失踪日記
マンガ家吾妻ひでおが、みずからの失踪、ホームレス生活、配管工としての別人生、幻覚、アルコール中毒による強制入院まで実体験をマンガにした。
吾妻ひでおのファンのことをアズマニアというそうだが、実は筆者も高校時代は吾妻ひでおのファンだった。少年チャンピオンだと思うが、『エイトビート』(スパイものだったかな?)とか『ふたりと5人』(学生ものだったと思う)とかの連載ものが好きだった。(アズマニアが
著作リストを公開している。すごい!)
マンガはファンタジックなタッチで、とくに吾妻ひでおの書く女の子はロリっぽくて好きだった。『エイトビート』のめがねをかけた女の子のマンガをまねしてTシャツに書き、高校の体育祭の時に着ていたほどだ。
しかしもう30年以上も前のことで、マンガ週刊誌を読まなくなって25年以上はたつし(漫画アクションがどおくまんの『嗚呼、花の応援団』の連載をやめたのがきっかけ)、吾妻ひでおの消息も全く知らなかったので、今回の『失踪日記』はなつかしく読んだ。
嗚呼 花の応援団 3 (3)
吾妻ひでおのファンタジックなタッチは全く変わらない。次のマンガの表紙を見て頂きたいが、ファンタジックでグラマーなロリというのが吾妻ひでおのタッチだ。
やけくそ天使 (1)
今アマゾンで吾妻ひでおと検索してみると、筆者の好きだった『エイトビート』とか『ふたりと5人』はどうやら出版されておらず、ロリコンに傾いた『やけくそ天使』とか『アズマニア』とかしか販売されていないのが残念。
アズマニア (1)
マンガの帯でも元祖カルト漫画家とか言われているので、ロリがおたくに受けて人気が出たのだろう。
吾妻ひでおは2回失踪しているが、最初は西武線で山に向かったそうだ。誰しもあると思うが、通勤途上で反対方面のがらがらの電車につい乗りたいという気になる。それを実際にやったのが吾妻ひでおである。
山に向かった心境を「要するに人のいないところで、『象の墓場』みたいなところに行きたいと思ったから」と語っている。
山の傾斜を利用して眠りながら窒息しようとするが、失敗し、ホームレス生活に入る。コンビニの賞味期限切れ弁当とか、飲食店のゴミとかあさっていたということは、山といってもそんな人里離れたところではない。たぶん秩父あたりかと想像する。
町をうろついて職務質問され交番につれていかれ、捜索願が出ていたので、身元が分かる。ファンのロリコン刑事が来て、色紙にサインする。
2度目の失踪ではホームレスとなった後、配管工で働く。肉体労働ですっかりたくましくなったと。
その後マンガに復帰するが、アル中がひどくなり手がふるえ仕事にならず、妄想に悩まされ、ついに強制入院させられる。
最後はアル中矯正病棟で出会った人々を書いているが、安部穣二の『塀の中の懲りない面々』を思わせる。
塀の中の懲りない面々
希有(けう)なタッチとムードを持ったマンガ家であり、たんにロリコンマンガだけでは惜しい。昔からのファンとしてもこの実話路線で、是非新たな境地を開いてほしいものである。
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Posted by yaori at 09:07│
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吾妻ひでお
ドラマ 電車男【映画/ドラマ 電車男】at 2005年07月17日 19:55