2014年08月30日

重火器の科学 仮想敵国の嫌がる武器が最大の抑止力



自衛隊の武器補給処技術課研究班に勤務し、2004年に定年退官した かのよしのりさんの本。

図書館の新刊書コーナーに置いてあったので読んでみた。

大砲やロケット弾、地雷、手りゅう弾などの基礎が学べる。

かのさんは他にも「自衛隊VS中国軍」や「銃の科学」といった著書を書いているので、今度読んでみる。

自衛隊vs中国軍 (宝島社新書)
かの よしのり
宝島社
2013-03-09




最も参考になったことは、簡単で安上がりな兵器が最も防衛に適しており、周辺国はすべて普通に装備しているのに、日本はそれらを人道的見地から放棄したということだ。

たとえばクラスター弾だ。日本は2008年クラスター爆弾禁止条約に調印した。そして国土防衛用に配備していた多連装ロケット発射器から打ち出すクラスターロケット弾も廃棄した。

自衛隊は敵が上陸してきた場合、海岸に密集しているタイミングでクラスター弾で打撃を加える戦略だったが、みずからその有効な手段を放棄した。

一方、米国はじめ中国、ロシア、韓国、北朝鮮、台湾のいずれもクラスター爆弾禁止条約には参加していない。

日本は自ら安価で有効な国土防衛の武器を放棄したのだ。

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出典:本書90〜91ページ

そして対人地雷禁止条約にも調印しているので、地雷も廃棄した。こちらも米国、中国、ロシア、韓国、北朝鮮、台湾はいずれも調印していない。

人道的な見地から、これらの残虐な兵器を禁止するという趣旨は理解できるが、全世界の国、特に仮想敵国となりうる国がすべて参加しない限り、相手が嫌がる武器を自ら放棄して、防衛力を弱めるだけになるだろう。

日本には恐るべき地雷があった。

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出典:本書150〜151ページ

ショックを与えると本体が1メートル程度ジャンプして、空中で爆発し、250個の鉄球をばらまいて殺傷するという恐ろしい兵器だ。敵の兵士に与える恐怖感は絶大だろう。

中国の人民解放軍の兵士が持っている手りゅう弾は、直径3ミリの鉄球1,600個を飛散させる。

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出典:本書184〜185ページ

最近では小銃で実弾を使って、手榴弾や擲弾を発射できる。

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出典:本書188〜189ページ

もし中国軍が日本に侵攻してきたら、まずはクラスターロケット弾で自衛隊の陣地にクラスター弾を雨あられと降らせて打撃を与え、近接戦では小銃擲弾と手榴弾を使って日本の兵士を攻撃するだろう。

日本も反撃するだろうが、クラスター弾でダメージを受けた部隊は、はたして立て直すことができるのか?

ヒューマニズムの精神にはもちろん賛成だが、日本の仮想敵国である周辺国すべてがダーティな武器を持ち続ける以上、日本だけが放棄しては抑止力の低下はまぬがれない。

相手の嫌がる武器を持つことが、安価で有効な抑止力ではないのか。そんなことを考えさせられる本である。


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2014年08月17日

中国の大問題 前中国大使 丹羽宇一郎さんの経験談

中国の大問題 (PHP新書)
丹羽 宇一郎
PHP研究所
2014-06-14


元伊藤忠社長で、前中国大使の丹羽宇一郎さんの本。「中国の大問題」として次のような切り口から中国の現状を論じている。

第1章 14億人という大問題
第2章 経済という大問題
第3章 地方という大問題
第4章 少数民族という大問題
第5章 日中関係という大問題
第6章 安全保障という大問題

まるで池上彰さんの「大問題」シリーズ本のコピーの様だ。




終章で、「日本という大問題」として、中国と比較しての日本の教育支出の少なさ、偉くならなくても満足な若者たちなどのテーマを「10年後に死んでいるかもしれない人間のメッセージ」として論じている。

これが丹羽さんが最も言いたかったことなのだろう。

日本の将来を考えたとき、教育の充実こそが、日本が世界で生き残る最重要にして必須の条件となると論じている。

「非正規社員の全廃」、「(出世することの)インセンティブを提示せよ」等の主張を打ち出している。

日本の教育費については、注釈が必要だと思う。中国は国防費の3倍、国家予算の17%を教育費に使っていると丹羽さんは語る。

この本では日本の教育費の国家予算に対する比率を記載していないが、ネットで調べると日本の公財政教育支出の対GDP比は3.3%(つまり国防費の3.3倍)で、一般政府総支出に占める公財政教育支出の割合は9.5%だ。

しかし、日本では公的な教育資金が少ない分、家計から教育費をねん出しているから、家計で負担している私的教育費を含めた教育費はGDPの5%(つまり国防費の5倍)になる。これは塾などの副次的な教育支出を除いた家計負担分だ。

2009年の統計だが、公財政支出と私的教育費を合計したグラフを載せているブログを見つけたので、紹介しておく。

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出典:社会実情データ図録

たぶん財務省筋だと思うが、日本の場合は少子化のため、生徒数が少ない。だから生徒一人当たりを取ってみれば、日本はOECDでもそん色はないという議論もある。

平成20年教育費の現状_ページ_9




















しかし、日本の問題は韓国や他の先進国が教育予算の比率を増やしているのに対して、国家予算の教育費比率を据え置いていることだ。次の文部科学白書2009にある図を見るとわかりやすい。

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出典:文部科学白書2009図表1−1−29

丹羽さんの教育が最重要投資であるという問題提起は正しい。どう実現していくかが問題だが、具体的アイデアはこの本にはない。言いっぱなしで、「10年後に死んでいるかもしれない人間のメッセージ」と自分で言うゆえんだろう。

中国の指導部との人的コネクションはさすが

ともあれ、中国の指導者層と人的なコネクションを広く持つ人だけに、これから習近平体制を支える人脈の読みなども参考になる。

丹羽さんは、習近平には10数回会っているという。

習近平は長崎県と姉妹都市関係にある福建省に14年間居たからだと。丹羽さん自身は、習近平は比較的親日的でフェアな人物という印象を持っているという。

現在は権力闘争が続いているが、5年後は習近平体制が確立し、そのための準備を着々と行っている。たとえば、前政権の中央政治局常務委員の一人だった周永康とその関係者350人を汚職容疑で拘束した

着々と反対派を排して、習近平体制を作りあげている。

次がこの本に紹介されている習近平体制の顔ぶれだ。

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出典:本書41ページ

次のリーダーとして有望なのは、汪洋、孫政才、胡春華という50代の3人だという。それぞれ地方の書記を経験している。

チャイナセブンと呼ばれる、トップの中のトップの常務委員の中では、国際は金融のプロである王岐山が注目だという。

また常務委員でもないのに、国家副主席になっている李源潮も次期国家主席とも目される実力者だと。

習近平体制では、日本の小沢一郎のもとでホームステイした経験を持つNo.2の李克強国務院総理をはじめ、汪洋、孫政才、胡春華、李源潮は知日派で、じつはきわめて親日体制なのだと。

習近平体制を考えるときは、そうした視点を見落としてはならないと丹羽さんは語る。


行動する中国大使

丹羽さんは、中国大使としての在任期間中に、33ある一級行政区のうち27地区を訪問し、その時々で日本の経済人を同行して経済と友好の両方を推進したという。また伊藤忠の社長時代には、北京市、江蘇省、吉林省などの経済顧問を歴任したという。

次が丹羽さんが訪問した27の行政区の地図だ。

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出典:本書88−89ページ


丹羽さんは民主党政権の目玉の民間大使として就任した。日中友好を深めるイベントを多く開催したことや、経済面での行動力はさすがだと思う。


評判を落とした尖閣国有化の時の丹羽発言

石原都知事が尖閣列島を東京都で買い上げることを発表したことをきっかけに、民主党政権はすぐに尖閣列島の国有化を宣言した。その時、日中関係を悪化させるので、国有化を急ぐなと注文を出したのが丹羽大使だった

当時は丹羽大使の発言は、日本政府の公式方針に沿っていないとして批判された。しかし、この本では、「領土は1ミリも譲歩できない」とあらためて持論を展開し、あの時は国有化のタイミングを考え直すべきだと発言したものだと釈明している。

このあたりが、アマゾンのカスタマーレビューで☆一つのレビューが多くある原因だろう。言い訳本だと。

「棚上げ合意」はあったのか、という点については「棚上げ合意」は無かったと結論づけている一方で、尖閣問題は「フリーズ」すべきだと語る。

現在もなお外務省のホームページの「尖閣諸島に関するQ&A」には日中国交回復前後の「棚上げ論」が公開されている。

公式な「棚上げ合意」はもちろん無かったが、外務省がホームページで公表している周恩来や小平の意見を踏まえて、尖閣列島付近の日本企業の資源開発に待ったを掛けてきたのは日本政府であり、事実上「棚上げ」を黙認していた事実がある。

それが素人外交の民主党に代わり、石原元都知事のペースにはまって、性急に国有化を宣言したことから現在の尖閣での緊張は始まっている。

丹羽さんの本心としては、「おいおい、棚上げしたはずじゃなかったの?寝た子を起こすなよ」という趣旨だったのだろう。

元中国大使なだけに、丹羽さんもいまさら政府の方針と異なることは言えないので、この本では「棚上げ」ではなく、「フリーズ」と言っている。


商社マンの大先輩なだけに、プロの外交官とは違った中国との交流拡大を実践した功績は高く評価したいが、外交という意味では無力で、かつ最後は使い捨てされたと言わざるを得ない。田中真紀子が小泉内閣の外務大臣に就任した時に、「外務省は伏魔殿」と評したことが、思い出される。

シャドーバンキングについて、「私の試算では…GDPの16%、シャドーバンキングで中国の経済が崩壊することはないだろう」とか、データで見る限り中国は人口減少時代には入らないとか、中国の将来を危ぶむ声が多いなかで、中国を再評価する冷静な発言は参考になる。

また、重慶とドイツを結ぶ国際貨物列車の登場により、チャイナランドブリッジで約10数日で運べるようになったというのも参考になった。

民間人として初めての中国大使としての経験談は興味深く、経済や政治面での分析についても参考になる本である。


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2014年08月13日

再掲  「零の遺伝子」 国産ステルス戦闘機 試験飛行決定

2014年8月13日再掲:

夏休みや冬休みが終わりに近くになると、このブログのランキングは上がる。
休み中の課題図書となっている本の感想文を書くために、小中学生がこのブログを参考にしているのだと思う。

「助かりました」という感謝のコメントをもらうこともある。小中学生はあらすじを読んだら、律儀に文末の「このブログに投票する」をクリックしてくれるから、ランキングが上がるのだろう。

現在のこのブログの人気記事ランキングは次の様になっている。

1.「海賊と呼ばれた男」 百田尚樹

2.「ホームレス中学生」 田村裕

3.「零の遺伝子」 春原剛

4.「日本男児」 長友佑都

5.「心を整える。」 長谷部誠

たぶん3.を除いて、他は課題図書になっているのだと思う。

3.は、このブログの人気記事のランキングにずっと入っている。たぶんあまり他のブログ等で紹介されていないからなのだろう。

その国産ステルス戦闘機開発に関して、新しいニュースがあった。開発者の三菱重工がステルス戦闘機「心神」の試作機の初飛行を2015年1月に行うと報じられたのだ。

国産ステルス機配備計画は、エンジン調達など、まだまだ課題があるが、予定通り進められているようだ。

来年1月の初飛行を期待して、「零の遺伝子」のあらすじを再掲する。


2012年11月22日初掲:
零の遺伝子: 21世紀の「日の丸戦闘機」と日本の国防 (新潮文庫)零の遺伝子: 21世紀の「日の丸戦闘機」と日本の国防 (新潮文庫)
著者:春原 剛
新潮社(2012-07-28)
販売元:Amazon.co.jp

日経新聞編集委員の春原 剛(すのはら つよし)さんの本。春原さんは先日の日経・CSISシンポジウムでアーミテージ・ナイ鼎談の進行役を務めていた。

1990年代の次期支援戦闘機FSX商戦では、自主開発を求める自衛隊の制服組や三菱重工業などの産業界を、米国との外交関係を重視した日本政府が押し切り、F16をベースとした共同開発に決着した経緯がある。

たそがれゆく日米同盟―ニッポンFSXを撃て (新潮文庫)たそがれゆく日米同盟―ニッポンFSXを撃て (新潮文庫)
著者:手嶋 龍一
新潮社(2006-06)
販売元:Amazon.co.jp




これにより、日本の開発したアクティブ・フェーズド・アレイ・レーダー技術と炭素複合材を使った軽量主要成型技術が米国に召し上げられ、生産分担分も米国に持って行かれるという結果となり、日本の航空エンジニアは2重の屈辱を味わった。

FSXをトラウマとして抱える防衛省・自衛隊の関係者は、いつしか日本の独自開発で戦闘機を作る夢を持ち続けた。それが現在も開発が進められている先進技術実証機ATD−X、コードネーム「心神(しんしん)」と呼ばれる国産ステルス戦闘機で、これを支援したのが「防衛庁の天皇」と呼ばれ、事務次官を異例の4年も続けた守屋事務次官だった。


守屋次官の政治力

山田洋行の過剰接待を受けた収賄罪で起訴され、現在は懲役刑で服役している「防衛庁の天皇」と言われた守屋武昌次官は、かつて「日米キャデラック・カローラ論」を掲げていたという。第5世代戦闘機としてはF22がキャデラックであり、カローラに相当するのが、日本の「心神」である。

実際、F22が推力15トンのF119エンジン2基を搭載するのに対して、推力5トンのIHI製のXF5エンジンを2基使った「心神」はたしかにカローラのようなコンパクト機となる。日本にも推力10トン以上の自主開発エンジンの計画があるが、費用は1兆円を超えるので、なかなか踏み切れないのだ。

セロ戦もライバルF6Fヘルキャットのエンジンが2,000馬力超に対し、当初の栄エンジンは1,000馬力以下だった。非力なエンジンを使ったので、軽量で敏捷な戦闘機ができたことから、この本ではセロ戦と「心神」の類似性をタイトルに使っている。

ちなみに、このブログで守屋さんの「普天間交渉秘録」のあらすじを紹介しているので、興味ある方は参照してほしい。淡々と事実を説明しており、わかりやすい本だった。

守屋次官は、小泉純一郎首相に気に入られていたので、米軍再編問題で外務省が打ち出していた「スモール・パッケージ」(横田基地の米軍司令部のグアム移転だけ受け入れて、米陸軍第1軍司令部の座間移転は拒否する)に対抗して、米軍のグローバル再編に協力する「トータル・パッケージ」として小泉首相に説明し、「トータル・パッケージはおもしろいじゃないか」という言葉を引き出すことに成功する。

「トータル・パッケージ」とは、1.米海軍厚木基地の艦載機部隊を海兵隊岩国基地へ移転、2.普天間飛行場の移転、3.相模補給廠や牧港補給地区など使用頻度の低い遊休施設の返還などを含んだ防衛省の独自プランだ。

2004年9月の小泉・ブッシュ会談のために、小泉首相は守屋次官に発言要旨メモをまとめるよう指示し、ここで日米交渉の主導権は外務省から防衛省に移った。


「機体はつくるな」という指令

防衛庁幹部には、米国の印象を悪くするような「新・国産戦闘機プロジェクト」を声高に進めるのは賢明でないという考えがあったので、「心神」開発は「高運動飛行制御システム」という名目で始められた。2004年前後に130億円の予算を確保したが、「機体はつくるな」とクギを刺されていたという。

そこで防衛省の技術開発本部は「心神」の実物大のモックアップ模型をつくって、フランスの仏国防整備庁の設備でステルス性能を試した。このことはYouTubeの次の映像で報じられている。




もともとF22が欲しかった防衛庁

防衛庁は国産開発の「心神」をもとから欲しかったわけではない。第5世代戦闘機のトップに位置する米軍のF22が導入希望のトップだった。F22のステルス性能は、自動車ぐらいの大きさのものが、レーダーではゴルフボールくらいにしか映らないという驚異的なものだ。

フランスでの「心神」のステルス性能テスト結果は、上記のビデオでは「中型の鳥よりは小さいが、虫よりは大きい」と防衛庁幹部が語っている。「せいぜいサッカーボールぐらい」だったという。



現代の戦闘機は戦闘機だけで行動するわけではない。強力なレーダーを持つ早期警戒機や地上・海上のレーダーと一体化した高速データリンクの中で、敵を攻撃する役割が与えられている。だから敵の「脳」ともいえる早期警戒機を撃墜できる能力があり、また「敵地深くに入り込み、爆撃する能力」を持つステルス戦闘爆撃機は、「核にも匹敵する戦略兵器」と言われるのだ。

F22は燃料を大量に消費するアフターバーナーを使わず超音速飛行ができるので航続距離も長く、グアム島から北朝鮮に侵入して、電撃爆撃し、北朝鮮軍機とドッグファイトをしてグアム島に帰還することが可能という。航空自衛隊のF15だと、日本から北朝鮮の往復飛行がやっとで、ドッグファイトすると「片道切符」になるという。

F15があれば、F22は要らない」と言っていた航空自衛隊は、2007年に沖縄で行われた航空自衛隊のF15対米軍F22の共同訓練で、双方が早期警戒機を導入していたにもかかわらず、完全に「お手上げ」の状態だったことから、F22導入希望に変わったという。

これに先立ち2004年に行われたインドと米軍の合同軍事演習で、F15がSU30に惨敗したという情報を自衛隊は得ていた。この時は、早期警戒機なしのデータリンク抜き、自動追尾ミサイルなしのドッグファイトだった。

次のビデオを見れば、SU30の驚異的な運動性能がわかると思う。まるで風に舞う木の葉のようだ。



2009年5月に自民党の新・国防族を代表する浜田靖一防衛大臣は、ワシントンを訪問して当時のゲーツ国防長官と面談した時に、次期主力戦闘機にF22を有力候補として位置付けていることを強調した。しかし、ゲーツ長官はF35を「良い戦闘機」だと勧める発言をした。




F22は打ち切り、F35は大増産

F22は1983年にコンセプトをつくり、2005年に実戦配備が始まった。ところがあまりにカネがかかり、しかも飛ぶごとに毎回お化粧直しが必要ということもあり、メインテナンスもバカにならない。

このため米国では183機で生産中止が決まっている。米国議会の輸出禁止決議もあり、日本がF22を購入することは不可能となった。

一方F35は、同じ生産ラインから空軍仕様、海軍仕様、海兵隊のSTOVL仕様が一括生産でき、米空軍1,800機、米海軍400機、米海兵隊600機、英国空軍150機に加え、NATO諸国、イスラエルも導入し、日本も2011年末にF35を導入決定した戦闘機のベストセラーだ。

F22,F35と並ぶ第5世代戦闘機としては、ロシアのPAK FAと呼ばれるSU50や中国の殲20がある。






第6世代戦闘機

米軍の中では、第6世代戦闘機は、いよいよ無人機になると言われている。映画「ステルス」もAIを搭載した無人機が、隊長を自らの意思で救出するというストーリーだ。同じようなことが次世代の戦闘機では起こる可能性があるという。



次世代戦闘機の特性は"morphing”(変形)というコンセプトだという。なにやら映画「ターミネーター2」のT−1000のような印象があるが、「しなり」に近いものを機体に持たせるものとみられているという。



ちなみに航空自衛隊は、早くから無人飛行機の研究を続けており、F104の無人機を10機以上生産した。

パイロット訓練用の逃げ回るターゲットとして考えられていたが、運輸省との論争で航路が限定されたため、すぐに撃ち落とされるようになり、結局岐阜県の航空自衛隊第2補給処に死蔵されているという。


F35は空軍、海軍、海兵隊が同じ戦闘機を使う初めてのケースで、その意味ではいままで米軍戦闘機が抱えていたインターオペラビリティの問題を抜本的に解決した戦闘機である。(いままでの米軍の戦闘機はF15、F−16は空軍だけ、F14、F−18は海軍だけ、ハリヤーは主に海兵隊が使っており、ミサイル、弾薬、燃料、潤滑油、レーダー、タイヤに至るまで装備品の仕様が異なっていた)。

平和の配当で、どの国も防衛予算を削減している流れのなかで、F35は世界各国が参加した文字通りの"Joint Strike Force"といえる共同開発機種である。

日本もライセンス生産という形で、その開発に加わることになるので、いまさら日本独自で「心神」戦闘機を開発するということになるとは考えにくい。それゆえ「心神」はせいぜい試作機にとどまるのではないかと思うが、今後の動きに注目したい。

問題点がよく整理された本である。もともと2009年に単行本として出版され、2012年に文庫化された。春原さんの本をいろいろ読んでみて、この本が一番よくまとまっていると思う。


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2014年08月10日

ボルドー・バブル崩壊 しかし価格はまた高止まり



読売新聞記者としてヨミウリ・オンラインのワイン欄を担当。2014年に独立したワイン・ジャーナリスト山本昭彦さんの本。

山本さんはワイン・レポートというブログで多くのワインに関する記事を公開してするほか、ヴィノテークワイン王国など専門誌に寄稿。アカデミー・デュ・ヴァン講師。シャンパーニュ騎士団オフィシエ・ドヌール。ボルドーのボンタン騎士にも叙任されている。ロック評論も専門誌に寄稿しているという、多芸の人だ。

ボルドーは世界最高クラスのワインを生産する。次は代表的なボルドーのトップクラスのワインだ。これらがワインバブルの投機対象となっている。

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出典:本書34ページ

ボルドーの主要なワイン産地の地図は次の通りだ。

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出典:本書56ページ

ボルドーのワインには「プリムール」という先物取引のシステムがある。生産者は毎年春、収穫から半年足らずのワインを試飲させて、熟成した時の品質を予想させ、収穫から3年先の納期で売りさばく。

定価はなく、ワインの出来や景気を考慮した上で、需要と供給のバランスによって売り出し価格を決める。このプリムール価格が2005年に暴騰したのだ。

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出典:本書22ページ

それまでもフランスが熱波に襲われ、13,000人もの死者が出た2003年に収穫量が激減し、価格が急上昇した。しかし、2004年は平凡な年だったので、価格は下がった。

ところが2005年は、世界的ワイン評論家ロバート・パーカーが「過去28年間に試飲したどれとも違う例外的なヴィンテージ」と高く評価したことから、人気が急上昇した。

続く2006年、2007年は平均的な年だったので、過去の例からいけば価格は大きく下がるはずだったのが、2006年は逆に値上がりした銘柄もあった。2007年に若干下がったが、それでも2004年の4倍以上の価格だった。

この価格急騰の原因は、ロシア、中国、香港という新しいバイヤーがプリムール商戦に参入してきたからだ。

シャトー側も需要の変化に目ざとく気づき、たとえばMBAホルダーの社長が率いるシャトー・ラトゥールは、普通だと生産量の8〜9割を売るプリムールでの販売量を絞り込み、生産量の半分も売っていない。先高と予想しているのだ。ちなみにラトゥールは2012年からプリムール販売をやめた。

ワイン銘柄偽装も横行しだした。1級シャトーのいい年のワインの瓶に、同じ会社のセカンドワインや、悪い年の1級ワインを詰めるのはむしろ「良心的?」なほうで、ひどいものは全然違うワインを瓶だけ詰め替えている例もあるという。

古いワインは状態を保つために、リコルキングと言ってコルクを詰め替える作業をする。その時に、中身をすり替えるのだ。

オークションで売っているワインにはニセモノが多いと、山本さんは注意を喚起している。


リーマン・ショックで2008年ものはバブル崩壊 しかし翌年は急騰

2007年からの世界金融危機、2008年9月のリーマン・ショックでワインバブルは一時的に崩壊した。2008年の売出価格は2007年のほぼ半分の100ユーロ近辺にまで下がった。

しかし、2009年と2010年が2年続けて偉大な出来だったので、また価格は上昇し、2010年に過去最高値をつけた。その後は平凡な年が続いたので、2011年、2012年と価格は下がっている。

2012 primur













出典:43navi.com

2013年は天候のせいで生産量が大きくダウンしたため、平凡な出来にもかかわらず価格は小幅ダウンのみだ。

Bordoverviewというサイトで、ボルドーの全主要銘柄の生産年ごとのプリムール価格がわかるので、参照してほしい。

最後にボルドーワイン業界の有名人8人と、飲まずに死ねない10大シャトーを紹介している。そのリストは次の通りだ。

有名人8人

1.シャトー・コス・デストゥルネル支配人 : ジャン・ギョーム・プラッツ(現在はLVMHのワイン部門社長)

2.シャトー・ラトゥール社長 : フレデリック・アンジェラ

3.シャトー・シュヴァル・ブラン、シャトー・ディケム支配人: ピエール・リュルトン

4.シャトー・ムートン・ロートシルト醸造責任者: フィリップ・ダルーアン

5.醸造コンサルタント: ジャック・ボワノス

6.シグナチャー・セレクションズ代表: ジェフリー・デイヴィス

7.ワイン評論家: ロバート・パーカー

8.シャトー・ペトリュス当主: クリスチャン・ムエックス

飲まずに死ねない10大シャトー

1.シャトー・ラトゥール 2006年

送料無料!シャトー・ラトゥール 2006年750ml Chateau Latour【2006】【楽ギフ_包装】【楽ギフ_のし】
送料無料!シャトー・ラトゥール 2006年750ml Chateau Latour【2006】【楽ギフ_包装】【楽ギフ_のし】

2.シャトー・ペトリュス 2006年

送料無料 シャトー・ペトリュス 2010年【2010】 Chateau PetrusPP98-100点 750ml【楽ギフ_包装】【楽ギフ_のし】
送料無料 シャトー・ペトリュス 2010年【2010】 Chateau PetrusPP98-100点 750ml【楽ギフ_包装】【楽ギフ_のし】

山本さんがペトリュスを訪問した時の話が載っている。高級ワインのいわば標準装備である温度調節の可能なステンレスの発酵タンクがなく、小さな建物の中にセメントで固めた発酵槽が10個あるだけだったという。そんな設備で世界最高級のワインが生産できるとは!

3.シャトー・オーゾンヌ 2006年

【初出し特価】シャトー・オーゾンヌ[2006](赤ワイン)[J]
【初出し特価】シャトー・オーゾンヌ[2006](赤ワイン)[J]

4.シャトー・ディケム 2004年

シャトー・ディケム[2004]年・・ソーテルヌ・プルミエ・グラン・クリュ・クラッセ・ソーテルヌ格付・特別第一級Chateau d'Yquem [2004] AOC Sauternes Grand Premiers Cru(Premier Grand Cru Classe en 1855)
シャトー・ディケム[2004]年・・ソーテルヌ・プルミエ・グラン・クリュ・クラッセ・ソーテルヌ格付・特別第一級Chateau d'Yquem [2004] AOC Sauternes Grand Premiers Cru(Premier Grand Cru Classe en 1855)

5.ラ・モンドット 2006年

《PP97点》 ラ・モンドット[2006]【楽ギフ_包装】
《PP97点》 ラ・モンドット[2006]【楽ギフ_包装】

6.シャトー・マルゴー 2006年

シャトー・マルゴー[2005](赤ワイン)[Y][J]
シャトー・マルゴー[2005](赤ワイン)[Y][J]

7.シャトー・ムートン・ロートシルト 2006年

シャトー・ムートン・ロートシルト[2005](赤ワイン)[J]
シャトー・ムートン・ロートシルト[2005](赤ワイン)[J]

8.
シャトー・ラフィット・ロートシルト2006年

シャトー・ラフィット・ロートシルト[2006](赤ワイン)[J]
シャトー・ラフィット・ロートシルト[2006](赤ワイン)[J] 

9.シャトー・オー・ブリオン 2006年

シャトー・オー・ブリオン(赤) 2004 (750ml)
シャトー・オー・ブリオン(赤) 2004 (750ml)

10.シャトー・シュヴァル・ブラン 2006年

【送料・クール代無料】◆シャトー・シュヴァル・ブラン [2008]
【送料・クール代無料】◆シャトー・シュヴァル・ブラン [2008]

ボルドーワインの値上がりは激しい。筆者は1級シャトーではラトゥール、ムートンとラフィット・ロートシルトは飲んだことがあるが、それは30年くらい昔の話だ。当時は店で買っても1〜2万円程度で買えた。

今の様に10万円程度に価格が上がっては、「死ぬまでに飲みたい」という気には到底ならない。むしろ1級格付け以外の値段が安くて、いいワインを見つけることの方がやるべきことだろう。また、ボルドーワインだけがワインではない。他の国やフランスの他の地方にもいいワインはいくらでもある。

筆者がピッツバーグに駐在していた時に、もう20年近く前になるが、シニア・ゴルフ・トーナメントがピッツバーグで開催され、有名なシニア・プロゴルファーの某氏がピッツバーグに来た。

筆者はその場に居合わせなかったが、ピッツバーグにある日本人経営の唯一の日本食レストランで、彼が取り巻きと食事して、「俺は20万円以下のワインは飲まないんだ」と豪語していたという話を他の駐在員から聞いた。(そのレストランには20万円以上のワインは置いていない。ペンシルベニアはワインは州営のリカーショップでしか買えないので、もともとそんな高いワインは買いたくても州内では買えないのだ)

そういう成金趣味の人が、高いワインほど良いと思って高い金でも買うから、ワインバブルは収まらない。

俳優の内田朝陽君のお父さんで、ソムリエでレストラン経営者の内田さんは、ボルドーの1級シャトーやロマネコンティなどのDRCのワインは高くて、ずっと買っていないと言っていた。

下がってきたとはいえ、本当にワイン好きの人には、ボルドーの超高値の1級シャトーワインは値段に見合う価値はない状態が続いている。

ワインバブルはまだまだ自壊していない。みんなが高い金を出して買わないことで、値段がリーズナブルな水準になってくるのを待つしかないだろう。

そんなことを考えさせられた本である。


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Posted by yaori at 22:21Comments(0)TrackBack(0)

2014年08月02日

ビジネス書の9割はゴーストライター ありうる話だ



通信社勤務のあと、出版社で編集者として働き、38歳でフリージャーナリストとして独立し、自分の著作のほかに年間数冊のゴーストライティングを引き受ける吉田典史(のりふみ)さんの本。

吉田さんは、「震災死」などのルポもののほか、「年収1000万円!稼ぐ「ライター」の仕事術」といった自分の名前での著作のほか、有名経営者や経営コンサルタント、タレントやスポーツ選手などの多くの「著書」をゴーストライターとして書いてきたという。





アメリカではライターズギルドのような書き手の権利を守る協会があり、ライターがちゃんと本に共著者として登場する。

日本では、「構成」や「編集協力」として名前が紹介されればよい方で、まったくライターの名前が本に出てこない場合が多い。また、実際には著者が書いたのではなく、「談」とすべきところを、著者が書いたような体裁の本も多い。


ビジネス書の9割はゴーストライター作?

9割が正しいのかどうかわからないが、特に経営者の書く本など、多くのビジネス書はライターの助けを借りていることは間違いないと思う。

たぶん、いい例が、超多作の中谷彰宏さんだろう。中谷さんは920冊の本を出したという。年間百回前後の講演をこなしながら、そんな数の本を自分で書くのは不可能だ。

中谷さんは元コピーライターだから、自分でも書けるのだろうが、大まかな構成を自分で決め、最初のおきまりの「この本は次の3人のために書きました」を自分で書いて、他は生産性を上げるためにライターを使っているのだと思う。

中谷彰宏という名前で本は売れる。自分ですべて書いたら、20年間で、たぶん100冊前後が限界なのではないか。それよりは、中谷さんの監修のもとにライターに書かせる方が、より多くのテーマについて書くことができるので、読者にとっても悪くないと思う。

有名な著者は、自分でもそれなりに書けるのだろうが、しろうとの経営者とかスポーツ選手に、いきなり本をかけてと言っても無理がある。

本に書いてあることは、1回読めば意味がすんなり分かることが必要である。それを吉田さんは「商業用日本語」と呼んでいる。素人の文章は、「商業用日本語」にはなっていない。そこで出版社が使うのがゴーストライターだ。

ゴーストライティングが一般的になっていることを示すエピソードを紹介している。

吉田さんが編集者だった時、担当していた冊子の巻頭エッセーをサラリーマンもので有名な漫画家(フジ三太郎のサトウサンペイか?)に依頼した。

その漫画家は、「事務所に取材に来て、自分が語った内容を、自分が書いたような記事にして欲しい。他の出版社ではいつもそのスタイルでやっている」と言ったという。吉田さんは、自分で書かないのに、書いたような作品を載せることは、本物の作家や読者に申し訳ないように感じたという。


ゴーストライターを使う理由

出版不況の日本では、そこそこ売れるビジネス書を数多くだすことが出版社が利益を上げる道だ。それも初版でとどまらず、増刷ができる本を出さないと収益は上がらない。

小説家は当然のことながら、自分で小説を書かなければならないし、年間に書ける小説の数は限られる。しかも、売れる小説家はほんの一握りしかいないし、売れる小説家でもすべての作品が売れるわけではない。

このブログで紹介している大沢在昌さんの「売れる作家の全技術」でも、大沢さんは「新宿鮫」がヒットするまで、11年間全く本が売れず、「永久初版作家」と言われていたと語っている。

小説講座 売れる作家の全技術 デビューだけで満足してはいけない
大沢 在昌
角川書店(角川グループパブリッシング)
2012-08-01


しかし、ビジネス書であれば、たとえば会社社長というカテゴリーであれば、日本に会社は420万社以上あるのだから、社長は420万人はいる。会社経営者ということであれば、社長に限定する必要はないし、会社の宣伝のために、本を出したい経営者も多い。

他にコンサルタント、学者、評論家、タレント、スポーツ選手など、著者候補はいくらでもいるし、ゴーストライターをつければ、いくらでも大量生産可能だ。

著者の名前で本は売れる。出版社にとっては、「集客力のある著者」を確保することが何よりも大事なのだ。

そして、「数打てば当たる」戦法で、多くの本を出す。だから、ほとんどの本は初版でとどまり、増刷になる本は2割以下だという。

ゴーストライターを使うもう一つの理由は、出版社の編集者の書く能力が不足しているためだ。

出版社の編集者は年に15〜20本くらいの本を出すのがノルマだ。著者やゴーストライターとの調整で時間を取られ、編集者が自分で書いたり校正したりする力は落ちている。

吉田さんが知っている200人ほどの編集者のうち、朝日新聞社などで15年程度記事を書いてきた中堅記者と対抗できる編集者はほとんどいないという。

就職予備校の就職模擬試験のデータでは、朝日新聞の偏差値が80以上、読売・毎日新聞が75程度、出版社でも難易度が高い講談社や小学館の偏差値が50程度だという。それ以下の出版社は推して知るべしだ。厳然としたヒエラルキーがあるのだ。

編集者が本格的に書いたことがないから、ゴーストライターという仕事が浸透しやすいのだと吉田さんは語る。

ちなみにマスコミの採用試験の過去問は公開されている。ここをクリックして朝日新聞の2014年春の問題を参考までに見て欲しい。なるほど、これはきちんと新聞を読んでいないと難しい。


ゴーストライターのやり方

ゴーストライターは、まず著者に2時間づつ、5回、合計10時間のインタビューをする。そしてその著者のブログや書いたものを読み込んで、インタビューからストーリーをつくりあげて再構成し、1冊の本に仕立てる。200ページ程度の本で、短くて1か月、長くて半年を超えることもあるという。

しかし、なかなかインタビューに10時間とってくれる著者はおらず、ひどいときはインタビュー2時間のみで、本を書かなければならないこともあったという。


ライターもピンキリ

ライターの企画力、取材交渉力、取材力、執筆力、編集力は低い。ライター150人のうち、120〜130人は素人と大差なく、全国紙のキャリア15年くらいの中堅記者に対抗できるのはせいぜい3人くらいだろうと。

それもあって、ライターの年収は低い。吉田さんの場合、多いときは一冊200〜300万円ということもあったが、これは何度も増刷された本の場合で、大半は100万円以下だった。

初版のみで終わる場合は、50万円から70万円というところだ。50万円以下で引き受けたケースはトラブルが多かったので、避けた方が良いという。

一般のライターは年収400万円以下、200〜300万円の人が多く、コンスタントに毎年600万円を10年間にわたって稼げるライターはせいぜい数パーセントだという。到底家族を養うだけ稼げないので、主婦ライターも多いという。

ゴーストライターが読むべき本

この本はところどころにQ&Aを載せていて、その中の一つでゴーストライターについて書いている本を紹介している。1991年に宝島社から発行されたソフトカバーの「ライターの事情」と、1995年にに出版された「ライターになる ー ライター養成実践マニュアル」だ。






どちらも絶版だが、面白そうなのでアマゾンで中古品を買ってみた。後日内容を紹介する。

9割がゴーストライターによるものかどうかわからないが、半分以上はゴーストライターによるものなのだろう。ゴーストライティングを請け負う人が書いたものだけに、赤裸々に実態をあきらかにしている。


出版界の暴露本だから、編集者から協力を得られなかったようで、本の構成はイマイチだが、唯一無二の内容ではある。

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Posted by yaori at 21:47Comments(1)TrackBack(0)