斉氏は筆者の寮の後輩だが、若い頃から社長候補と目されており、45歳で社長に就任したとのことだ。


大学新聞の広告代理で起業

江副さんは在学中から東大新聞の広告営業で年に50万円の収入があった。サラリーマンになると収入が1/3になるので、昭和35年(1960年)に卒業して、そのまま大学新聞広告代理業でスタートした。

リクルートというと江副さん一人が創業者だと思えるが、実際には鶴岡公(ひろし)さんが創業時からのパートナーだと江副さんは語る。

鶴岡さんは高卒後、東大新聞で原稿制作、校正、印刷の仕事をしていた。江副さんが営業、鶴岡さんが制作という役割分担だ。

早稲田、慶應、一橋、京大などの大学新聞の広告にも扱いを広げ、アルバイトも採用し、教育学部の先輩の森稔さんが学生時代に立てた西新橋の四階建て森ビル屋上の物置小屋を最初の事務所とした。

雨漏りがするので、森さんに話すと、「仕方がないよ。モリビルだもの」と言われたと。

鶴岡さんが就職特集記事をつくり、下に求人広告を入れて各大学新聞に出した広告がよく売れて、初任給が1万2千円の時代に、初年度100万円の利益を出した。

八幡製鉄(現新日鐵)の人事課長に個人との多額の取引は良くないので、株式会社にしてもらえないかと言われ、「株式会社の作り方」という本を買って、自分で設立手続した。リクルートの前身の株式会社大学広告の誕生である。江副さんが23歳の時の起業だ。


リクルートブックの誕生

翌昭和36年にアメリカ留学中の先輩からアメリカの就職情報ガイドブック「キャリア」を入手して、「これだ!」と思い、「企業への招待」という日本版の就職ガイドをつくる。有名なリクルートブックの誕生だ。

今もあるのかどうかわからないが、筆者が大学4年の5月頃に(当時は大学4年の9月1日が会社まわり解禁日だった)電話帳みたいなグリーンのリクルートブックがたしか四冊自宅に届いたので、母がびっくりしていたことを思い出す。

雑誌は表紙のデザインが重要だと考え、当時博報堂のコピー課にいた大学時代の友人の森村稔氏(のちにリクルートに入社してバリバリ広告コピーを書く)の紹介で、東京オリンピックのポスターデザインも担当した亀倉雄策氏にリクルートブックの表紙デザインを依頼する。

編集記事で会社を紹介するというコンセプトで、初年度100社の広告クライアントは軽く集まると思っていたが、いざ営業を始めると同業他社がやらないという理由で、なかなかクライアントが集まらない。

やむなく四十社ほどは無料で広告掲載してもらった。思い切ったギリギリの決断だが、これで最初のリクルートブックが世に出ることになる。

印刷の前金が足りず、頼み込んで芝信用金庫にビルの保証金を担保に融資してもらう。このときの恩義から江副さんの社長時代のリクルートの営業報告書では、常に芝信用金庫を金融機関リストのトップに載せていたという。

初年度は苦労したが、翌年度からは無料掲載はなくなり、売上も四倍となり、それからは倍々ゲームで高収益事業となった。

リクルートブック事業は新卒採用繁忙期の数ヶ月は極端に忙しいが、ほぼ半年はひまで、新卒採用の閑散期に始めた事業が、高校生のリクルートブックだった。

新卒採用情報のリクルートブックで成功したので、就職情報、住宅情報、エイビーロード、カーセンサーなどの様々な分野の情報誌を創刊していった。


フリーマガジン(?)のさきがけ

広告だけの本を書店で販売するのは出版界では初めてのことで、広告だけの本はトーハン、日販といった大手取り次ぎ会社では取り扱って貰えなかった。

そこで直接書店に持ち込み、無償で提供して売って貰うことにした。広告で利益があがるので、本の販売収益はゼロでよかったからだ。

通常の雑誌を売れば、書店の利益は売上の20%、それがリクルートの就職情報などの雑誌を売れば、利益は100%、しかも現金が入るとあって多くの書店で一番目立つ売り場に就職情報を置いてもらえたという。

書店に続きキオスクや駅の売店、ついにはコンビニにもねばり強く交渉し、進出したのだ。

こう書くと何か簡単なことの様に思えるが、取り次ぎ会社を通さずに書店に直販するには何らかの配送網を持たなければならず、今の様に宅配便がない当時ではありえないことだ。

江副さんがこの配送問題をどう解決したのか書いていないが、単に雑誌編集と広告営業だけでなく、配送のロジスティックスまで考えたリクルートのフットワークには頭が下がる思いだ。

今でこそホットペッパーやR25などのフリーマガジンが花盛りだが、リクルートは30年近く前から、消費者には有料でも書店には無料のいわばBtoB(対企業)フリーマガジン戦略で、書店やキオスク、コンビニに食い込んでライバルを部数で圧倒し、ナンバーワンの地位を確保したのだ。

部数がナンバーワンなら広告料も最も高くできる。損して得取れとはよく言ったものだ。まさに江副さんの戦略はその典型だ。

この無料戦略には普通の会社では、なかなか対抗できない。江副さんの「ナンバーツーは死だ」という言葉の意味が分かる。

一時は読売住宅情報がリクルートの住宅情報に挑んだそうだが、リクルートの無料戦略の前に破れさった。リクルートと競合する会社は大変だろう。


リクルートの行動指針

江副さんが考案したリクルートの社訓は、「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」というものだ。有名なIBMの"Think"のプレートに似せて、プレートもつくった。社訓には進取の精神が表れていて、いかにもリクルートらしい。

この社訓をもとに江副さんが行動指針をつくった。それが次のような経営理念のモットーだ。

1.誰もしていないことをする主義
2.分からないことはお客様に聞く主義
3.ナンバーワン主義(ナンバーツーは死だ)
4.社員皆経営者主義
5.社員皆株主(社員持株会が筆頭株主)
6.健全な赤字事業を持つ
7.少数精鋭主義
8.自己管理を大切に
9.自分のために学び働く
10.マナーとモラルを大切にする

この行動指針はリクルートの精神的バックボーンとなっている。


リクルートの高収益の秘密 PC制

稲盛和夫さんが生み出したアメーバー経営は以前紹介したが、リクルートにおける同様の制度がPC(プロフィットセンター)制だ。

江副さんが書中の師と呼ぶドラッカーが「現代の経営」で提唱していたアイデアに習って、PC制を導入して会社の中に小さな会社をたくさんつくった。

新訳 現代の経営〈上〉 (ドラッカー選書)


このPC制=社員皆経営者主義ゆえに、リクルートは多くの経営者を輩出できたのではないかと江副さんは語る、

ほとんどのPC長は三十歳未満で、十名程度の部下を率いる。

PC長で高い成績を上げれば、事業部長となる。事業部長で実績を上げれば、事業部門長となる。会社組織はピラミッドでなくグリッド型となる。

江副さんの退任時にはPC数は600を超えていた。

リクルート前社長の河野栄子さんは、この経営者育成プログラムの良い例だという。

河野さんは学生時代にリクルートと競合するアルバイトニュースの広告営業をやり、卒業後はニッサン車のセールスをやっていた。リクルート入社後もPC長から事業部長になるまで九年間連続して最優秀経営者賞を受賞し、43歳で専務、51歳で社長に昇格した。


リクルート成功の秘訣

この本にはリクルート成功の秘訣がサラッと書かれている。印象に残った点を簡単に紹介しておく。


最先端のOA

江副さんが昭和38年にアメリカに出張した時の経験から、IBM1100という大型コンピューターを使った自動採点機を導入し、当時急速に拡大していた適性検査の採点業務に使うとともに、大学などから入試採点業務を受注する。

まさに進取の精神だ。

リクルートの広告制作システムも大変自動化されたものだと、リクルート出身の知人から聞いたことがある。

リクルートのファックス一斉配信サービスは一頃市場を席巻していた。OA化も最先端で積極的に進めたのが、リクルートの成功要因の一つだ。


初任給は一流企業の三割増し

創業四年目から新卒採用を開始し、最初の新入社員の給与は一流企業の初任給の3割増しに設定した。高い給与で優れた人を採用するのがリクルート流だ。


リクルートは女性と高卒でもつ会社

2、000名の応募者から大卒四名、高卒四名を採用する。大卒は全員女性、高卒は男女半々だった。つまり採用八名のうち女性が六名だ。

リクルートは高卒と女性でもつ会社、と言われた時期が長く続くようになったそうだ。

今でこそ女性の総合職を採用するのが当たり前になっているが、30年以上前は女性総合職を採用している会社はほとんどなかった。女性の戦力を生かすという面でもリクルートは先進企業だ。


ファブレスのセル生産企業

リクルートは雑誌点数では日本一、印刷ページでも日本一、しかし平均発行部数は少ない。

自前の印刷工場を持たず、製造業で言うと「ファブレス」で、かつ少数多品種の「セル生産」がリクルートの強みだと江副さんは語る。


不動産は成長の原動力で、かつ鬼門

最初は森ビルの屋上の掘っ立て小屋から初めて、西新橋の本社ビル、新橋の本社ビル、大阪、名古屋の地方の支社ビル、銀座本社ビル、銀座日軽金ビルなど不動産で成功を収めた。

その後の不動産バブルもあり、不動産の含み利益がリクルート発展の原動力になったと言っても良い。

そして不動産分譲販売のリクルートコスモスの新規上場株を政治家や財界人などに配ったリクルート事件もまさにバブルの最中の事件だ。

結局撤退した岩手県の安比高原スキーリゾートの開発といい、不動産はリクルートにプラスとマイナスの両方の効果を与えた。


外飯・外酒

江副さんは「外飯・外酒」といって、得意先や社外の人との会食、勉強会や研究会への参加を奨励していた。外の人たちと交流を持ち、視野を広げることもリクルートの特色だった。講師になれば講演の準備が本人のためにもなる。

学会の役員になった人も多く、i-modeで有名な松永真理さんは、大学の非常勤講師を務めていた。前社長の河野さんは政府の総合規制改革会議のメンバーとなったり、経済同友会の幹事にもなっていた。

しかし江副さんの場合は、政治家を囲む会への出席が後にリクルート事件として大きな災いとなってしまった。


江副さんが学んだ名経営者の言葉

江副さんは交遊が広いので、多くの名経営者とのつきあいから、印象に残ったことを書いている。ソニーの井深、盛田、大賀さん、三洋の井植さんなどそれぞれに面白いが、松下幸之助とソフトバンクの孫さんのエピソードだけ紹介しておく。

松下幸之助は経営の要諦について、次のように語っていたという。

「人は誰でも得手なことと不得手なことがありまんがな。誰に、どの仕事を、どこまで要望するかが大事やなぁ」。経営の神様の味わい深い言葉だったという。

筆者も毎日1−2ページづつ愛読している松下幸之助の「道をひらく」は、松下幸之助が書いたPHPの連載コラムを編集したものだが、江副さんが聞いた様な話が満載で、大変参考になるのでこれもお勧めしておく。

道をひらく


ソフトバンクの孫さんの話も面白い。孫さんはゴルフが趣味で、自宅にゴルフレンジをつくり、暇があれば練習しているという。なんでも積極的だ。

孫さんは時間とお金、人を精一杯使う。ベンチャーの成功者になる条件だと。

まさに余談ながら、江副さんはソフトバンクモバイルはいずれKDDIが買収し、ドコモを超えるナンバーワンになるのではないかと予想していると言う。

むしろ孫さんは資金さえあれば、KDDIを買収したいと思っているのではないかと思うが、ともあれ江副さんの予想する合併も将来はありうるかもしれない。

この本でも紹介されているファーストリテーリングの柳井正さんの「一勝九敗」も面白かったが、この「リクルートのDNA」も参考になる。

一勝九敗


「リクルートのDNA」というと、リクルート出身者が持つ共通の性質のように思えるが、この本は江副さんの自伝的ビジネス書であり、リクルート出身者を一般化したものではない。

江副さんは既に現役をだいぶ前にリタイアされているだけに、気負いが全くなく自然体でスッと頭に入る。是非一読をおすすめする。


参考になれば次をクリックお願いします。


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2007年10月12日

誰も知らなかったケータイ世代 目からウロコのケータイビジネス解説

誰も知らなかったケータイ世代


ケータイ電話専用の放送局、Qlick TV=QTVサービスを提供しているフロントメディア社長の市川茂浩氏のケータイビジネス解説。

このブログでもケータイビジネス最大手インデックスの落合正美会長兼社長の「当てるコンテンツ外すコンテンツ」のあらすじを紹介しているが、落合さんの本は2001年の発刊で、最近のケータイビジネスの動きを知るには、この市川さんの本が最適だ。

筆者もケータイを使っているが、あくまで便利なツールとして使っているだけで、若者のケータイに対する愛情は今ひとつ理解できないでいた。

先日受講した研修で、「あなたの人生にとって大事な5つのもの」は何かというテーマがグループ討議の課題として出されたが、参加者は家族とか、お金、生きがいとか答えていた。

その時、講師が20代を対象にこの質問をすると、必ずケータイが入ってくると説明していたので、理解できない驚きを感じていた。

その答えがこの本でわかった。


ケータイは部屋にこもって使う!?

筆者は携帯電話は外出の時しか持ち歩かず、自宅では引き出しにしまっている。外出専用だ。しかし若者は自室で一人でケータイを使っている。

全く利用目的が異なる。

ケータイは他人が侵害できない自分だけの世界をつくる友達なのだ。

10代から20代のアンケート結果では、一日のケータイ利用時間は4時間以上と2−3時間で9割近くを占める。情報を得る為に主に利用するものもケータイが首位で54%、次のTVが25%、PCが18%なので、実にテレビの倍以上という結果が出ている。

QTVを見ているシーンでも、暇なとき、寝る前、一人で居るときに回答が集中している。

その意味では筆者が最近買ったiPod touchも一人で見る専用機なので、YouTubeやインターネットへのアクセスの簡単さ、画面のきれいさから言って、かなりのシェアを獲得すると思う。

iPod touch







そしていずれ日本でも販売されるiPod touchに電話機能が付いたiPhoneも、一人向けマーケットで人気となるだろう。


ケータイユーザー5原則

市川さんはケータイ世代の特徴として次の5原則を挙げている。

1.若者は、ケータイでいつでもつながっていたい
2.若者は、ケータイで何人もの役割を演じたい
3.若者は、ケータイで稼ぎたい
4.若者は、ケータイで秘密を持ちたい
5.若者は、ケータイで自己主張したい

これらの原則を理解すれば、若者のケータイに対する愛情が理解できる。

たとえば現在若者に人気のモバゲータウンは、5原則のすべてをカバーしている。ゲームが無料、デコメ、アバター、SNS、ケータイ小説があり、そして姉妹サイトでポイントが稼げる。

モバゲー








ケータイをちゃらちゃらいろんなアクセサリーで飾ることも、10代の女性の9割が使っているデコメを使うことも、自己主張なのだ。

匿名性がヒットの鍵で、モバ彼、モバカノ、モバ学校など、違う自分をつくって楽しむ。ある種の自分探しなのだ。誰にも言えない秘密をたくさん詰め込んでいるのがケータイなのだ。

モバゲータウンが会員200万人に達するまでサイト開設から9ヶ月だった。これに対しPCのmixiは200万人に達するまで1年9ヶ月かかった。PCとケータイの爆発力の差は大きい。

現在ではmixiもケータイに力をいれており、mixi会員になるにはケータイメアドの入力が必須となっているほどだ。


ケータイ2.0

市川さんは2006年夏頃からのケータイビジネスに於ける変化を、ケータイ2.0と呼んでいる。それはi-modeに代表される公式サイトに登録しなければ集客が成り立たない時代から、検索エンジンによる集客に変わったことをさしている。

ケータイサイトはインターネットでは検索できないので、女子高生の中で人気の「プロフ」もケータイのみの世界に限定される。

今やテレビや電車の広告も「詳しくは○○○というキーワードでネットで検索」というのがはやっているが、ほとんどがケータイ検索には対応していないので、みすみす若年層のユーザーを逃しているのだと市川さんは語る。


Qlick TVのサービス

QTVのサービスは、映像広告を見せてからユーザーが見たい番組を提供するというもので、パソコンのGyaoと同様のサービスだ。

ワンセグとQTVの違いを筆者も今まで区別が付かなかったが、ワンセグはテレビで流している同じ番組を放送するのに対し、QTVは様々な提供者がつくった映像を無料で流すものだ。

ワンセグはテレビを携帯電話で見るだけのもので、コンテンツはテレビと同じ。つまり昼の2時台には主婦向けの番組か再放送しかない。

たとえばこれを書いている10月8日は体育の日の休日の月曜日だが、筆者には平日の昼に見たい番組など、ほとんどない。

それに対しQTVはケータイ動画用のコンテンツである。自分の見たいコンテンツがあれば、いつでも見たい番組を見られるのだ。

つまりワンセグはケータイの1機能。QTVはコンテンツなのだ。

使用シーンが自宅で一人ということを考えた場合、居間にテレビがあるのに同じ番組をケータイで見るということはほとんどないだろう。深夜放送のノリで、やはりアングラな番組やマイナーな番組ということになるのではないか。

野球などのスポーツ好きな人は、外にいてもワンセグで試合を見るという使い方はあるし、車の中や旅行先で見たいテレビを見るということもできるが、そんな使い方が必要となるケースはごくわずかだろう。

市川さんはワンセグは、将来的にはカメラ機能と同じく標準装備され、なくても困らないが、ないと物足りないという機能の代表格になるのではないかと語っている。


これからのケータイビジネスのねらい目

市川さんはこれからのケータイビジネスのねらい目として次を挙げている。

1.ケータイへの接触時間・回数を増やすものがはやる

たとえばドワンゴのサイトが成功したのは、テレビCMもあるが、サイトが迷宮化したことがヒットした理由だと市川さんは指摘する。複雑で元に戻れず迷い込むことがケータイ世代の若者にとって、ひまつぶしに最適なのだと。

ちなみにモバゲーもテレビCMを行っているが、ターゲットは主に30代だと。既に500万人の会員を獲得しケータイ世代の会員はほとんど獲得してしまったので、違う世代をねらっているのだ。

またドワンゴのケースでもケータイサイトを会員ゼロから100万人に急速に増やすにはテレビCMが効果的だ。

2.ケータイ上の別人格を演じられるものがはやる
3.ケータイで新しい稼ぎ方ができるものがはやる

ポイントやリアルマネートレードが鍵だ。個人がコンテンツを提供してポイントを稼ぐというセミプロも登場するだろう。

ポイントによって個人サイトの課金システムを元締めする会社が登場すれば、儲かること間違いないだろうと。

4.若者に新しい「秘密」を持たせるものがはやる
5.若者にささやかな自己主張をさせるものがはやる


携帯電話を外出専用と考えている筆者の世代の人には、まさに目からウロコだ。ケータイ世代の特徴をわかりやすく説明している。

約200ページの本ではあるが、テンポが良いので1時間強で読み切れる。

ケータイビジネスを知りたい人には是非お勧めできる本である。


参考になれば次をクリックお願いします。


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2007年10月08日

課題先進国日本 東大の行動派総長 小宮山教授の提言

「課題先進国」日本―キャッチアップからフロントランナーへ


東大総長小宮山宏教授の日本改革の提言。

小宮山教授の専門は化学工学で、小宮山教授自身がCVD(Chemical Vapor Deposition)という半導体の薄膜製法を手がけ、CVD反応工学という新しい学問を生み出したという功績がある

小宮山教授は2003年に技術を生活に生かす「動け!日本」というプロジェクトを主宰しており、2006年、2007年と連続してダボス会議にも出席している。

東大総長がダボス会議に出席していたとは初耳だが、象牙の塔にこもらない行動派の総長という印象だ。


出羽の守

明治以来の学問は「出羽の守(かみ)」だったと。つまり米国「では」、イギリス「では」と外国の例を紹介するだけの論文を書いた人々だった。

今もこういう人は多い。ちょうど10月1日に郵政民営化が実現したが、マスコミに登場する評論家の多くは依然としてイギリス「では」、ドイツ「では」、スゥエーデン「では」と言っている「出羽の守」ばかりだ。

これからは、自分でゼロからモデルを創造しなければならないと小宮山教授は主張する。


東大総長としての訓辞

東大総長に就任して、小宮山教授は学生生活で獲得すべき目標として次を訓辞したという。

1.本質を捉える知
2.他者を感じる力
3.先頭に立つ勇気

筆者もかすかに記憶があるが、歴代の総長の訓辞はだいたい1が多い。有名な大河内一男総長の「ふとった豚よりやせたソクラテスになれ」というのも、1の路線だ。

つまり大学というアカデミズムのトップの自覚を持って、リーダーとして社会のために勉学に励めというものだ。

そんななかで、実社会で成功する上で不可欠なコミュニケーション能力や、リーダーとなる勇気を説いているのも、行動派総長小宮山教授の特徴と思える。


日本は課題先進国

小宮山教授は日本は課題先進国だという。

まだどの国も解決したことのない問題が山積だ。エネルギーや資源の欠乏、環境汚染、ヒートアイランド現象、廃棄物処理、高齢化と少子化、都市の過密と地方の過疎、教育問題、公財政問題、農業問題など。

これらは遠からず世界共通の問題となってくる。

日本のGDPは世界第2位で世界の11.2%を占めるが、二酸化炭素排出量では世界4位、4.7%にとどまる。日本には公害対策や、省エネ、太陽電池利用、ハイブリッド車開発という輝かしい歴史がある。

日本が課題解決先進国として世界をリードするのだ。

GDP規模ではいずれ人口が10倍の中国、インドに追い抜かれようが、エネルギーの効率的利用や公害問題で示したように、持続可能な世界をつくる課題先進国、21世紀のフロントランナーとして世界の範となるのだ。


サステイナブル・ソサエティ

小宮山教授は1999年に「地球持続の技術」という本で、「ビジョン2050」という環境と資源に関するトータルビジョンを提案した。

地球持続の技術 (岩波新書)
地球持続の技術 (岩波新書)


2030年には中国・インドが先進国の仲間入りをすると予想され、2050年には今の途上国を含め、世界中のすべての国が先進国並の生活水準となる。そのとき人口は90億人となり、それ以降は漸減する。エネルギーの消費は3倍まで増える可能性がある。

2050年を目標として、持続可能な(サステイナブル)社会をつくるためには、次の3つが必要となる。

1.徹底したリサイクルによる物質循環システムの構築
2.エネルギー効率を現在の3倍に引き上げる
3.自然エネルギーの利用を現在の2倍に引き上げる

ハイブリッド車から深夜電力が利用できるプラグインハイブリッド車、さらに電気自動車に向かうことによって自動車用のガソリン消費は2050年までにはゼロとすることができるという。

小宮山教授は廃材、モミガラ、麦わらなどを利用したバイオマスも提唱する。

バイオマス・ニッポン―日本再生に向けて (B&Tブックス)
バイオマス・ニッポン―日本再生に向けて (B&Tブックス)


小宮山教授は、自宅でも太陽光発電、アイシネンという断熱材、二重ガラス、エコキュートというヒートポンプ型冷暖房を導入して、自分でも実践している。


教育に関する提言

教師育成にも問題があると小宮山教授は主張する。

筆者も知らなかったのだが、以前は9割の高校生が物理を学んだが、今の高校ではわずか2割しか受講していない。

また以前は大学3年生からでも単位をよけいに取ることで、教員免許が取れたが、今は小学校の先生になるためには、事実上文系の教員養成コースに行かないと難しい。

物理も勉強したことがなく、文系で先生となるので、理科の嫌いな小学校の先生がどんどん増えていると。

小宮山さんは教員免許取得機会の多様化を主張しており、さらに教育院を設立して、多くの大学と教育委員会が共同して、新しい教師育成と現場の教師の研修にあたるべきだと主張する。


高等教育投資の財源

日本と米国の高等教育投資の差は大きいと小宮山教授は指摘する。

日本は2兆円だが、米国は15兆円で日本の7.5倍もある。これに加えてエンダウメントと呼ばれる寄付を基にした基金を高利で運用し、巨額の運営資金としているのだ。

たとえばハーバード大学の基金は3兆円弱、これを平均運用利回り15%で回して、2006年の利益は4,000億円にも上る。イェール大学は2兆円、平均運用利回りは20%に達するという。

日本では慶應大学のエンダウメントの規模が300億円で、全く勝負にならない。東大の年間予算が2,000億円なので、米国の一流大学は基金の運用益だけで東大の年間予算の倍の資金を得ているのだ。

米国の大学が豊富な資金によって、学費免除と奨学金を与えて、世界中から優秀な学生をリクルートしているのは知る人ぞ知る事実だという。

教育の質は予算規模だけでは決まらないが、理系などの実験装置・設備が必要な分野では、予算の差が高度な研究が可能かどうかを決めるファクターともなる。

小宮山教授は日本の大学への財政投資を今の倍の5兆円に増やすべきだと主張する。

財政事情が許さないのであれば、米国の様に個人の寄付を活用するために、税額控除を認めるべきだと主張する。

現在の日本の税制では、寄付は基本的に所得控除で税額控除ではない。

東大では2名の副理事に加え、10名以上をフルタイムで雇用して寄付集めに専念させているが、現状では限界があると。

発泡酒の例を見るまでもなく、税制は社会を動かす力がある。その意味で寄付を税額控除として、日本国民の1,500兆円の個人資産を教育に振り向けようという小宮山教授の主張は合理的だと思う。


東大の公開講座Podcasting

東大の知に関する公開講座がPodcastingで提供されている。iTunesで無料でダウンロードできる。

ノーベル賞受賞者の小柴昌俊教授が第1回に宇宙はどうやってできたかを講義している。

筆者もダウンロードして現在聞いているが、わかりやすく面白い。

便利になったものだ。

東大ポッドキャスト







日本人への応援歌

日本は江戸時代に教育普及率が70〜85%に達し、当時の世界で圧倒的にトップだった。高い教育水準と識字率が文明の基盤でもあった。

明治になって、欧米に工業化の面で追いつくべく富国強兵を実現した。敗戦でほとんどすべての産業基盤、社会基盤を失ったが、再び欧米モデルを追いかけ、終戦から23年後の1968年に世界第2位のGDPを達成した。明治維新から100年後のことだった。

狭い国土で乏しい資源でありながら高い成長を達成し、なおかつ公害問題もエネルギー問題も解決した日本。

その国民性を持ってすれば、「課題先進国」として世界に先駆けて課題を解決することもできるはずだと小宮山教授は日本国民に対してエールを送る。

「課題解決先進国になれ、日本はそれができるのだ、日本はきわめて良い位置にあるのだ」と。

行動派総長の日本への応援歌。あらためて発見することも多い。是非一読をおすすめする。


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2007年10月01日

シャーロックホームズ オーディオブックで毎日の通勤が楽しみです

[オーディオブックCD] シャーロック・ホームズ 「赤毛連盟」


筆者が最近はまっているのがシャーロックホームズのオーディオブックだ。

実はいままでシャーロックホームズは1冊も読んだことがなかったが、9月に参加した研修の主催者が、小学生の時にシャーロックホームズを読んで、将来は私立探偵になりたかったと言っていたことから興味がわいた。

シャーロックホームズの研究家、あるいはシャーロッキアンといえば、筆者と同じ商社マンの先輩 河村幹夫さんが有名だ。

われらロンドン・ホームズ協会員―シャーロック・ホームズ紀行


河村幹夫さんは50台、60台の人生再設計の本も多く出している。


六〇歳で夢を叶えよう―仕事、趣味、家族、お金 (角川oneテーマ21 A 70)


図書館からシャーロックホームズのカセットを借りて、アナログ/デジタル転換ソフトのSound-Itで転換し、iPodに入れて通勤途中に聞いている。

Sound it! 5.0 for Windows
Sound it! 5.0 for Windows


現在聞いているTBSブリタニカのオーディオブックではシャーロックホームズの名作が60分のテープに1〜2話入っており、通勤が楽しみだ。

小説の筋は詳しく紹介しないが、最初に「赤毛連盟」の欠員募集の新聞広告を出すというところから用意周到に考えられた数々の犯罪のなぞを、ホームズがまさに快刀乱麻に解いていくストーリーは面白く、かつ感心する。

原作者のコナン・ドイル自身もみずから2番目の傑作と評している作品だ。

いまさらシャーロックホームズの名作を読むことには抵抗感がある人には、シャーロックホームズの名作オーディオブックを是非お薦めする。

オーディオブックなら何度も繰り返し聞けるので、細部まで注意して物語をフォローできる。本だと、なかなか読み返そうという気にはならないものだ。

全世界にシャーロックホームズのファン、シャーロッキアンがいるのもわかる。たしかに面白いストーリーだ。

ハマりますよ。



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Posted by yaori at 23:24Comments(1)TrackBack(0)