2008年02月28日

フォーカルポイント ブライアン・トレーシーの一点集中のすすめ

フォーカル・ポイント―仕事の「その一点」に気づく人、気づかない人


成功哲学のブライアン・トレーシーの一点フォーカスのすすめ。

最初に原子力発電所のシステムトラブルの例が挙げられている。呼ばれてやってきたコンサルタントは、2日間くまなく歩き回り、何百もの計器、スイッチをチェックして計算をし、最後に一つの計器に「×」と書いた。

「この計器が壊れているので、これを交換すれば問題は解決する」と。その通り計器を交換すると発電所はフル稼働を始めた。

その後1万ドルのコンサルタント料の請求書が届いた。

あんな単純な×を付けただけの作業に1万ドルとは高すぎるとして、コンサルタント会社に問い合わせすると、計器に「×」を付ける料金 1ドル + 「×」を付けるべき計器を探す料金 9,999ドルという明細が届いたという。

人生のどの局面にあっても、どこに「×」を付けるべきか知ることは、なにかを成し遂げるため重要だ。

この「×」がフォーカルポイントである。

太陽光線を虫眼鏡で焦点を合わせると紙を燃やす熱が出る様に、またレーザー光線の凝縮されたエネルギーが鋼を切り裂く様に、重要な活動だけに集中すれば、あなたの知性や能力が高まり、普通の人よりも早く高い目標に到達できる。

フォーカルポイントの中心となる考え方は、「自らの明確化」である。自分が何者で、本当は何がしたいのかを明確に認識する方法だ。このために、次の4つのことを実行することをブライアンはすすめる。

1.重要なことには、現在より多くの力を注ぐ。
2.重要でないことはやらない。有益でないなら、その活動は減らすかやめてしまう。
3.今までしたことのない何か新しいことを始める。
4.ある特定のことから完全に手を引く。

この本では前半の部分では様々なフォーカルポイントプロセスと、それを実行するためのいくつかのヒントが述べられている。

後半の部分で1.億万長者、2.健康、3.ひとかどの人物、4.他人と違うことをする、5.精神的に満ち足りた生活の5つの観点にしぼって具体的アドバイスが書かれている。

フォーカルポイントプロセスを実行し、80:20の法則で仕事を効率化して、収入を3倍にした。それで時間ができたのでマメに運動して10キロ減量し、家族との時間、旅行もできるようになったセールスマンのことが紹介されているが、それはほんの一例にしかすぎないという。

フォーカルポイントプロセスとは、収入は倍、労働時間は半分になる方法だ。


GEホーソーン工場での実験

面白い例が紹介されている。GEのホーソーン工場で、照明の明るさや、騒音、室温、作業員の配置など、様々な条件を変えて最も生産性が高く、最もミスの少なくなる最高の労働条件を探す実験を行った。

結果は労働条件をどんなふうに変えても生産性は上がったという。

理由を調査したところ、従業員(彼女)たちは、実験の対象に選ばれたことに誇りを持ち、自分たちが重要な存在に思えたので、さらに一生懸命に働いたのだという。

このホーソーン工場の発見がその後のマネジメント革命の引き金となった。生産性向上に関わる心理的な要素の重要性だ。


SLAMが鍵

フォーカルポイントの要素は次の4つ、SLAMだという。先に紹介した本田直之さんのレバレッジ人脈術も似たような考え方だ。

1.合理化(Simplification)
  効率の悪い仕事、つきあい、習慣などをリストラする。

2.てこの力(Leverage)
  他人の力、他人のエネルギー、他人の資金、他人の成功のマネ、他人のアイデア、他人の失敗、人脈を利用する

3.加速性(Acceleration)
  誰よりも早く物事を処理する方法を探し出す。

4.多様化(Multiplication)
  自分にない技能や能力を持った人たちを集めて一緒に働くと、自分の能力や可能性を多様化できる。

優秀な人材が集まったチームをつくり、彼らに重要な業務を完了させる管理能力を身につければ、長期にわたる成功が保証される。まず第一はやるべきことを決定することだ。重要性と緊急性のクワドラントでやるべき仕事と優先度を決める。


様々なルール

詳しくは説明しないが、とても覚えきれない次のような様々なルールが述べられている。

☆生産性を高める3つのルール

☆生産性を高める7つの鍵

☆簡素化のための7R

☆生活をシンプルにする6つの方法

☆精神力を鍛える7つのプログラム

☆戦略的人生設計についての7つの質問

☆仕事で成功するための4つの鍵

☆お金を貯めるために毎日する4つのこと

☆いつまでも健康でいるための7つの秘密

☆1000%方式の7つの方法

☆21世紀を生きるあなたへの7つの教訓

やはりこの手の本はオーディオブックで繰り返し聞いて、頭にたたき込んだ方が良く理解できると思う。

"Forcal Point"ではオーディオブックは出ていない。

Focal Point: A Proven System To Simplify Your Life, Double Your Productivity, And Achieve All Your Goals


ただし、同じブライアン・トレーシーの"The Power of Clarity"のオーディオブックがほぼ同じ内容で出ているので、筆者はこれを購入しようと思う。

Focal Point: A Proven System To Simplify Your Life, Double Your Productivity, And Achieve All Your Goals
The Power of Clarity


最後に印象に残った部分を3点紹介しておこう。


1.億万長者を目指そう!

100万ドルを稼ぐことなど、想像以上に簡単だとブライアン・トレーシーは語る。

20歳から65歳まで毎月100ドルを運用益の良い投資信託に投資すれば、普通なら平均年率10.8%のリターンが得られる。その利率だと月に100ドルの投資が退職するときには120万ドルを超えている。

にわかには信じられないかもしれないが、エクセルで次のように入力してみて欲しい。

=PMT(10.8%/12, 45*12,0,1200000)

=PMTは毎月の支払い金額を求める関数だ。これを逆に使って、金利が10.8%で、元手ゼロ、45年後の受取額120万ドルの値を求めると、上記の答えは86ドルとなる。

10.8%の平均利回りなら、45年後に120万ドルの資産をつくるには、86ドルで済む。毎月100ドルも必要ないのだ。

人がそれをやらない理由は次の3つだとブライアン・トレーシーは言う。

1.そんなことに気づかない
2.行動を起こすのに必要な決断ができない
3.実行をぐずぐず先送りにするから

まさに目から鱗で、しかも筆者にぴったり当てはまるので耳が痛い。


(余談)35年満期の生命保険

余談ながら、筆者は10年以上前のアメリカ駐在の時に、死亡時の受け取り保険金50万ドルで35年満期の掛け捨て生命保険を買って、今も毎月100ドル払い続けている。

100ドル X 12ヶ月 X 35年 = 42,000ドル

支払額は35年間の合計で4万2千ドルにしかならないのに、万が一の死亡時には50万ドル支払われるので、非常に有利な掛け捨て生命保険だと今まで思っていたが、上記の話を知り、試しに計算してみた。

=PMT(11%/12, 35*12,0,500000)

この答えは101ドルだ。

何のことはない、筆者から受け取る100ドルを保険会社が年間11%以上で複利運用できれば、筆者が満期までに死亡しない場合、保険会社は50万ドル儲かる。

万が一筆者が期間中に死亡したとしても、35年間での被保険者の死亡率が一定率を超えない限り保険会社は儲かる。

筆者の保険の満期年齢は73歳だが、米国の平均余命は75歳を超えているので、契約時に38歳の人が73歳までに死ぬ確率は、筆者の推測では、たぶん10ー20%程度ではないかと思う。

亡くなる人が期間中どのように分布するかによって計算は変わってくるが、80−90%の人が生き延びれば、生存者の保険金運用で一人当たり50万ドルの資産となっているので、10−20%の人が期中に亡くなっても保険会社としてはペイする。

米国でもこのような超長期の生命保険はなくなり、今は最長10年間になっていると思うので、筆者はえらく安い生命保険を買ったと今まで思っていたのだが、リスクはあるものの、保険会社として大損する取引ではないのだ。

ちなみに筆者は非喫煙者だが、喫煙者の保険料は倍だ。アメリカの保険会社の保険料はすべて確率をベースに計算されているので、いかに喫煙の健康リスクが高いかがよくわかる。


成功者は長期目標を立てる

どの社会でも、経済的に成功した人は10年、20年、時には40年先を考えて計画を立て、長期目標に従って日々のスケジュールを立てる。

これが経済自立の本来の姿だとブライアン・トレーシーは語る。

アーノルド・シュワルツェネッガーの例を挙げている。

シュワルツェネッガーはオーストリアのグラーツ市で育ったやせっぽちの少年だったが、自分の筋肉を鍛えたいという一念があったので、ボディビルのチャンピオンになり、さらには俳優、カリフォルニア知事にまでなったのだ。

筆者も昔ボディビルをやっていたので、シュワルツェネッガーの10代の時の写真を見たことがある。たしかにやせっぽちだった。

長期目標を立てることで、人は変われるのだ。


1000パーセント方式

「1ヤード進むのは大変だが、1インチずつなら難しいものはない」という法則だ。毎日0.1%、週5日間生産性を上げると、週に0.5%、月に2%、1年間では26%生産性が上がる。

楽天の三木谷さんも同じ事を言っている。三木谷さんの言葉では「常に改善、常に前進」だ。


社会貢献の目標を決めよう

ブライアン・トレーシーは人生の目標の一つとして、社会貢献の目標を決めることをすすめる。

ジョンD.ロックフェラーは初めは週給3.75ドルの事務員だった。しかし薄給にもかかわらず、彼は毎週教会に給料の半分を寄付していたという。やがて52歳の時に世界一の富豪となっていたロックフェラーは余命1年と宣告される。

彼は残りの人生で自分のお金を使い切ってしまおうと慈善団体への寄付を始めると、寄付をするほどに精神的に満たされ、病状が良くなり、やがて病気がすっかり完治して、91歳まで生きたという。

鉄鋼王アンドリュー・カーネギーは「富は墓には持ち込めない」、「金持ちのまま死ぬのは恥だ」と言って、自分の資産を社会貢献に使い全米に3,000を超える図書館をつくり、各地にカーネギーホールや博物館などをつくった。

マイクロソフトのビル・ゲイツも、世界の病気・貧困撲滅のためビル&メリンダ・ゲイツ財団を組織した。今年半ばにはビル・ゲイツはマイクロソフトから引退し、慈善事業に専念する予定だ。

ウォレン・バフェットが賛同して300億ドルを提供したので、ビル&メリンダ・ゲイツ財団は世界最大の慈善基金団体となっている。

いかにもアメリカ人らしい博愛主義の行動だ。いずれは筆者も慈善活動に奉仕したいと思う。


目から鱗の発見もあり、おすすめの本だが、内容を自分のものにするには、何回も読まなければならない。

「なんとかの7つのルール」とかを覚えようとせず、サッと流して読んでも、それなりに得るところはあると思う。



参考になれば次クリックお願いします。


人気ブログバナー



  
Posted by yaori at 23:52Comments(1)TrackBack(0)

2008年02月26日

筋肉バカの壁 水道橋博士のトレーニング本第2弾

筋肉バカの壁 [博士の異常な健康PART2]


以前紹介した「博士の異常な健康」に続く、浅草キッド水道橋博士のトレーニング本第2弾。

前作同様加圧バンドを腕と脚に巻いた姿で水道橋博士が、本の表紙に登場している。

昨年の東京マラソン2007に出場したテレビ番組の話が半分を占め、その他に前作で紹介されていた数々のトレーニング/健康法の続話が紹介されている。

この本を出版したかった最大の理由は、加圧式トレーニングであると水道橋博士は語っている。

前作では書き足らず、また、あの時点では回答不能だったテーマが加圧式トレーニングだと。

前作では加圧式トレーニングを発見、検証しただけだったが、その後トレーニングを続けるうちに体型は変わり、体力は格段に増強したという。

2004年と2007年の水道橋博士の体の写真が載っているが、全然違うのに驚く。2004年は単なる痩せて腹の出た中年男だったのが、2007年は体操の池谷かと思うほどである。

その結果を目の当たりにして知人、友人、芸能人に熱烈に推奨してきたそうだ。

北野たけし社長などからは、「なんで水道橋に筋肉がそんなに必要なの?」と言われるそうだが、これが加圧式トレーニングが最も誤解されている部分であると。

加圧式トレーニングはアスリート専用の様に思われがちだが、加圧式トレーニングをしている人の多くは女性や高齢者で、短時間で筋力アップできるということより、成長ホルモンが出ることでアンチエイジングやダイエットに有効という点を重視している。

軽い負荷なので関節や筋肉を痛めず、血流を制限することによって毛細血管が生まれ、脳の疾病、身体のマヒなどのリハビリに効果を発揮するという点に、このトレーニングの特徴と未来性があるのだという。

芸能人の間での加圧式トレーニング愛好者の増加はめざましいものがある。

以前はプロゴルファーの杉原輝男が有名だったが、藤原紀香が「紀香魂」で丸々1章を加圧式トレーニングに割いている。水道橋博士から勧められて始めたという。

紀香魂―ハッピー・スピリット


元々太りやすい体質だったが、加圧式トレーニングのおかげで体型が変わったといい、夫の陣内君も加圧式トレーニングをやっているという。

他の芸能人では、自分で加圧式トレーニングジムも経営しているヒロミ、関根勤、北野誠(たけしのお兄さん)、勝俣州和、長嶋一茂、宇津井健、大地真央、東山紀之、木梨憲武、渡辺正行、萬田久子、小倉優子、浅田美代子、辺見えみり等々だ。

著名人の愛好者が増えたことで、都内の加圧トレーニングジムは入会希望者が殺到し、盛況だという。

先日「世界一受けたい授業」に出演した東大の石井直方教授の「筋肉まるわかり大事典」によると、「筋肉を8%太くするには通常のトレーニングでは10週間かかるが、加圧トレーニングでは2週間で可能である」と書いてあるそうだ。

“筋肉博士”石井直方の筋肉まるわかり大事典―筋肉のヒミツ、トレーニングの極意、栄養&食事法まで (B.B.MOOK―スポーツシリーズ (420))


筆者も石井教授の話を聞いて加圧式トレーニングを開始したので、加圧式トレーニングが広まることは大歓迎だ。

実際、加圧式トレーニングは時短トレーニング法ともいえ、現代人に最適だと思う。

水道橋博士によると加圧式トレーニングのポイントは、普通は3セットやるウェイトトレーニングを4セット行うのだと。ワンモア、限界からのあと1回に筋力トレーニングの神髄はあるとのこと。

但し回数はドンドン減り、腕立てで20→15→5→3回という具合だ。

これは筆者も知らなかった。加圧式トレーニングだと3セットから極端に筋力が落ちてしまうので、筆者は普通は2セットか3セットで終わりにしていたが、今後は4セットやってみる。


この他メインの東京マラソン体験談の他、ビリーズブートキャンプの体験や、100メートル走、そして前作のハゲ克服法、バイオラバー、レーシック視力回復法の続話が取り上げられ、さらに酸素カプセルの体験談も加わっている。


肉体派芸人ではないが、水道橋博士の新しいものへの探求心はたいしたものだ。

東京マラソンの部分はやや冗長な感があるが、加圧式トレーニングの実体験ストーリーとして参考になる本だ。


参考になれば次クリックお願いします。


人気ブログバナー


  
Posted by yaori at 23:55Comments(0)TrackBack(0)

2008年02月25日

ソウル大改造 李明博 韓国新大統領の清渓川再生事業手記

都市伝説ソウル大改造


本日(2008年2月25日)韓国大統領に就任した李明博(イ・ミョン・バク)氏のソウル市内を流れる清渓川(チョン・ゲ・チョン)再生事業についての手記。

清渓川






出典:韓風(kampoo)

李明博氏は「ブルドーザー」と呼ばれていたので、ソウル市長としての権力をふるってゴリ押しするタイプの人かと思っていたが、この本を読んで、様々な人に気を遣いながら、慎重に事を進めていく黙考熟慮型の人ということがよくわかった。

この本では李明博氏の生い立ちや、平社員からわずか10年あまりで社長に就任した現代建設時代の活躍などは書かれておらず、もっぱら清渓川再生プロジェクトのことだけが書かれている。

本日大統領に就任したら日本のマスコミで李明博氏の生い立ちやキャリアなどが詳しく紹介されると思うので、ここでは簡単に李明博氏の経歴を紹介しておく。


李明博氏の経歴

李明博氏は1941年日本の大阪生まれ。終戦後両親とともに韓国に帰国したが帰国途上で船が転覆し、九死に一生を得る。

貧しい農家の息子として生まれ、パンや蚕のさなぎ(ポンテギといって酒のつまみ)などを露天商として売って学費を稼ぎ、苦学して地元の夜間高校からソウルの高麗大学を卒業した。

24歳で現代建設に入社し、ヒラ社員の時は課長の様に、課長の時は理事(役員)の様に常に一歩先を見て行動し、シベリアや砂漠などでビジネスをつくって注目され、入社5年で理事(役員)、12年目の36歳で社長になった。47歳に会長に就任してからは、政治を志し、1992年 51歳の時に国会議員に当選した。

国会議員だった時に1998年から99年までの間、米国のジョージワシントン大学の客員研究員として留学し、環境対策を中心とした国家経営を研究する。

2002年、61歳の時にソウル特別市市長に就任し、清渓川再生プロジェクトで一躍韓国のみならず世界の注目を浴びる。

日本でも清渓川にならって、東京の日本橋再生計画などが議論される様になってきている。清渓川については日本語のホームページもできているので、是非ご覧頂きたい。


下水道化していた清渓川

清渓川再生プロジェクトを思いたったのは、米国に留学してボストンのビッグディグプロジェクトを見学してからだと李明博氏は語る。

ビッグディグとは、ボストンの都心の史跡の風景を損なっている高架道路を撤去し、高速道路を地下化しようというプロジェクトで、米国で最もコストがかかる公共事業工事とされている。昨年末20年近くかかった工事が完成し、これによりボストンの町中の慢性渋滞も解消し、景観も回復する効果があった。

清渓川は元々都心を流れる人工河川で、生活用水などが流れ込み、名前のような清流ではなかった。

韓国の高度成長時代に清渓川の上に清渓川高架道路が建設され、清渓川は暗渠(あんきょ)になっていたが、メタンガス爆発を時々繰り返し、高架道路としての耐用年数を超え、1990年代にはソウルの厄介者になっていた。

清渓川をどうにかしなければならないという共通の問題意識はあったが、どうすべきかは決まっていなかった。

一日17万台の車が通る片側6車線の高架道路で、この付近には露天商の出店が並んでいた。清渓川の復元をすると、大規模な交通マヒが起こり、露天商に対して巨額の補償をしなければならないと、学者たちは反対していたという。


2つの重点目標

ソウル市長就任してからは、交通事情の改善と清渓川再生を2大テーマとして、環境に配慮したサステイナブル都市として有名なブラジルパラナ州のクルティバ市を視察し、ベンチマーキングを行った。

この本では交通事情改善は取り上げられていないが、李明博氏の功績の一つとしてソウルの交通事情改善も有名だ。

清渓川についてはソウル市長立候補時の公約通り、高架道路下の暗渠から、清流流れる都市型くつろぎの公園河川に生まれ変わらせる工事を2年間で終わらせるべく清渓川復元本部を組織した。

清渓川本部は推進本部、復元研究団、市民委員会の3部構成で、工事は3区間に分けて入札で大手建設会社が請け負った。当初は尻込みしていた大手建設会社をたきつけるマーケッティングを行ったのも李明博氏だ。

200年周期の大洪水対策も、模型でシュミレーションを積み重ねて行い、2段の護岸構造とした。

着工直前には、取り壊す清渓川高架道路を歩くイベントを行った。李明博氏は野党出身なので、清渓川再生のための交通規制などに警察などの協力を得られず、着工もあやぶまれていたが、盧武鉉大統領と面談し協力を取り付けると警察も一転して協力的になった。

清渓川は人工河川だったので、ソウルを流れる漢江から水を引こうとすると、水資源公社からは莫大な代金を請求されそうになった。この論争がインターネットで報道され、国民から圧倒的な支持を得たので、無料で漢江から水を引けることになったという。


国際的に評価が高い清渓川プロジェクト

清渓川には平均260メートル間隔で、国際コンペで選ばれた22の異なるデザインの橋を架け、ソウル市の景観を変える効果もあった。

韓国では日本と同様にいろいろな規制がある。たとえば李明博氏が市民から募金を集めて、橋を建設しようと思いたったら、寄付に必要な行自部の承認が得られなかった。そこで募金はやめて、市民にタイルに絵を描いてもらい、それで壁画をつくることにしたという。

李明博氏が一番神経を使ったのが露天商対策だ。最初から権力で露天商を追い出すことはせず、商人対策チームをつくって、延べ4,200回も商人を訪問して十分話し合った。

移設先を文井洞の物流団地と東大門運動場に露天商のための蚤の市をつくったが、それでも移転に反対する露天商にはやむなく強制撤去して、工事を予定通り完成させた。

清渓川再生プロジェクトは2004年にはベネチア建築ビエンナーレで最優秀施行者賞を受賞し、一躍世界の注目を集めるようになった。

日本からも日本橋再生プロジェクトの関係などで、清渓川再生プロジェクトを研究する運動が盛り上がっている。

李明博氏は、「経済効率ばかり追求していては日本は21世紀の先進国とはなり得ない」と発言し、高速道路一つ取り外せない日本の行政を批判し、日本橋再生プロジェクトにエールを送っている。

ちなみに筆者自身は日本橋再生などというケチな事業ではなく、首都高速の主要路線はすべて地下化する一大プロジェクトにすべきではないかと思う。これなら期間限定のガソリン税を払っても良い。


日本生まれ、苦学して大学を卒業、民間企業の経営者としての経営ノウハウ、米国に留学しての都市再生、環境対策の研究、住民との対話を重視する政治姿勢、日本語もできる知日派大統領、李明博氏への期待は高まる。

今や日韓などで対立している時代ではない。まさに漁夫の利で、日韓対立を一番喜ぶのは中国だ。巨大化することが必至の中国に対抗するためにも日韓の2国間関係をさらに深めるべきだろう。

そんな時にタイムリーに登場した李明博大統領。是非これからの活躍にエールを送りたいものだ。


参考になれば次クリックお願いします。


人気ブログバナー




  
Posted by yaori at 13:01Comments(0)TrackBack(0)

2008年02月21日

朝30分の掃除から儲かる会社に変わる "No-nonsense"な経営改善策

朝30分の掃除から儲かる会社に変わる―社員ニコニコ業績ピカピカの法則


ダスキンの代理店業務の一方で、経営サポート業を大きな柱とした株式会社武蔵野社長の小山昇さんの経営指南。

2月19日(火)の日経新聞の朝刊に広告が出ていたので、気がついた人も多いと思う。

小山さんは社長!儲けたいなら数字はココを見なくっちゃ!とか強い会社をつくりなさいなどのベストセラーを連発しているビジネス作家でもある。

20年前までは社員の半分はアルバイト上がり、1/3は元暴走族という落ちこぼれ集団だった会社を2,000年には日本経営品質賞、経済産業大臣賞を受賞する企業に再生した秘密は毎朝30分の掃除だったという。

武蔵野は掃除を核に、経営サポート業に進出し、数多くの成功企業を指導している。この本では27社の実例が紹介されていて興味深い。


掃除で思い当たること

筆者は湘南高校出身だが、この本を読んで掃除のことを常に言っていた湘南高校の倫理の先生を思いだした。

小山さんと同様に掃除の効用を語っていたものだ。

湘南高校は戦後すぐ佐々木信也さんが居た時に甲子園で全国優勝したことがあり、箱根の山を深紅の優勝旗が初めて越えたとして、藤沢の地元では大歓迎会が開かれた。その翌日湘南高校の野球部員を中心にみんなで藤沢駅前を掃除したという。

掃除により心身共に鍛錬ができていたのだと、その先生は言っていたものだ。

楽天の三木谷さんの本でも、楽天には掃除人はいない、社員みんなが掃除をするのだと書いてあったが、同じような考えだろう。


他社視察で衝撃を受ける

元々小山さん自身も落ちこぼれだったというが、落ちこぼれ集団で何でも良いから一位になり、社員に誇りを取り戻させたいと考えた。掃除であれば簡単でお金がかからないし、これならできるだろうと思って始めたという。

しかし掃除を始めてすぐ、長野県の精密機械メーカーをベンチマーキングの為に訪問したときに、小山さんはあまりの違いにぶちのめされたという。

精密加工業なので、毎日大量の切削片などがちらかるが、旋盤など工具にはチリ一つ落ちておらず、油がつくこともなかった。

社長に聞いたら、「その方が安全だから。安全だと高品質の製品が効率的に生産できます」と言っていたという。

「徹底するということは、第三者から異常だと思われることだ」と小山さんは語るが、まさに異常なまでの整頓だったという。この精密加工メーカーは京セラのパートナーで、ここの部品は京セラでは何の検品もなく、そのまま納入されるそうだ。

この会社は毎日1時間を掃除に充てていたので、小山さんはせめてその半分でもと思って毎日30分を掃除に充てることにしたのだという。


たしかにある掃除の効用

人を鍛えて組織を掌握するには「環境整備」と呼ぶ掃除が一番と小山さんは語る。「毎朝30分の掃除から儲かる会社に変わる」と聞くと、半信半疑に思えるだろうが、この本を読むとうまく真理を突いていると感心した。

"No nonsense"な経営施策だ。

仕事がしやすい環境を整えて、備えるから利益が出る。環境整備の範囲は新聞紙1枚程度というのがミソだ。毎朝強制的に30分で環境整備できる範囲をピカピカにする。

そうすることで社員が気持ちよく仕事しやすくなるので、効率と安全性があがる。さらに定期的に第三者に見てもらうことで、励みにもなり自信も生まれてくる。

社員同士がぺちゃくちゃ話しながら一緒に掃除するので、社内のコミュニケーションは劇的に変わり、連帯意識が生まれてくる。

来客にも気持ちよく挨拶するので、規律と教育のゆきとどいた良い会社だという印象を与える。そうなればしめたもので、他企業と競争になった場合でも、第一印象が良いから勝てるので売り上げにも直結する。

経営の好循環が環境整備から始まるのだ。


形から入って心に至る

小山さんのやり方はまさに、「形から入って心に至る」を実践している。たとえばお客さまに対して、起立して挨拶ができれば一人当たり100円をその部に払うという。

動機は不純でも、しっかり挨拶を続けることで、必ず心がこもる様になる

アメとムチを使い分けている。環境整備チェック結果の賞与評価反映度は30%だという。だから社員も上司も必死になって環境整備に取り組む。

武蔵野の社員は仕方なく環境整備をしている。仕方なくやることが素晴らしいのだと小山さんは語る。逆説的ではあるが、仕方なくやるという人間の本性に従っているからこそ他の会社にも応用可能なのだろう。

資金が足りない会社には、スタンプカードを導入して50点集まれば、商品券と交換できるようなやり方を勧めている。


中小企業に適した経営施策

中小企業に適した小山さんの経営感覚はすばらしいと思う。

「新聞紙1枚の掃除で、利益3倍の会社が誕生」というのもありえない話ではないと思う。

その反証に小山さんの会社でも、もう大丈夫と安心して掃除時間を30分を20分にしたら、業績が落ちたという。社長に甘えが生じ、それが社員に伝わり社内のムードが変わったからだ。

女性社長が出した本が売れているホッピービバレージも、2006年に小山さんの指導を受けて環境整備を始め、効果が現れた例だ。

全部で27社が紹介されているが、中小企業ばかりなので、筆者が名前を知っている会社はホッピービバレージだけだ。

日本には250万以上の会社があり、中小企業が圧倒的多数を占めているので、中小企業を元気にし、業績を上げる方策としては効果的だと思う。


整理と整頓の違い

環境整備の本質は掃除ではない、整理と整頓であると。整理は捨てること、やらないことを決めることであり戦略だ。まずはやらないことを最初に決めよと小山さんは語る。

書類もドンドン捨て、現在はオフィスでは全員が引き出しのない共有机を使っていると。引っ越し、人事異動、部屋替えが定期的に捨てるチャンスだという。

新人には「やってはいけないこと」を一番先に教えているという。

これに対して整頓は、必要なものを必要な時にすぐ使える状態に保つことで、戦術だ。小山さんはまずは徹底的に捨てることから始めよという。


様々なノウハウを紹介

小山さんの会社や27社の様々なノウハウが紹介されている。たとえば:

*ボランティアにしない(=勤務時間内にやる) 社長自らが率先してやる

*環境整備前、環境整備後を写真などで記録する

*社員に体験させること、定期的に第三者に見て貰うことでやる気を起こさせる


環境整備では、ものの置き方までこだわる。ものを揃えて置くと社員の美的感覚が養われるのだと。

当番表(環境整備カード)は、社員が入れ替わっても維持できるように、変わるものを両軸に配し、変わらないものを表に記入している。

普通は日付と場所の表に名前を記入するという形だが、武蔵野の場合は、日付と氏名が縦横軸で、担当場所を記入するという表になっている。


チェックが重要

環境整備で一番大切なのは、事後のチェックをすることだという。環境整備の成果は4週に一度チェックする。1拠点当たり10分で、抜き打ちチェックは御法度にしていると。

武蔵野が使っている環境整備チェックシートが紹介されている。

チェックシート






採点は社長の小山さんのみが行う。面倒くさがりの小山さんが「仕方なく」現場にいけるようにする仕組みであると。

また△を付けたい場合には×にすると。△ではお客さまに買って頂けないからだという。


パクリを奨励する

社内ベンチマーキングということで、他部門、他社の良いところをどんどん盗むことを奨励しているという。

社員に模範企業を積極的に訪問させ、社員をやる気にさせるもの重要だ。

20年前は社員を社長の小山さんが引っ張る形だったが、現在は360人の社員それぞれがモーターとなり動きだした。1ヶ月もすると会社がすっかり変わり、社長の小山さんですら変化についていくのが大変なのだという。

石原都知事の本に出てきた仏TGVと日本の新幹線の様な話だ。

このような会社に変わったことをうれしく思うという小山さんの言葉で締めくくられている。


筆者もタイトルを読んで半信半疑だったが、読んで納得した。どうやって社員をその気にさせるかをじっくり考えれば、どの会社でも導入可能だと思う。大変役に立つ本だ。

是非一読をおすすめしたい本だ。


参考になれば次クリックお願いします。


人気ブログバナー




  
Posted by yaori at 00:41Comments(0)TrackBack(0)

2008年02月18日

亜玖夢博士の経済入門 裏経済もわかる経済小説

亜玖夢博士の経済入門


小説「マネーロンダリング」でデビュー、このブログでも紹介している「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方」で、独自の境地を開き「永遠の旅行者=パーペチュアルトラベラー(どこの国の所得税もかからない旅行者)」を提唱している作家 橘玲氏の最新作だ。

お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 ― 知的人生設計入門


元々別冊文藝春秋(月刊)に連載されていたシリーズだ。

新宿歌舞伎町に事務所を持つ身長150センチの老人 亜玖夢(あくむ)博士の経済相談所が舞台だ。

亜玖夢博士は小学生で論語を暗唱、神童と呼ばれる。16歳の時にアメリカに密航し、アインシュタインフォン・ノイマンと会う。青年の時にサンフランシスコの大学に招聘され、様々な心理学テストを経験し、「南極のペンギンに氷を売る」セールス技術を生み出したという設定だ。

事務所には中国人の超美人ファンファンと、彼女の弟で少女漫画に出てくる様なハンサムガイ リンレイが亜玖夢博士のアシスタントとして働いており、博士の指示に従い、中国人マフィアなどを使って数々の処置を行う。

筆者のポリシーとして小説のあらすじは詳しく紹介しないが、次の様なストーリーが取り上げられている。

1.債務者をさらにヤミ金融から借金を借りまくらせて自己破産させる(カーネマンの行動経済学

運転免許証と実印、それに戸籍謄本、住民票、印鑑証明の3種の神器を50通用意させる。

全情連(全国区信用情報センター)の加盟店でないのでオンラインでクレジット情報が取れないヤミ金融をはしごさせ、それぞれから30万円から50万円づつ借りさせる。

親の職業は教師というと信用されると。「日本は人権の国だから、親に子どもの借金を返済する義務はないだろ。最近の親子関係は薄情だから、下手に取り立てに行くと違法だって怒鳴られて、すぐに警察を呼ばれる。だから、親の職業が大事なのだ」という。

合計1,000万円借りさせて、半年逃げ回らせ、自己破産させる。なんなら戸籍も買ってきて、別人にならせてあげるというところでストーリーは終わる。

2.覚醒剤を資金源とするヤクザの利権争い(ノイマンのゲーム理論

手打ちをするか、抗争かで悩むヤクザを囚人のジレンマで戦略を検討。中国マフィアがやたら拳銃をぶっ放すところが、小説らしい。


3.学校でいじめられている小学生の対抗策(ワッツとストロガッツのネットワーク理論

マルタイの女」の一場面でもあったが、動物の生首がやたら出てくるのが、これまた非現実的で小説らしい。

4.水道水を奇跡の水として売るマルチ商法(チャルディーニの社会心理学

全身の体液をスーパー・バイオニック・ウォーターに入れ替えれば、どんな病気も治るとして、特殊浄水器を売るマルチ商法。

中国に展開し、日本では詐欺になって訴訟が続発するが、大気汚染、水源汚染のひどい中国では、日本の水道水でも大丈夫だというところが小説らしい。

「長崎あたりから漁船で沖に出て、高速船に迎えにこさせたらすぐにチンタオだ」という。

どんな過去を持ち、ヤクザに追われている者でもやり直せるのだというが、フィクションなのか、現実でありえるのか不明なところだ。

5.自分探し(ゲーデルの不完全性定理

「あたしってウソつき」という女の子は正直かウソつきか、と言うパラドックスが紹介される。


筆者自身もここに紹介されている経済原理を正確に理解している訳ではないが、小説ながらも、経済原則の事例勉強にもなるという設定は面白い。

オーソドックスな「日本国債」とか「タックスシェルター」とかの幸田真音さんの本格的経済小説とは、全くテイストが異なるが、読み物として面白い。

日本国債〈上〉 (講談社文庫)


タックス・シェルター


簡単に読め、参考になる。一読をおすすめする。


参考になれば次クリックお願いします。


人気ブログバナー


  
Posted by yaori at 23:31Comments(0)TrackBack(0)

2008年02月15日

レバレッジ人脈術 効率的な人脈づくりのノウハウが満載

レバレッジ人脈術


40万部も売れているレバレッジシリーズで、一躍売れっ子になった本田直之さんの人脈術。

本のカバーに「最小の労力で、関わった人すべてが、最大の成果を生む人脈術」と書いてある。

他のレバレッジシリーズ本同様、最初のプロローグ部分を読めば全体の主張がわかるのは親切で、わかりやすい。

人脈にまさるパーソナルキャピタル(資産)はないし、人脈つくりこそ最強の投資であると本田さんは語る。人脈はいわばアーリーステージのVC(ベンチャーキャピタリスト)の様に、相手が有名になる前から築き上げるものだという。

重要なのは「誰を知っているかではなく、誰に知られているか」である。

本田さんは、大前研一氏の次の言葉を引用している。

「『いかにして相手の役に立つか』に思いを致さなければ、豊穣な人脈は築けない。『頼むより頼まれる人物になる』。人脈づくりは、ここから始めよう。」

自分の価値観にあった仲間を見つけ、つながりを持ち、ともに高めあうことが「レバレッジ人脈術」の大きな目的なのだ。

社会人向け教育機関の「アカデミーヒルズ」が実施したアンケートでは、会社や学校以外で積極的に人脈づくりをしている人はわずか9.2%だという。「機会があれば」という人が48%を占めたが、これは何もしていないに等しいだろうと。

90%以上の人が積極的に人脈づくりをしていないからこそ、「レバレッジ人脈術」を実践すれば、圧倒的な成果が出るのだと本田さんは語る。

まずは実行。

すぐに始める。一日でも早いほうが複利効果で大きくなるように、人脈作りも早く始めたほうが成果は大きくなるのだ。


コントリビューションがキーワード

人脈づくりには、「ギブアンドテイク」は論外、「ギブアンドギブ」も相手より偉そうなイメージがあるので、本田さんは「コントリビューション」が基本だという。

コントリビューションには四つのレベルがある。1.情報、2.プレゼント、3.ノウハウ・アドバイス、4.コネクト(紹介)だ。

人と会う時には、まず「この人に対して自分はどんな貢献ができるか」を考えるのだと。

人と会うには事前のインプットが欠かせない。それをきっかけに自分も勉強し切磋琢磨できるのだ。

筆者は歌会始(うたかいはじめ)や園遊会などで天皇陛下にお会いしたことがある人の談話を時々読むが、誰もが一様に天皇陛下が、その人のことをよく知っていて、質問も的を得ていたことに驚嘆している。

日本で最も多忙で、最も多くの人に会う天皇陛下でさえ、ひとかたならぬ努力をしてインプットに努められているのだから、我々凡人も人並み以上に努力して、インプットに励むべきだろう。

人に会いたいと思われる為には、1.インプット(自己研鑽)、2.魅力的なプロフィール(話をして価値のある人だと思わせること)、3.情報発信(ブログやメルマガ、本など)が重要だと本田さんは語る。

相手に会いたいと思わせる様な自分のパーソナルブランディングが重要だ。本を出版する事も個人にとって究極のIPOであると。


本田さんの情報ソース

本田さんの読書情報ソースも紹介されている。正直、筆者はこのいずれも購読していない。他人のペースで本を紹介されても、どうも頭に入らないのだ。

どれか一つを試しに読んでみるのも良いかもしれないので、以下に紹介しておく。

メルマガ:

1.鮒谷周史さんによる「平成・進化論」まぐまぐ読者数日本1の29万人だそうだ。

2.「週末起業」の藤井孝一さん「ビジネス選書&サマリー」

3.アマゾンの元カリスマバイヤー土井英司さんによる「ビジネスブックマラソン」

4.「マインドマップ読書術」の著者の松山真之助さんの「Webook of the Day


ブログ:

1.ビジネス書のコンシェルジュ、smoothさんによる「マインドマップ的読書感想文

2.アルファブロガーの聖幸さんの「俺と100冊の成功本ブログ

3.大橋悦夫さんの「シゴタノ!」仕事を楽しむから「シゴタノ」だと。

4.「ライフハッキング


異業種交流会では人脈は広がらない

なぜ異業種交流会では人脈が広がらないかなども明快だ。

人と会って話すということは、ある程度の共通点を前提として、何かお互いにコントリビュートできるものがないかを探る。

異業種交流会ではどういう人が参加するかわからず、たまたま会った人で面白いと思える人に出会える確率は低いからだ。

飛び込み営業では成功するはずもなく、いわばコンサル営業の様に相手を研究して、自分の持っているものを提供することが重要だ。

筆者も飛び込みOKの異業種交流会は参加したことがない。

筆者は大学のクラブのOBで異業種交流会的な飲み会を、3−4ヶ月に1回開催しているが、業種がバラバラなので大変参考になっている。

ちなみに、人脈作りのツールとしてアメリカの企業人が活用しているという"linkedin"(リンクドイン)を紹介している。すべて実名、職歴も載せるのだという。


人脈づくりのノウハウが満載

レバレッジシリーズの他の本と同様に、ノウハウも多く紹介されており参考になる。印象に残ったものは次の通りだ。

☆アプローチは相手の都合に合わせることができるメールが基本
☆メールは短く、間違っても思いの丈をぶつけるようなことはしない
☆疎遠な関係も案外簡単に復活できる
☆たとえ断られても気にする必要はない
☆人に教えられるものを持て
☆お店紹介もコントリビューション
☆人と会うなら「ホーム」に呼び込め
☆人と会った後は必ずフォローを
☆メールのやりとりは常に「(返答)待ち」の状態に
☆フォロー(メール)で頼み事は禁物
☆人脈のリストアップで自分の得意分野が見えてくる
☆人脈は囲い込まないほうが広がる(来る者、紹介を拒まず)
☆二次会は不要。そのかわり一次会を長く
☆パーティは必ず立食形式で


日本人が好むハウツー本としても役立つ。ベストセラーになるべくして書かれた本である。

本田さんの言っていることは、「自分を磨いて人の役に立てば、いずれ自分の役に立つ」という基本的なことではあるが、それを実行する時の数々のノウハウが紹介されている。

大多数の「機会があれば(人脈をつくる)」という人、人脈づくりを考えてはいるが実行していない人の、背中を押す本としてぴったりである。

簡単に読めるので是非一読をおすすめする。


参考になれば次クリックお願いします。


人気ブログバナー





  
Posted by yaori at 12:41Comments(0)TrackBack(0)

2008年02月14日

どどめのひと言 言葉のスマッシュでどどめを刺そう!

とどめのひと言―予期せぬ攻撃をかわす対話法


東大の大学院化学工学科を卒業後、旭硝子を経て、オックスフォード大学招聘教官、スイスバテル記念研究所、ルノー、エアリキードと転職し、現在は欧州系の経営コンサルティング会社CGAで日本関連を担当している今北純一さんの切り返し言葉の実例集。今北さんは現在パリ在住だ。

相手にキツイひと言を言われた時の切り返しを集めた、いわば言葉のスマッシュだ。

この手のスマッシュは、経験を積み重ねないと自分のものにできないが、この本は今北さんの実体験に基づく切り返しを集めているので参考になる。

約80くらいの事例を紹介しており、37のケースに分けて、それぞれにまとめとして基本戦略と応用戦術が付いている。

詳しく紹介していると本を読んだ時に興ざめなので、いくつか印象に残った事例だけ紹介しておく。まずは本を手に取りパラパラとめくって欲しい。


今北さんの原体験

今北さんは今でこそ英語・フランス語をあやつり、ウィットの効いた受け答えができるが、大学生の時に外人に声を掛けられ、ひと言も答えられなかった原体験があるという。

英語でしゃべれなかったという原体験をバネにして、今北さんは英語で積極的に発言、質問するようになり「とどめのひと言」を身につけたのだ。

筆者はスペイン語と英語ができ、英語はTOEIC945点だが、今北さんと同様、原体験がある。

実は会社に入って3年目にアルゼンチンに研修生として赴任する際のパンナム便で、米人スチュワーデスにミルクを頼んだのだが、何度言っても全く通じず、結局ビールを持ってこられたことがある。

「L」の発音ができなかったのだ。筆者の場合、この悔しさをバネに「R」と「L」の発音がアルゼンチンに居たときにできるようになり、それ以来スペイン語も英語も上達した。

誰でも初めから外国語ができるわけではない。このような悔しさをバネに、語学力を磨くのが結局早道だ。


反撃する前に次の展開を予測・相手の弱点を見抜く

今北さんが招聘教官としてオックスフォードに赴任した時、教授会のパーティでインド人の古株フェローに、「ここは学生の来るところじゃない」と高飛車に言われた。

当時今北さんは28歳で、年齢より若く見られたのだ。

今北さんは、「私はフェローだ。ここに招待状もある」とまともに言い返す言葉を飲み込み、「私はあなたに招待されたわけではありません。学長から招待されたのです」とクールに切り返した。

インド人のフェローは、すごすごと立ち去ったという。


切り返しの達人はウィンストン・チャーチル

ウィットに富んだ切り返しは最高だが、ウィンストン・チャーチルの切り返しは素晴らしい。

ある婦人議員から政策を攻撃され、最後は「私がもしあなたの妻なら、あなたの飲む紅茶に毒を盛るだろう」と言われたとき、「私がもしあなたの夫だったら、喜んでその紅茶を飲むでしょう」と切り返した。

この婦人には到底我慢できないので、婦人と一緒に居るよりは毒を飲んだ方がましだという痛烈な皮肉だ。


「社畜」のサラリーマンには、責任をほのめかせる

「社畜」と化して一般的な倫理観を失ったサラリーマンが、何より恐れるのは「自分に責任が覆い被さってくる」ことだ。

この弱点を突いて、会話の中で相手の名前を繰り返し、社長宛のレターを握りつぶしていた相手に「国際信義にもとり、社長が恥をかくかもしれない」と言ったら、とたんに豹変したという。

「名指し」は自己中心サラリーマンのアキレス腱だと。

このような参考になる事例が満載だ。


とどめのひと言実践の心得7ヶ条

最後に「とどめのひと言」実践の心得7ヶ条がまとめてある。ポイントになる部分のみ引用しておく。

第1条 とどめのひと言は、自ら仕掛けるものではない。必要に迫られての防衛手段の一つである。とどめのひと言は、相手の性格と自分の立場、そして今後の関係を考えて使い分ける…。

第2条 社畜的サラリーマンのアキレス腱は自分に責任が及ぶことである…。

第3条 「Aを選択するか、Bを選択するか」といった安直な二項対立は疑ってかかる…。

第4条 程度の低い皮肉や挑発に対しては真正面から反応しない。…。

第5条 問答無用とごり押しされたら、自分の信念を通して相手の攻撃を押し戻す…。

第6条 中立な第三者を味方につけて相手の攻撃から身を守れ…。

第7条 想定外の依頼や提案には「イエス」か「ノー」かをまず頭の中で考える…。


簡単に読めるので、切り返しの練習のつもりで読むと良い。今北さんは本番で使ってこその練習だと言うので、機会を見つけて実行に移すことが最大の練習だと思う。


是非手にとってパラパラとめくってみて欲しい一冊である。


参考になれば次クリックお願いします。


人気ブログバナー



  
Posted by yaori at 14:00Comments(0)TrackBack(0)

2008年02月12日

成功の実現 中村天風の講演録

成功の実現


以前あらすじを紹介した田中森一さんの「反転」で、田中さんが拘置所に居たときに差し入れしてもらって感動したという本。

心身統一法を提唱する天風会創始者の中村天風氏の講演を集めたもの。

天風会会員相手のくだけた口調での講演なので、わかりやすい。大半が1964年から1967年に行われた晩年の講演をまとめたものだ。

松下幸之助稲盛和夫さんなども、天風会の会員だったという。

中村天風さんは1876年東京生まれ。福岡の修猷館中学に学ぶが、ケンカが原因で刺殺事件を起こし退学、その後玄洋社頭山満に師事し、軍事探偵となり、中国で活躍して日露戦争後に帰国。

結核となるがアメリカに渡り、コロンビア大学で学び、ヨーロッパ経由の帰国の途にカイロでヨガの聖人カリアッパ師と会い、そのままインドで弟子入りして数年間ヨガを学ぶ。

帰国してからは東京実業貯蔵銀行の頭取となるが、1919年に突如決心し、「統一協会」(後の「統一哲医学会」)を創設し、大道説法を始める。東郷平八郎元帥や原敬浅野総一郎後藤新平など政財界の有力者が続々入会し、皇族にも進講するようになる。

1925年にNHK大阪放送局がラジオ放送を開始して八日後に、ラジオで「病と病気」という講演を放送したほど有名だ。

1940年に「統一哲医学会」を「天風会」と改称する。戦後も1947年にアイケルバーガー中将の依頼によりGHQ幹部を相手に講演を行い、たまたま来日していたロックフェラー三世に感動を与えたという。

1968年に92歳で死去するが、天風会は拡大を続け、1988年には累計会員数が百万人を超えたという。


このような経歴の人だが、ひと言で言ってよく分からない人だ。

この本を読んでいても、満州でオオカミに襲われて馬が殺され、木に登って三日間辛抱して生き延びた話とか、馬賊と戦った話、東郷平八郎元帥が感心した「クンバハカ式呼吸法」とかのエピソードが出てくる。

結核になったり、のどのガンになって医者には治らないと言われても、そのままにして35年以上も生き延びたという。まさに心身統一の権化の様な人だ。


気と体と心

結核で闘病しながらのインドでのヨガの修行中の、カリアッパ師との問答も面白い。

「それが(=自分の体)がお前だと考えている限りは、お前はほんとうのお前を知らないことになるなあ」

中略(この間、自分は自分の体でもなく、自分の心でもないとカリアッパ師に言われる)

「わかりました」

「そのわかったものがお前だ」

「俺は今まで肉体だと思ったがそうじゃなかった。俺は今まで心だと思ったが、そうじゃなかったんだ。見えないひとつの気、いわゆる霊魂、これが俺なんだと思った。」

「見えないひとつの気が、現象世界にその生命を表現しようとする場合に必要な道具として与えられたのが肉体と心なんです。」

「自分自身を常にもう一人の自分で守らせていくような考え方で生きていきなさい」という。

いわゆるメタ認知と呼ばれるものに近い。


強く願う力

中村天風師の説法の基本は、この本の挿絵の中村天風の書にもあるように「積極一貫」、積極精神にある。何事も気持ち次第だということだ。

ナポレオン・ヒルの言う"PMA=Positive Mental Attitude"だ。

病気でも仕事でも気持ちが萎えると体調回復、仕事成就はおぼつかない。

自分の念願が叶う叶わないは、自分のなかの心の思う力、考える力にあるのだという。

「思考は現実化する」とは、ナポレオン・ヒルの有名な"Think and Grow Rich"の翻訳本のタイトルだが、まさに天風師の説法も同じである。

思考は現実化する―アクション・マニュアル、索引つき


想像力を働かせて、望み求めているものを実際の姿として完全に、ありありと目に見えるように心の中で描くこと。すると強固な信念が結集して、心に描いた映像が現実化してくる。

稲盛和夫さんも同様のことを言っている

生き方―人間として一番大切なこと


ナポレオン・ヒルなど他の人も同様の事を言っているが、中村天風の方が東洋風だ。一万円もする本なので、まずは図書館で借りて読んでみることをおすすめする。


参考になれば次クリックお願いします。


人気ブログバナー



  
Posted by yaori at 20:06Comments(0)TrackBack(0)

2008年02月10日

図書館に行こう!その5 借りるので十分な本もある

全国から厳選!とっておきの駅弁100


図書館で借りるので十分という本も結構ある。

たとえば駅弁の本。見ていて楽しい本だ。

この本は、FAXやe-mailで取り寄せできる駅弁は、連絡先が書いてあるので便利だ。

100種類強の駅弁が紹介されていたが、この中で筆者が一番食べたいと思ったのは、米沢駅の「牛肉どまん中」と「牛串弁当」だ。

牛肉どまん中






牛串弁当






デパートの駅弁フェアーなどでも、すぐに売り切れになる人気の駅弁だ。

昔は高崎駅のだるま弁当も大好きだったが、煮エビがいつの間にかなくなり、あのエビの殻をむく楽しみと味のアクセントがなくなったのは残念だ。

だるま弁当






この本には載っていなかったが、大阪駅の八角弁当も好きな駅弁の一つだ。

他にも毎年改訂されている名酒年鑑など、毎年買っていると大変なので、図書館で借りるのが適当な本もある。

ちなみに2008−09年版の名酒事典の付属CDは名前で検索すると画像とか簡単な説明が出てくるものと思ったが、単に本の索引をCDにしただけで、事典の何ページに載っているというものだけだった。

検索CD-ROM付き 世界の名酒事典 2008-09年版


ともあれ、買うまでもないがじっくり見たいという本はこれ以外にもある。
そんなとき、是非図書館の蔵書をうまく活用して欲しい。


参考になれば次クリックお願いします。


人気ブログバナー




  
Posted by yaori at 21:48Comments(0)TrackBack(0)

2008年02月08日

世界のどこにもない会社を創る! セコム創始者飯田さん初の自伝

世界のどこにもない会社を創る!―セコム創業者の痛快な起業人生


セコムの創業者飯田亮(まこと)さんの自伝。

実は飯田さんは筆者の湘南高校の大先輩だ。同じ湘南高校出身の石原慎太郎氏は同級生だ。

飯田さんは1933年東京日本橋生まれだ。実家は東京で酒販卸だったが、戦災で焼け出され、葉山に疎開していたため、神奈川県藤沢市にある湘南高校に通ったのだ。

学習院大学に入学し、アメフト部を創設。卒業後は実家の酒販卸に勤める。まずは倉庫番で、4斗樽(72キロ樽)も一人で運べるほど腕っぷしが鍛えられたという。

次に営業で、酒販店のおやっさんに熱意を感じて貰おうと、店の何メートルも前から走ってきて、息せき切って店に飛び込むというパフォーマンスをやっていたという。三木谷さんの本にも同様の手法が出てきた。


浅草の鳥鍋屋で聞いた会話がきっかけ

学生時代の友人の戸田寿一氏と一緒に、誰もやっていない意義のある仕事を始めようと相談し、浅草の鳥鍋屋で飲んでいた時に、海外旅行帰りの人が外国では会社の財産をよその会社に守って貰っているという話を小耳にはさむ。

これが警備業を始めるきっかけだ。

国際警備連盟の存在を知り、コンタクトすると、会長のソーレンセン氏が出資を申し出、ソーレンセン氏が51%、飯田氏と戸田氏が49%で1962年に日本警備保障を設立した。資本金は400万円だった。

料金は3ヶ月前払で営業を始める。この点も楽天の6ヶ月前金と同様だ。

当時はほとんどの会社が守衛を置いていたり、社員が交代で当直していたりして、自分で自分の会社を守るという意識だった。

巡回警備と常駐警備の二つのサービスで売り出し、宿直をやめようと考えていた新橋の旅行会社が最初のクライアントになった。

警備員には不審者とはちあわせした時、大声で誰何することと、警棒の使い方を教えたが、護身術は教えなかったという。

生兵法は大けがのもとになると考えたからだと飯田さんは語る。

1964年の東京オリンピックの選手村や競技場の警備で知名度があがり、帝国ホテルからも受注した。

帝国ホテルでは当時77歳の社長の犬丸徹三さんにホテル内をくまなく案内してもらい、ホテルのセキュリティはどうあるべきか懇切丁寧に指導してもらったという。


「ザ・ガードマン」で知名度アップ

1965年には連続テレビドラマ「ザ・ガードマン」のモデルにという話がTBSから持ちかけられ、このシリーズは7年間350回も続いた人気シリーズとなり、警備業の知名度アップと事業の拡大に大きく貢献した。

「ザ・ガードマンとは、警備と保障を業とし、大都会に渦巻く犯罪に敢然と立ち向かう勇敢な男たちの物語である。」というナレーションを筆者も覚えている。子供の時に毎週見たものだ。

売上も1962年は7万5千円、63年898万円、64年9800万円、65年は1億8千万円と急増した。


機械警備導入がセコム躍進の要因

警備員の泥棒とか不祥事が数件起きて倒産を覚悟したこともあるが、1966年に機械警備のSPアラームを導入し、その後は巡回警備をやめ機械警備一本に絞る。

異常があれば中央官制所に電話線を使って連絡が行き、警備員が直行するというシステムだ。

これを導入したのは、人手不足で人手による警備は限界があると感じたからだ。

人感センサーはアメリカ製、コントローラーとダイヤラーは国産だった。セコムは昔から自前主義にこだわり、他社に丸投げで製造させたりすることはしなかった。

電話回線を使用するときは、当時の電電公社に交渉に行ったが、課長相手では全くらちがあかなかったという。電電公社では権限を持っているのはむしろ係長だという話を聞き、係長と交渉して了解を得てサービスを開始した。

このとき機器を売り切りかレンタルにするか悩んだが、結局レンタルにしたことが、その後のセコムの躍進につながった。最初の顧客は当時の三菱銀行だったという。

筆者もアメリカに駐在していたときに、警備システムを賃貸マンションに入れたが、やはり機器は買い取りだった。たしか2,000ドル程度だったと思う。


長嶋監督のCMで一躍有名に

1971年からは長嶋茂雄氏にコマーシャルに出演して貰うようになり、セコムの知名度は飛躍的に上がった。

1974年には東証2部に上場。1976年には42歳で社長を退任、会長となり長期的な事業戦略を考えることに専念する。

1977年には東電、関電、中部電力と合弁で日本原子力防護システムを設立したり、1979年にセコム科学技術振興財団を設立する。


自宅用セキュリティシステムを売り出し

自宅が泥棒に入られたらサマにならないという思いから、それまでは物音がすると木刀で見回っていたが、家庭用のセキュリティシステムを開発し、マイアラームの商標で売り出した。

当初は売れなかったが、長嶋氏の「セコム、してますか?」という有名なキャッチコピーによって売上は急増した。2007年3月現在でマイアラームの契約世帯数は、39万件だという。

海外では最初に台湾、韓国ではサムスンと合弁で現エスワンを設立。韓国ではセコムはセキュリティの代名詞になっているという。

自宅にセコムを入れているペ・ヨンジュン氏を、コマーシャルに起用している。



社名のセコムとは、セキュリティ・コミュニケーションの略だという。

京セラと一緒に第2電電に出資したり、植物工場、病院経営、在宅医療サービス、保険業などに事業を多角化し、成功も失敗も経験した。

最近のヒットは位置通知サービスココセコムだ。徘徊老人や子供の安全、盗難車の発見などに役立っている。

月々の契約金額を人の場合500円、車の場合900円と安く設定しすぎてしまったという。現在の契約数は30万件を超え、黒字化したそうだ。


生まれ変わっても事業家に

飯田さんは1997年に64歳で引退し、会長から代表権のない取締役最高顧問となった。

小泉政権時代には、政府のいくつかの有識者会議の議長を務めるなど、社会貢献もしたという。企業家ネットワークの依頼で、企業家賞の審査委員長を勤めて、ベンチャーの育成を支援している。刺激になると言う。

最後に飯田さんは「生まれ変わっても事業家に」という文で締めくくっている。90歳までは仕事をしたいと。今74歳なので、あと16年あれば大きな仕事ができるという。

現在は16年先を考えてグランドデザインを考えているという。どうせなら世界にインパクトある仕事をしたいという。

もう一度人生をやり直せるならという質問には、「アメリカで生まれたい。まずアメリカンフットボールの選手になり、次いで歌手になり、最後は事業家で締めくくりたい」と。

まさに事業家魂の権化のようなひとだ。

インデックスの落合会長も著書に書いていたが、起業家はいちどやったら辞められないということだ。

「会社どころか一つの産業を生み出した男」と、本の帯にキャッチが書いてあるが、まさにその通りだと思う。


平易な内容で、簡単に読める。日本を代表する事業家のおすすめの自伝である。


参考になれば次クリックお願いします。


人気ブログバナー





  
Posted by yaori at 23:45Comments(0)TrackBack(0)

2008年02月05日

ミシュランガイド東京 美しく、見ていて楽しいガイド

2008年2月5日再掲:

本日のNHK「プロフェッショナル仕事の流儀」で、ミシュランガイド東京で3つ星を取ったフレンチの「カンテサンス」のオーナーシェフ岸田周三さんの、料理に掛ける情熱を興味深く見た。

岸田シェフ






岸田さんは、ミシュラン3つ星シェフの中で最年少の33歳だ。

素材の産地に足を運び研究する。

時には北海道でエゾシカ狩りに立ち会い、シカへの感謝の念を持って調理する。

また京都で京野菜を畑で土のついたまま試食し、食材を選ぶ。

メニューはおまかせだけだという。

肉は1分焼いて、5分さます。そのルーティンを2時間続ける。素材の味を最大に引き出すための調理法だ。

カモはジューシーに、魚は身が輝き虹色にひかっている。

さすがミシュランの3つ星だけある。

料金的にも手頃だ。昼が7皿コースで7,350円、夜が13皿で15,750円。3つ星レストランのフルコースでは破格の値段だろう。

岸田さんの師匠のパスカル・バルボ氏のアストランスは、パリで最も予約が取りにくいレストランと言われているそうだが、岸田氏のカンテサンスも、東京で最も予約が取りにくいレストランとなることは間違いない。

既にホームページでも電話がつながりにくいと書いてあり、これからもこの状態が続くだろう。

NHKのドキュメンタリーも面白い。「すきやばし次郎」でも感心したが、調理場の現場にこれだけ長期間密着取材できるのもNHKならではだろう。

2月11日と12日にNHKで再放送されるので、番組を見られることを是非お勧めする。


2008年1月23日初掲

MICHELIN GUIDE東京 2008 (2008)


このブログで、書店でも注文して2−3週間掛かるベストセラー本を、図書館でリクエストしたら何日で読めるか実験した対象の本。

実験結果は、図書館でリクエストして1ヶ月でミシュランガイド東京が読めるというものだった。

そのミシュランガイド東京。ひとことで言って、見ていて楽しい本だ。

ミシュランは東京では、三つ星8軒、2つ星25軒、1つ星117軒のレストランに星を与えた。東京は世界で最もミシュランの星のレストランが多い、ということだ。

世界共通の編集方針なのだろうが、日本のレストランガイドのように料理カテゴリー別に並んでおらず、あいうえお順となっているので、やや使いにくい。

レストランとホテルが、見開き2ページで紹介されている。

レストランの場合、左ページが内部の大きな写真と代表的料理の小さな写真が2枚、反対側のページが解説と地図や入り口の写真、住所・電話番号、料金などがまとめられている。

さすがと思わせるのは、すべてのレストランの内部の写真が、客の座るイスを中心に撮られていることだ。入り口の写真も必ず載っているので、これならガイドを手に初めてレストランを訪問しても、違和感を感じないと思う。

またミシュランに取り上げられるくらいのレストランなので、たとえカウンターだけの小さな店でも、やはりイスにも細心の心配りがされていることがよくわかる。

すばらしいイスばかりだ。

しかし料理の写真が2枚ずつ載っているのに、何の料理なのかが書いていない。右ページに、代表的料理が解説されているレストランもあるが、写真との関連付けはない。

たぶんミシュランの編集方針なのだろうが、折角料理の写真を載せるなら、何の料理なのか書いて欲しいものだ。


元々旅行者向けのガイドブックなので、すべてのレストラン・ホテルの料金レンジが書いてあるのが親切だ。

昔、取引先の世界的に有名な中小企業の社長がよく言っていた、麤皮(あらがわ)という西新橋にある三田牛のステーキレストランも一つ星で載っているが、なんと昼でも夜でもコースが56,000円から78,400円となっている。

たぶんミシュランガイド東京で最も高いレストランだ。

とても普通では行けるレストランではない。正直、値段が高いレストランは、たとえ紹介されていても、料金を見ただけで興味を失う。

しかし、星の数と値段は比例しないところが良い。

ミシュランは、星はあくまで料理の評価であって、レストランの雰囲気とか、サービスの質とかは星のカウントには考慮しないという。

夜のコース料理が1万円前後のレストランも多く掲載されているので、こういったところは、普通の人でも十分行けるところだ。

もちろんミシュランガイド東京には載っていないレストランでも、良い店はたくさんある。

たとえばすしなら、筆者は築地市場の魚がし横丁にある大和寿司(だいわ)がベストだと思っているが、おまかせで3,500円ながら、1時半に閉店して、食べるのに1時間弱も待つ店など、旅行者には不向きの店は、当然載っていない。

うなぎなら神田のきくかわだと思うが、うなぎは竹葉亭しか載っていない。そばの神田 松屋もだ。

そんなこと言っていても始まらないので、ミシュランガイドで、リーズナブルな値段のレストランで、筆者が家族で行きたいと思ったところは、北青山のリストランテホンダ、駒場のミラヴィル(ここのホームページは凝っている)、レストランひらまつグループのキャーヴ・ド・ひらまつだ。

接待で使いたいと思ったのは、銀座うかい亭(鉄板焼)とジョエル・ロブションだ。

先日NHKの「プロフェッショナル」で、ミシュランの3つ星を獲得した、すしの「すきや橋 次郎」が取り上げられていたが、同じ食材でも親方の二郎さんが味見して、満足いかなければ捨てていた。

そしてロブションさんが来日して、「すきや橋 次郎」を訪れた時の場面が、レポートされていた。まさに東西の味の巨匠の真剣勝負という感じで非常に面白かった。

ミシュランの星は、一つでも3つでも余り差はなく、それぞれが素晴らしいレストランなのだろうが、3つ星のレストラン訪問記は、現在発売中の雑誌「おとなの週末」2月号に載っている。

おとなの週末 2008年 02月号 [雑誌]


ミシュランの3つ星だからといって、どうしても行きたいとは思わないが、思わず筆者もこの雑誌を買ってしまった。

超有名レストランのロブションや、ホテルのダイニングもあるが、カウンターだけの10席前後の小さな割烹料理屋も紹介されている。よく調べたものだ。

今回は東京といっても、基本的に山手線の内側で、銀座・築地を除くと、山手線外のレストランはほとんどない。エリアは銀座と六本木・麻布が両巨頭で、だいぶ差があって、神楽坂、赤坂、恵比寿などが続いている。

筆者が家族の誕生日などで、時々利用するうかいグループでは、都心にある銀座うかい亭と、とうふ屋うかいのみが紹介されている。

うかいグループは、味はもちろん、雰囲気やサーブスもよく、価格もリーズナブルなので、東京の郊外まで範囲を広げれば、高尾山のうかい鳥山や、八王子のうかい亭も入ったのではないかと思う。


全部で150軒のレストランが紹介されているが、筆者が食事したことのあるレストランは、わずか1軒だけだった。新宿の女子医大に近い小笠原伯爵邸というスペイン料理レストランだ。

小笠原邸






まあ一軒あって良かったというところか。


使いにくい点はあるが、やはり見ていて美しく、楽しいガイドだ。

今は書店でも平積みになっていたので、是非手にとってパラパラとめくって欲しい本である。


参考になれば次クリックお願いします。


人気ブログバナー





  
Posted by yaori at 23:50Comments(0)TrackBack(0)

2008年02月03日

東京の窓から世界を 石原都知事の対談集

東京の窓から世界を


東京のローカル局であるMXテレビで放映されている石原慎太郎都知事と、各界からの多彩なゲストとの対談集。

この本では、なかにし礼(作詞家、作家)、石井和子(気象予報士会会長)、蓮池透(拉致被害者家族連絡会副代表)、岡崎久彦(元大使、国際政治評論家)、はかま満緒(タレント)、葛西敬之(JR東海会長)、小田啓二(日本ガーディアン・エンジェルス理事長)、星野仙一(阪神シニアディレクター)、中曽根康弘というゲストと対談をしている。

テレビ番組なので台本もあるのかもしれないが、それにしても石原慎太郎氏の博識には感心する。

文人政治家と言えるだろう。

石原慎太郎氏は国会議員として25周年の時に国会議員を辞めて、都知事に転身した。やはりこの人は、国会議員でワンオブゼムになるより、大統領型の都知事の方が向いていると思う。


ところどころに東京都の宣伝も入っている。

たとえば神田川の治水対策として、環状七号線の地下40メートルに設置された直径12.5メートル、長さ4.5キロの巨大な調整池トンネルのことが紹介されている。2007年に全部完成したが、2004年、2005年の台風や集中豪雨の時は、浸水対策として威力を発揮した。

このブログでも紹介した拉致被害者家族会の蓮池透さんとの対談では、帰国した拉致被害者には月額24万円しか政府から支給されていないことや、元外務省の田中均前外務審議官のミスターXのことが糾弾されている。

外務省は拉致をテロだとは言わないと。テロと言っているのは、安倍晋三氏と中山恭子氏だけで、小泉総理も「普通に考えればテロだ」と言っているそうだ。

外務省の田中均元外務審議官の「ミスターX」秘密外交は許せないと石原氏は語る。当時の安倍晋三官房副長官も矢野外務副大臣も、ミスターXが誰か知らなかったという。

加えてブッシュー小泉会談の前に、田中氏が訪米して、加藤大使など正式な外交チャンネルをスルーして、直接米国国務省のアーミテージ氏とかケリー氏と会い、北朝鮮に対して強く当たらないように依頼したという。

首脳会談では「北朝鮮問題の平和的解決には対話と圧力が必要」という共通認識で一致しているものを、田中氏は「圧力」という言葉を公表しないように、アメリカに働きかけていたのだと。

石原氏は、外務省の悪口は言いたくないが、と言いながらも、白洲次郎の論文集を引用して、外務省は「あいつら、外国語ができない。外国語ができない人間は、社交ができない。社交ができない人間に外交できるか」との言葉を紹介する。

逆に一番しっかりしているのは、やはり警察を中心にした内務省で、マッカーサーが軍隊のあと、これを徹底的に潰そうとして、内務省が潰されたのはわかると白洲の本に書いてあったと言う。

北朝鮮へのコメの援助については、石原氏は「ものをやらなかったら出てこない」んじゃない、「やらなきゃ出てくる」んだよと語る。

日朝平壌宣言では、外務省は「拉致」という言葉を一切使わなかった。「日本人の生命に関わる云々」という一行が拉致問題だというのだと。

蓮池さんも、著書では言い出せないことを、石原氏のつっこみもあってか、不満を暴露している。


元大使、国際政治評論家の岡崎久彦氏との面談では、石原氏の米国政界とのコネクションを披露している。

松下幸之助の言葉を紹介した江口克彦さんの「成功の法則」ハドソン研究所の未来科学者ハーマン・カーン氏のことが出てくるが、石原氏はハーマン・カーン氏と仲がよかったので、アメリカの情報がいろいろ入ってくると言う。

今のブッシュのホワイトハウスを動かしているのは、カール・ローブとか、ロバート・ゼーリックとか、みんなハドソン研の連中だが、日本の大使館はそういう人たちへのアプローチができていないと。

岡崎さんは、戦後の総理大臣で偉かったのは岸信介氏だという。

総理就任後、すぐに外遊しているが、最初に行ったのは戦前日本を尊敬していたインドのネールのところで、次にパキスタン他、最後に台湾に行って蒋介石に会って帰ってきた。

アジアで大歓迎を受けて、アメリカに行き、アイゼンハワーに会い、それから東南アジアをすべて訪問し、アジア外交の基礎をつくったという。


弟故石原裕次郎の親友のはかま満緒との対談では、大道芸人をヘブンアーティストとして東京都が認めた話が出てくる。当時の警視総監が話が分かる人で、道交法の関係で資格が必要だが、公道での大道芸を認めることになった。

最後にはかま満緒が、伊勢のおかげ横町の様に、東京でもお台場に「大江戸名店街」をつくり、江戸時代から営業している老舗400店をあつめることを提案している。

JR東海の葛西社長との話では、フランスのTGVは機関車が客車を押し、引っ張る動力集中方式をとっているので、モーターが各客車に分散している日本の新幹線の様に急停車ができず、各駅停車運行や小刻みな運転はできないという。

日本の新幹線は1時間に12本運転しているが、TGVではせいぜい1時間に2−3本で、韓国もTVGを買って困っているようだと石原氏は言う。

JR東海だとやはり話題はリニアだ。ドイツのリニアは8MMしか浮上しないので、ボルトが落ちていても障害になるが、日本の超伝導リニアは10CM浮上する。既に最高時速550キロを達成したという。

実験線は19キロしかないが、一日に90往復しているので、約2,800キロを一日で走行している。これだけ走れれば、いつでも実用化できるのだという。

2025年までに首都圏と中京間でリニアを実用化する計画を、JR東海は進めている。

リニア新幹線





出典:リニア中央新幹線ホームページ


星野仙一氏との対談では金田正一氏の話が出てくる。カネやんと石原氏は山中湖の別荘が隣同士なので、仲が良いが、左手は硬くなって右手のようには曲がらないという。「この左手で400勝して、プロ野球で数十億円稼いだのよ」と言っていたという。

その金田の400勝めの試合の負け投手が星野仙一だという。

金田とはルーキーの年にオールスターで一緒に練習したが、22歳の星野が、40歳近い金田について行けなかったという。

星野は、同年代のナンバーワンは江夏だという。スピード、コントロール、勝負勘、すべてが長けていたという。

長嶋はつかみどころがなかったという。どこに放っても一応バットに当ててくる。王は選球眼が良いので、「ストライクしか打ちませんよ。勝負したかったら、ベースの中に放ってきなさいよ」というタイプだったという。

ただ星野はONよりもちょこまかしたヤクルトの若松とか、広島の高橋慶彦などが嫌いだったという。


最後の中曽根康弘氏は、「命の限り蝉しぐれ」という本を共著で出しているが、今なお改憲の意識が高いのには、感心した。

命の限り蝉しぐれ―日本政治に戦略的展開を


中国は10−15年のうちには日本に追いついてくるが、政治、経済面で2020年頃からがどうなるか動向をさぐり、共存していくのが今後の大きな仕事だという。

中曽根氏は、憲法問題はやはり大事な問題だから、国民運動を起こさなければならないと意欲を語っている。今年90歳になるが、意欲は衰えない。スゴイ人だ。


ゲストも石原慎太郎氏が事前に人選しているのだと思うが、気の置けない対談で、読み物としても面白い。おすすめの本である。



参考になれば次クリックお願いします。


人気ブログバナー


  
Posted by yaori at 21:48Comments(0)TrackBack(0)