2008年11月30日

美味しんぼでも甲州ワインを絶賛

2008年11月30日追記:

マンガ「美味しんぼ」を読んでいたら、80号の山梨編で甲州ワインを和食にあうワインとして絶賛していた。

美味しんぼ (80) (ビッグコミックス)美味しんぼ (80) (ビッグコミックス)
著者:雁屋 哲
販売元:小学館
発売日:2001-09
おすすめ度:2.0
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マンガのストーリーは、結局究極のメニュー側は、甲州ワインをあまりに強調しすぎたために、至高のメニューに負けてしまうが、甲州ワインと様々なすしの食材、生カキ、生ウニなどとあわせても全く問題なことを紹介している。

残念ながらアマゾンでは表紙のイメージがないが、この本の内容を紹介しているホームページを見つけたので紹介しておく。

美味しんぼ






この本は2000年の発売なので、すでに2000年から「美味しんぼ」の作者は甲州ワインに注目していた。

さすが「美味しんぼ」だ。

是非甲州ワインを試して欲しいので、記事を再掲する。


2008年11月7日初掲:

筆者は以前はどんな料理でも赤ワインを飲んでいたが、最近は白ワインも飲むようになった。

元々筆者はアルゼンチンに駐在していたときに、ワインを飲み始め、初めは白、次に赤と嗜好が変化していったのだが、今は白ワインにも注目している。

実は、最近は白の国産ワインばかり飲んでいる。

これまでは自宅で飲む白ワインは、チリかアルゼンチンの千円前後のものを飲んでいた。特に価格が安くておいしいチリのコンチャイトロの白ワインをよく飲んでいた。白ワインはどれもあまり変わらないという先入観があったためだ。

コンチャイトロ フロンテラ シャルドネConchay Toro Frontera Chardonnay
コンチャイトロ フロンテラ シャルドネConchay Toro Frontera Chardonnay


今年の夏に河口湖にバケーションで行った帰りに、山梨の甲州ぶどうでつくった白ワインをみやげ物屋で試しに買って飲んで、国産ワインの品質の高さに驚き、それ以来国産のワインをいろいろ試している。

甲州ぶどうは1280年前(奈良時代!)から栽培されている日本独特のぶどうだ。

3、000円程度の高いワインは試していないが、1,500円前後のワインは今まで10本ほどいろいろなものを飲んだ。特にお勧めなのは次のワインだ。

勝沼醸造 甲州ヴィンテージ [2001]年
勝沼醸造 甲州ヴィンテージ [2001]年


実はこれがみやげ物屋で最初に買って飲んでみて驚いたワインだ。

ボトルのラベルがさえないし、樽熟成されたワインではないが、香り、色、味のどれをとっても一級品だ。もちろんさしみなど魚料理など日本料理との相性も抜群だ。

やはり見る人は見ているもので、いろいろ調べていくとこのワイナリーのワインが、JALの国際線ファーストクラスやビジネスクラスで出されている様だ。

アルガブランカ ピッパ750ml
アルガブランカ ピッパ750ml


アルガブランカ '07クラレーザ750ml
アルガブランカ '07クラレーザ750ml


日本でこれだけのクオリティのワインを1,600円程度で生産できるというのは、正直驚きだった。

日本のワイナリーが集まって「日本のワイン」というホームーページをつくっている。

日本のワイン






日本のワイナリーは、メルシャンとかサントリーとか大手のメーカーのものと、中小のワイナリーがあるが、中小のワイナリーはいろいろあってどこが良いのか迷ってしまう。特に1000円以下のワインは、輸入バルクワインを混ぜているので、おすすめできないワインが多い。

ワイナリー便り






その中でもこのワインをつくっている勝沼醸造という会社は、自社のぶどう畑を持ち、オーナー自らが案内するワイナリーツアーをやっていたり、付属のレストランも充実していて、今中酒店というワインショップの紹介によると国際的な賞もとっていて注目されているようだ。

勝沼醸造







横浜市の中田市長もテレビ番組に出演して言っていたが、日本のワイン産業を振興することも、雇用拡大や地域発展に貢献する効果がある。

筆者は米国のワシントン州やオレゴン州の赤ワインが好きだが、ワシントン州などはここ20年間でワイン産業が大変発展した。ワシントンワイン協会は日本に事務所もあり、ホームページも開設している。

ワシントンワイン協会のホームページワイン生産統計が載っているので、紹介しておく。1981年には19しかなかったワイナリーが、2006年には400を超えている。大変な雇用創出効果だ。

ワシントンワイン統計






ワイン産業が拡大すれば、ぶどうの生産も増え、農業生産が上がる。ワイナリーでの労働者や醸造技術者の雇用が拡大する。ワイナリーめあての観光客が増え、旅館やホテルの集客にもつながる。観光客が増えれば、みやげ物やレストランなど町の観光収入も上がる。こんな好循環が作り出せるのだ。

これが当然地域振興、雇用拡大につながっていく。

カリフォルニアのワイン産業は以前紹介した「パリスの審判」のボルドーワインとのブランドテイスティングに勝利してから、世界の一流ワインとなり、一大産業となった。

多くの人が日本のワインを飲むことで、日本のワイン産業の振興にもつながると思う。

是非一度日本の甲州ワインを試して欲しい。必ずや驚くはずだ。


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2008年11月27日

知られざる巨大市場 ラテンアメリカ ラテンアメリカ4ヶ国の現状がよくわかる

知られざる巨大市場ラテンアメリカ知られざる巨大市場ラテンアメリカ
著者:山口 伊佐美
販売元:日経BP企画
発売日:2008-10-15
おすすめ度:1.0
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ブログで本を紹介するというキャンペーンに応募して、この本を読んでみた。

本の紹介をブログで書いて貰って口コミで広めようというのはいわゆるバイラルマーケティングの一種であり、新しい試みである。

10月下旬に本が届き、ライブドアブログの共通テーマページがつくられている。

筆者はこのブログにも書いている通り1978年から1980年までアルゼンチンに駐在していた。スペイン語は完璧にできるし、ポルトガル語もスペイン語とのチャンポンで会話はできるので、ラテンアメリカではほぼオールマイティだ。

アメリカに2度駐在していた時にブラジルから原料を輸入していたので、毎年訪問していた。

アルゼンチンはビジネスという面ではあまりチャンスがなかったが、友人も多く、機会があれば訪問していた。最後に訪問したのは1998年だった。チリメキシコも訪問したことがある。

以前「ブラジル巨大経済の真実」ゴールドマンサックスの"BRICs and beyond"を紹介したが、筆者はいわばラテンアメリカ・シンパなので、この様なラテンアメリカを紹介する本が評判になることは大歓迎だ。


この本の目次

この本の目次は次の通りだ。

第1章 資源価格高騰で成長する経済圏

第2章 今、ブラジルが熱い!

第3章 アメリカ依存から世界の輸出拠点へ(メキシコ)

第4章 二人の女性大統領が安定成長へ導く(チリとアルゼンチン)

第5章 巨大市場の争奪戦(先行する欧州企業。自動車産業、スーパーマーケット、通信業界の個別業界展望)

終章  世界が必要としているラテンアメリカ


最初にラテンアメリカ全体の地図と中南米やカリブ海諸国まで含めた33ヶ国の首都と現在(5億7千万人)と2050年の推計人口(約8億人)、人口増加率(平均1.3%)、都市人口の割合(平均78%)がまとめられていて参考になる。

ラテンアメリカ全体だと5億7千万人と現在のEUの人口の5億人と匹敵する規模となる。たしかに巨大市場である。

小学校のクラスで世界の国と首都を覚えるコンテストをやったこともあり、筆者はもとから世界の国と首都には自信があった。加えてアルゼンチン2年と米国に9年駐在していたので当然すべてのラテンアメリカの国を知っていると思ったが、カリブ海の国は初めて名前を聞く国もあった。

たとえばセントクリストファー・ネーヴィスという国の首都はパセテールだという。またセントルシアの首都はカストリーズという町だ。全然知らなかった。

さらにドミニカ国(首都ロゾー)とドミニカ共和国(首都サントドミンゴ)の両方があるとは知らなかった。

筆者は世界40余りの国を出張や旅行で訪問したことがあるが、中米・南米33ヶ国のうち訪問したことがあるのは11ヶ国だった。

南米は日本からは最も遠い地域なので、親しみが薄いかもしれないが、日本との関係という意味では、多くの移民の人の功績もあり親日国が多い。ブラジルの日系人は政治経済面で存在感があり、アルゼンチン・チリともに親日国だ。

アルゼンチンは日露戦争の時に、イギリスの口利きでイタリアに発注していた戦艦2隻を日本に譲った。これが日進春日の両戦艦でともに日本海海戦で活躍した。アルゼンチンの人はこのことを覚えていて、日本人がタンゴ好きということもあって、親日派が多い。


なぜ、今ラテンアメリカなのか?

この本では「なぜ、今ラテンアメリカなのか」という命題から始め、ラテンアメリカの豊富な地下資源と食料資源を紹介し、ラテンアメリカの潜在力を強調している。

2007年5月に南米の12ヶ国の首脳が集まって「南米諸国連合(UNASUR)」の設立で合意し、2007年12月には南米銀行の設立にも合意している。ラテンアメリカ共通の問題である通貨危機、対外債務危機の再発を防止する意図である。

それまでバラバラだったラテンアメリカはこのように近年結束を固めている。ベネズエラのチャベス大統領など、反米の首脳も出現し、もはやアメリカの裏庭という感じではなくなりつつある。


ブラジルの実力

このブログを読まれる人は、ブラジルには世界第3位の飛行機メーカーがあることをご存じだろうか?世界の中型機市場ではブラジルのエンブラエルがナンバーワンであり、JALもエンブラエル機導入を決めている。

ブラジルというとコーヒーとか最近は原油生産が注目されているが、ITも進歩しており電子投票の普及、完全に電子化された世界第3位の株式市場であるBOVESPAがある。

また今や日本食ブームでサンパウロの日本料理屋は600店を超え、ブラジル名物のシュラスケリア(焼肉店)を上回ったという。

ブラジルは鉄鉱石の世界最大の生産国で、三井物産が1000億円を投資したヴァーレが世界ナンバーワンだ。もっとも三井物産の鉄鉱石ビジネスは永年オーストラリアがメインで、ブラジルに投資したのは比較的最近の約20年ほど前である。

CAEMIという資源会社に投資し、それが合併で今のヴァーレとなり、さらに株を買い増したものだ。

ヴァーレは昔はリオドセという国策会社だったが、現在は民営化され、多額の税金を国に払っているという。

食料では有名なコーヒーに加え、最近では鶏肉も世界ナンバーワンだ。ちなみにコーヒー生産・輸出の第2位はベトナムで、筆者はてっきりコロンビアだと思っていた。

ブラジルは対外債務増大で1980年代に経済危機に陥ったが、現在は純債権国となっている。国債の格付けでもS&PがBBB+で投資適格となり完全復活を遂げた。(ちなみにS&Pの格付けでは、ラテンアメリカではチリがAA,メキシコがA+で、ブラジルのBBB+は第3位である)

弱点だった石油も2007年に自給率100%を達成し、最先端の海底油田掘削技術を生かして最近では大型の海底油田が続々と発見されている。

ほとんどの油田がリオデジャネイロの沖合の海底にある。ブラジルの原油を独占するペトロブラスは原油埋蔵量ではエクソン・モービル、BPに次ぐ三位グループである。

この本では著者の山口さんがヴァーレやペトロブラスのIR担当に直接面談しているので、参考になる。

かつてはハイパーインフレで有名だったが、インフレ率も2006年、2007年は3−4%に留まっている。天然資源だけでなく、製造業も大きく、自動車産業は2007年には世界第7位の約3百万台を生産している。


メキシコ

ラテンアメリカとは南米+メキシコという意味で使っている言葉だが、メキシコ(北米)と南米では相当状況が異なる。

「フラット化する世界」で紹介されていた通り、アメリカから製造業が大挙してメキシコに移ってきた時代が終わり、今や中国とメキシコが競合となり中国が勝ちつつある。

フラット化する世界 [増補改訂版] (上)フラット化する世界 [増補改訂版] (上)
著者:トーマス フリードマン
販売元:日本経済新聞出版社
発売日:2008-01-19
おすすめ度:4.5
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アメリカの貿易相手国としては中国が長年1位だったカナダを抜きトップで、長年2位だったメキシコは第3位になっている。

メキシコも対米依存度を下げ、他の市場を開拓する必要性を感じ、日本はじめ44ヶ国とFTAを結んでいる。しかし輸入は増えているが、今のところ輸出の90%はアメリカ向けで、輸出に関してはFTAの目立った効果は出ていないという。

メキシコは2006年3月に大統領が交代し、ハーバード大学出身のカルデロン大統領が就任した。就任1年で60%という高い支持率を背景に、長年の問題だった1.年金改革、2.税制改正、3.選挙法改正の3大改革をおこなった豪腕である。

メキシコの原油生産は世界第6位で、石油が主要産業であることは間違いないが、自動車生産も約2百万台でカラーテレビとともに主要輸出品となっている。

日系企業のなかでメキシコで存在感があるのは日産だ。筆者が会社に入った頃から日産はメキシコで生産していたので、現地生産はたぶん30年以上になると思う。2007年にはメキシコでの生産台数は50万台とGMを抑えて第1位となった。


南米の優等生チリ

チリは南米の優等生だ。人口は1,800万人と少ないが、一人当たりのGDPは約1万ドルで、ここ5年で倍になっている。成長率は4−5%、財政収支も数年連続で黒字で2007年は8.7%の歳入超過となっている。

サンティアゴの地下鉄ではICカードが導入されているという。

チリでの産業では銅、ワイン、サーモン養殖などが有名だ。

チリは医者出身で女性のミシェル・バチェレが大統領だ。バチェレ大統領のお父さんは拷問で殺されている。

ジェトロの話だと、チリはブラジルより10年先を行っているという。

チリはアジアとの結びつきを深めており、自動車は日本車や韓国車が多い。FTA(Free Trade Agreement)があるので、無関税で輸入できるからだ。

元々南米にはいなかったサーモンの養殖も、チリのフィヨルド地形に目を付けた日本政府のODAで始まったのが最初で、それを国際入札でニッスイが引き継いだ。筆者の三菱商事の友人も水産部出身で、チリに駐在していた。

日本にもスモークサーモンなどが輸出されているが、主要輸出先はヨーロッパだという。

チリは太平洋側には便利だが、大西洋側に出るにはアンデス山脈を越えなければならない。そこでアンデス山脈をつらぬくトンネル建設構想もあるという。


アルゼンチン

筆者が昔2年間住んでいたアルゼンチンブエノスアイレスは、今やビル建設ラッシュだという。

アルゼンチンというと対外債務でデフォルトを行い、高い失業率という印象がある。たしかに1999年から2002年まではマイナス成長が続いたが、経済成長率は、2003年からここ5年連続で8%を超えており、2007年のは8.7%だ。

輸出も拡大しており、2007年は100億ドル以上の貿易黒字を記録している。大統領は前大統領の妻クリスティーナ・キルチネル大統領だ。ヒラリークリントンは大統領になれず、オバマ政権で国務長官に就任しそうだが、アルゼンチンでは夫婦で交代して大統領というのがペロン政権でも実績があり、今回も実現している。

アルゼンチンというと畜産や農業国というイメージが強いが、自動車産業も年間50万台を生産している。石油も自給でき、天然ガスも有望視されている。

2002年以来主要農産物には輸出税が課せられており大豆、小麦、トウモロコシ、油脂などの税金が引き上げられている。アルゼンチンが力を入れているのがピーナッツであり、2007年には世界第2位の生産国になった。

日本企業では本田、トヨタ、片岡物産(ワイン)、NECのソフトウェア開発センターなどがある。

アルゼンチンは20世紀前半は世界でも最も裕福な国の一つだった。両方の大戦中に終盤まで中立を保って両陣営に食料を売って外貨を稼いだので、第2次世界大戦後も大変裕福な国だった。

たとえば筆者が下宿していたアパートのオーナーは、同じ電話番号を50年間使い続けていると言っていた。

日本で言うと昭和の初め頃から一般家庭に電話が普及していたのだが、それが全く更新されなかったので、雨が降ると電話が繋がらないという状態だった。

国内の長距離電話をかけるよりも、国際電話をかけた方がつながるという笑い話のような状態が続いていたが、それを改善したのが1980年代にNECが入れた電話交換機ネットワークだ。

地下鉄も世界でロンドン・パリに次いで3番目に建設されたが、それが更新されなかったので、筆者がいた当時は全く路線が広がっていなかった。その後日本の東京メトロの中古地下鉄車両を輸入したり、路線を拡大したりしている。

筆者の好きな国だが、経済面ではブラジルとは大きな差が付いてしまった。せめてサッカーではブラジルに勝って欲しいと思っているが、「名選手必ずしも名監督ならず」のことわざ通りマラドーナ監督には一抹の不安がある。

余談になるが、最初にマラドーナのアルヘンティーノ・ジュニアーズ時代のプレイをテレビで見たときは衝撃を受けた。

当時18歳だったが、ドリブルでタックルされてもボールを持ち続け、最後はゴールしてしまうというテクニックに、思わず一緒にテレビを見ていた同じ下宿のアルゼンチン人の友人に「こいつは誰だ?」と聞いたものだ。

1986年のメキシコワールドカップ対イングランド戦のマラドーナの伝説の6人抜きのゴールがYouTubeに収録されている。




著者の山口伊佐美さんが働くブラックロックジャパンはファンドマネージャーで、たぶんラテンアメリカ関係のファンドを立ち上げるための資料として、この本を出版したのだと思う。

たしかに山口さんが言うように、中間層が多い、国内需要が大きい、国家財政の健全化、インフレ抑制で投資適格になっている、未開発の資源、世界の供給源となっている農産物、優秀な人材等の面で、ラテンアメリカはこれから益々注目されると思う。

ラテンアメリカ通の筆者として欲を言わせてもらえば、貧者に住んでいる家の占有権を認めたエルナンド・デ・ソトの改革と金属相場上昇で、2006年の株価上昇率で世界第1位になったペルーの現状も紹介して欲しかった。

また世界最大級の天然ガス田が発見され、石油も生産しているのでOPECに入るという話もあるボリビア、反米チャベス政権のベネズエラなどの現状も書いて欲しかったが、この辺の国は投資対象にはならないという整理なのだと思う。

良い取材に基づいたしっかりした内容で、ラテンアメリカの現状が頭にスッと入る。是非多くの人に読んで貰いたい本である。


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2008年11月22日

プロフェッショナルマネージャー ユニクロ柳井さん絶賛の経営の教科書

プロフェッショナルマネジャープロフェッショナルマネジャー
著者:ハロルド・ジェニーン
販売元:プレジデント社
発売日:2004-05-15
おすすめ度:4.0
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ユニクロ社長柳井正さんが「私の最高の教科書」と絶賛する米国の多国籍企業ITTの元社長ハロルド・ジェニーンさんの経営指南書。

巻頭に柳井さんの紹介文「これが私の最高の教科書だ」、そして巻末に柳井さんの解説とまとめ「創意と結果、7つの法則」が付いている。まさに柳井さんが「私の教科書」と呼ぶ力のいれようだ。

この本の初版は1985年に出版された。柳井さんはユニクロの1号店を広島にオープンしたばかりで、ユニクロが小郡商事といってた時代に読み、大変衝撃を受けたという。

この本を読んで、柳井さんは自分の経営は甘いと思ったという。


三行の経営論

柳井さんが最も影響を受けたジェニーン氏の「三行の経営論」とは次の通りだ。

本を読む時は、初めから終わりへと読む。
ビジネスの経営はそれとは逆だ。
終わりから始めて、そこへ到達するためにできる限りのことをするのだ。


この言葉を柳井さんは実践して、その時々の目標を設定し、こうありたい姿を目指して現在のユニクロを築き上げたのだ。

実はこの本はブログを書き始める前の2004年に一度読んだ。

ジェニーンさんの「三行の経営論」とジェニーンさんが公認会計士からスタートしてトップに上り詰めたことなどが記憶に残っていたので、再度読み直してあらすじをブログに書いた。


ジェニーンさんの経歴

ジェニーンさんは1910年生まれ。両親は5歳の時に離婚し、母親は歌手だったので、ジェニーンさんと妹は修道院付属の寄宿学校で生活する。15歳の時に会社の使い走りとして就職し、ボーイをしながら何とか高校を卒業。広告会社の営業や証券取引所の場立などを経て、8年間かけてニューヨーク大学の夜学で公認会計士の資格を取る。

会計士として会計事務所に就職、戦争では海軍に志願するが、メガネのせいで不合格となる。戦時中は魚雷をつくっていたアメリカン・キャン(缶メーカー)に勤め、その後光学器械メーカーを経て、ピッツバーグのジョーンズ・アンド・ラフリン(J&L)のコントローラー、副社長となる。

筆者も何回か訪問したピッツバーグの製鉄所(Midland, PAというオハイオ川沿いの巨大な製鉄所だったが、筆者が駐在した当時はそのほんの一部しか使われておらず、大部分が廃墟と化していた)で勤務した後、ハーバード・ビジネススクールのエクゼクティブプログラムを受講。

1956年に軍事メーカーレイセオン社にNo.2として転職し、1959年にITT社長に就任する。ジェニーン氏が就任した時のITTの売上高は8億ドル弱、利益は3千万ドル弱だった。

ジェニーン氏は最高経営責任者として一株当たり利益を年10%以上増加させるという目標を掲げ、58四半期連続増益を達成した。ジェニーン氏が退任した1977年にはITTは多国籍コングロマリットとしてフォーチュン500の11位にランクされ、売上高166億ドル、利益六億ドル弱と売上高・利益ともに20倍になった。

ITTはレンタカーのエイビスを買収し、1968年にシェラトンホテルチェーンを買収している。シェラトンホテルチェーン立て直しには8年掛かったというが、毎年一億ドルの収益をもたらしてくれるという。

ジェニーンさんがこの本を出版した1980年代初めは、「セオリーZ]などと呼ばれた日本的経営が世界を席巻した時代である。

セオリーZ―日本に学び、日本を超える (1981年)

この本でもジェニーンさんは、日本とはたしかに文化の違いはあるが、日本の経営システムだけが勝因ではないと語る。

低い労働コスト、最新式の設備、政府援助(?)、産業政策などが日本が勝っている要因であると分析し、米国企業は日本と今後も競争できると語っている。

なにか現在の中国企業の説明の様で、歴史は繰り返すという感じだ。


この本の目次

この本の目次がよくまとまっているので、紹介しておく。

はじめに 「これが私の最高の教科書だ」 柳井正

第一章 経営に関するセオリーG
ビジネスはもちろん、他のどんなものでも、セオリーなんかで経営できる物ではない。Gはいうまでもなくジェニーンの頭文字。したがってセオリーGは、「ジェニーン理論」の意味である。

第二章 経営の秘訣
(三行の経営論)
本を読む時は、初めから終わりへと読む。
ビジネスの経営はそれとは逆だ。
終わりから始めて、そこへ到達するためにできる限りのことをするのだ。

ジェニーンさんがITT社長に就任して、まず出した方針は「今後、長期計画はいっさい無用とする」というものだ。しかしこれは計画をつくるあまり、四半期ごとの収益を気にしない風潮があったためである。

自分が何をやりたいのかしっかり見定め、それをやり始めよということだ。しかし言うは易く、行うは難しだ。肝心なのは行うことだという。

第三章 経験と金銭的報酬
ビジネスの世界では、だれもが二通りの通貨−金銭と経験−で報酬を支払われる。金は後回しにして、まずは経験を取れ。さらに、ビジネスで成功したかったら上位20%のグループに入ることが必要だ。

第四章 二つの組織
どの会社にも二つの組織がある。その一つは組織図に書き表すことができる公式のもの。そしてもうひとつは、その会社に所属する男女の、日常の、血の通った関係である。

世の中の事実の中には、次が混ざっているとジェニーンさんは語る。

1.「表面的事実」(一見事実と見える事柄)
2.「仮定的事実」(事実と見なされていること)
3.「報告された事実」(事実として報告されたこと)
4.「希望的事実」(願わくば事実であってほしい事柄)
5.「受容事実」(事実のレッテルを貼られ、事実として受け入れられた事実)

プロフェッショナル・マネージャーという最高の芸術は、本当の事実を嗅ぎ分け、それが「揺るぎない事実」であることを確認するひたむきさと、知的好奇心と、根性と、必要な場合には無作法を備えていなければならないという。

ITTの基本ポリシーは"No surprise"だという。悪いことはまず先に言うことだ。

第五章 経営者の条件
経営者は経営しなくてはならぬ! 経営者は経営しなくてはならぬ! 「しなくてはならぬ」とは、それをやり遂げなくてはならぬということだ。それはその信条を信条たらしめている能動的な言葉だ。

第六章 リーダーシップ
リーダーシップを伝授することはできない。それは各自がみずから学ぶものだ。ビジネス・スクールで編み出された最新の経営方式を適用するだけでは、事業の経営はできない。経営は人間相手の仕事なのだ。

第七章 エグゼクティブの机
机を見れば人がわかる。トップ・マネジメントに、いやミドル・マネジメントにでも、属する人間にとって、当然なすべき程度と水準の仕事をしながら、同時に机の上をきれいにしておくことなど、実際からいって不可能である。

第八章 最悪の病−エゴチスム
現役のビジネス・エグゼクティブを侵す最悪の病は、一般の推測とは異なって、アルコール依存症ではなくエゴチスムである。自分の成功を盾にエゴチスムをまき散らす社員、全体最適を考えず、自己最適に走る社員をどうすべきか。

第九章 数字が意味するもの
数字が強いる苦行は自由への過程である。数字自体は何をなすべきかを教えてはくれない。企業の経営において肝要なのは、そうした数字の背後で起こっていることを突きとめることだ。

第十条 買収と成長
難点はただ、大作戦にはいつもつきもののことだが、他のだれもが彼らと同じものを見、まったく同一の戦略を思いつくことだった。その結果として、彼らはみな、巨大市場をめぐって、トップメーカーと戦うことになる。

第十一条 企業家精神
企業家精神は大きな公開会社の哲学とは相反するものだ。大企業を経営する人びとのおおかたは、何よりもまず、過ちを −たとえ小さな過ちでも− 犯さないように心がける。 

第十二条 取締役会
勤勉な取締役会は、株主のために、この基本問題に取り組まねばならぬ。その会社のマネジメントの業績達成の基準をどこに置くか。去年または今年、会社がどれだけの収益を挙げたかではなく、挙げるべきであったか。

第十三条 気になること −結びとして
良い経営の基本的要素は、情緒的な態度である。マネジメントは生きている力だ。それは納得できる水準 −その気があるなら高い水準− に達するように物事をやり遂げる力である。

第十四章 やろう!

付録 「創意」と「結果」7つの法則 柳井正


具体例が満載


目次に示されているような理論だけでなく、具体例も満載である。いくつか印象に残った例を紹介しておく。

ある時ブラジル向け電話交換機商談で、「ブラジル大統領には会えないと思う」という現地責任者に、「なぜやってみないんだ。失うものはなにもないではないか」と言ったところ、翌月彼は大統領に会い、商談をまとめたという。

ヨーロッパ全体で深刻な在庫過多が起こっていたが、ある工場の資材積み卸し係に、注文した物以外は受け取りを拒否する担当を一人配置したら、在庫問題は解決した。そこで他の全工場にも受け取りを拒否する担当を置いて問題を解決した。


事前採算性検討(F/S)が大事という例だが、カナダのケベック州カルチェにセルロース工場を建設したが、極寒地方では樹木は直径3インチ以上には生育しないことを見落としていたという。我々は森を見たが、木を見なかったのだと。


創意」と「結果」7つの法則

ジェニーンさんの本をふまえた柳井さんの経営術の七点とは次の通りだ。

1.経営の秘訣 −まず目標を設定し、「逆算」せよ

2.部下の報告 −「5つの事実」をどう見分けるか

3.リーダーシップ −現場と「緊張感ある対等関係」をつくれ
柳井さんは、パート従業員を不当に解雇した店長は、即座にクビにするという。

4.意志決定 −ロジカルシンキングの限界を知れ

5.部下指導法 −「オレオレ社員」の台頭を許すな
柳井さんはエゴチスム社員を「オレオレ社員」と呼ぶ。

6.数字把握力 −データの背後にあるものを読み解け

7.後継ぎ育成法 −「社員FC制度」が究極の形だ。


柳井さんが絶賛するだけあって、会社経営の基本として大変参考になる。1980年代はじめに書かれた本だが、内容は決して陳腐化していない。

是非一読をおすすめする。


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2008年11月20日

建築家安藤忠雄 安藤忠雄さん初の自伝

建築家 安藤忠雄建築家 安藤忠雄
著者:安藤 忠雄
販売元:新潮社
発売日:2008-10
おすすめ度:5.0
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このブログでも東大での講義録「連戦連敗」を紹介した日本を代表する建築家安藤忠雄氏の自伝。

連戦連敗連戦連敗
著者:安藤 忠雄
販売元:東京大学出版会
発売日:2001-09-03
おすすめ度:4.5
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安藤さんは高卒で大学に行っていない。ましてや大学の建築科で学んだこともない。若い頃はペイが良いのでプロボクサーになったが、ファイティング原田を見て自分は才能がないとあきらめ、独学で建築を勉強し、デザインの仕事を探した。

若くして日本各地や世界各地を巡って実際の建築を見てきたこともあり、苦労が実って評価を得て、サントリーの佐治さんや、サンヨーの井植さん、ベネッセの福武さんなどのパトロンも得て、日本を代表する建築家としての地位をつかんだ。

1997年からは東大の教授、名誉教授を勤めている。筆者が最初に安藤さんの話を聞いたのも今年の東大の入学式での記念講演だった。

この本では安藤さんの数々の作品が安藤さん自身の言葉で紹介されている。

「連戦連敗」で紹介されている建築作品は、安藤さんの作品は少なく、そのタイトルが示すとおり安藤さんが競争で負けた作品や、結局採用されなかったデザインなどを集めたものだ。

この本を読んだ人には是非「連戦連敗」も一読をおすすめする。


住吉の長屋

安藤さんの初期の作品で、日本建築学会賞受賞作の「住吉の長屋」についても、「連戦連敗」では、外観デザインだけが紹介されていたが、この本では中の構造、とくに「断熱もせず、冬の寒さはどうなるのか。雨の日には寝室からトイレに行くのに、手すりもない階段を、傘をさしていかねばならないのか」といった住民の側の問題点も明らかにしている。

450px-Azuma_house











「問題はこの場所で生活を営むのに本当に必要なものは何なのか、一体住まうということはどういうことなのかという思想の問題だった。

それに対し、私は自然の一部としてある生活こそが住まいの本質なのだという答えを出した。」のだという。

狭い敷地の中で部屋と部屋の間をオープンな中庭にして、渡り廊下と階段でつなぐという奇抜なデザインは建築学会でも議論を巻き起こしたという。

初期の作品を「都市ゲリラ住居」と安藤さんは名付けていたという。

これ以外にも現代の「懸造り」と呼ばれた六甲山の断崖につくった六甲の集合住宅I、II,IIIが様々な角度からの写真入りで紹介されている。

安藤さんが尊敬するル・コルビュジェユニテ・ダビタシオンを意識してつくったというパブリックペースを広く取った集合住宅だ。

ユニテ・ダビタシオン







筆者が特に気に入ったのは、サンヨーの井植さんに頼まれて設計した淡路島の本福寺の水御堂だ。

地面に楕円形の蓮池用の水盤を設け、その下に建物を埋め込むという設計だ。

本福寺






本福寺水御堂






安藤さんが初めて手がけた寺院建築だが、さすが世界を旅してきた安藤さんだけあって、インドのお釈迦様が暮らす蓮池が再現されたようで、筆者は大変気に入った。

その他にも安藤さんのいろいろな作品が紹介されていて、見ていて楽しい本だ。

建築に興味がある人でもない人でも、是非一度手に取ってパラパラっと見て欲しい本だ。


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2008年11月18日

貧困のない世界を創る グラミン銀行ムハマド・ユヌス氏の最新作

貧困のない世界を創る貧困のない世界を創る
著者:ムハマド・ユヌス
販売元:早川書房
発売日:2008-10-24
おすすめ度:5.0
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2006年度ノーベル平和賞を受賞したマイクロファイナンスのグラミン銀行創始者ムハマド・ユヌス氏の最新作。

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巻末にノーベル賞受賞の記念スピーチが収録されている。「貧困は博物館に」が目標だ。素晴らしい言葉、そして実行力だ。

世界の人口の半分は一日2ドル以下で生活していると言われる。

ユヌス氏の始めたマイクロファイナンスは、利用者が2006年末に世界で1億人を超え、ミャンマー、インドネシア、トルコ、ザンビア、コソボ、グアテマラなど世界の多くの国で広まりつつあり、人々を貧困から救うことに役立っている。

バングラディシュの貧民向け無担保融資専門のグラミン銀行は1983年の創設後、現在では7万8千もの村で700万人相手にローンを行っており、その97%は女性だ。

返済率は98.6%である。借り手を5人ごとのグループにわけ、お金を借りたい時は他の4人の許可を得なければならない。それぞれの借り手が自分のローンに責任を持つが、グループとして互いに励まし合うことで、精神的なサポートになるという。

「グループの他のメンバーを失望させたくない」というのが、ローンをきちんと返済する一番の理由だ。

グラミン銀行のスタッフは融資金額では評価されない。

「5つの星」制度があり、担当するすべての借り手(通常600人程度)が100%返済すれば緑の星。仕事で利益が出れば青の星。ローンを預金額が上回れば紫の星。借り手のすべての子どもが確実に学校に入れば茶色の星。そして最後の赤い星は、すべての借り手が貧困から脱却できれば貰えるという。

この本ではユヌス氏とヨーグルトの世界最大のメーカーのフランスのダノンの会長が意気投合して、バングラディシュで子どもの栄養失調をなくすためにヨーグルト事業を合弁で始めたことなどを取り上げている。

バングラディシュで零細酪農家が生産する牛乳を原料とする小規模工場をつくり、ヤクルトレディならぬグラミンレディが毎日20個ずつ販売するというしくみだ。

ヨーグルトは1個7セント程度で販売し、利益はすべて再投資に向けて、配当はしないというのが新しい「ソーシャル・ビジネス」の形である。

この「ショクティ・ドイ」(パワーのためのヨーグルト)と呼ばれるヨーグルトは、バングラディシュの味覚にあわせるためにヤシの木の糖蜜でほんのり甘く味付けされており、カップは有機プラスティックで出来ている。

2006年11月のグラミン・ダノンヨーグルト工場の完工式にはダノンのリブーCEOの他、元サッカー選手のジネディーヌ・ジダンが友情参加して、バングラディシュのみならず世界の注目を集めてスタートした。

ジダン自身も貧しいアルジェリア移民の子どもだ。

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ジダンは最後にバングラデシュの大統領と面談し、バングラデシュの子ども達と会うために戻ってくることを約束したという。

ダノンはミネラルウォーターのVolvicのメーカーでもある。

Volvicは異臭がするとしてリコールを発表したばかりで、ミソがついてしまったが、1L for 10Lというボルビック1L買うとアフリカに10Lの清潔な水を寄付するというキャンペーンを行っており、その社会貢献の姿勢に筆者は以前から感心していた。

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ノルウェーテレノールとの合弁会社グラミンフォンは加入者数が1,600万人を超え、バングラデシュ最大の納税企業となった。

グラミンフォンでは、村々のテレフォン・レディーが携帯電話を貸すサービスを提供し、貧しい人でも電話が使えるようになった。

グラミンフォンもいずれソーシャル・ビジネスとして非利益企業に転換したいとユヌス氏は語る。

グラミン・シャクティは10万台のソーラーパネルを全国あらゆる場所に設置し、世界最大の太陽光発電供給者の一つとなっている。2012年には100万台まで増やす計画だ。

50ワットのユニットは、通常4つの白熱電球を4時間ともすのに必要なエネルギーを供給するという。

グラミン・カルヤンは医療サービス、グラミン・ウドーグとグラミン・シャモグリーは手織りの美しい織物製造。グラミン漁業とグラミン畜産は読んで字の通り。

グラミン・シッカは育英資金や教育サービスなど、ユヌス氏のグラミングループは、様々なソーシャル・ビジネスを立ち上げ、貧困の撲滅を目指している。

ユヌス氏のマイクロファイナンスのことは、スティーブン・コヴィーの「第8の習慣」で初めて知ったのだが、精力的にバングラデシュ国民、そして世界のあらゆる国の貧しい人を貧困から救おうとする姿勢には脱帽する。

第8の習慣  「効果」から「偉大」へ第8の習慣 「効果」から「偉大」へ
著者:スティーブン・R・コヴィー
販売元:キングベアー出版
発売日:2005-04-23
おすすめ度:4.0
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ノーベル平和賞受賞者には、政治家なども多いが、本当に価値のあるノーベル平和賞受賞者だと思う。

370ページほどの本だが、一気に読める。是非一読をおすすめする。


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2008年11月14日

ジム・ロジャースの商品の時代 商品投資ガイドブック

大投資家ジム・ロジャーズが語る商品の時代大投資家ジム・ロジャーズが語る商品の時代
著者:ジム・ロジャーズ
販売元:日本経済新聞社
発売日:2005-06-23
おすすめ度:4.5
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前回「中国の時代」を紹介した冒険投資家ジム・ロジャースの商品投資ガイドブック。

ジム・ロジャースは1964年にエール大学在学中に夏休みのアルバイトでウォール街で働き、卒業後オックスフォードに留学して政治・哲学・経済学を学んだ。帰国して兵役につき、兵役終了後1968年から金融関係で働き始めた。

商品相場については1970年代から興味を持っていて、種々研究したとのことで、ソロスとのクアンタムファンドをやめて、1998年8月にロジャース・ロウ・マテリアルズ・インデックスファンドを立ち上げた。


ロジャース国際コモディティインデックス

このファンドの使用する相場指標がロジャース国際コモディティインデックス(RICI)であり、日本では大和証券が、ダイワ・コモディティインデックス・ファンドを設定している。

RICI




大和のファンドは2004年12月の設定以来、ゆるやかに上昇し、2008年7月に基準価格の倍の2万円を超えたが、すぐに月1割のペースで急降下し、遂に10月末には基準価格の1万円を割り込むほど急落した。

ファンドの残高もこの数ヶ月で急激に減少していることが、上のグラフでわかる。

ファンドの最近の構成比は次の通りだが、最大構成要素のエネルギー関係がピークの半値以下になっているし、そのほかの金属・食料・工業原料といったコモディティも例外なく下落しているので、ファンドの成績としては不調だ。

RICI composite





出典:大和証券 プレスリリース

ちなみにそれぞれの商品の相場動向は、フジフューチャーズという会社のオンライントレードの画面で、様々な情報やチャートが提供されているので、紹介しておく。


商品市況の現状

7月までは絶頂を極めたコモディティファンドも、わずか4ヶ月で奈落の底という感じに落ち込んでいる。

石炭や鉄鉱石といった原料も中国やインドの大量消費でここ数年市況が急激に上昇していたが、ここへきて鉄鋼製品の価格が下落したため中国の鉄鋼生産が急激に落ち込んでおり、キャンセルなどが続出していると聞く。

鉄鋼原料などで前年の数倍などという価格がそもそも異常だが、それも中国の旺盛な需要がなせる業だった。その中国がコケたので、商品価格が下落している。

今回の高値相場はあきらかに投機筋がつくった人為的なもので、需給で決まる価格からは逸脱している。その投機マネーが抜け、実体経済に沿った需給で決まる価格メカニズムに戻ると、価格の急落はやむをえないのだと思う。

歴史的にみて株が下がれば、商品は上がるという逆の相関関係があるという。株式と商品の相場は平均18年の周期で、代わる代わる上昇していると研究者は語っているそうだが、今回も7月までは調子がよかった。

それでも感心するのはジムが「私はトレーダーとしては最低だ」と語っており、全く自分の相場観を信じていないことだ。だから短期投資は避けていると。

近々ジョージ・ソロスの本を紹介するが、ソロスも自分は相場に向いていないと言っていた。驚くべき謙虚さだが、このようなファンドマネージャーの方が、下手に自信がある人間より良いかもしれない。


商品相場の見通し

商品相場では景気は大して関係ない。一本調子では上がらない。中国のおかげで楽あれば苦ありなことを注意している。

中国がくしゃみをすれば、商品価格が下落し、たくさんの投資家がパニックに陥る。その時がもっと商品を買うチャンスなのだと。価格は少なくとも2015年までは上がるはずだという。

ジムは鉛が有望だという。鉛と聞くと鉛害を連想させるが、鉛の需要は減少し、過去25年に開かれた鉛鉱山は1箇所しかない。一方車用の蓄電池の需要は中国とインドの経済発展とともに増加しているので、需給ギャップは莫大な費用を掛けて新しい鉱山がスタートしない限り続くと予想している。

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出典:http://www.kitcometals.com/charts/lead_historical.html

まさにジムの予想通り、鉛相場は一本調子で上がってきたが、今年初めの高値から現在はほぼ1/3になってしまっている。

メタル関係の価格はKITCOという会社のサイトに詳しい。

ジムはロシアとカスピ海沿岸の共和国は天然資源に恵まれているが、地域全体がすでに危機的状況にあり、崩壊に向かっているので、びた一文たりとも投資したくないという。南アフリカも治安の問題がある。ロシアや南アフリカでいずれ問題が起こるのは避けられそうもない。そのことからもジムは商品に強気なのだと。


商品先物のティッカー

この本はガイドブックなので、ジムは各商品のティッカーの読み方、先物取引のしくみ等につき丁寧に説明している。

たとえば小麦はWで、ニッケルはN、コーンはC、商品のティッカーはわりあい想像しやすい。

受け渡し期限は記憶する必要がある。

1月=F
2月=G
3月=H
4月=I
5月=K
6月=M
7月=N
8月=Q
9月=U
10月=V
11月=X
12月=Z

商品に使われているアルファベットと、IとLの様に数字と紛らわしいアルファベットは避けられているのだと。


中国とインドの比較

アドベンチャーインベスターらしく、自ら走破した中国とインドの比較も面白い。ジムは2001年と2004年にインドを訪問した。インドは旅をするには良い国だが、インドの人たちの精神が依然として反資本主義的だという。

社会、経済の重要な分野でインドは中国と勝負にすらなっていないと語る。たとえば携帯電話は中国ならどこでも同じ電話機が使えるのに、インドだと町ごとに違う機種を買わなければならないことがほとんどだと。

また自国の産業を保護するため、使用しているコンピューターはアメリカの3年落ちだったりする。

インフラ、たとえば道路はジムがムンバイからコルカタへ横断した2,000マイルは道が老朽化していた。同じ道をトラックもラクダもロバも通るので、1週間掛かったという。もっとも最近高速道路が整備されたはずだが、インドのインフラ改善には時間が掛かりそうだ。

さらにインドの問題は、教育制度で、中国では子どもは全員小学校を卒業するが、インドでは半分が小学校を中退する。外国の大学にあれだけ留学しているのは、国内では大学が不足しているからだという。

その他カースト制や、女性差別(女性の半分以上が文盲だという)、宗教対立といった問題を抱えている。


商品ごとの解説

この本でジムは、それぞれの商品について1章を割り当てて次のように詳しく説明している。

第6章 安い石油よ、さようなら
第7章 金 ― 神秘か実体か
第8章 鉛の飛行船が空を飛ぶ
第9章 砂糖 ― いつか甘い気分に
第10章 コーヒー ― やがて心うきうき


原油市況

2004年現在の石油の需給は次の通りだ:

供給 8,350万バレル/日 減少中
需要 8、240万バレル/日 増加中

石油の需要はアメリカなど先進国のみならず、中国・インドでも急増しているにもかかわらず、新規巨大油田はこの35年カザフスタンで1箇所見つかっただけだ。

地質学者によると、平均的な油田の産出量は年に4.8%減少するという。アメリカの石油生産は減少し、2004年は消費の60%を輸入でまかなった。北海油田の産出量もピークを過ぎている。

サウジの5箇所の巨大油田は1940年から1965年の間に発見されたもので、サウジの石油の9割を生産しているが、ピークを迎えており、水を注入しないと生産が継続できない。特に世界最大の油層であるガワール油田は90%が使い果たされた。

さらにサウジの油田に関しては、1975年以来第三者による調査が行われておらず、埋蔵量はどこまで正しいのか不明であり、新しい油田を開発するのは困難になってきているという見方がある。

ところがサウジ側はこれを否定し、アメリカのUSGS(国土地理院)やEIA(エネルギー情報局)もサウジの数字は信頼でき、サウジの生産がピークを迎えるのは早くても2037年以降、遅ければ2047年以降だとしている。

どちらの言い分が正しいのかわからないが、遅かれ早かれ採掘条件はサウジといえども悪化し、生産コストが上がり、生産量が減少してくるのは間違いない。

サウジに代わる国は今のところなく、ロシアもプーチン政権下で産油設備に莫大な投資を行った結果、生産量は5割アップしたが、その後外資を締め出して自国の掘削技術にこだわっているので、これ以上大きな生産拡大は望めない。

「ロシアン・ダイアリー」でも登場した新興石油財閥のユコスは、エクソンモービルと北太平洋で石油を開発するプロジェクトを推進していた。

エクソンモービルがユコスの過半数の株式を購入する話も進んでいたが、プーチン大統領がユコスの社長を脱税で逮捕し、外資がロシアの石油会社の過半数の株主になることを禁止したので、結局プーチンの側近企業に買収されてしまった。

カナダのオイルサンドも、採掘に大変手間とコストがかかり、かつ回収された石油は温暖化ガスの排出量がサウジの原油よりも25%多いという。


金その他

金については消費は減少、投機は増大。鉛は消費は増加、供給は減少。砂糖はブラジルの生産と先進国の補助金がファクター。コーヒーについては豊作不作年で相当需給が変動することとなどを紹介している。


筆者は長く商社で金属原料の取引に携わってきたが、商品相場についてはあまり気乗りがしないのが正直なところだ。今まであまりにも相場で振り回されてきたという印象であり、相場でうまく行ったこともあったが、それは偶然でしか過ぎなかった。

商品市況は市場規模も小さく、実体経済の需給と深くかかわりあっているので、今年7月にピークを打って、数年は低迷の時代が続くのではないかと思っている。

鉄鋼原料などは、あまりに急に値段が上がったので、鉄鋼メーカーなどの需要家の意趣返しのキャンセルや値引き要求が出てくるだろう。

この本の出た2005年6月前後に商品相場に投資していれば、2008年7月のピークまで大もうけできたと思うが、向こう2−3年はブームは来ないのではないかと思う。

もっとも今まで筆者の市況の読みはたびたび外れてきたので、中国の大量購入という中国ファクターさえ復活すれば、案外早く市況が戻る可能性もあるかもしれない。

ちょっと新規投資の時期は失したかもしれないが、話も面白く、商品投資の基礎的な知識を得るためには、おすすめの本だ。


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2008年11月13日

ロシアン・ダイアリー 暗殺された女性記者の取材手帳

ロシアン・ダイアリー―暗殺された女性記者の取材手帳ロシアン・ダイアリー―暗殺された女性記者の取材手帳
著者:アンナ・ポリトコフスカヤ
販売元:日本放送出版協会
発売日:2007-06
おすすめ度:5.0
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2006年10月に暗殺されたロシアの「ノーヴァヤ・ガゼータ」の記者アンナ・ポリトコフスカヤの取材手帳。

次の3部にわかれ、2003年12月から2005年8月までの記録となっている。暗殺される直前の2006年10月までの日記は含まれていない。

第1部 ロシア議会民主制の死 2003年12月〜2004年3月

第2部 ロシア流、偉大なる政治的欝状態 2004年4月〜2004年12月

第3部 ロシアの憂鬱な冬と春 2005年1月〜2005年8月

2002年10月に起こったモスクワドゥブロフカ劇場占拠事件(約40名のテロリスト全員殺害、約130名の人質死亡)、2004年9月の北オセチアのベスラン学校占拠事件(ロシア側発表約400名死亡、推定約700名死亡)などが取り上げられている。

KGBはソ連崩壊とともになくなり、現在はFSB(ロシア連邦保安局)という機関がKGBの後継となっている。

この本の中ではしばしばFSBが超法規的措置(誘拐、暗殺や破壊工作など)の黒幕として疑われているが、真相はわからないままだ。


ロシアの汚い戦争

この本を読んでいて、筆者が昔駐在していたアルゼンチンの「汚い戦争」を思い出した。

1974年のホアン・ペロン大統領の死以降、副大統領だった奥さんのイサベル・ペロンが世界初の女性大統領になったが、政治的混乱が深まり、1976年に軍事クーデターが起こり、ビデラ将軍が大統領となって軍事政権となった。

このころに、軍部や警察が共産主義者や反政府と思われる人物をかたっぱしから誘拐し、蒸発者の数は1万人とも3万人ともいわれている。

筆者がアルゼンチンに駐在したのは、地元アルゼンチンが優勝したサッカーのワールドカップが開催された1978年から1980年までで、「汚い戦争」のピークは過ぎていたが、それでも時々テロ活動はあり、経済大臣が襲撃されたりしていた。

1978年以前はテロが頻繁に起こっており、筆者の会社の事務所があった当時ブエノスアイレスで一番高層だったビルにもバズーカ砲弾が打ち込まれたが、不発だったという。

そんなテロ勢力に対抗して軍や警察が、テロリストや反体制派とみなされた人たちを、裁判なしに秘密裏に誘拐して葬り去ることが行われていた。それが「汚い戦争」だ。

ロシアで起こっている誘拐や暗殺は、まさにあの頃のアルゼンチンの「汚い戦争」と同じだと思う。


麻薬犯罪

ロシア出身力士の大麻所持事件が続出しているが、プーチンが再選されたときの公開質問会で、ドラッグの売人は終身刑にすべきではないかと問われ、最長20年の刑期に改正したと答えている。

ロシア人元力士たちは、日本では大麻所持で情状酌量で釈放されているが、ひょっとするとロシアではもっと重い刑になったのかもしれない。

シンガポールでは依然として麻薬犯罪は死刑だと思うが(昔は入国書類にも麻薬犯罪は死刑と明記してあったので、たぶん今も変わらないだろう)、日本ももっと刑を重くする必要があるのではないかと思う。

主婦や会社員などが、外人の売人からドラッグを買うところをニュース映像で流していたが、罪という意識が薄いこともこの背景にあると思う。


ロシアの現状

ロシア軍は、国防省軍、内務省軍、FSB(警察系)と3つに分かれており、それぞれ折り合いが悪いということもこの本を読んで初めて知った。

スキンヘッドの「ロシア人のためのロシア」が、移民や中央アジア系のロシア人、外国人労働者たちを襲撃して、リンチして殺すことも頻繁に起こっているという。

大手石油会社のユコスの創設者の新興企業家ホドルコフスキー社長は脱税容疑で逮捕され、有罪判決がでて服役中で、ユコスはプーチン側近がトップとなっているロスネフチに吸収された。

ちなみに2004年にプーチンが再選された選挙結果は、プーチン71%、ハカマダが4%、ハリトノフが14%、その他11%となっている。

日本では最近部隊を移る自衛官に「はなむけ」として15人対一人の格闘訓練を行い、自衛官を死亡させたという事件が起こっている。ロシアでも新兵虐待が起こっており、虐待で死亡する兵士が出ている。ロシアでは徴兵制がまだあるのだ。

チェスの名人ガルリ・カスパロフが暴漢にチェス板で頭を殴られたとき、「ロシア人がチェス好きでよかった、これが野球だったら...」とジョークを言ったという。そのカスパロフはロシア政界に転身したが、反政府デモに参加して秩序を乱したとして、罰金刑に処せられたという。


(余談ながら)筆者のロシア体験

筆者がロシアに行ったのは1993年、1994年なので、もう15年くらい前になる。モスクワに行った後、エカテリンブルグ経由セロフに行って、ウラル山脈沿いの重工業地帯の鉄鋼メーカーを訪問し、そして一旦またモスクワに出て、今度は重工業都市チェリャビンスクを訪問した。

当時のロシアの場合、中央集権なので航空路線も地方と地方を結ぶ線が発達しておらず、すべて一旦モスクワに戻ってから別の地方都市に行くという具合だった。

セロフでは工場のゲストハウスに泊まったが、事前に聞いていた通りトイレットペーパーが新聞紙の様な硬い紙だったので、持参したトイレットペーパーをあげたら喜ばれた。

みやげに持っていった日本製の女性ストッキングが喜ばれた時代である。

セロフにはオリンピック級の大きな室内プールがあり、高さ10メートルくらいの飛び込み台もあった。

夏行ったときは、工場の連中と一緒にプールのサウナで裸の付き合いをして、サウナの後プールに飛び込んでみんなで泳いだので、冬行ったときも、当然プールのサウナに行くと思ったら、誰もサウナの話をしない。

変に思って、聞いてみたらなんとあのオリンピック級の室内プールは温水プールではなかったので、冬は閉鎖されていると聞いて驚いた記憶がある。

食事は安くておいしかった。アルゼンチンで有名なロシア風サラダ(ポテトサラダにビーツが入ったもの)の本場物を食べた。ウォッカはモスコフスカヤとかストリチナヤなどのロシア産のウォッカが品切れで、ドイツ製のゴルバチョフ?とかいうウォッカを飲んだ。

チェリャビンスクで泊まった民宿(マンションの一室を民宿として貸していた)では、ボディーガードがピストルを持って、寝ずの番をして、さらに空港まで送ってくれた。犯罪が多発しているということだった。

ちなみにこのチェリャビンスクでは、チェルノブイリのような原子力発電所の事故が1957年に起こっている。しかし、当時ば鉄のカーテンの中の出来事だったので、一切西側には知らされなかった。

この民宿で、当時封切られたばかりのシュワルツネガー主演のアメリカ映画「ラスト・アクション・ヒーロー」をビデオで見た。封切り直後にもかかわらず、海賊版がロシアの田舎で出回っていたのだ。



えらい国である。

ソ連の時代は、軍と警察とKGBの3勢力が押さえつけていたので、犯罪発生率も低かったが、共産主義が倒れると、一気に重しがなくなり、誘拐、殺人、泥棒、強盗、麻薬、違法コピーなどが広まり、マフィアがはびこるようになった。

そのマフィアの出身地で多いのがチェチェンと言われている。

プーチンはマスコミもどんどん自分の影響下に収めているので、たとえばモスクワの劇場占拠事件も、北オセチアの学校占拠事件でも、正確な報道がされていない。

正確な報道をするために、アンナなど独立系の報道機関が頑張っていたが、反体制と目を付けられ、とうとうアンナはモスクワのアパートのエレベーターで射殺されたのだ。

冒険投資家のジム・ロジャースは、ロシアとカスピ海湾岸国には決して投資しないという。よっぽど悪い思い出があるのだろう。

エネルギー価格が下落した現在こそロシアの正念場である。

はたしてプーチン院政で乗り切れるのか。注目されるところだ。


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2008年11月03日

佐藤可士和の超整理術 整理すれば仕事もはかどる

佐藤可士和の超整理術佐藤可士和の超整理術
著者:佐藤 可士和
販売元:日本経済新聞出版社
発売日:2007-09-15
おすすめ度:3.5
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カリスマアートディレクターの佐藤可士和氏の初めての著書。

佐藤さんは1965年生まれ。博報堂を経て2000年にサムライを設立して独立した。

佐藤さんのサイトがすごい。佐藤さんの作品のほとんどを収録してフラッシュで見られるようにしている。

kashiwa sato






整理の効用

この本では、私生活でも仕事でも「整理」することによって、環境が快適になり、効率もあがると力説する。

佐藤さんはアート・ディレクターだが、まるで医者の様にクライアントの問診が重要だと語る。クライアントと綿密にコミュニケーションすることによって答えが見つかる。それを的確に表現するのだと。

アート・ディレクションは自分の作品を作るのではなく、相手の問題を解決するソリューションビジネスなのだと。

だから相手の思いを整理することが大切だ。それにより本質がつかめる。

佐藤さんの出発点は広告は思いのほか注目されないものだと気がついたことだ。

それゆえ商品の本質を捉えて効果的に表現してこそ人の心に残るものができる。大切なのはクリエイターの自己表現ではなく、どう人々に伝えるかだと。

メッセージを人に伝えるのが難しいのは、伝えたいことを整理するのが大変だからだという。なぜアート・ディレクターが整理術を語るのか。整理は価値観を変えるほどの力を秘めているのだと。


整理手順

佐藤さんの整理手順は次の通りだ。

1.状況把握 対象(クライアント)を問診して、現状に関する情報を得る。

2.視点導入 情報に、ある視点を持ち込んで並び替え、問題の本質を突き止める。

3.課題設定 問題解決のために、クリアすべき課題を設定する。

佐藤さんのアート・ディレクション作品が紹介されている。

一つがキリン極ナマだ。

gokunama






このすっきりしたデザインには斬新感があり、生ビールの新鮮さを連想させる。


整理術には次の3つのレベルがあるという。

1.空間の整理術
プライオリティをつける。佐藤さんのオフィスはシンプルで、ほとんどモノがないので、訪問者に驚かれるという。

たしかに広告代理店の人のデスクというと、雑然といろいろなものが散らばり、そこらじゅうの壁にはポスターだらけというイメージがあるが、佐藤さんのオフィスは白木を基調にして、デスクもチェアーも非常にシンプルだ。

かばんの中身でも、デスクの机の引き出しでも、取り出して並べてみてプライオリティをつけ、いらないものは捨てるのだと。

整理の敵は「とりあえず取っておこう」だという。「とりあえず」取っておいたものは、実はほとんんど二度と見ないものばかりだ。

基本は捨てる。作品なら最終版だけ取っておき、どうしても捨てられないもの用に2−3日から1週間程度置いておく箱を用意しているのだという。

そして取っておいたものでも、見直し(アップデート)が重要だという、

  
2.情報の整理術
情報、アイデアを整理するには、まず視点を決め、次にあるべき姿=ビジョンを決める。

明治学院大学のロゴを作ったときに、「以前からこのマークだったような気がします」と言われた時はうれしかったという。

meigaku







六本木にある国立新美術館のロゴデザインも手がけた。斬新で現代的なロゴである。

shinbijutukan






3.思考の整理術 
一番難しいのは思考の整理だという。仮説をぶつけて、フロイトの精神分析の様に、「無意識の意識化」を達成するのだと。

例としてドコモのN702が取り上げられている。「潔い」ケータイをつくりたかったのだと。

N703






ユニクロの柳井さんとも親しく、ユニクロの仕事も佐藤さんが多く手がけている。特に印象深いのは、ユニクロのTシャツ専門店、原宿のUTだ。


UT






「Tシャツをペットボトルに入れて販売する」がコンセプトの店だ。実に斬新である。


答えは必ず目の前にあるので、あるべき姿を見つけるひとつの方法が整理なのだと。

さすがベストセラーになるだけのことはある。シンプルな考えだが、実用的だ。簡単に読めるので、是非手にとって見て欲しい本だ。


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2008年11月02日

あたまにスッと入るあらすじの掲載記事一覧エクセルを更新しました

2008年11月2日現在の掲載記事一覧をマイクロソフトのSkyDriveに置きました。次の「あたまにスッと入るあらすじ記事一覧」フォルダーをクリックしてファイルをダウンロードしてください。




一覧表はこんなエクセル表ですので、著者別のソートなども自由にできます。またURL付きですので、興味ある本が見つかれば、URLをクリックすればあらすじページが表示されます。

記事一覧表






このブログの掲載記事は372になりました。

  
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