2005年06月19日

高収益企業のつくり方 稲盛和夫の盛和塾での講義と質疑応答


[実学・経営問答]高収益企業のつくり方京セラの稲盛和夫氏が書いた子供向けの『君の思いは必ず実現する』については以前書いた。『君の思い…』を読んで稲盛氏の経歴と考え方を知った上で、この本を読むことをおすすめする。

稲盛氏が開催している経営を学ぼうとする経営者の集まり盛和塾は始めてから20年以上がたち、日本全国に52塾、米国やブラジル、中国にまで広がっており、様々な業種から3,600人が参加している。

本書は稲盛氏の基調講演の後に質疑応答で稲盛氏が答えるという構成となっており、4つのテーマでまとめている。

序章の『会社の存在意義を問う』では、京セラ設立2年目で入社した高卒社員11名が昇給、賞与の保証を求めて団体交渉を申し入れてきたことを紹介、このことがきっかけとなり、それまでの『稲盛和夫の技術を世に問う』という当初の目的を捨て、京セラの経営理念を『全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること』と定めた。

また第二電電事業に乗り出す際には日本の長距離通信料金が欧米と比較してあまりに高く、日本経済の健全な発展を妨げているという義憤から手を挙げたことを紹介、『動機善なりや、私心なかりしや』と毎日自問したというエピソードを紹介している。

経営者が次元の高い目的、大義名分を確立し、そのような会社の目的、意義を全従業員に示し、理解と協力を求め、経営者自身がその実現に向かって率先垂範することが会社を発展させる原動力となると説く。稲盛氏は一時仏門を志したことが有名だが、経営にいわば精神鍛錬を持ち込むと宗教の修行に近くなってくるのかもしれない。

1.『高収益の基盤を築く』ではのっけから『事業を営む以上、税引き前で最低10%の収益をあげられないようでは経営のうちに入りません。高収益というのであれば、少なくとも15〜20%は利益率がなければならないのです』。

京セラの物流部門の例は参考になる。いままでグロスで出していた発注を細かく分析し、工場ごとに適した運送会社を選定し、トラック中心だった輸送手段に飛行機、鉄道、船などを加え、最適なものを選ぶようにした。また入出庫、梱包などの社内の出荷業務も大幅に改良をすすめて、従業員の数も減り、高齢者やアルバイトでもできるようになった。このように知恵を使って既存事業に集中して利益を伸ばせ。

2.『挑戦し続ける企業を目指す』では多角化について取り上げる。多角化の際に必要となるのは経営者の心構えであり、『有意注意』が重要であると。『有意注意』とはどんな些細なことでも意識を集中させて物事を判断することなりと。またM&Aを成功させるには被買収会社の従業員を惚れさせる人間性が大切である。

3.『パートナーシップで経営する』では大家族主義、京セラ風コンパなどで心の絆を大切にする経営を説く。この辺が稲盛哲学なのであろうが、『すばらしい業績には栄誉と賞賛を与え、報酬で大差は付けない。業績が大きく伸びた時は、その部門をたたえ、全従業員に臨時ボーナスを出す』。

4.『自ら燃える集団をつくる』では経営者意識を持った人材を育てるために、『アメーバ経営』を説く。会社の組織をアメーバと呼ばれる小集団に分けてリーダーを置き、アメーバの経営全般を任せるという手法。アメーバ単位の採算が発表されるので、構成員も努力の結果がすぐわかり、全員参加の経営が可能となる。

アメーバは京セラの登録商標とは初めて知った。サイバーエージェントのアメーバブログは名称変更か方針変更を余儀なくされそうだ。

最後のまとめとして、松下幸之助の講演を聴いた時の話で締めくくっている。人間はそうしたいと強く願わなければ何事も成就できない、『心の底からの強い願望』が必要である。強い願望を心に抱き、その実現を心底願うことがものごとを成就させる原動力である。角川春樹が影響を受けたナポレオン・ヒルなども同様のことを言っている。

筆者も自らの身を振り返って、改めて自分の願望とはなんなのか、考えているところである。

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Posted by yaori at 00:00│Comments(0)TrackBack(0) ビジネス | 稲盛和夫

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