
“教祖”降臨―楽天・三木谷浩史の真実
サイバーの藤田さんやホリエモンの本を多く紹介しているので、やはり次は三木谷さんだろうということで、最近発売されたばかりの本を図書館にリクエストして買ってもらい、一番で読んだ。
読んでみてほとんどなにも頭に残らないのは残念。
しいていえば三木谷さんの少年時代や一橋のテニス部キャプテン時代のエピソードと、つたやの増田さんは昭和57年に貸しレコードLOFTを一店で開店させ、一代でTSUTAYA-CCCをつくったことがわかったくらいか。
日経ビジネスアソシエの連載を本にしたものだそうだが、雑誌の連載記事ならともかく、日経ビジネスが出す本なら単行本にする段階でさらに取材をして内容を補強して欲しい。
普通はまず表紙に惹かれ、本を手に取る。
目次をパラパラとめくり、序文(この本の場合はプロローグ)に目を通し、良さそうだと思って買うわけだが、タイトルも良いし、三木谷氏の写真を使った表紙も印象的でこの本は魅力的に見える。
序文は読ませる:
ソフトバンク孫さんと三木谷さんの比較。成り上がりを見事に体現してみせた孫。エスタブリッシュメントの服をまとった起業家と言われる三木谷。
『ベンチャーっぽくないかな?ちょっとやりすぎたかな?』奥田経団連会長、西川三井住友銀行頭取、みずほコーポレート銀行齋藤頭取他のきら星のような財界ビッグショットで新球団の経営諮問委員会をつくった時に言った言葉。
『頭がいいわけではないけど、やり始めたらしつこいからかな』、楽天が成功した理由を陳腐な言葉で語る三木谷。
だが三木谷さんの生い立ちとか、学生時代とかのエピソードは面白いが、そんなものを知るために三木谷さんのことを書いた本を読むのではない。
三木谷さんのビジネスに対する戦略、考え方、人の集め方・使い方、人脈のつくりかた等々、三木谷さん自身の言葉を聞きたいのだ。
肝心な楽天のビジネス展開の部分が弱い。ストーリーがない。これでは本当に知りたい三木谷像はわからない。
最後に付け足しで入れてあるライブドアのニッポン放送買収エピソードの中での孫さんとホリエモンの発言が一番の収穫とはなんとも皮肉である。
孫さん:『あのバランス感覚を真似ろといってもできないな。そこが彼の強みかな』
ホリエモン:『うち(ライブドア)とか、他のITベンチャーもそうだけど、みんなバブルなんですよ。そのバブルもあと持って1年ですよ。だから、バブルが続いているうちに実体のあるものを取りに行くんです。』
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