2014年10月29日

ベネッセから詫び状と500円が届いた

ベネッセから個人情報漏えいの詫び状と500円のお詫び金支払い手続き通知が届いた。

これが詫び状だ。日本全国約4,000万人の人に届いているはずなので、目新しくもないかもしれないが、受け取っていない人もいると思うので、紹介しておく。

筆者の大学2年の次男の個人情報が漏えいしたということで、届いたものだ。

すでに大学に入学しているので、身に覚えのないダイレクトメールとかは今のところ届いていない。就活を始めるころになると、リクルートスーツなどのダイレクトメールが来るのかもしれない。

ベネッセわび状1









































ベネッセわび状2








































これが500円の支払い手続き通知書だ。アマゾンのギフト券、楽天Edy,nanacoであれば、ウェブで登録コードとログインキーをインプットすれば、すぐに受け取れる。

他に共通図書カードを送ってもらうか、ベネッセのこども基金への寄付も選択が可能だ。

ベネッセお詫び1









































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ベネッセこども基金の趣意書は次のようなものだ。

ヤフーBBの漏えいの時は、500円の郵便為替を送付して、現金化されなかった分はヤフーBBが自主的に寄付するという形だった。

今回は漏えい被害者に寄付を求める形で、しかもそれがベネッセ自身が運営する基金だったことから、炎上したという。

この辺の事情は筆者の友人の蒲桐蔭法科大学学科長が寄稿しているヨミウリオンラインの「おとなの法律事件簿」にも取り上げられている。

ベネッセお詫び2









































一時はうやむやになっていたお詫び金500円という相場を復活させたことでも、ベネッセ事件が企業活動に与える影響は大きい。

ベネッセは9月に経産省に報告書を提出したが、再発防止策が不十分としてすぐに突っ返され、是正勧告を受け、10月24日に再改善報告をしている。

ベネッセの再改善報告書は、公表されていない。


最初の第三者委員会の報告書は、何が起こったのかをほとんど明らかにしていないという点で不十分なものだった。

今回の再改善報告書も、内容を公開できないようなクオリティのものなのかもしれない。

いずれにせよ、10代から20代のほとんどの日本国民の個人情報を、これだけ杜撰(ずさん)に管理している会社があったとは驚きである。

欧米で同じことが起こったら、ベネッセには莫大な課徴金が課せられたことだろう。

他の会社もぜひ他山の石として、自社では絶対に同じことが起きないように検証して欲しいものである。



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2014年10月26日

原発ホワイトアウト 現役霞が関官僚が鳴らす原発再稼働への警鐘

原発ホワイトアウト
若杉 冽
講談社
2013-09-12


東大法学部卒の現役霞が関官僚の若杉冽(れつ)さんが書いたという原発再稼働への警鐘を鳴らす小説。

小説のあらすじは、いつも通り詳しくは紹介しない。

原発再稼働を推し進める経済界、経済産業省と政治家四世の総理(名前は出てこない)をトップとする「保守党」政権のトライアングル。その背景には、電力をめぐる巨大な政治資金の流れがある。

経済産業省(資源エネルギー庁)から分離・独立はしたが、依然として経産省シンパの原子力規制庁と原子力規制委員会。

原子力規制庁の幹部職員は、原子力推進官庁には戻らないというノーリターン・ルールがある。しかし、経産省出身の幹部は依然として経産省ファミリー意識でいる。

直接の電話では「オレ」、「オマエ」の仲の資源エネルギー庁高官と原子力規制庁高官。

地元の知事や市町村長の同意がないと原発の稼働はできないというルールは、法律上の根拠がない。しかし、法律上の根拠がなくても今や地元自治体の首長のOKがなければ、事実上、原発再稼働はできなくなっている。

そのルールに基づいて、「関東電力」の新崎原発の地元の新崎県の伊豆田知事(新潟県の泉田知事を連想させる)が原発再稼働の安全性について正論をぶつ。

しかし、原発再稼働トライアングルは、電力業界にたてつくものはたとえ知事であろうとも、国家権力を使って国策捜査で追い落とす。伊豆田知事は親類の政治資金問題で逮捕されてしまう。

そこで、経産省から原子力規制庁に出向している原子力反対派の課長補佐が、経産省と原子力規制庁幹部の癒着をマスコミにリーク。しかし、漏えい元をつき止められて、ねんごろになったフリーランスの女性記者と一緒に国家公務員法違反で逮捕される。

やがて、原子力規制庁の承認を得て、鉄のトライアングルが推進する15基の原発が再稼働する。

その冬は異常気象で超大型低気圧が発生していた。

大雪をもたらす超大型低気圧。

新崎原発への道路アクセスは遮断され、ホワイトアウト状態に。

5メートル先も見えないホワイトアウトのなかで、暗視ゴーグルをつけ、ある場所をめざして在日の同行者と一緒に雪をかきのけて進む元関東電力社員。

そして二人は雪の中で……というようなストーリー展開だ。

「関東電力」は、地域対策関係者として地元のマスコミ、県市町村議会議員、農協、ゼネコン、商工会、県庁幹部、市役所幹部、教職員組合幹部、はては在日朝鮮人や地元の暴力団関係者までリストアップしていると。

「関東電力」はフリージャーナリストも年収1千万円を超える丸抱えのAランクジャーナリストを十数名、それ以外にも多くのジャーナリストを抱えて、電力会社を擁護する記事を様々な場所で書かせていたという。

どちらも、いかにもありそうな話だ。

匿名の著者は東大法学部卒だそうだが、面白いことを登場人物の資源エネルギー庁の高官に言わせている。

「最高学府とは東京大学のことをいうのではない。東京大学法学部のことをいうのだ。経済学部出身の小島(日本電力連盟常務理事、元関東電力総務部長)が検察に働きかけたからといって何ができるというのだ。」

「東大法学部と経済学部の偏差値の差も、経産省のキャリア官僚と電力会社社員との社会的立場の差も…。」

その資源エネルギー庁の高官は「家柄こそ平凡なサラリーマンの子息ではあるが、四谷大塚(小学生の中学受験指導塾)で総合順位一桁、筑駒出身…」だという。

「四谷大塚」なんて、ひょっとして著者自身のことかと思わせる。

ともあれ、原子力発電についてかなりの知識がある原発反対派の人が書いた本であることに間違いはない。

世論に一石を投ずるということなのだろう。

一部には、日本の重電メーカーは欧米並みのコアキャッチャー(メルトダウン防止のために底を極端に厚くした格納容器)がつくれないとか、疑問を感じる部分もある。

筆者が駐在していたピッツバーグに本社のあった世界三大原発メーカーの一つのウェスティングハウスは東芝に買収された。日本の重電メーカーがつくれないはずがないと思うが。

小説の結末としては、「想定内」ではあるが、起こりうる事態かもしれない。

堺屋太一さんが通産省の現役官僚の時に、匿名で出版した「油断!」の衝撃には到底及ばないが、面白くて一気に読める。

油断! (日経ビジネス人文庫)
堺屋 太一
日本経済新聞社
2005-12


原発推進派の人も、原発反対派の人も、それなりに得るところのある本だと思う。


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2014年10月21日

残念! 松島みどり法務大臣辞任

残念ながら松島みどり法務大臣が辞任した。

今年の夏まつり時期に地元で配布した「うちわ」が、公職選挙法違反ではないかと、国会で蓮舫議員に攻撃された結果だ。

最初の答弁が命運を決したと言えるだろう。

「これはうちわですか?」と聞かれたことに対して。「討議資料」ですと答えた。

これで詭弁であるとの印象を与えてしまい、法務大臣がこれで良いのかという議論が沸き起こってしまった。

ネットで「松島みどり うちわ」で画像検索すると、いろいろ面白い画像が出てくる。

蓮舫議員が今回のうちわを手にしているところ。

蓮舫追及







































出典:ネット検索

蓮舫議員自身も、みんなの党の松田公太議員も丸いうちわをつくって配布している。

蓮舫うちわ






















出典:ネット検索

結果論ではあるが、初期対応で「うちわですが、有価物ではありません。蓮舫さん、あなたも作っていませんか?」と答えられたら、また展開も変わっていたことだろう。

辞任は残念だ。ひいきめすぎるかもしれないが、政策を印刷したうちわを夏祭りの時に配るなど、それ自体はグッドアイデアだと思う。

これれにめげずに、ひきつづき政治活動で結果を残してほしいものだ。


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2014年10月15日

ピュリツァー賞受賞写真全記録 思い出すあの写真

ピュリツァー賞 受賞写真 全記録
ハル・ビュエル
日経ナショナルジオグラフィック社
2011-12-15


ピューリツァー賞に写真部門が設けられた1942年から2011年までの受賞写真を中心とした写真集。

「ああ、あの写真」と思い出すものが多い。

日本人写真家が受賞した最初の写真は社会党の浅沼稲次郎の暗殺の場面だ。

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出典:ナショナル・ジオグラフィック「ピュリツァー賞」

YouTubeに当時のNHKの映像がアップされている。



犯人は山口二矢(おとや)という17歳の学生だ。これだけ日本刀の短刀をうまく扱えるのは背後に何らかのバックがいたからではないかと思う。

ちなみに山口は逮捕後、拘留中に自殺している。いまでも日本の右翼が毎年11月2日に「山口二矢烈士墓前祭」を開催しているという。

太平洋戦争中に硫黄島で米軍海兵隊がすり鉢山に星条旗を立てている有名な写真もピューリッツアー賞を受賞している。

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出典:ナショナル・ジオグラフィック「ピュリツァー賞」

この写真に写っている6名の海兵隊員のうち、3名はその後数日で戦死したという。米軍にも大変壮絶な戦いだったのだ。

硫黄島の戦闘を題材にして、何本も映画が作られている。

古くはジョン・ウェインの「硫黄島の砂」



クリント・イーストウッドも「硫黄島からの手紙」を映画化している。



そのほかにも見た覚えがある有名な写真ばかりが収録されている。

たとえば次の写真だ。

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出典:ナショナル・ジオグラフィック「ピュリツァー賞」

ハゲワシが飢餓で死ぬ直前の子供を見ている。この写真を撮ったカメラマンは、写真を撮るよりも、なんで子供を救わなかったのかという非難に晒され、ピュリツァー賞受賞直後に自殺している。

インターネットで「ピュリツァー賞」で画像を検索すると、有名な写真がいくつも出てくる。

あらためて見直すと、時代を反映した写真ばかりが選ばれていることがわかる。

興味深い本である。


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2014年10月12日

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 やっとタイトルの意味がわかった



全世界で作品が売れており、毎年ノーベル文学賞受賞者発表の時期になると話題に上る村上春樹さんの2013年の作品。今年(2014年)も最有力候補に挙がりながら、結局受賞を逸した。

村上さんの作品は、一時大ベストセラーになり、書店でも売り切れていた1Q84を、このブログで紹介している。




タイトルから、色盲の人が巡礼に出る話かと思ったら全然違った。

色彩を持たないというのは、主人公の多崎つくるが属していた高校時代の仲良し5人組のうち、多崎つくるだけが名前に色がついていなかったからだ。

他の4人(男女二人ずつ)はそれぞれ、アカ、アオ(以上男性)、シロ、クロ(以上女性)という風に、色を表す漢字が名前についていた。

また、巡礼に出るわけでもない。

「巡礼の年」は、楽曲の名前だ。1Q84はヤナーチェックの「シンフォニエッタ」が、作品の構成に重要な役割を果たしていた。



この作品では、リストの「巡礼の年」の中の「ル・マル・デュ・ペイ」が作品に重要な意味づけを与えている。



作品に登場するラザール・ベルマンのレコード(LP)は、今はCD3枚組で売られている。これの第1年「スイス」の8曲目が、「ル・マル・デュ・ペイ」(Le Mal du Pays)だ。

リスト:巡礼の年(全曲)
ユニバーサルクラシック
2013-05-15



小説のあらすじはいつも通り詳しく紹介しない。名古屋出身で、東京の工科大学を卒業して新宿に本社のある私鉄会社の駅舎を設計管理する部署に勤める36歳の独身の多崎つくるが主人公だ。

多崎つくるは名古屋の高校時代、名前に色の文字がつく男女2名ずつと5人で仲良しグループをつくっていたが、つくるだけ東京に出てきて2年目の20歳の夏に、名古屋に住む他のメンバーから突然理由もわからず絶交を言い渡される。

理由は「自分に聞いてみろよ」と。

それからつくるは自殺も考えたが、結局理由がわからないままに会社に就職し、親の買ってくれたマンションに住んで36歳まで独身で過ごす。

ある時たまたま深い仲となった2歳年上の女性から、つくるの心の傷となっている20歳の時の出来事の真相を明かすべきだと言われ、真相究明に乗り出すと、驚いたことに旧友4人は……。

というような感じだ。

途中で「小説のトゲ」と大沢在昌が言う、気になる部分がいくつもちりばめられている。6本指の奇形の話とか、「ラウンド・ミッドナイト」を弾くジャズピアニストの話等々。



引き込まれるストーリーで、筆者は一日で読んでしまった。

しかし、この人はノーベル文学賞は取れないのではないかという気がする。作風は全然違うが、昔、アルゼンチンに住んでいた時に、毎年ホルヘ・ボルヘスが候補に挙げられながら、結局ノーベル文学賞は取れなかったことを思いだす。

伝奇集 (岩波文庫)
J.L. ボルヘス
岩波書店
1993-11-16



筆者の見込み違いであればよいのだが…。


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2014年10月07日

再掲 論文捏造 STAP細胞と高温超電導捏造事件の驚くべき類似性

2014年10月7日再掲:

小保方さんの博士号が早稲田大学によって取り消された。いわば「執行猶予」のような措置で、1年以内に論文の修正など、大学が提示した条件を満たさなければ、博士号取り消しとなる。

STAP細胞を取り巻く環境は悪化する一方だ。

7月のネイチャーの発表取り下げ8月の理研での指導教官だった笹井さんの自殺、そして今回の小保方さんの博士号取り消し(仮処分というべきか)。

まさに「論文捏造」で取り上げられた超電導捏造のヤン・ヘンドリック・シェーンと同じ道をたどっている。

二つの出来事には驚くべき類似性がある。その意味も含めて「論文捏造」のあらすじを再掲する。


2014年7月1日初掲:

論文捏造 (中公新書ラクレ)
村松 秀
中央公論新社
2006-09


世界的に有名な研究所。

しかし研究所の業績はパッとせず、研究資金を確保するために、スターを待ち焦がれていた。

そこへ現れた29歳のスター研究者。

世界的に有名な指導教官が論文の共著者となる。

ハンサム・ガイ。

「サイエンス」、そして「ネイチャー」に立て続けに論文を発表。

世界が驚いた研究成果。

メディアの注目の的。

しかし、世界中の研究者が追試を行うが誰も成功せず。

論文捏造疑惑が持ち上がる。

調べてみれば大学時代の博士論文から始まる写真・データの使い回し。

本人はいたって陽気に追試に参加。

しかし、追試は不成功。

やがて論文は取り下げられる。

本人は大学時代の捏造疑惑で博士号をはく奪され、今は一般企業の会社員としてひっそり暮らす。

…。

以上は小保方晴子ユニットリーダーの話ではない。

2000年に高温超電導で次々を記録を更新。ノーベル賞に最も近いと言われた男、ドイツ人科学者・ヤン・ヘンドリック・シェーンの話である。

シェーンはハンサムガイだ。

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出典:本書17ページ


ベル研究所といえば、トランジスターを発明した世界的に有名な超一流研究所だ。

ところが、1990年頃をピークに、ベル研究所の発表する論文数は次の図のようにジリ貧となっていた。

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出典:本書184ページ

IT不況の影響で、親会社のルーセント・テクノロジー(もともとはAT&Tだったが、AT&T分割で分社化された)の株価はピークの1/10となり、研究費がどんどん削られていたのだ。

理研も特定国立研究開発法人への指定を受けて、国から多額の研究予算をつけてもらうべく申請していた

名門だが、研究費の確保に苦労しているという状況は、当時のベル研究所の状態に似ている。

「スター誕生」が渇望されていたのだ。

この本は、2004年末にNHKで放送された論文捏造事件ドキュメンタリーをつくったディレクターが書いた本だ。

シェーンを小保方さん、高温超電導をSTAP細胞と読み替えると、歴史は繰り返すという言葉通りになっていることに驚く。

ネイチャーに投稿した論文の掲載可否を決めるのは、次のプロセスだ。

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出典:本書137ページ

科学誌の記者に論文を評価する能力はない。その分野の一流研究者がレフェリーとなる。レフェリーが納得すれば、論文は「ネイチャー」に掲載されるのだ。

特許権の関係もあり、発表される論文は簡単なもので、詳細は明かされない。

たとえば1953年のワトソン・クリックのDNA論文はわずか1.5ページだ。論文は今も「ネイチャー」のサイトに公開されているので、ここをクリックして論文を見てほしい

「ネイチャー」に論文が出ると、世界中の研究者が自分たちの方法で追試を試みる。そして、自分たちの方法が発表者と違ったり、結果が発表者より良かったりすると、今度は自分たちが「ネイチャー」や「サイエンス」に発表するのだ。

当初、高温超電導は日本が世界をリードしていた。シェーンは日本の谷垣東北大学教授(論文発表時はNEC基礎研究所在籍)が1991年に高温超電導の世界記録(33K=Kは絶対零度=−273度)を打ち立てた方法とは、全く異なる次のような方法を発表した。

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出典:本書47ページ

しかし、他の誰も成功できない。同じ方法を実現するには、スパッタリングという電子ビームを金属片に当てて、とび出した金属原子でコーティングするマシンが必要だ。しかし、世界のどのスパッタリングマシンでもシェーンの方法は追試できなかった

いつしか、シェーンは出身校のドイツ・コンスタンツ大学の「マジック・マシン」を使って、高温超電導記録を塗り替えているんだという噂が広まった。

次がそのマジック・マシンの写真だ。

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出典:本書156ページ

なんのことはない、家庭用のマシンのようなもので、上に目覚まし時計がついているところがご愛嬌だ。

この写真を撮影したNHKは、世界で最初に「マジック・マシン」の写真を紹介したことで、スクープとなった。

だれもが思うように、こんなマシンで有機物に薄い酸化アルミの膜をスパッタリングできるはずがない。

衆目の監視する中で行われたシェーンの実験では、シェーンが全く実験に不慣れなことが露呈し、当然のごとく失敗に終わった。

シェーンのコンスタンツ大学時代の博士論文から捏造は始まっていたことがわかり、シェーンの捏造はもはや動かしがたい事実となった。

博士号をはく奪され、シェーンはいまはひっそりとドイツの片田舎で会社員として暮らしているという。

ES細胞では2005年に韓国の黄教授の論文捏造事件が起こっている。

捏造は繰り返されるし、繰り返されるとしたらパターンは同じなのだ。

あえて言うが、筆者は小保方さんはウソは言っていないのではないかと思っている。彼女は自分ではSTAP細胞と思ったものを造り出したことがあったのだろう。

筆者の大学の先輩が言っていたが、UFOを見たと言う人に、UFOは実在しないと証明することは不可能だ。

UFOを見たと言うなら見たんだろう。誰も否定はできない。

シェーンの場合は、頭の中で考えた方法を論文に書いて、それをいずれ実証してくれる人が現れるのを待っていたのではないかと思う。

そういう人が現れればもうけもの、自分はノーベル賞を取れるというシナリオだ。

小保方さんの場合には、そういった打算では動いていないのではないかと思う。

彼女はUFOならぬ、STAP細胞を見たのだろう。ただ、それが再現できないだけだ。


この本は2006年9月の初版だが、アマゾンの全体の売上ランキングで現在3,000位くらいになっている。全く陳腐さはない。STAP細胞事件が起こってから、売れ行きに拍車がかかっているようだ。

筆者が図書館で借りて読んでから買った数少ない本の一つだ。こんなにポストイットを貼っている。

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文章もこなれているし、専門的な内容も含んでいるが、大変わかりやすく書かれている。

いずれSTAP細胞事件そのものを取り上げた本も書かれると思うが、この本の情報量と取材力は圧倒的だ。さすがNHKと思わせる。

是非一読をおすすめする。


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