2011年09月28日

ラグビー日本代表 ワールドカップで1勝を逃す



今日の早朝2時までテレビでラグビーワールドカップの日本対カナダ戦を見た。

rubgy world cup





結果はニュースで報道しているとおり23:23のドロー

Rubgy world cup japan vs canada





後半ノーサイド直前まで日本が3点差でリードしていたが、最後に反則でペナルティゴールを決められ、野田首相ではないが、そのままノーサイド。

相撲取り並の重量フォワードのプレッシャーのために、ミスを相手の得点に結び付けられ、力負けしたトンガ戦に比べれば、日本代表ははるかに良い試合をしていた。


惜しいと言えば惜しい試合だが、日本が6割がた試合を支配し、敵陣でのプレーが続いているなかで、ドローに終わったのは今後に課題を残したと言わざるを得ない。

この試合を見ていて、日本代表はテストマッチ(国際試合)に「勝ち慣れ」していないのではないかという印象を持った。

ペナルティゴールを選択せずに、ゴールライン近くにタッチキックして、ラインアウトからトライを狙ってハネ返されたシーンが少なくとも2回あった。

日本代表のキャプテンはナンバー8の菊谷選手なので、ラインアウトに自信があったため、こういう決断をしたのだろうと思うが、国際試合でトライを取ることは、ゴールキックで点を取ることに比べて格段に難しい。

結果論ではあるが、日本が相撲取り並みの体格の強力なフォワードが揃っているトンガのようなチームならともかく、フォワードで互角のカナダ相手であれば、迷わずゴールを狙うことを決断していれば、あるいは勝てた試合だったかもしれない。

前半は17−7とリードしていたので、一気呵成に攻めるという戦法だったのかもしれないが、ワールドカップ勝利が目標なら、なりふり構わず着実に点を積み重ねて欲しかった。

以前のラグビーは強豪同士の試合だと、大体キックの点数で決まる、見ていて面白くない試合が多かったので、ルールが改訂されたわけだが、あの場面では得点になる可能性が大きいゴールを狙うことを選択しても良かったのではないかと思う。

ワールドカップで20年ぶりに勝利を逃した代償が、日本代表を世界で戦えるレベルまで鍛え上げたカーワンヘッドコーチの辞任とか、あまりに大きくならなければ良いのだが‥。


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2011年09月26日

日本中枢の崩壊 経産省古賀茂明さんの本 キワモノ告発本にあらず

日本中枢の崩壊日本中枢の崩壊
著者:古賀 茂明
講談社(2011-05-20)
販売元:Amazon.co.jp
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最近テレビで見かける経済産業省大臣官房付の古賀茂明さんの本。家内が図書館から借りていたので読んでみた。アマゾンの売り上げで現在19位のベストセラーだ。書店で平積みにしてある本には次のような帯がついている。

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本の帯には「日本の裏支配者が誰か教えよう」とかいういかにもキワモノ的なキャッチが書いてあるので、以前からあるようなキワモノの(元)官僚による個人攻撃だらけの告発本かと思ったら全然違った。

告発している部分もあるが、政治家などの公人を除き、官僚の個人名は一切伏せられており、告発が目的の本ではないことがわかる。

次に目次を紹介しておく。細かく各節の題が載っており、目次だけを読んでも内容が推測できるすぐれた目次である。序章と終章だけ各節のタイトルを紹介しておく。まずは書店で立ち読みして目次を読んで欲しい。


序章 福島原発事故の裏で

・賞賛される日本人、批判される日本政府
・官房副長官「懇談メモ」驚愕の内容
・「ベント」の真実
・東電の序列は総理よりも上なのか
・天下りを送る経産省よりも強い東電
・「日本中枢の崩壊」の縮図

第1章 暗転した官僚人生

第2章 公務員制度改革の大逆流

第3章 霞ヶ関の過ちを知った出張

第4章 役人たちが暴走する仕組み

第5章 民主党政権が躓いた場所

第6章 政治主導を実現する3つの組織

第7章 役人ーその困った生態

第8章 官僚の政策が壊す日本

終章  起死回生の策

・「政府閉鎖」が起こる日
・増税主義の悲劇、「疎い」総理を持つ不幸
・財務官僚は経済が分かっているのか
・若者は社会保険料も税金も払うな
・「最小不幸社会」は最悪の政治メッセージ
・だめ企業の淘汰が生産性アップのカギ
・まだ足りなかった構造改革
・農業生産額は先進国で2位
・「逆農地改革」を断行せよ
・農業にもプラスになるFTAとTPP
・「平成の身分制度」撤廃
・中国人経営者の警句
・「死亡時精算方式」と年金の失業保険化
・富裕層を対象とした高級病院があれば
・観光は未来のリーディング産業
・人口より多い観光客が訪れるフランスは
・「壊す公共事業」と「作らない公共事業」
・日本を変えるのは総理のリーダーシップだけ
・大連立は是か非か

補論  投稿を止められた「東京電力の処理案



この本を読んで古賀さんが真の憂国の士であることがよくわかった。古賀さんは既得権に執着する霞ヶ関の官僚が、公務員制度改革を骨抜きにしている実態を明らかにしたことから、出身の経産省はもとより、財務省からもにらまれ、経産省からは2010年10月末で退職しろという勧告を受けるなど様々な圧力、誹謗中傷を浴びている。

古賀さんは経産省の大臣官房付という閑職に1年以上も追いやられているが、雑誌・テレビ等のマスコミに頻繁に登場する古賀さんを経産省の幹部は苦々しく思っている様だ。

この本を読むといかに菅政権の打ち出した公務員制度改革を官僚が骨抜きにしていったのかがよくわかる。ただ公務員制度は戦後何十年も掛けてできあがったいわば「エコシステム」であり、古賀さんのような異端者がポッと出ても事態は変わらないだろう。


天下りがなぜいけないのか

古賀さんは2010年10月15日の参議委員予算委員会で、天下りの問題点について発言し、その場で当時の仙石官房長官の恫喝を受けた経緯を語っている。

その国会発言のなかで、なぜ天下りがいけないか次のように整理している。

天下りがいけない理由は、第1には天下りによってそのポストを維持することにより、大きな無駄が生まれ、無駄な予算が維持される。第2には民間企業も含め天下り先と癒着が生じる。これにより企業・業界を守るために規制は変えられないとか、ひどい場合には官製談合のような法律違反も出てくる。

一部に退職金を2回取るのが問題という話もあるが、それは本質的な問題ではなく、無駄な予算が山のように出来る、癒着がどんどん出来るのが問題だと。

これに対する現在の霞ヶ関のロジックは、1.官庁からの天下りの斡旋等は一切ない、あくまで本人が求職活動をしたものである。2.現役出向は「官民交流法」に基づいた民間のノウハウ吸収である。(現役出向先の企業への再就職も、一旦役所に戻って定年退職した後はOK)というものだ。

特に現役出向に関する菅政権の「退職管理基本方針」の問題点について古賀さんが「週刊東洋経済」に寄稿したところ、霞ヶ関の「アルカイーダ」、「掟破り」として古賀さんは全霞ヶ関から監視されているという。

週刊 東洋経済 2010年 10/2号 [雑誌]週刊 東洋経済 2010年 10/2号 [雑誌]
東洋経済新報社(2010-09-27)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

古賀さんは大腸ガンで手術して、その後腸閉塞を併発して体調を崩し抗ガン剤を飲みながら闘病を続けていたこともあるという。

大腸ガンは死亡率が高く、男性でガン死亡率の第3位、女性ではガン死亡率の1位になっている病気だ。ひょっとすると長くは生きられないかもという不安が、古賀さんの勇気ある発言を支えているのかもしれない。

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出典:http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/2158.html

この本では古賀さんの官僚人生での功績にも触れている。GHQが財閥解体のために残していった純粋持株会社を解禁する独禁法第9条の改正、ガソリンスタンドのセルフ給油解禁、クレジットカード犯罪の刑罰化などが古賀さんの成果だ。官僚の仕事の進め方がわかって興味深い。


古賀さんの日本起死回生策

上記目次で紹介したように、古賀さんはこの本の終章で具体的な起死回生策を提案している。「若者は社会保険料も税金も払うな」などという過激な提案もあるが、さすがに政策論争に慣れた経済官僚だけあって、提案内容は練れていると感じる。

ただこれらの政策提案は、上記の目次を見るとわかるように、いわば「暴論」であり、これらが現状では政策として実現する可能性は低いといわざるをえない。

日本の財政破綻を回避する方法として、政府は増税で何とかしようという知恵しかない。これは自民党政権でも菅政権でもバリバリの増税論者の与謝野馨氏を経済財政政策担当大臣にしたことから明らかだ。これは消費税増税を狙う財務省のたくらみ通りである。

このままいくと日本の消費税は30%になり、経済は縮小し、町には失業者があふれ、犯罪も増え治安も悪いという悲惨な国になっていく可能性が高い。数年内に歳入不足で「政府閉鎖」が起こる可能性もある。

英国の「エコノミスト」誌は、「日本人はこの震災を機に、自らの対応能力と世界から寄せられる畏敬の念によって自信を取り戻すかも知れない」と語っているという。この世界からの期待に応えられるような社会を作らなければならない。

そのための古賀さんの起死回生策をまとめると次のようなものだ。実現性は非常に疑問ではあるが、方向性として正しい議論もある。

1.国の保有資産はJT,NTT株でも公務員宿舎でも独立行政法人の資産でも何でも売って数百兆円の資産売却を行う。

2.社会保障費の削減。支給額削減、先延ばし、富裕層支給カット。「死亡時精算方式」、年金の失業保険化

3.農業、中小企業、組合だからという助成策はすべてやめる。

4.公務員は大幅削減、給与も民間以上にカット、天下り団体は廃止。

5.タブー廃止。農業への株式会社参入OK,休耕地課税、TPP参加、時間をかけても関税撤廃。3ちゃん農業=兼業農家保護縮小。

6.消費税アップだけでなく相続税改革も含めた税制改革を行う

7.衰退産業・企業は潰して有望な企業・産業にスクラップ・アンド・ビルド 観光を未来のリーディング産業に



特記事項

他にも参考になった情報をいくつか紹介しておく。ただし、真偽のほどは確認する必要があるということを言い添えておく。

・東電を含め電力業界は、日本最大の調達企業なので他の業界のお客さんだ。自民党の有力な政治家を影響下に置き、労組を動かせば民主党も言うことを聞く。巨額の広告料でテレビ・新聞などマスコミを支配し、学界に対しても研究費で影響力を持っており、誰も東電には逆らえない。だから菅総理が怒り狂って東電に殴り込みにいっても、「総理といえども相手にせず」という態度だった。

・OECD駐在中に送電分離を唱えた古賀さんはあやうくクビになるところだった。

・現みんなの党渡辺喜美代表から、自民党時代に行革・規制改革担当大臣になったときに補佐官就任要請があったが、大腸ガンの予後が悪く断ったという。渡辺さんは即断の人だという。

・2008年6月福田内閣で成立した「国家戦略スタッフ創設」、「内閣人事局の創設」、「キャリア制度の廃止」、「官民交流の促進」などを柱にした国家公務員制度改革基本法案を中曽根元総理は「これは革命だよ」と言ったという。

・2008年7月に発足した国家公務員制度改革推進本部事務局の審議官に就任した古賀さんは、それから官僚人生の暗転が始まったという。

・経産省では日本企業の細やかな「擦り合わせ」こそ、他国がマネのできない特有の文化で、日本の競争力の原動力との解釈がまかり通っている。

・国税庁は普通に暮らしている人を脱税で摘発し、刑事被告人として告訴できる。金の流れが不透明な政治家は国税庁が怖く、国税庁を管轄する財務省には刃向かえない。ジャーナリストもマスコミも同じだ。古賀さんもマスコミ関係者から「国税のことは書かない方が良いよ」といわれたという。

・小泉首相は政策は竹中平蔵氏をトップとする竹中チーム、マスコミ対策は飯島秘書官の飯島チームを持っていたので、強力なリーダーシップを発揮できたが安倍さんは自前のチームを持たなかった。


現役官僚の暴露本というキワモノではない。政策の妥当性はさておいて、日本の将来を本気で心配する古賀さんの官僚としての良心がわかる本である。


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2011年09月25日

カッコーの巣の上で ジャック・ニコルソン主演のアカデミー賞作品

カッコーの巣の上で [DVD]カッコーの巣の上で [DVD]
出演:ジャック・ニコルソン
ワーナー・ホーム・ビデオ(2010-04-21)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

「カッコーの巣の上で」を図書館でDVDを借りて見た。

1975年度アカデミー賞の作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞など主要5部門を独占した名作である。

ジャック・ニコルソン主演で、マイケル・ダグラスがプロデュースしている。

ウィキペディアにあらすじが載っているので、参照して欲しいが、米国オレゴンの精神病院に精神鑑定のために送り込まれた犯罪者が、収容患者の自由獲得のために数々の混乱を引き起こし、最後には衝撃的な結末を迎えるというストーリーだ。



登場人物にどこかで見たような顔がある。バック・トゥ・フューチャーのドクが出ているし、ツインズでシュワルツネガーと競演したダニー・デビートも出ている。





精神病院という重いテーマだが、ストーリー展開に引き込まれてしまう。両主演俳優がアカデミー賞を受賞している他、助演の俳優の演技も見物だ。

楽しめるというか、考えさせられる作品だった。


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2011年09月22日

証券会社が売りたがらない米国債を買え! 米国債投資の啓蒙書

証券会社が売りたがらない米国債を買え!証券会社が売りたがらない米国債を買え!
著者:林 敬一
ダイヤモンド社(2011-08-26)
販売元:Amazon.co.jp
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読書家の上司に借りて読んだ。

著者の林敬一さんは最初JALに入社し、アメリカ駐在中に投資銀行のサロモン・ブラザースに転職、その後英国投資会社のIT系人材会社に転職し、M&Aを手がけた後2009年に独立。現在はフリーランスのコンサルタントをしているという。

林さんは「ストレスフリーの資産運用」というブログを書いている。

この本は林さんが所属しており、筆者の会社の大先輩でもある森祥二郎さんが主催している「サイバー・サロン」という1,000人くらい会員のいるメーリングリストで発信したものだ。

アマゾンの「なか見!検索」に対応しているので、目次を参照して欲しい。


米国債投資はフィクストインカム(利回り確定)、リスクフリーで、購入・管理手数料もかからない。しかも売りたいときに売れるという流動性があるという。安全・確実・有利な投資なのだと。

しかし、たぶん多くの人の反応も同じだろうが、筆者も上司からこの本を勧められたときにドル安の為替リスクはどうなるのか?との疑問がまず湧いた。


為替変動の例ー筆者のドル建ての生命保険

為替変動の一例としてこのブログでも紹介した、筆者がアメリカ駐在の時に購入した掛け捨ての生命保険の例を紹介しよう。

これは30年間毎月100ドル強を支払い、78歳までに死亡すると50万ドルの生命保険が支払われるというものだ。

life insurance











最近日本でもネット生命保険などが、さかんに保険料が安いことを宣伝しているが、筆者の年齢では100ドル=8,000円程度の保険料では、期間10年で1千万円の生命保険すら買えない。

アメリカで買った生命保険は、30年間の保険金総支払額は4万ドル弱、つまり保険料の8%以下。それでいて30年間のうちに死亡すれば50万ドルが支払われるものだ。もし喫煙者だと料率は倍以上に跳ね上がる。

筆者の場合、コレステロール値が基準よりやや高かったので、最低料金ではなかったが、タバコを吸わない健康な人はそれだけ死亡率が低いということだ。

その後アメリカでも10年超の生命保険商品はなくなった。30年間同じ保険料という現在では到底ありえない有利な条件の保険だった。

10年前に購入した時の為替レートは1ドル120円くらいで、死亡時の保険金は6千万円くらいになると想定していた。他の掛け捨ての生命保険もあり、家のローンも生命保険でチャラになるので、全部で1億円くらいと家があれば、残された家族はなんとかなると踏んでいた。

ところが1ドル70円くらいになると50万ドルでも3千5百万円にしかならないので、だいぶ安心感が違ってくる。

このままドル安が続くかどうかわからないし、GDPで世界ランクがどんどん下がり、日本政府の財政赤字が際限なく膨らむと、保険が満期を迎える20年以内には逆に円安になる可能性が高いと思う。

ひょっとすると保険料を支払っているときは円高で負担が楽になり、死亡した時は円安になって円建てで十分な保険金となるという、いいとこどりの可能性もあるかもしれない。

(もちろん78歳までに死亡しなければ、保険料は掛け捨てだが、その場合には78歳まで生きられたことを喜ぶべきだろう。)

閑話休題。


長期複利運用すれば為替変動をカバーできる

このように為替レートの変動は大きいが、林さんは複利で長期運用すれば、金利メリットが為替変動ロスを下回る可能性は低いと説明している。

例として1997年に退職した某企業の元財務部長の米国債への投資を挙げ、13年間でみると米国債に5,000万円投資したほうが、日本国債に同額投資するより約2,000万円金利収入が多いという結果となったことを紹介している。

それは年間の金利差4.5%を複利で運用すれば、13年間で77%となり(筆者計算)、投資実行時との為替差損の23%を軽くクリアーできるからだ。

実際にはその時々の為替レートにあわせて期間毎に計算する必要があるが、それでもドル安になってもまだ金利差のほうが勝つことがわかる。

さらに円が対ドルで77円前後と史上最高値をつけている現状からさらに円高となるかどうかという疑問も残る。

中国の人民元は高い成長率と好調な輸出に支えられて、今後も引き続き引き上げられると思うが、成長の鈍化した日本ではこれ以上の大幅な円高、たとえば1ドル=50円になるとかは、考えずらいところだ。

2011年8月5日に格付け機関のS&Pが米国債をAAAからAA+に引き下げたからといって、依然として米国債は、林さんが”リスクフリー”と呼ぶ世界で最も安全な投資であることは間違いない。

その証拠に米国債の買い手は外国投資家が多く、外国投資家の中でも公的機関が8割を占める。政府系投資ファンドが安全な投資先として米国債に投資しているのだ。

為替リスクについても、長期複利投資なら為替でやられる可能性は少ない。林さんの言うように、30年物などの長期米国債が日本でも手軽に買えるのであれば、「買い」だと思う。


実際に買ってみないと分からない点もありそう

一方、アマゾンのカスタマーレビューを見ると、この本を5つ星評価している人にまじって、2つ星評価の人もいる。

この人は「米国債に投資した経験のある者からすれば、証券会社の外国債の販売担当者の回し者のような気がしてなりません。」と言っている。

要は米国債は売値と買値に大きな差があり、見かけ上は手数料がかかっていないようにみえるが、売りと買いの差が証券会社の儲けであり、それは相当大きいと。

自分で実際に買ってみないとわからない点もあるのだと思う。


結局は複利投資が長期的には一番有利

筆者はこれまで株、金、米国投資信託、郵貯の定額預金など様々なものに投資してきた。

たとえば金はアルゼンチンにいた時に、インフレヘッジのためにメキシコ金貨に投資した。ちょうどタイミングがよかったこともあり、1オンス300ドル以下で買って、約1年後に650ドル程度で売った。しかし金はその後相場が長く低迷し、ずっと300ー400ドル前後のボックス相場の時期がたしか20年近くあった。

日本株は長期投資対象としては不適格のパフォーマンスだし、米国投資信託は手数料が高い上に、当てることは難しい。筆者の場合にはIT系米国ファンドに投資して30%くらい損した。

結局筆者の今までの投資で、最も確実に資産が増えたのは、当時7%前後で購入した郵貯の定額預金だった。

日本株は良いタイミングで売れたものは、3倍くらいで売れてすごく儲かったが、逆に20年以上持っていた株でも簿価を割って損失が出たことがある。現在も20年以上保有しているわりには、利益はたいしたことがない。

その意味では筆者も林さんの意見に同感で、長期的には複利投資が一番だと思う。そして複利投資をしろというのは、このブログでも紹介した名著「バビロンの大富豪」の教えるところでもある

バビロンの大富豪 「繁栄と富と幸福」はいかにして築かれるのかバビロンの大富豪 「繁栄と富と幸福」はいかにして築かれるのか
著者:ジョージ・S・クレイソン
グスコー出版(2008-08-08)
販売元:Amazon.co.jp
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住宅ローンは返すな?

筆者はまだ住宅ローンを抱えているが、林さんは住宅ローンは変動金利なら1%前後であり、繰り上げ返済はせず、”円キャリートレード”として投資に回したほうがよいと勧めている。

筆者の住宅ローンの金利は、今年借り換えたので平均1.2%となった。こんな低利なので、筆者も全く繰り上げ返済する必要性を感じていない。


最終評価

この本のもとになったメルマガ講座が、特定のサークルの人達向けの講義だったことも考えると、アマゾンでレビューを書いている人のように、林さんを「証券会社の回し者」とは思わない。

そもそもこの本を読んで米国債を買うことになっても、林さんには一切直接的な便益はないと思う。

その意味で、この本は「個人が米国債を買う」というほとんど知られていなかった投資方法にスポットライトを当て、日本国債との比較、購入方法などを懇切丁寧に解説しており、米国債投資の啓蒙書というべきだと思う。

読んで面白い海外投資ということなら、このブログで紹介している「海外投資を楽しむ会」の橘玲さんの「黄金の扉を開ける賢者の海外投資術」などの本にはかなわないが、米国債だけに的をしぼって、マニュアル的に使えるので、大変役立つ本と思う。

黄金の扉を開ける賢者の海外投資術黄金の扉を開ける賢者の海外投資術
著者:橘 玲
ダイヤモンド社(2008-03-07)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る


筆者は定年退職まであと数年あるが、この本を読んで退職金の運用先としては米国債も考慮に入れようと思った。大変参考になる本だった。


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2011年09月17日

大気を変える錬金術 空気からパンと爆薬を作った男の物語

+++今回のあらすじは長いです+++

大気を変える錬金術――ハーバー、ボッシュと化学の世紀大気を変える錬金術――ハーバー、ボッシュと化学の世紀
著者:トーマス・ヘイガー
みすず書房(2010-05-21)
販売元:Amazon.co.jp
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図書館の新着コーナーで何気なく手に取った本だが、最近では最高傑作の一つといえる本だった。これだから図書館通いはやめられない!

以前紹介した読書家の友人の書評に続き、あらすじを紹介する。

「これは空気をパンに変える方法を発明した二人の男の物語である。彼らは小都市と並ぶ規模の工場を建て、巨額の財を成し、何百万人もの人の死に手を貸し、何十億もの人間の命を救った。

彼らの功績は歴史上もっとも重要な発見だと私は信じている。(中略)簡単に言ってしまうと、今の世界の人口の半分は、彼らの開発したもののおかげで生きていられるのだ。

ほとんどの人は、その二人の名前もその功績も知らない。しかし私たちは食物を口にいれるたび、彼らに感謝するべきなのだ。(中略)彼らが発明した機械すべてが停止したら、20億人以上が飢えて死ぬだろう。」


これがこの本の冒頭文だ。全部で7頁の「はじめに」だが、全文を引用したいくらいよくできている。また、この本の解説は、なんとノーベル化学賞受賞者の白川英樹筑波大学名誉教授だ。まずは本屋でこの本を立ち読みして、「はじめに」と白川教授の解説を読んで欲しい。大体の内容が分かると思う。

この本はアマゾンの「なか見!検索」に対応していないので、「なんちゃってなか見!検索」で目次を紹介しておく。


はじめに 空気の産物

第I部 地球の終演
1.危機の予測
2.硝石の価値
3.グアノの島
4.硝石戦争
5.チリ硝石の時代

第II部 賢者の石
6.ユダヤ人、フリッツ・ハーバー
7.BASFの賭け
8.ターニングポイント
9.促進剤(プロモーター)
10.ボッシュの解決法
11.アンモニアの奔流
12.戦争のための固定窒素

第III部 SYN
13.ハーバーの毒ガス戦
14.敗戦の屈辱
15.新たな錬金術を求めて
16.不確実性の門
17.合成ガソリン
18.ファルベンとロイナ工場の夢
19.大恐慌のなかで
20.ハーバー、ボッシュとヒトラー
21.悪魔との契約
22.窒素サイクルの改変

エピローグ



窒素の役割

大気の8割は窒素でできており、人間の体の構成元素の4番目(約3%)が窒素だ。窒素は人間の体を構成するタンパク質をつくる不可欠の元素だが、動物が大気中の窒素を取り入れることはできない。大気中の窒素ガスは不活性ガスだからだ。大気中の窒素を固定できるのは、植物の根に棲むバクテリアと稲妻だけだ。

窒素が植物の生長に役立つことは昔から知られており、動物の糞や堆肥が肥料として使われてきた。しかし、これらの自然肥料の供給は限りがあり、爆発的な人口増加に対応する食料増産は自然肥料では到底困難だった。

そこで注目されたのが硝石だった。

火薬は中国の唐時代に発明された。火薬の3/4を占める原料が硝石だが、肥料としても役立つことがわかり、火薬需要とともに肥料需要が爆発的に増加していた。

旧大陸に大きな硝石の鉱山はないので、人や動物の尿を灰に掛けて何層も敷き詰め、熟成して硝石を作るという人造硝石プラントまで出来たほどだった。

新大陸のペルーのグアノと呼ばれる鳥の糞が輸入され、チンチャ列島はグアノの輸出で大変な盛況を収めた。何千万年にもわたって厚さ数十メートルにも堆積したグアノだったが、もはや19世紀前半には枯渇した。

グーグルアースでチンチャ列島の写真も見られるので、是非見て欲しい。さびれた鉱石船積み設備が島に残されていることがわかる。

Chincha islands







出典:Google Earth

代わってアタカマ砂漠で採れるチリ硝石がヨーロッパに大量に輸出されることになり、チリ硝石を巡ってチリとペルーの間で戦争が起こるほどだった。

1900年には世界の硝石取引の2/3はチリ硝石で、ドイツとイギリスが最大のバイヤーだった。1907年にはチリには200を超える精錬所があったという。

一時はチリの輸出の半分以上を稼ぎ、世界の肥料原料供給をほぼ一手に引き受けていたチリ硝石ビジネスに壊滅的打撃を与えたのは、原料の枯渇ではなく、ドイツで発明された空気からのアンモニア生産だった。


フリッツ・ハーバー

空気からパンをつくる方法を発明した科学者フリッツ・ハーバーは1868年に現在はポーランド領ブロツワフの裕福なユダヤ人ビジネスマンの家庭に生まれた。

ハーバーについては、「毒ガス開発の父 ハーバー」という本も出ており、ドイツ人になりきろうとした改宗ユダヤ人のハーバーの努力が描かれている。

ハーバーの叔父がドイツ外交官として日本駐在中に函館で暴漢に殺された話とか、親友アインシュタインの離婚交渉の仲介をしたこと、星製薬社長・星一との交友で日本を訪問したことなどが紹介されており大変参考になる。いずれあらすじを紹介する。

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毒ガス開発の父ハーバー 愛国心を裏切られた科学者 (朝日選書 834)毒ガス開発の父ハーバー 愛国心を裏切られた科学者 (朝日選書 834)
著者:宮田 親平
朝日新聞社(2007-11-09)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

この本の表紙には自分でデザインした軍服を着てご満悦のハーバーの写真が載っている。

空気から固定窒素をつくる方法を発明したのはハーバーが最初ではなかった。1902年にノルウェーで空中電弧法(アーク)法が工業化されていた。稲妻が空気中の窒素を固定することに目をつけた発明だった。

これを手がけていたのがノルウェーの国営会社ノースク・ヒドロだ。ドイツ最大の化学会社BASFもノースク・ヒドロに出資していた。しかしこの方法は大量の電気を消費し、チリ硝石よりコストが高かった。

1860年代に設立され、19世紀末に合成インディゴで大成功していたBASFは空気中の窒素固定法の開発に全力をそそいだ。

最初はハーバーのライバルのヴィルヘルム・オストワルトが特許をとった方法を試したが、その方法はみじめに失敗した。オストワルトの機械をテストしたのがBASF入社1年目のボッシュだった。

オストワルトは窒素固定法を求める科学者の探求を「賢者の石」を求める勇者の旅にたとえたという。ハリー・ポッターシリーズでも登場したが、「賢者の石」とは鉛を金に変えるという伝説上の物質だ。

1908年にハーバーはBASFに自らが開発した空気中の窒素からアンモニアをつくる特許を売り込んで採用され、1909年にオスニウムを触媒として使った実験機で小さじ一杯のアンモニアを生成する。

その後触媒は稀少金属のオスニウムからスウェーデン産の磁鉄鉱に変わったが、実験機は100気圧という超高圧を必要としたので、いかにリアクション・チャンバーをスケールアップするかが鍵だった。超強力なコンプレッサーも必要だったし、圧力チャンバーの素材も問題だった。

ハーバー自身は1911年ベルリンのカイザー・ヴィルヘルミ研究所の役員として高給で引き抜かれ、その後のアンモニア生産法の工業化はボッシュの功績だ。


ボッシュの改良

最初のチャンバーは厚さ1インチの鉄でできた高さ8フィートの円筒形をしたドイツ最大の大砲メーカークルップ社製のもので、コンクリート製のケースに入れられた。これは3日後に爆発した。次にクロム・モリブデンなどを加えた合金鋼を使ってみたが結果は同じだった。水素が鋼鉄をもろくしていたのだ。

そこでボッシュは天才的な発想の転換をする。チャンバーの内側の壁に保護材を入れ二重にして、水素が漏れる穴も開けた。パッキンやバルブなどすべての部品が研究され、次第にアンモニア生産量は増加していった。

そして1913年9月にオッパウ(Oppau)にBASFの巨大なアンモニア工場が完成する。


空気から火薬をつくる

オッパウ工場が完成し、生産量を拡大している時に第1次世界大戦が勃発した。当初戦闘はすぐに終了するとみられていたが、予想外に長期化した。ドイツは弾薬用の硝石の確保に窮し、占領したベルギーの倉庫に貯蔵されていたチリ硝石を没収したりしていた。

改宗ユダヤ人だが、熱烈な愛国者のハーバーはみずから志願して政府の科学顧問に就任し、BASFに手紙を書き、アンモニアから火薬原料の硝酸を作れないか聞いた。

アンモニアから直接硝酸はできないが、このときボッシュはまたも天才的なひらめきで、アンモニアからチリ硝石(硝酸ナトリウム)を製造することを考えつく。

ドイツ海軍はシュペー提督のもと、緒戦ではイギリス海軍を撃破し、南米からのチリ硝石輸送も問題がなかった。しかし英国海軍がフォークランド島の石炭貯蔵庫へのドイツ海軍の攻撃を待ち伏せして撃退し、シュペー提督が死亡してからは、チリ硝石の貿易は連合国が抑えた。

ドイツへのチリ硝石の供給は絶たれた。火薬と肥料用のチリ硝石を自国で生産せざるをえなくなったので、ボッシュは政府の費用で高さ12メートルの巨大アンモニア生産チャンバーを完成させ、月間5千トンのチリ硝石を政府に供給し始めた。

1915年5月にはフランスの戦闘機がオッパウに来襲し、空から小さな爆弾を落としはじめた。すぐにマシンガンと高射砲、サーチライトが据え付けられたが、すべての機器が集中しているオッパウ工場を防御するのは難しかった。

そこでBASFは政府の資金を得てフランス軍の戦闘機の航続距離外のライプチヒ近くのロイナに巨大なアンモニア・チリ硝石工場をつくった。ロイナ工場は1917年4月からアンモニアの生産を開始し、1918年に全工場が完成した。

ロイナ工場の完成により、ドイツ軍の火薬生産能力は補強された。これにより第一次世界大戦の終戦は1−2年遅れたと言われているほどだ、


ハーバーは「毒ガスの父」に

第1次世界大戦中、塹壕戦で戦線が膠着すると、プロシア陸軍科学部門長に就任していたハーバーは塩素系の毒ガスを開発した。空気より比重が重く、塹壕にひそむ敵兵を攻撃する目的だ。

すぐに英仏が毒ガス兵器で応戦し、これが英仏独の毒ガス戦争にエスカレートし多くの犠牲者を出した。ヒトラーも第一次世界大戦に伍長として従軍し、毒ガスでやられて入院している。

第1次世界大戦後、ハーバーの妻は毒ガス開発への抗議のために自殺し、ハーバーは戦犯容疑がかけられた。

ハーバーの開発した殺虫剤技術は、その後強制収容所のガス室で使われたチクロンBとなって、第2次世界大戦中に数百万人のユダヤ人同胞の命を奪うこととなる。


ボッシュは巨大企業IGファルベンの社長に

第一次世界大戦後、BASFのアンモニア生産技術を盗み出そうとする占領軍の動きがあったので、ボッシュはフランス化学業界の大物と話をつけ、フランス国営企業へ技術供与する契約を締結した。

日産100トンのアンモニア工場を建設するのを支援する代わりに、ドイツ国内の工場の操業を認めさせたのだ。

ボッシュはフランス政府との交渉をまとめたことでBASFの社長に昇格する。しかし1921年9月にオッパウ工場で大爆発が起こった。561人が死亡し、1700人が負傷、7,000人が家を失うという大事故だった。これが次の写真だ。

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出典:本書201ページ

その後ボッシュは1923年にアメリカを訪問し、石炭液化という新しいプロジェクトに取りかかる。当時は大規模油田が発見されていなかったので、1930年代には石油は枯渇すると予測されていたのだ。

石炭液化を実現するためには多額の資金が必要で、ドイツの化学会社が力をあわせ、世界の有名企業とも提携する必要がある。そのためにボッシュはドイツの3大化学会社のヘキストとバイエルに呼びかけ、全部で8社のドイツ化学会社をまとめて1925年にIG(イーゲー)ファルベンを設立し、初代社長に就任した。USスチール、ゼネラルモーターズに続く世界第3位の企業の誕生だ。

ファルベンはスタンダードオイルやフォードと提携し、合成ガソリン生産を1927年から開始するが、当初技術的問題から工場の本格稼働は遅れに遅れる。そのうち1920年代末にはオクラホマで大規模油田が見つかり、ガソリン価格は1/10に下落して、合成ガソリンの採算性は失われた。

そして大恐慌がファルベンを襲う。製品の販売価格は下落し、ロイナベンジン(合成ガソリン)の生産は計画の10万トンを達成したが、コストはガソリンの2倍で、工場の稼働率は20%に低迷した。

ボッシュにとって嬉しい驚きは、1931年にノーベル化学賞を受賞したことだ(石炭液化技術のベルギウスも同時受賞した)。

1931年1月にはヒトラーがドイツ首相に就任した。ナチスは合成ガソリン生産に全面支援を約束し、1933年には全量をコスト+利益で買い上げる契約を締結した。いずれ戦争が起こったら、戦車や飛行機の燃料を合成ガソリンでまかなうためだ。

ボッシュはナチスに生産量を1935年までに3倍にして、一日1000トンに引き上げることを約束した。


ハーバーとボッシュの末路

1933年1月のヒトラー首相就任から4週間後にドイツの国会議事堂が不審火で破壊され、閉鎖された。矢継ぎ早にユダヤ人公職追放令、ユダヤ人のビジネスのボイコットが発表された。

ハーバーは1933年4月に永年勤めたカイザー・ヴィルヘルミ研究所長を辞任させられた。

ボッシュはハーバーが辞任させられた1933年5月にヒトラーと面会した。このときにボッシュはユダヤ人科学者に寛大な措置を取らないと、ドイツの化学と物理学研究は大きな損失を被ると意見したときにヒトラーは烈火の如く怒ったという。

「これから100年間、物理学と化学なしにやっていけばいい!」ボッシュは面会場所から追い出された。

ハーバーは1933年10月にイギリスのケンブリッジに移った。その後パレスチナ移住を決めたが、度重なる心臓発作に悩まされていたハーバーは、旅の途中のスイスで1934年1月に心臓発作で亡くなった。

ハーバーの息子のヘルマンはハーバーの遺灰をスイスに埋葬し、隣の墓に自殺した母クララの遺灰を埋葬した。ちなみにハーバーの息子のヘルマンは第2次世界大戦後自殺している。

ボッシュは1935年にファルベンの管理取締役のトップという名誉職に押し込まれた。ボッシュはその前後から酒浸りになっていた。合成ガソリンに加えて、合成ゴムもナチスに売ろうというファルベンの方針から反ナチスのボッシュが邪魔になったからだ。

その後ファルベンは全階級で非アーリア人従業員を解雇することを決定した。

ボッシュは1939年にドイツ博物館でのスピーチを依頼されるが、酒に酔ってあらわれ、自由と科学を政府の干渉から守ることが必要だと反ナチス発言を繰り返し、ナチス党員が退席する結果となった。

1939年9月にドイツはポーランドに侵攻した。それ以来ボッシュは屋敷に閉じこもり、翌1940年4月にボッシュは亡くなる。

「ヒトラーはロシアに攻め込むという大失敗をするはずだ、そしてドイツじゅうの都市、工場そしてファルベンは空を埋めつくす戦闘機に破壊される」というのが最期の言葉だったという。


ロイナ工場の防御

ロイナではレーダー制御された32門の対空砲が同時に動くように設計され、空中で砲火領域をつくって、その領域に突っ込んだ爆撃機をすべて撃墜するようになっていた。

連合軍のパイロットたちはロイナ上空を飛ぶのを怖がった。ある日は119機の爆撃機が不明になったこともある。まさに「メンフィス・ベル」の世界だ。



1939年ドイツは2/3の燃料を輸入していたが、ロイナが拡張されたおかげで、戦争中は供給されるガソリンの3/4はロイナで生産されていて、1944年初頭のドイツの燃料貯蔵量は1940年と同じレベルになっていた。

1944年5月から連合軍は大規模空襲を繰り返したが、爆撃を受けても数日で修理してロイナは生産を続けた。1944年末には防空能力は弱まったが、ドイツは戦闘機を温存し、ロケット戦闘機を投入して一挙に反撃に出た。

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出典:Wikipedia

1944年11月1日の連合軍の空襲では700機の爆撃機のうち、基地に戻れたのは400機以下だったという。

しかしロケット戦闘機は8分間しか飛べず、燃料が不足してきた。

連合軍はロイナに22回の大規模爆撃を行い、6000機を超える爆撃機が18,000トンのも爆弾を落とした。これは広島に落とされた原子爆弾に匹敵する量だったが、それでも終戦時にはロイナ工場は15%のガソリン生産を続けていた。

「第三帝国の神殿にて」を書いたナチスの軍需相シュペーアは、連合軍がロイナをはじめとする合成燃料工場を破壊することだけに専念し、昼夜問わず爆撃していたら、戦争は8週間で終わっただろうと語っている。

第三帝国の神殿にて〈上〉ナチス軍需相の証言 (中公文庫―BIBLIO20世紀)第三帝国の神殿にて〈上〉ナチス軍需相の証言 (中公文庫―BIBLIO20世紀)
著者:アルベルト シュペーア
中央公論新社(2001-07)
販売元:Amazon.co.jp
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逸話が多岐にわたり、ストーリー構成が秀逸だ。翻訳も自然でよい。ノーベル化学賞受賞者の白川英樹教授の解説も素晴らしい。最近読んだ中でも一番といえる出来の本である。


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2011年09月16日

分析力を駆使する企業 分析力を武器とする企業

2011年9月15日再掲:

分析力を駆使する企業 発展の五段階分析力を駆使する企業 発展の五段階
著者:トーマス・H・ダベンポート
日経BP社(2011-05-26)
販売元:Amazon.co.jp
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「分析力を武器とする企業」の続編で、2011年5月に出たばかりの同じ著者による「分析力を駆使する企業」を読んでみた。

あらすじは詳しくは書かない。本は当たりはずれがあるという典型のような本だ。

ほとんど印象に残る具体例がない。

わすかに俳優のウィル・スミスが、統計学者といってもよいくらい毎週月曜日には興業成績をチェックし、ヒットした作品の共通点を研究し(すべて特殊効果を使い、ラブストーリーだった)出演作を選んでいるという。

アメリカだけでなく世界各国の売れ行きも重要なので、ウィル・スミスは世界各国にまめに足を運ぶという。



たしかに2008年の「7つの贈り物」のプロモーションで日本にも来日している。



この映画はアメリカではパッとしなかったものの、全世界では1億7千万ドルの興行成績を挙げた。ウィル・スミスのおかげといえるだろうと。この本についてはウィル・スミスの例だけ追記しておく。



2011年7月5日初掲:

分析力を武器とする企業 強さを支える新しい戦略の科学分析力を武器とする企業 強さを支える新しい戦略の科学
著者:トーマス・H・ダベンポート
販売元:日経BP社
発売日:2008-07-24
おすすめ度:4.0
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いまや"Big Data"としてIBMなど世界の一流IT企業が、顧客データ分析に着目している。この分野の教科書ともいえる「分析力を武器とする企業」("Competing on Analytics")を再度読んでみた。

この本は米国のバブソン大学教授のダベンポート氏と、コンサル会社アクセンチュアのビジネス・インテリジェンスのチームリーダーのジェーン・ハリス氏の共著だ。

同じコンビの「分析力を駆使する企業」という本も出版されたばかりだ。こちらも近々読んであらすじを紹介する。

分析力を駆使する企業 発展の五段階分析力を駆使する企業 発展の五段階
著者:トーマス・H・ダベンポート
日経BP社(2011-05-26)
販売元:Amazon.co.jp
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この分野は筆者が特に興味を持っている分野なので、いままで「CRMの実際」という日経文庫や、流通業界では世界最高峰の英国TESCOのCRMを取り上げた「TESCOの顧客ロイヤリティ分析」などを読んで研究してきた。

CRMの実際 (日経文庫)CRMの実際 (日経文庫)
著者:古林 宏
販売元:日本経済新聞社
発売日:2003-04
おすすめ度:3.5
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Tesco顧客ロイヤルティ戦略Tesco顧客ロイヤルティ戦略
著者:C. ハンビィ
販売元:海文堂出版
発売日:2007-09
おすすめ度:2.5
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日経文庫の「CRMの実際」は2003年の本だが基本を抑えるのには適している。

TESCOの本は、ポイントカードを使ったCRMはどうあるべきかという実例を詳しく紹介しており大変参考になった。このブログでも原著の第2版のあらすじを詳しく紹介している。

ポイントカードを使った顧客管理を突っ込んで研究したい人は、2004年に出た第1版の翻訳である日本語版の「TESCO顧客ロイヤルティ戦略」よりは、英語ではあるがテスコクラブカード戦略の見直しまで取り上げている2008年に出た原著第2版「Scoring Points」の方をおすすめする。

Scoring Points: How Tesco Continues to Win Customer LoyaltyScoring Points: How Tesco Continues to Win Customer Loyalty
著者:Clive Humby
販売元:Kogan Page Ltd
発売日:2008-09
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筆者が読んだ時は、"Scoring Points"はハードカバーしかなかったが、現在はペーパーバック版が出ているので、アマゾンで2,900円で買える。

話が横道にずれたが、「分析力を武器とする企業」は、基本を抑え、各社の実例を広く浅く紹介している。その意味で顧客管理(CRM)の教科書といえると思う。

アマゾンの「なか見!検索」に対応しているので、ここをクリックして目次をみてほしい。
次の表のような顧客分析を生かす企業の実例が取り上げられている。

分析志向の企業リスト













出典:本書23ページ

分析力を武器にする企業は次の4つの特徴を持つという。

1.分析力が戦略的優位性のベースになっている。

2.分析に組織を挙げて取り組んでいる。

3.経営幹部が分析力の活用に熱心である。アマゾンのジェフ・ベゾスが良い例だ。

4.分析力に社運を賭け戦略の中心に置いている。

参考になった具体例をいくつか紹介しておく。


★ネットフレックス

オンラインDVDレンタル。日本のツタヤDISCUSやDMM.COMのようなサービスだ。

DVDの送料は無料、貸出期限は無制限、延滞料は一切無し。借りたDVDを返せば、次のDVDが借りられるというシステムだ。

ネットフレックスは「シネマッチ」というアルゴリズムを組み込んだ映画リコメンドエンジンを持っている。顧客の好みを分析して、映画を推薦するのだ。

ネットフレックスは100万ドルの賞金を出して、社内外の力を借りて「シネマッチ」のアルゴリズムを10%以上改善したという。

ネットフレックスの最優先顧客はめったに借りない会員だという。月額料金は固定なので、めったに借りない人の方が利益率が高いので、この種類のお客をつなぎ止めておくことが重要だ。

いずれはDVDレンタルはオンラインダウンロードに変わるだろうが、ネットフレックスは自社の分析力さえあれば、バーチャルに移行しても利益は上がると自信を持っているという。


★ボストンレッドソックス

データ分析をプロ野球に利用して成功したオークランド・アスレティックスの例は「マネーボール」という本に詳しい。この本も近々読んでみる。

マネー・ボール (ランダムハウス講談社文庫)マネー・ボール (ランダムハウス講談社文庫)
著者:マイケル・ルイス
販売元:ランダムハウス講談社
発売日:2006-03-02
おすすめ度:4.5
クチコミを見る

まだ松坂大輔が加入する前、ボストンレッドソックスは2002年に野球のデータ分析の専門家を雇って、成果を上げ、2003年にはアメリカンリーグのチャンピオンシップシリーズに進出する。

しかしヤンキーズとのチャンピオンシップシリーズでは、監督のグレディ・リトルはデータ分析の専門家の意見を退け、優勝がかかる第5戦先発のペドロ・マルティネスをデータ分析による限界の105球を超えて8回にも登板させた。

データ分析ではペドロ・マルティネスは、105球までなら相手チームの打率は2割3分だが、106から120球だと打率は3割7分に上がっていた。それにもかかわらずリトル監督は自らのガットフーリング(直感)を信じたわけだ。

筆者は今でも覚えているが、たしかこの第5戦の大逆転劇で、松井が同点のホームを踏んで、躍り上がって喜んでいたことを思い出す。2003年でリトル監督はクビ。翌年は分析力と戦力補強が役立ち、86年間の「ベーブ・ルースの呪い」を破って念願のワールドシリーズを制覇したのだ。


★ロッキー・マウンテン・スチール

昔鉄鋼原料を取り扱っていた筆者には懐かしい名前だ。ロッキー・マウンテン・スチールはオレゴンスチールの子会社でシームレス鋼管を製造していたが、不況で生産中止していた。

筆者の記憶が正しければ、この会社は昔のUSスチールのPueblo, Utah工場ではないかと思う。戦争中に万が一敵が西海岸に侵攻してきても、ロッキー山脈のあたりにあれば、爆撃にも平気だということで建設した工場ではなかったかと思う。

鋼管市況が高騰したので、社内外の生産再開を求める声に対し、副社長のロブ・サイモンは"profit insight"というソフトウェアで再開時期を分析し、製品販売での逸失利益を出すことなく工場再開を決めたのだという。

ロッキー・マウンテン・スチールは今はEvrazという会社の一部門になっているようだ。


★マス広告の問題点

マス広告の問題点は、デパートの先駆者のジョン・ワナメーカーが嘆いたように「広告費の半分は無駄に失われている。だが、それがどの半分かがわからない」点だ。

それを科学的に分析するのが、現代の広告業界が力を入れている分野だという。DDB Worldwide社の子会社のDDBマトリクス社が有名だ。

ちなみにDDB Worldwide社のホームページには"Fun Theory"という、人は面白ければ動くという一連の広告活動が紹介されている。

階段をピアノの鍵盤のように改造して、音が出るようにしたら、エスカレーターより階段を使う人が増えたという。フォルクスワーゲンの広告で、興味深い実験が紹介されている。


★キャピタル・ワン(クレジットカード)

1980年代に「情報ベース戦略」により、最もありがたい顧客を突き止めた。クレジットカードの最上のお得意は、高額の商品を買って長期にわたって返済するお客だった。

この結果、リボルビングクレジットカードを発明し、これがアメリカのクレジットカードのスタンダードになった。


★プログレッシブ(損害保険)

クレジットカード業界の信用レーティングでデファクトとなっているFICOスコアを保険ビジネスに生かした。

FICOスコアが高い人は自動車事故を起こす確率が低いことをつきとめ、優良顧客に安い料率を適用して集客に成功した

FICO(フェア・アイザック社」)スコアについては、以前紹介した消費生活評論家の岩田昭男先生の「信用格差社会」に詳しいので、参照してほしい。

「信用力」格差社会―カードでわかるあなたの“経済偏差値”「信用力」格差社会―カードでわかるあなたの“経済偏差値”
著者:岩田 昭男
東洋経済新報社(2008-11)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る


ちなみにFICOスコアはアメリカでは採用時のスクリーニングに使われているという。ミズーリ大学のマーク・オレソン教授のコメントを紹介している。

「お金の問題を抱えている人で、ほかに何も問題がないという人は滅多にいない。だいたいは欠勤をしたり、能率が悪かったりする。あるいは、家庭に問題を抱えていることも多い、つまりクレジット・スコアが低い人は、生活の他の面でも要注意なのだ。

したがって、大量の応募者があるような場合には、企業は最初のスクリーニングにクレジット・スコアを活用して人数を絞ることができるだろう」



★ハラーズ・エンターテインメント(カジノ)

大金をスッたお客に一息入れる20ドルのバークーポンを送ったり、人気コンサートの売れ残りチケットを紹介したりして、顧客との関係を最適化。


★ニューイングランド・ペイトリオッツ(フットボール)

選手のセレクション、選手の年俸決定、試合中の戦術の選択に統計的手法を導入。パトリオッツは2001年から2004年までのシーズンで3回スーパーボウル(ゼンベイチャンピオンシップ)で優勝した。

筆者はピッツバーグ駐在経験者なので、当然ピッツバーグ・スティーラーズのファンだが、以前は弱かったペイトリオッツがなぜ強くなったのか疑問に思っていた。これで理由の一端がわかった。


★ウォルマート(スーパーマーケット)

ウォルマートの保有データは2006年4月時点で583テラバイトだったという。この膨大な顧客データをSCM(サプライ・チェーン・マネジメント)に生かしている。

生データをサプライヤーにレテール・リンク(Retail Link)を通じて提供し、その店にあった商品の品ぞろえ、在庫補給を任せている。また天気予報などの情報を取り入れ、ハリケーンが近づくとケロッグのストロベリー・ポップ・タルトなどの非常用食品を大量に仕入れるという。


★セメックス(メキシコのセメント会社)

ミキサー全車にGPSを備え付け、予測モデルを使って生コンクリートの配送時間を管理し、急な注文への対応を従来の3時間から20分に短縮して顧客満足度を上げ、ミキサー車の生産性を35%向上させた。

印象に残った例を紹介したが、このほかにも多くの事例を紹介している。


★データ分析のウソ

英国の名宰相ベンジャミン・ディズレーリは「嘘には3種類ある。嘘、大嘘、統計だ」と語ったという。恣意的な統計は人を欺くこともできる。


「紙オムツとビール」は都市伝説

データ分析では、以前から紙オムツを買う人はビールも買うという都市伝説があった。その根拠とされるオスコというドラッグストアチェーンに問い合わせたところ、根も葉もないうわさだったという。

しかし、この「紙オムツとビール」伝説には、データ分析するためには多数の専門アナリストが必要だということと、トップが分析を信じてアクションを取ることが重要だということが教訓として潜んでいるという。

このように様々な業界の、データ分析・活用例を紹介し、そのデータ分析を経営に活かすためにはどうしたらよいかを具体的に説明している。


第2部の「分析力を組織力にする」は実戦的

この本の著者の一人はアクセンチュアのコンサルタントなので、第2部の「分析力を組織力にする」は非常に実戦的だ。次のような章構成で、具体的な導入方法について解説している。

第6章 分析力活用のためのロードマップと組織戦略

第7章 分析力を支える人材

第8章 分析力を支える技術

第9章 分析競争の未来


そしてこの本の最後の分析力を武器とする企業の未来像は、次のようにまとめられている。データ分析を生かす企業は何を目標としなければならないかが、よくわかる。

「分析力を武器とする企業は、これからも後発企業から頭一つも二つも抜け出た存在であり続けるにちがいない。効果的・効率的なキャンペーンを打ち、プロモーションを仕掛けて、最高の顧客をつかむ。

顧客が喜んで払ってくれるような、値頃で妥当な価格を設定する。かゆいところに手が届くようなサービスを提供し、高い顧客忠誠度を誇る。

超効率的なサプライ・チェーンを展開し、在庫がだぶつくこともなければ、在庫が切れることもない。

最高の人材を呼び込み、適切に評価し、報いる。

独自の視点から業績評価指数を設定し、将来を的確に予想し、問題が深刻化しないうちに突き止めて対処する。そのすべてにデータ分析が生かされている。

彼らは多くの問題を解決し、競争で優位に立つだろう。未来のビジネスをリードするのは、分析力を武器にする企業だと私たちは確信している。」



データ分析の教科書としてよくまとまっており、参考になる本だった。


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2011年09月06日

映画 ハリー・ポッターと死の秘宝 Part 2

映画「ハリー・ポッターと死の秘宝 Part 2」を見た。

7月から公開されているので、既に見た人も多いと思う。

あらすじを紹介すると映画を見たときに興ざめなので、これでハリー・ポッターシリーズは打ち止めということで納得したということだけ書いておく。

Harry Potter





YouTubeには予告編がいくつも公開されている。これが普通の予告編。



これが最初の作品のスクリーンテストも入れた予告編だ。



思えば良く続いたものだ。筆者がハリー・ポッターシリーズを知ったのは、「Harry Potter and the Sorcerer's Stone」が出たばかりの頃なので、1998年ころだと思う。

当時米国ピッツバーグに駐在していたが、小学生の長男が夢中になって読んでいたものだ。筆者も車で通勤する間、オーディオブックを聞いていた。

Harry Potter and the Sorcerer's StoneHarry Potter and the Sorcerer's Stone
著者:J. K. Rowling
Arthur a Levine(1998-09)
販売元:Amazon.co.jp
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当時はまだCDのオーディオブックはなかったので、カセットテープ約10巻程度のオーディオブックも買って、長男に聞かせた。

オーディオブックの完成度が高いことも特筆ものだ。

たしかJohn Daleだったと思うが、一人の声優が声色を変えて、登場人物全員の声を録音している。

Harry Potter and the Sorcerer's StoneHarry Potter and the Sorcerer's Stone
著者:J.K. Rowling
Listening Library (Audio)(1999-12-01)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

長男の英語の勉強にも大変役立つ本だった。

以前はCD版がなく、カセットテープしかなかったので、"Harry Potter and the Deathly Hallows"などは、たしかテープ20巻くらいになっていた。

Harry Potter and the Deathly HallowsHarry Potter and the Deathly Hallows
著者:J.K. Rowling
Listening Library (Audio)(2007-07-31)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

ハリー・ポッターシリーズは、それから英語とオーディオブックの両方を買いそろえてきたが、数年前からは映画を見るだけになってきた。

そして今回が最後の作品・映画となった。最初はJ. K. Rowlingという著者は男性かと思っていた。

日本語も良いのだろうが、英語も難しくないので、英語でも読むか、オーディオブックで聞くことを是非お勧めする。

尚、著者のJ. K. RowlingはアマゾンのKindleなどの電子ブックには販売しない方針で、J. K. Rowlingのサイトによると、年内に開設するPottermoreというサイトで電子ブックは販売するそうだ。

J. K. Rowlingのサイト:

Potter more





Pottermoreのサイト:

pottermore





ベストセラー作家は電子ブックの販売まで自分でやれるという最初の例で、注目すべき動きだ。


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2011年09月02日

中国の言い分 サーチナ編集主幹の鈴木秀明さんの本

中国の言い分 〜なぜそこまで強気になるのか?〜 (廣済堂新書)中国の言い分 〜なぜそこまで強気になるのか?〜 (廣済堂新書)
著者:鈴木 秀明
廣済堂出版(2011-01-18)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

「サーチナ」編集主幹・鈴木秀明さんによる中国人の本音紹介。

前回の加藤嘉一さんの「われ日本海の橋とならん」を紹介した後で、中国シリーズが続くが、大変参考になる本だったので紹介しておく。

ちょうど2010年の中国のレアアース輸出制限の影響で、エアコンが5〜15%値上げされるというニュースが報道されているので、レアアース問題の背景も解説したこの本が参考になる。

サーチナは2000年代初めに中国株投資熱が注目されてきた頃から、急速に存在感を増した中国情報のポータルで、中国株投資をする場合には必須の情報サイトだ。

著者の鈴木さんはサーチナの編集主幹で、レアアース問題、靖国問題、ノーベル平和賞劉暁波氏に対する人権問題、北朝鮮問題など、ともすれば中国人と日本人のマスコミや世論が異なる問題を12件取り上げ、それぞれに中国人の本音、見方をわかりやすく解説してる。

サーチナが中国情報サイトだからといって、決して中国寄りの見方を紹介しているわけではない。たとえば尖閣諸島問題では、1884年から魚釣島に移住して開拓を進めた日本人の貸与願いを受け、清国の支配が及んでいる形跡がないことを10年間かけて確認の上、1895年に国際法上の「無主物先占」原則を適用して日本領に編入したという客観的事実を説明している。

尖閣問題は中国の資源ねらいという見方があるが、実は資源はたいしたことはなく、愛国教育を叩き込まれた若者の政府への不満を爆発させないために日本を強く批判しているのだというのが鈴木さんの見立てだ。

もっとも参考になったのは日本人と中国人は見かけは同じだが、価値観やものの見方はまったく異なるという、当たり前ではあるが、つい忘れてしまう指摘だ。

これを象徴するのが、同じ漢字を使っていてもニュアンスが異なり、誤解のもとになる事例だ。

例えば「原則」という言葉は、いわゆる「和製漢語」の一つだが、日本では例外もありうるというニュアンスがあるが、中国では絶対に譲歩できない議論の前提である。小泉内閣の時に田中真紀子外務大臣が、国会で「中国はこのことを原則と主張しており」と発言すると、「単なる原則だろ!」というヤジが飛んだという。こんなところにも誤解を招く落とし穴がある。

中国は被害者意識が強く、加害者になる恐ろしさをしらないという。非常に参考になる本だが、最後に鈴木さんは差別的発想はしないでくれとくぎを刺している。


★レアアース問題

尖閣列島での漁船衝突問題とレアアース輸出制限が重なったのは報復ではない。たまたま時期が重なっただけ。

中国は世界で流通するレアアースの9割を生産しており、小平はかつて「中東には石油があり、中国にはレアアースがある」と語った。

レアアースは世界中に賦存しており、米国やオーストラリア、ブラジルなどにも資源はある。しかしレアアースの採掘の際にトリウムという放射性物質が混入し、環境汚染を引き起こすので、トリウム除去のためにレアアース採掘コストが上がる。

レアアースの価格は中国との競争が激しく長く低迷していたため、中国を除くほかの国はレアアース生産から撤退してしまった。

中国では環境保護規制がなかったため、最大の生産地の内モンゴル自治区の包頭市では工場排水が飲料水に流入するという大問題が起こった。計画採掘が行われていないので、最も条件の良い鉱床から濫掘され、今では中国のレアアース埋蔵量は世界の30%にまで落ち込んだ。

このままではいずれ中国のレアアースは枯渇し、将来は中国は外国から高いレアアースを輸入しなければならなくなる恐れもあるということで、輸出制限を発動したのだ。


チベット問題

チベットは元の時代から中国の領土であり、外国からとやかく言われる筋合いはない。

中国によるチベットの併合は、ダライ・ラマ以下の貴族に搾取されていたチベット人民の解放である。

中国が少数民族を迫害しているという事実はない。むしろ一人っ子政策を適用しないとか、大学の入学にはゲタを履かせるとかで少数民族を優遇する米国のアファーマティブアクションのような政策を実施している。


★劉暁波氏のノーベル平和賞受賞

劉暁波氏は1989年の天安門事件で「国家政権転覆扇動罪」で裁かれて服役中の犯罪者であり、その犯罪者にノーベル平和賞を授与することは、1999年のダライ・ラマのノーベル平和賞受賞と同じ、西側の政治的な意図の表れである。


★中国の経済格差問題と蟻族

小平は社会主義市場経済を推し進めることにより「格差の出現も一時的にはやむを得ない」と言った。その後の経済発展により経済格差は拡大した。江沢民政権は2000年になって西部大開発を打ち出し、沿岸部と内陸部の経済格差是正に着手した。

しかし格差問題は、「都市部と周辺農村部」、「勝ち組と負け組」、「企業経営者と労働者」といった複雑な様相を見せてきて、江沢民政権は格差解消にはさじを投げた。

都市と農村部の格差は拡大しており、農村部では一日100円以下の貧しい生活をしている住民が大勢いる。都市部でも地方から出稼ぎに来ている農民工は、病気になってもまともな治療が受けられないほど貧しい。黒診所という無許可の診療所に行き、満足な医療が受けられず死亡するケースも出てきている。

都市部のもう一つの問題は、大学を卒業してもホワイトカラーの就職口が少ないので、まともな職業に就けないため大勢で狭い部屋に暮らす蟻族と呼ばれる若者が急増している。

蟻族はインターネットを使い慣れているので、何かあるとインターネットで「炎上」するような騒ぎを起こしがちだ。

政府は経済格差で国民の不満が爆発することを最も恐れており、蟻族は政府がもっとも警戒している対象である。国民の不満が中国政府に向けられないように、時にはパフォーマンスも必要となる。尖閣列島の中国漁船衝突事件の時のように、日本を強硬に非難し、真夜中に丹羽中国大使を呼びつけるなどのパフォーマンスを行っているのはそのあらわれと見られる。


★人民元問題

アメリカが人民元の切り上げを迫ってきているが、日本がプラザ合意以降の円高で競争力を失い、日本経済が停滞に陥った例も見ているので、中国は日本の轍は踏まない。

当時の日本のように中国はアメリカ国債を大量に保有しているので、切り上げれば損失が発生する。投機マネーに狙われることになるので、一気の切り上げは危険だ。切り上げで中国経済が冷え込むと、各国の対中輸出に影響が出るという問題もある。

中国は2007年にそれまでの1ドル=8.28元という固定相場をやめ、通貨バスケット制に移行した。その後だんだんに人民元を切り上げ、現在は1ドル=6.5元となっている。

日本円は1971年に1ドル=360円から、308円に切り上げられ、変動相場制に移行直後の1973年に260円となり、1995年の79.75円まで円高が進行した。日本が変動相場制で急激な円高に苦しんだ歴史を見ているだけに、中国は為替レートを一気に切り上げるのには慎重なのだ。

一方中国はドルが基軸通貨である体制にも疑問を持っており、ロシアのプーチン首相と二国間の決済はそれぞれの通貨で行うことを発表し、ドル離れに一歩踏み出している。


★環境問題

中国は環境問題を深刻に受け止めている、しかしそもそも先進国の企業が中国に進出して工場をつくって製品を作りまくったから環境問題が発生したのだ。一人当たりの温室効果ガスの排出量は中国よりもアメリカのほうがはるかに多い。


中国では水道水は汚染されていて飲めないとか、土壌も汚染されているので野菜なども安全性に問題が生じ、野菜が洗える洗濯機まで売り出されている。

生活にゆとりのある中国人は、外国のミネラルウォーターを飲み、外国産の米や野菜を食べる。日本の有機野菜などは値段が高くとも中国で人気があるという。

日本は衛生面で中国に信頼されているので、日本製の粉ミルクなどはよく売れる。日本は自らの努力で環境汚染問題を克服し、経済成長も両立させたという高い評価がある。

米国のネットメディア・ハフィントン・ポストは2010年9月に世界で汚染が進んだ9つの地域のナンバーワンとして山西省の臨汾市を挙げ、汚染が最悪で洗濯物を干すと、夕方には黒くなっていると指摘している。まるで筆者の住んでいた米国の鉄の町ピッツバーグの1940〜1950年代頃の姿の様だ。

中国では旧式の石炭火力発電所が各地にあり、日本の発電所では100%装備されている脱硫・脱NOX設備を備えていない。急増する自動車からの排気ガスもあり、大気汚染がひどいのだ。

比較のために、中国と日本のエネルギー構成のグラフを紹介しておく。中国の石炭依存度の高さが際だっていることがわかる。

energy balance China






energy balance Japan







★中国には共産党以外にも8つの政党が存在するが、それらは全部ひっくるめて民主党派と呼ばれ、原則として共産党の友党で、すべて共産党と協調して政治を動かそうという立場である。

習近平

次期主席と目される習近平氏は1953年北京生まれ。清華大学化学工学部を卒業した後は、政治家秘書として活動。浙江省、上海市の行政トップを歴任し、江沢民に引き立てられた。

習近平の父親の習仲勲は共産党政治局常務委員までなった人物だが、1966年の文化大革命で失脚し、習近平自身も辺鄙な農村の人民公社で農作業に従事した。

いわゆる太子党と呼ばれる有力者の子弟だが、父親の権力を利用せず、地方政府に職を得て、下働きから始めたということでおおむね国民から好印象を持たれているという。

習近平の奥さんは有名な歌手の彭麗媛(ほうれいえん)だ。人民解放軍の少将で、総政治部歌舞団団長というポストだ。習近平が廈門市長だった1986年に結婚した。

胡錦涛などの共産主義青年団(共青団)出身者の「共青団派」と江沢民をトップとする「上海閥」は権力闘争を繰り広げているが、今のところ「上海閥」の習近平が胡錦涛の後継者となる路線に影響はないようだ。


★靖国問題

中国への侵略戦争を実行した戦犯を祀る靖国神社へ日本政府要人が参拝するのは、侵略戦争を正当化するのに等しい行為。特に小泉元首相が靖国参拝をしたのは絶対に許せない。中国側の配慮を無視した裏切り行為だった。

あの侵略戦争は日本の一部の軍国主義者がやったことで、日本国民はだまされた被害者だ。そこまで譲歩した理屈をつくってあげているのだから、軍国主義者を祀る神社への参拝は辞めて貰いたい。


中国では1980年代から「愛国教育」と称して小中学生の教科書にかなり大きく「南京大虐殺」を取り上げている。中国人にアンケートを取ると、日本で思い浮かぶことのトップが「南京大虐殺」の65%という結果が出ている。

戦後日本は中国に対して20回以上も謝罪や侵略戦争に対する反省を公にしているが、中国人の多くは「日本人は口では謝罪していても心の中では反省をしていない」と思っている。

先日図書館で借りて「靖国」という映画を見た。台湾人監督が隠しカメラで盗み撮りしたような映画で、何かの記念日で旧軍人が軍服で行進する場面もあり、日本人はいまだに軍国主義者ばかりだと思わせるような内容だった。

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胡耀邦総書記は靖国問題が原因で失脚したと言われている。胡耀邦総書記は中曽根首相と仲が良かったが、その中曽根首相が終戦記念日に靖国神社を参拝したので、窮地に立たされた。

胡耀邦総書記は日本の戦犯に対しても「愛国主義者だったが、あまりにも狭い考え方で国を誤った。つまり『誤国主義』に陥り、多くの人に災いをもたらした」として、日中両方の若者に愛国心と国際的な広い視野の両方を身につけるように求めた。

しかしこの考えは中国人には到底受け入れられる考えではなかった。靖国問題が契機となり、胡耀邦総書記失脚したので、中国の政府中枢にいる政治家は、「日本に甘い顔をするとひどいめに会う」との思いを強めたという。

ちなみに天安門事件の契機は改革派の胡耀邦総書記が死去したことを悼む学生が天安門の前に集まったことだ。

胡錦涛も胡耀邦に引き立てられた人物なので、過度の愛国心には警戒感を持ち、歴史問題は蒸し返さないという立場だった。しかし小泉首相が靖国神社を繰り返し訪問したことで、江沢民前主席らが胡錦涛を攻撃し、「軟弱姿勢を示したせいで、日本は対中外交の原則を踏みにじった」と非難され窮地に立たされた。

首相が靖国神社を訪問しただけで、どうしてそんなに中国が大騒ぎするのか日本人には理解出来ない部分もある。これは中国共産党の正当性の最大の根拠が「日本の侵略から中国を守った。共産党にしかできなかった偉業だ」ということだからだ。

つまり日本との関係回復と、戦争責任問題のジレンマを解決する論理が、「すべての責任は日本の軍国主義者にあった。日本の人民は中国の人民と同様に、戦争の被害者だった」というものなのだ。

日本と国交を樹立し、友好関係を築くにあたっての中国側の論理は、「日本に軍国主義者はいない。過去の戦争については反省している。だから対等の立場でつきあえる」というものなのだ。だから日本の首相が靖国神社を参拝すると国内的にも説明できなくなってしまうので、日本を厳しく非難するのだ。

中国の政治指導者は立場上「戦争責任はすべて”軍国主義者”に負って貰うことにした。そのシンボルはA級戦犯だ。日本の立場を考え、互いにうまくいくようにしたじゃないか」とは言えない。

心の底では「日本の政治かはどうして、こんなことを問題にしてしまうのか。避けようと思えば、避けられるではないか。政治センスのかけらもない」と舌打ちしているのだろうと。

中国には悪いことが起きると、問題を発生させた本人にすべて責任を押しつけることが一般的で、4人組が良い例だという。文化大革命では4人組以外の多くの人が加わったのだが、罰せられたのは4人組を中心とした一部の人だけだった。

つまり「悪いのはすべて4人組」は免罪符の機能があり、日中関係でも「悪いのはすべて軍国主義者」が免罪符となるのだ。

「死者を鞭打たない」という考え方は中国にはない。むしろ死者の墓を暴くことが歴史上頻繁に行われている。伝統的な発想の違いも問題がこじれる大きな原因となっている。


★北朝鮮問題

中国と北朝鮮には朝鮮戦争以来の血の友誼(ゆうぎ)があるといわれている。これは朝鮮戦争の時に中国が人民志願軍を送って共に戦ったことから生まれた意識だが、実際にはイデオロギー的な連帯感はない。

中国は北朝鮮を何かと守ってきた。しかし北朝鮮は中国の言うことを聞かずに、核実験やヨンビョン島を砲撃したりして暴走している。これには手を焼いている。

それでも北朝鮮に崩壊して貰っては困る。そうなると米軍の駐留する韓国と国境を接することになる。それだけは避けたいので、北朝鮮に生きながらえて欲しいというのが本音だ。


中国には根強い反韓感情があるという。韓国が中国文化を横取りして世界遺産に登録しようとしていると警戒する中国人が多いという。サーチナが行ったアンケートでも、「韓国も北朝鮮も両方とも嫌い」が最も多く32%を占め、残りは「北朝鮮が好き」、「両方好き」、「韓国が好き」がほぼ同数の15%ずつだった(残りは無回答)。

つまり両方好きを入れても、北朝鮮を好きな中国人は30%しかおらず、北朝鮮を嫌いな人はほぼ50%に上るのだ。

中国政府はかつて1990年代に中国東北地方を活性化させるために、「環日本海経済圏」構想をぶちあげ、ロシア、中国、北朝鮮、日本、韓国で経済圏をつくるべく大プロジェクトを推進しようとした。しかしロシア・北朝鮮が関心を示さなくなり、構想が宙に浮いたという苦い経験がある。


★中国人の意識

この本のまとめとも言えるのがこの部分だ。次にこの本の中国人の言い分を紹介しておく。

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出典:本書205ページ

「被害妄想」、「上に政策中国は国際ルールを長年無視してきたが、最近は著作権などのルールを守る様になってきたという印象がある。中国人の根底には、欧米や日本に長らくいじめられてきたという被害者意識があるという。

4000年も続く歴史を持ち、かつては世界一の大国だったというプライドがあるので、清朝の末期に列強や日本が侵略行為を繰り返したのは許し難いことだという意識がある。

特に日本には日清戦争で負けて領土を取られ、日露戦争では戦争に参加していないにもかかわらず主戦場とされ、日中戦争では攻め入られたという意識がある。第2次世界大戦後も共産主義が世界から非難されたこともあり、国際法には不信感を持っているという。

さらに中国人には「上に政策あれば、下に対策あり」という言葉があり、良くも悪くもルールを疑ってかかり、方の抜け道を考え出すことに長けている国民性がある。

「事情変更の原則」といったところだ。

さらに鈴木さんは中国人を「交渉上手の宣伝下手」という。宣伝下手というのは、国際的なルールやエチケットを知らないことから誤解を招く行動が多いということだろう。

もっとも、これは今の中国には当てはまるが、たぶん戦前の中華民国の政治家には当てはまらないだろう。筆者は常に感じているが、戦前の日本に蒋介石宋子文のような国際感覚あふれる政治家がいたら世界は変わっていたのではないかと思う。

中華民国の政治家は堕落していたが、金は持っていたので宣伝は上手だったと思う。

しかしそれでも米英のふところには入れず、トルーマンから見放され、蒋介石の率いる中華民国が台湾に退去する結果となったことは、歴史の事実である。

中国共産党の方が、ソ連の支援を受けて日本の関東軍の残した飛行機や戦車、大砲、機関銃などをすべて受け取って軍事力を増強する一方で、汚職のない統治で民衆の支持を得るという政策が功を奏して、1949年10月に中華人民共和国が成立したわけだ。


さすが中国情報サイトナンバーワンのサーチナの編集主幹の本だけあって、中国人の本音がよくわかる参考になる本だった。筆者が読んでから買った数少ない本の一つである。


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Posted by yaori at 13:10Comments(0)TrackBack(0)