2014年09月13日

深読みサッカー論 ブラジルワールドカップ前の対談

深読みサッカー論 (日経プレミアシリーズ)
山本 昌邦
日本経済新聞出版社
2014-04-09


ブラジルワールドカップ直前に出された元オリンピック代表監督の山本昌邦さんと日経新聞編集委員の武智幸徳さんの対談。

実は日経新聞の企画で、この二人がブラジルワールドカップ直後に町田で対談したので、その対談を聞いてから、この本を読んでみた。

筆者は湘南高校でサッカーをやっていたので、興味深く読めた(ボールセンスがないので、サッカーは2年であきらめ、3年生からは受験勉強に専念したが)。

日本人初のブンデスリーガーとして活躍した奥寺康彦さんは、筆者が湘南高校1年の時の相模工業大学付属高校(今の湘南工科大学付属高校)3年生で、湘南高校サッカー部は関東大会県予選決勝まで行って、奥寺さんを擁する相工大付属に3:1で負けた。

奥寺さんはその後、古河電工を経て、ドイツのIFCケルン、ヘルタベルリン、ヴェルダー・ブレーメンと合計10年間ドイツで活躍した。

山本昌邦さんは、年次で言うと筆者の4年後輩だが、同じ年代なので、対談もこの本も楽しめた。

ブラジルワールドカップではドイツが優勝した。



2014年4月に出たこの本では、決勝戦ではブラジルとアルゼンチンの南米対決を、その可能性は高いとして予想していながらも、ドイツをヨーロッパ勢の中では最も期待できると評価している。

一人一人がメンタル的にも強く、タフな環境にも強い。流れを変えられる選手が何人もいるし、何よりもチームが成熟しているから隙がないし、交代のカードがことごとくいい仕事をしていると山本さんは評している。

「ここというときの75分から90分が非常に強い。おそらく決勝トーナメントに進んで延長戦になったら、ますます力を発揮すると思います。

勝負所で強いというのは、交代のカードで入ってきた選手が、みんなものすごく仕事をするからなんですね。疲れた相手の弱いところをどんどん突くし、自分たちがちょっと苦しくなったときに、疲れた仲間をしっかりカバーできる。そういう力があります。」

まさに山本さんの予言的中だ。

参考になったのは、チェルシーのジョゼ・モウリーニョ監督の話だ。

もともとボビー・ロブソン監督の通訳としてポルトガルのスポルティング・リスボン、ポルトで働いていたが、監督として大成し、いまはチェルシーの監督だ。

モウリーニョは試合の展開を読み切って作戦を立てるという。

ある想定練習をしていると、それに異論を唱えたプレーヤーに「いや、俺たちがリードしていると、あの選手はこの時間帯に必ずピッチに送り込まれてくる。これは、俺たちが勝っている状況での、残りの15分のシナリオなんだ」と説明するのだと。

それで翌日の試合ではモウリーニョが言った通りに、その選手が想定したとおりのポジションで出てくる。

それでモウリーニョの選手たちは、「おおっー」、「うちのボスは何でもお見通しだ!」となる。

中田英寿も、個別の局面についての視点が優れているという。

山本さんは、海外のメディアの試合前の監督インタビューでの、援護射撃について語っている。

海外メディアは、自国の選手を持ち上げて、強い印象を相手チームに植付けようと、「あの選手はヘディングが強いが、どう守るつもりだ」みたいに、監督に単刀直入に聞いて、自国チームの援護射撃をするのだと。

日本のメディアにも、チームと一緒に戦って欲しいと注文を付けている。

日本には高校サッカー、大学サッカーという学生を育てるという意味では、世界でもダントツのクオリティの育成の仕組みと組織があると、山本さんは語る。

トルシエもジーコもオシムも全国高校サッカー選手権を見て、驚いていたという。

あとがきで、武智さんは山本さんの懸念を紹介している。

「強気な山本氏が不安視する数少ない要素に「監督力」がある。山本氏の目には、日本代表を率いるアルベルト・ザッケローニ監督のチーム運営はどちらかというと「信頼」をベースにしたクラブの監督っぽく映るようだ。

プロ野球の日本シリーズで勝てる監督は、1、2戦までに使える選手と使えない選手の峻別をやってのけるというが、短期決戦のワールドカップも時に監督には果断が求められる。

サッケローニ監督は「勝負師」になれるかどうか。そこは私も注目したいところである。」

まさにこの不安が的中した。試合中のメンバー交代やポジションチェンジのちぐはぐな指令。だから負けたというわけではないが、結局交代のカードを切って試合の流れを変えるとか、最後の15分に集中するとかいった戦いかたができなかったことは事実だ。

予定通り後半30分だけにドログバを投入して、日本を逆転したコートジボアールの戦いかたは見事だった。(YouTubeには日本語解説のものは見つからないので、解説はロシア語か東欧系の言葉ではないかと思う。たぶん著作権の関係だろう)



ギリシャ戦では一人少ない相手に対して、攻めあぐねた。



コロンビア戦では、守りの弱さを修正できなかった。



町田での講演では、山本さんはブラジルの試合会場のコンディション(たとえばレシフェは気温30度以上で、雨が多く、湿度80%!)にもふれており、スペインなども含め、涼しいところでキャンプしていた国は大体敗退したと言っていた。

またサブ組は、ワールドカップ期間中、トレーニングマッチの準備がなく、準備不十分だったと。

コートジボアールとの試合でも、日本選手で試合中に10キロ以上走った選手は5人しかいなかった。タックル成功率も60:40で負けていた。メンタル面も含め、コンディショニングに失敗したのだ。

Jリーグで優勝したサンフレッチェ広島のように、球際に強く、シュートブロックやタックル成功率が高いチームが勝ち残った。特にアルゼンチンのマスチェラーノのタックル成功率は驚異的だったと語っていた。


悪い予感が当たったという結果となった日本のワールドカップでの戦いだった。

いまさら読もうという気にならないかもしれないが、読んでみれば楽しく読めて参考になる本である。


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2014年09月06日

村上海賊の娘 マンガか

村上海賊の娘 上巻
和田 竜
新潮社
2013-10-22


週刊新潮に約2年間にわったって連載された小説。人気のある本なので読んでみた。

著者の和田竜(りょう)さんは、「のぼうの城」で小説家デビューしている。




「のぼうの城」は映画化され、和田竜さんが脚本を書いている。戦国時代、秀吉に攻められる小田原北条氏の傘下の城の攻防戦を取り上げた物語だ。



この「村上海賊の娘」は上下1,000ページ弱の本で、上巻は陸戦、下巻は海戦の場面が続き、それぞれ数日かかるが、一気に読める。

驚かされるのは、そこここに資料を引用して、あたかもノンフィクションのようなテイストを与えていることだ。

この種の歴史小説としてはすごい量の参考文献が巻末に紹介されている。こんな具合だ:

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出典:本書下巻巻末

小説のあらすじはいつも通り詳しく紹介しない。戦国時代、天下統一を目指す織田信長は、浄土真宗の総本山で大阪で絶大な権力を握る大坂本願寺(石山本願寺)を攻め、本願寺を包囲し、兵糧攻めを行った

大坂本願寺は諸国の大名に支援を求め、毛利氏がこれに応じ、10万石もの大量のコメを送った。このコメの輸送を担当したのが、毛利氏に味方した村上水軍だった。

織田信長は、毛利・村上水軍に対抗するため、真鍋氏を中心とする水軍で迎え撃った。これがこの本が描く第一次木津川口の戦いだ。

村上水軍の娘、村上景(きょう)は、この第一次木津川口の戦いで活躍する。

ちなみに、信長の秘密兵器としてよく知られている鉄甲船が登場するのは、この2年後の第二次木津川口の戦いで、この本には鉄甲船は登場しない。その後、大坂本願寺は火災で焼失し、そのあとに秀吉が築城したのが大阪城だ。

まるでマンガ、あるいはアクション映画、というストーリーだ。

敵でも味方でも、中心人物はどれだけ敵が多くて、矢や鉄砲を浴びても、何十人もの敵を切り倒して生き延びる。

敵(かたき)役は敵役で、死んだように見えても必ず復活する。

戦闘の場面は息も尽かさぬ展開ではあるが、食事や恋愛、操船や剣術の訓練など、普通の生活の場面の描写がほとんどないことが、マンガか?という平板な印象を与えている。

ともあれ、速い展開で、一気に読めるエンターテインメント作品である。


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2014年09月04日

法務大臣就任おめでとう がんばれ 松島みどり!

このブログで何度か応援メッセージを送ってきた筆者の友人の松島みどり衆議院議員が法務大臣に就任した。

1995年に朝日新聞の記者を辞め、自民党の第1回公募に応募して、ひたすら衆議院議員をめざしてきて2000年に初当選。

一時落選したこともあったが、見事に復活。議員を目指して朝日新聞を退職してから20年、とうとう大臣に就任した。

松島みどり入閣





















出典:IRORIOニュース

松島さんは東大経済学部出身だが、議員立法でいくつかの法案を成立させた実績もある。また、テレビの漢字クイズ番組の「日本語王」でチャンピオンになったこともある

東大応援部のチアリーダーの創設者だ。(松島さんが創設する前は、東大生チアリーダーがいないので、他の大学の女子学生が応援に来てくれていたと思う)。

昔からガッツのある、元気あふれる人だった。

法務大臣としても、がんばれ 松島みどり!


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Posted by yaori at 08:01Comments(0)TrackBack(0)