2005年06月18日

わが闘争 ヒトラーならぬ角川春樹の復活宣言


わが闘争―不良青年は世界を目指す
「不良青年は世界を目指す」とサブタイトルのついた角川春樹の『わが闘争』。ビル街で鎧(よろい)を着た角川春樹の写真の表紙が目を引くので、つい読んでしまった。太宰治を思わせる和服姿で刀を持った角川春樹の写真が、随所に出てくるが、ちょっと貧弱に感じるのは出所すぐで体力が落ちているからか?

読んで驚いたが、ひさびさに『頭にスッと』でなく、『頭をガーンと』やられた本である。本の帯に『カリスマ、復活!』とか書いているが、今まで彼の関係した本や映画を見ていて、角川春樹という人物を意識したことはなかったが、この本を読んではじめて彼がカリスマプロデューサーであったことがわかった。



塀の中の懲りない面々
筆者は年間2〜300冊の本を読んでいるが、この本の様に何故かわからないが、頭をガーンとやられる衝撃を経験したのは安部譲二の『塀の中の懲りない面々』以来だ。その意味ではこの衝撃は20年ぶりくらいだろう。

安部譲二の本もそういえば刑務所出所直後の本であり、角川春樹の『わが闘争』も同じく麻薬で2年半の懲役から戻ってきた直後の本である。

安部譲二の本は楽しく読める本で、この本とは異なるが、才能のある人が懲役の様な異常体験を経験した直後に出す本はとぎすまされた殺気の様なものがあるのかもしれない。

わが闘争 上―完訳 角川文庫 白 224-1


わが闘争』は勿論ヒトラーのマインカンプ"Mein kampf"が有名で、筆者は大学時代にヒトラーの大作は読んだ。

この角川春樹のわが闘争はヒトラーとは何の関係もないと思っていたが、ここで書いていてわかったのだが、ヒトラー本も角川文庫で出版されている。角川春樹は麻薬所持で逮捕されて、追放されるまで角川書店の社長だったので、角川文庫本を意識しているのかもしれない。

おれの魂はスサノオノミコトである』とか言いながら始まるので、なんか『おれ』とか書いていて変なオッサンだなと思ったが、読んでいくと引きつけられるものがある。

おれの魂はスサノオノミコトだが、刑務所生活で仏の慈悲に目覚めたという。刑務所で毎日『我慢我慢の辛抱は大きくて強くてあたたかい心の人をつくるよ』、『前へ前へ。どんなにつらくてとも悲しくとも、いつかきっと道は開けるよ。だから前へ前へ』とも唱えていたのだと。

UFO体験とか、おれの脳細胞は20%近く覚醒しているとか、強い精神エネルギーがあるおれは歩く神社だとか、なにかわけがわからないが、たしかにパワーを感じる。
父親の角川源義、姉の辺見じゅん、弟の角川ホールディング社長の角川歴彦、自殺した妹の真理、生母、義母、自分自身の五回結婚、五回離婚の話とか、言葉では簡単に言い尽くせない生い立ちと家系である。

父親の角川源義は國學院大學の理事だったが、角川書店のビジネスも大きく國學院卒業生に依存していたので、早稲田の文学部に受かっていたのに、父に國學院に入るよう言われて従った話とか、不良ではあるが、父親に認められようと父の愛に飢えていたことがよくわかる。



巨富を築く13の条件

ナポレオン・ヒルのThink and Grow Rich『巨富を築く13の条件』がおれを大きく変えた本であり、デール・カーネギーの『人を動かす』も影響を受けた本であると。



人を動かす 新装版


筆者もこの二書、特にカーネギーは常々読み返す本なので、こんな共通点がガーンとやられる衝撃を受ける基盤なのかもしれない。

仕事はカリスマプロデューサーであることは間違いない。いままで知らなかったが、角川書店が近代的なメディアミックスの有力グループとなって、本、文庫、翻訳、ベストセラーの映画化、テレビコマーシャルとつぎつぎに成功を収めたのは角川春樹の力に依るところが大きい。

ラブストーリー、いちご白書、ジャッカルの日などフォーサイス作品、人間の証明、八つ墓村、犬神家の一族等の横溝正史作品、文庫カバーのビジュアル化、セーラー服と機関銃等々。

生涯不良宣言というのもふるっている。『女と金は追いかければ追いかけるほど逃げる』というのが角川春樹の法則だと。

今は角川春樹事務所でベストカンパニーを目指している。組織が大きくなると一人ひとりのキャラクターが生きなくなる。中島みゆきの歌に『人は多くなるほど、物に見えてくる』という歌詞があるが、その通りだと。社員50名以下が良いのだと。

パワーを感じる強烈な本である。

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Posted by yaori at 00:00│Comments(1)TrackBack(1)自叙伝・人物伝 | カーネギー

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ヒトラーとゲッペルスをこよなく愛する角川春樹。そして「女必殺拳法」の志穂美悦子をこよなく愛する長渕剛。二人の風雲児が最強タッグを組んだ。角川春樹が自ら製作する映画である 「男たちの大和 YAMATO」 の主題歌を長渕剛に依頼したのである。長渕は 「角川さ
角川春樹 & 長渕剛【PARDES】at 2005年07月30日 10:50
この記事へのコメント
この本読みました。角川書店って角川春樹でもっていた様ですが、本当にそうなのですかね?
Posted by ポイント仙人 at 2005年06月16日 13:55