2014年03月31日

日本の登記制度は大変ユーザーフレンドリーになった

一部の住宅ローンを完済したので、抵当権抹消手続きをした。

10年ほど前も、住宅ローンの借り換えの時に、自分で抵当権抹消手続きをやったことがある。

その時は、「日本法令」という契約書や登記等の手続きの用紙を売っている専門の出版社の「抵当権抹消申請書」というような和紙で縦書きの用紙を書店で購入して、自分でカーボン紙を使って申請書をつくった。

日本法令は履歴書用紙なども売っている出版社だ。



前回の申請書用紙が余っていたので、今回もたぶん同じだろうと思って、「日本法令」に電話して、この10年間で用紙の変更があったかどうか聞いた。

そうすると、日本法令ではもはや用紙は売っていないという。

登記所に行けば、用紙もくれるということなので、半信半疑で登記所に行ってみると、「申請相談窓口」で、その場で抵当権抹消申請書の作成ができた。

昼休み前の12時頃の受付だったが、法務局の担当者は昼休みに食い込んでも嫌な顔もせず、親切に書類作成を手伝ってくれて、10分程度で抵当権抹消申請が完了した。

4日後に抵当権抹消登記確認書類を取りに行って、すべての手続きが完了だ。

たぶんこの手の登記関係の手続は、司法書士に頼む人が多いと思うが、自分でやっても簡単にできる。

申請書は今や横書きで、数字も以前は「壱」、「弐」、「参」というように、漢数字を使わなければならなかったのが、いまは「1」、「2」、「3」でOKだ。

この10年で登記制度も大きく変わった。

大変ユーザーフレンドリーになった。

もし、抵当権抹消等の手続が必要であれば、時間があれば、司法書士に丸投げせずに、自分で手続をしてみることをお勧めする。


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2014年03月22日

不格好経営 特に不格好とは思わないけど…

不格好経営―チームDeNAの挑戦
南場 智子
日本経済新聞出版社
2013-06-11


元マッキンゼーのパートナー(役員)で、DeNAの創業者の南場智子さんの最初の著書。

南場さんの生い立ちと経歴、DeNA創業に至った経緯から、最近のDeNAのモバイル事業展開まで、創業者の目から見た事業の立ち上げ担当者の舞台裏の努力が描かれている。


不格好というよりは、筋書きのないストーリーがIT業界なのでは?

本の帯に「経営とは、こんなにも不格好なものなのか。だけどそのぶん、おもしろい。最高に。」という南場さん自身の言葉が書いてある。

南場さん自身は「不格好経営」と言うが、特に不格好と思える点はない。

「コンサルタントが頭の中で考えるストーリーのようなスマートな展開は、実際の経営ではできないよ。」という意味で、「不格好」と言っているのではないかと思う。

筆者も2007年まで5年弱、IT企業経営をしていたので、後で思い返せば、「もっとうまくできたのに…」、「なんでわからなかったんだろう…」と感じることが多々ある。その意味では「不格好」そのものである。

しかしIT企業の成功ストーリーに筋書きはない。楽天だって、泥臭く地道に営業に励むことと、体育系のノリ、金融業界出身の三木谷さんの金融業シフトで、ここまで大きくなった。

アマゾンもここまで大きくなるとは、誰も予想しなかっただろう。さらに、アップルがマイクロソフトを時価総額で凌駕するとは、だれも予想していなかったはずだ。

DeNAも、インターネットオークションでは、ヤフオクに大きく差をつけられた第2位だったが、いち早く携帯電話向けサービスを開始し、モバオク、そしてゲームに進出しモバゲーで急成長した。

筋書きのないストーリーがIT業界そのものの歴史だ。


社員の顔が見える本

IT企業のトップが書いた本は、このブログでもいくつか紹介している。楽天の三木谷さんや、サイバーエージェントの藤田さん最近、刑期を終えたホリエモン倒産したインデックス会長の落合さんなどだ。

IT業界ではないがワタミの渡邉美樹さんの本も紹介している。

これらの本のほぼすべてに共通していえるのが、本人以外に登場する社員が少ないことだ。特に三木谷さんの最近の本と、ワタミの渡邉さんの本に至っては、本人以外にはほとんど誰も社員が登場しない。

南場さんの本は、これらの本と対照的だ。この本には多くの社員が登場する。実際に社員の写真も載っていて、まさに社員の顔が見える本だ。

筆者もピッツバーグから帰任した2000年末に、新規ビジネスの相談に幡ヶ谷のフロスビルにあるDeNAオフィスを訪問して、守安さん、春田さんから意見をお聞きした経験もあり、大変興味深く読めた。春田さんは「取締役 総合企画グループ担当ディレクター」、守安さんは「システム開発グループ」という肩書のない名刺だった時代だ。

南場さんは、最初はもっと多くの社員の名前を紹介していたが、社外の人には読みづらいものになってしまったので、減らしたのだと語る。

しかし、本書に登場していない社員のひとりでも欠けてしまったら今のDeNAはないという。

気配りの人、社員を第一に考える経営者、それが南場さんなのだと思う。

この本では「読者が『DeNA』号に乗ってジェットコースターのような展開をともに体験できるよう、事実をそのまま伝えることを重視した」という。

たしかに、面白い。南場さんの生い立ちや、旦那さんのがんの治療のために、DeNAの社長を退任した事情なども紹介されていて、南場さんの人となりや考え方がわかる。

この本はアマゾンの「なか見!検索」に対応しているので、ここをクリックして目次をみてほしい。

第9章の「人と組織」の、「コンサルタントと事業リーダーの違い」も納得できるし、「MBAは役立つか」では、「学びがゼロかというと、そうではないが、そのために2年間も使うのか、を問いたいところ」と語っている。

自分がMBAに行っていないだけに(その代わり2年間の語学研修でスペイン語はペラペラだが)、MBA信仰のある筆者にとっては、警鐘となった。


DeNAクオリティ

楽天の成長のコンセプトは次の5点だ。

1.常に改善、常に前進
2.Professionalismの徹底
3.仮説→実行→検証→仕組化
4.顧客満足の最大化
5.スピード!!スピード!!スピード!!

これに対して、DeNAクオリティは次の5点だ。

1.デライト (Delight) 顧客のことを第一に考え、感謝の気持ちを持って顧客の期待を超える努力をする
2.球の表面積 (Surface of Sphere) 常に最後の砦として高いプロフェッショナル意識を持ち、DeNAを代表する気概と責任感を持って仕事をする
3.全力コミット(Be the best I can be) 2ランクアップの目線で、組織と個人の成長のために全力を尽くす
4.透明性 (Transparency & Honesty) チームワークとコミュニケーションを大切にし、仲間への責任を果たす
5.発言責任 (Speak Up) 階層にこだわらず、のびのびしっかりと自分の考えを示す

楽天と似ている部分もあるが、DeNAらしさがでていると思う。

筆者は個人的にはDeNAに大変感謝している。というのは、DeNAが横浜ベイスターズを買ってくれたので、郷土の球団としてずっと応援してきたベイスターズファンから卒業するきっかけができたからだ。

今は野球のひいきチームはない。ベイスターズファン時代は、長年不満がうっ積していたが、きれいさっぱりファンを卒業して、いまの気持ちは棋士の羽生さんではないが、「玲瓏」(れいろう)(もとは「八面玲瓏」)、あるいは「明鏡止水」である。


南場さんは文才もあり、ストリーも面白い。三木谷さんのように「夢を見るのは若者の特権だという。美しい言葉ではあるけれど、僕は間違っていると思う。」というような鋭いツッコミもない。

楽しく読める本である。



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2014年03月15日

やっと腑に落ちた筋力低下の理由

多くの企業の健康保険組合を通じて健康ポイントを運営しているKENPOSのイベントに行った。

第1部は健康に関するセミナーと実技、第2部は話題のパフォーマンスユニット、WORLD ORDERのライブだ。

筋力低下に歯止めをかけるべく、昨年からGOLD'S GYMに行って、毎週ウェイトトレーニングをやっているが、せいぜい筋力維持程度で、なかなか記録が戻らないので、おかしいとおもっていたが、今回のKEPOSのセミナーではっきりわかった。

要は加齢による筋力低下が1年で1%程度、じわじわと起こっているので、自分では体重も変わらないし、体型もあまり変化がないように思える。しかし、20歳の時と比べると、たとえば足の筋肉では50%程度も落ちているのだ。

ネットで検索してみたら、KEPOSセミナーで説明していたものと、同様のスライドが見つかった。

加齢変化



















足の筋肉断面積だと、もっと衝撃的だ。

加齢変化






















30代はじめまではラグビーをやっていたこともあり、既製服のスーツのズボンでは胴回りはあっても、脚が入らないので、常にスーツは仕立てていた。ところが、だんだん既製服のスーツでも、BB体とかBE体とかなら着られるようになってきた。

既製服が着られるようになって喜んでいたが、実際には脚の筋肉が落ちて、太ももが細くなったから既製服のズボンが切られるようになったのだ。

しかしその変化は1年に1%とゆっくりで、自分ではわからなかったのだ。

これで、昔の筆者を知っている人から、ちいさくなったといわれる理由がわかった。いままでは、体重が昔と変わらないので、おかしいと思っていたが、まさに腑に落ちた。

KENPOSセミナーでは、60歳以上でも週3回のトレーニングを3か月続けると、9%筋力が回復した例があると説明していた。

男性の平均寿命は79歳だが、健康年齢はだいたい70歳をすぎたくらいまでだという。

つまり、70歳を超えると、そのあとは寿命の79歳まで、8〜9年間は杖などの補助具や、やがては車いすをつかったりして、行動するしかなくなるわけだ。

自分の足で行動できる健康年齢を、1歳でも2歳でも伸ばすためには、筋力維持が絶対必要なのだ。

特に重要なのが、全身の筋肉量の7割を占める、下半身の筋肉だ。下半身の筋肉強化は、歩くことでもできるし、亡くなった森光子さんのように、自宅で毎日スクワットをやっても維持できる。

いままで週1回くらいしか、GOLD'S GYMに行けなかったが、やはり週3回はトレーニングする必要があることを痛感した。

ジムに行く回数を増やすとともに、ジムに行く時間が取れない場合は、自宅でもできるダンベルを使ったトレーニングや、スクワットなどを取り入れてメニューをつくろうと思う。

第2部のWORLD ORDERのライブも大変楽しめた。

前のボタンも留めて、きちっとしたスーツ姿で、ステージであれだけ激しい動きをしていながらも、顔に汗をかいているのは、写真の中段右にいる、ちょっとがっしりした体のメンバー1人だけだったことが印象的だった。

リーダーの須藤元気や、写真の後列右のメガネのとっちゃん坊やも、汗をかいていたが、他のメンバー同様に汗びっしょりという感じではなかった。よっぽど鍛えているのだと思う。

World Order





















出典: WORLD ORDERサイト

WORLD ORDERのビデオはYouTubeでも載っているので、いくつか紹介しておく。





見ていて大変面白いパフォーマンスである。


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2014年03月06日

なでしこ力 女子サッカー日本代表監督佐々木則夫さんの本






会社で佐々木則夫さんの講演を聞いたので、読んでみた。

ちょうどソチ冬季オリンピック開幕前だったので、「今の時期は、なでしこは"ソチのけ"で…」とかいったおやじギャグを飛ばすノリの人だった。

レジリエンス・ジャパン(国土強靭化計画)のポスターでは精悍なイメージがあるが、めちゃくちゃ面白い人だ。

佐々木監督








































出典:国土強靭化HP

講演を聞いただけだったら、「人を楽しますことを常に心がけている気配りの人」という印象で終わっただろうが、本を読んで驚いた。

帝京高校のサッカー部が全国優勝した時のキャプテンなので、都会出身の順調な人生を送ってきた人かとおもったら、大変な苦労人だった。


「観葉植物」

この本で「観葉植物」という一節がある。ここで佐々木さんの生い立ちを書いている。

佐々木さんは山形県尾花沢市出身。関東地方に出稼ぎに出ていた両親と別れて、山形の祖母の家に預けられていた。一人っ子だったので、おばあさんと二人で暮らし、佐々木さんが小学校2年の時におばあさんを看取った。

だんだん衰弱していくおばあさんに気づいて、常におばあさんのことを気遣っていたから、相手を気遣う性格が養われたのだろうと。

おばあさんが亡くなると、両親と一緒にお父さんの土木工事会社の従業員との共同生活を始めた。

土木工事会社なので、作業現場に近いところに住み、現場が変わると、また次の現場の近いところに住むということで、毎年のように転校していたという。転校ばかりしていたので、悪い仲間に誘われ万引きの見張りをやらされそうになったこともあった。

6年生のころは、サッカー仲間が出来た学校から転校するのが嫌になり、2時間かけて通って、友達の家に居候させてもらった時期もあったという。

埼玉県の芝中学時代は足が速く、運動神経抜群だったので、1年生でレギュラーになったが、スキーに行って足を怪我してしまい、その後怪我の連続で、結局公式戦は出場ゼロだった。

中学のサッカー部の先生の口利きで、帝京高校に入り、持ち前の走力を生かして1年生からレギュラーになり、帝京高校サッカー部のキャプテンで高校日本一となり、高校全日本代表チームのキャプテンを歴任した。

明治大学を経て、ノンプロのNTT東日本(現在の大宮アルティージャ)に就職してからも貧乏くらしだった。

今の奥さんと付き合っていて、実家に招いた時に、畳の隙間から雑草が生え出ていたのを、「観葉植物」だと冗談で言った。これで嫌気がさすようであれば、付き合うのをやめようと思っていたという。幸い奥さんは気にせず、結婚して今はお嬢さん一人と犬がいる。

これが「観葉植物」の由来だ。


男子選手と女子選手の違い

佐々木さんはNTT東日本で現役サッカー選手を引退後は、サッカー部の監督もやったが、24年間ずっと平社員だった。NTT東日本時代は、滞納者からの未払い料金回収や、利用者の苦情に対応する電話料金担当や、広報担当などをやっていた。

料金担当は、ユーザーから様々な要望が寄せられるので、臨機応変な対応が求められ、やりがいのある仕事だったという。その経験がコーチ業にも活かされている。

その後、日本女子サッカー代表チームのコーチに就任した時、すぐに足を怪我して、選手の練習に付き添えない状態だった。

この時、冗談まじりで「コーチになったけど、怪我したので、すぐにクビかも」と一人の女子選手に言ったら、チーム全員が佐々木さんを気遣っていたという。

女子選手はみんな相手を気遣う気持ちが強いので、たとえコーチであっても、誰かの不安が伝播して、共有してしまい、チーム全体の士気に影響することを初めて知ったという。

佐々木さんは講演の中で、「必ずやろうと思うこと」の一つに、「トイレ使用後、トイレットペーパーを三角に折ること」を挙げていた。

筆者はトイレットペーパーを三角に折るのは、掃除の人が掃除が終わった印だと思っていた。まさか、男性で三角に折る人がいるとは!初めて知った。佐々木さんの人柄を表しているエピソードだと思う。

この辺が気配りの人・佐々木さんが女子サッカー指導者としてまさにハマるところだろう。


指導者の11の心得

佐々木さんの指導者の11(イレブン)の心得は次の通りだ。

1.責任
2.情熱
3.誠実さ
4.忍耐
5.論理的分析思考
6.適応能力
7.勇気
8.知識
9.謙虚さ
10.パーソナリティ

講演では、ここまでをスライドで示し、そして次のスライドで、11.コミュニケーションと追加した。

まさにコミュニケーションの達人、佐々木さんが最も言いたいところだろう。

しかも、これらの11項目は、足し算ではなく、掛け算で、一つでもゼロがあるとすべてがゼロで、その人に指導者の資格はないと語る。

サッカーはチームとしての「集団的知性」(”多くの個人が協力したり切磋琢磨しあうことにより、その集団自体に知能や精神が存在するかのように見える知性”)が大事で、めざすはソーシャル・フットボールだと講演でも語っていた。

しっかりとした考え方のもとで、チームを育成する様々な気配りの一端が紹介されている。

なでしこらしい選手のイメージは、ひたむき、芯が強い、明るい、礼儀正しい、の4つだ。他国のチームの選手が、試合前に上着を投げ捨ててスタッフに拾わせているのに対し、なでしこジャパンの選手は自分できちんと折りたたんで、並べて置いて、他チームの監督にも感心されたことがあったという.

ちょうどアルガルベカップが開幕したところで、なでしこジャパンは世界最強の米国と引き分けた。 ぜひ優勝めざして頑張ってほしい。



なでしこジャパンを率いるのに最適の人。それが佐々木監督だと思う。これからも、なでしこジャパンを応援したくなる本である。


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Posted by yaori at 12:38Comments(0)TrackBack(0)