2005年07月10日

稲盛和夫の実学 京セラの経営を支える会計思想


稲盛和夫の実学―経営と会計
筆者は最近稲盛和夫氏の本を結構集中的に読んでいる。この本もその一冊であり、『会計がわからんで経営ができるか?』という稲盛氏の言葉が本の帯にもなっている。

筆者もまさに同感で、最近になって恥ずかしながら簿記3級の通信教育を始め、今年後半の試験でまず簿記3級を取得し、次は簿記2級を取得する予定。稲盛氏の言っている会計は京セラ独自の会計基準であり一般会計原則とは異なる。

もともとこの本も京セラの経理部長だった故・齋藤明夫氏が後進のためにまとめたものをベースとしている。

稲盛氏は他の著書でも1.売上を最大に、経費を最小に、2.値決めは経営、3.会計がわからなければ真の経営者になれないと言っているが、この本は京セラの7つの会計原則を説明するとともに、盛和塾での質疑応答でケーススタディを行っている。

前置きとして常識に支配されない判断基準例として設備の減価償却をあげている。セラミック加工機械は摩耗が激しく、5年程度でダメになってしまうので、10年の法定耐用年数によらず、自主耐用年数を定め、有税で償却していると。

また銀行が定期預金を担保として貸し出す歩積み両建ても常識的におかしいとして、稲盛氏は拒否したが、結局世の中みんながやめた。

京セラの会計原則とは次の7つである。詳しい説明は省くが、基本は会計原則にとらわれず、物事の本質をとらえて、キャッシュの動き、モノの動き、余計な物は持たず、採算単位ごとの厳しい管理をするというシンプルな原則である。

1.キャッシュベースでの経営ーお金の動きに焦点をあてて物事の本質に基づ  いたシンプルな経営 儲かったお金はどうなっているか?

2.1対1の対応を貫く モノの動きと伝票の対応

3.筋肉質の経営 中古品で我慢、健全会計、固定費の増加を警戒、投機はやらない、当座買いの精神

4.完璧主義をつらぬく マクロとミクロ両方 100%達成でないと価値を認めない 厳しいチェックでパーフェクトを目指す

5.ダブルチェックによって会社と人を守る 人と組織を守る保護メカニズム

6.採算の向上を支えるーアメーバ経営の時間あたり採算制度 付加価値測定
時間あたり採算と会計との関連

7.透明な経営を行う 公明正大

手法はともかく、基本となっている『会計がわからんで、経営ができるか』という一言。肝に免じて経営に取り組む必要がある。



Posted by yaori at 00:00│Comments(0) ビジネス | 稲盛和夫