2005年07月20日

儲け方入門 ホリエモン初心者(?)にはおすすめできない『踏み絵』


儲け方入門〜100億稼ぐ思考法

ホリエモンが書いたライブドア社員(あるいは取り巻き)の『踏み絵』とも思えるのが本書だ。

2部構成となっており、最初はホリエモンがコラム集風に儲け方と自分の考えにつき、1タイトルごとに2ページ(800字)以内にまとめたもの。ある人から「堀江さんの本はコラム集みたいですね。」と言われて、それは良いアイデアだとして、思いついたと言う。

ホリエモンの考えがいろいろなテーマについてポンポン出てきて、読んでいてテンポがよい。

これまでインタビューで聞かれたことは、ほぼこの本で答えているので、今後取材をする人は、この本をよく読んで、ここに書かれていないことを質問して欲しいと。

いくつか独断と偏見で選んだタイトルを紹介しよう。タイトルだけ見ても大体内容が推測できると思うが、内容が予想しにくいものについては(カッコ)にガイドする。

儲け方入門:
1.大学なんて行く必要ない
3.下積みの苦労など必要ない
5.いま、日本にはゴールドラッシュが巻き起こっている
7.利益率が高くて元手がかからないことをやる
9.誰もがダメと思って手を出さないことに手を出す(ホリエモンの新資本主義では大金持ちと同じ仕事をするが答えだったけどね)
11.発想力よりも情報力(アイデアでは金にならない)
12.情報はストックせずその場で処理する
15.採用基準を決めても意味がない(金儲けのうまそうな人を採用する)
16.足の速いヤツだけついてくればいい
17.面倒くさいことはやらない
18.しがらみをつくらない
19.嫌いな人をはずした方がいい人脈ができる
20.寝た方がよい
22.お金は使えば戻ってくる
23.シニア世代からは知恵でなくお金をもらう(シニアは若者に投資する)
26.キャッシュフローさえ見ていれば会社はつぶれない
27.ファイナンスの知識がないと損をする(『桃太郎電鉄』ゲームのすすめ)
28.額に汗するよりわらしべ長者を目指せ(M&Aのすすめ)

僕の考え:
1.才能のある人に集中して投資する
2.日本に急激な成長をもたらした幻想は崩壊した
3.エリート教育に弊害はない
4.Q 夢はなんですか?
  A はあ?(答えられないでしょ。規格化されたくない)
5.サラリーマンにはしあわせなイメージが一つもない
7.あと10年でお札もコインもなくなる
8.お笑いは究極のビジネスモデル(元手が掛からず利益率が高い)
11.お金があればしあわせになれるわけではない
12.金持ちに重税を課すな
13.少子高齢化はこれで解決する(移民をどんどん受け入れればいい)
15.もっとエンゲル係数を上げた方がいい

これだけ読むと、いけ好かないヤツだなと思う人とはっきりしていて良いと思う人の二手に分かれるだろう。

後半の浅草キッド(漫才)との対談でも、ホリエモンは浅草キッドに初対面の時に「ああ、この人は誤解されるだろうなって思いましたよ」と言われている。

このブログでもホリエモンの本を10冊程度紹介してきたが、他の本では十分に考え方を説明していたのに、この本のような『結論だけ述べよ』式では、わかる人だけ俺についてこい式になってしまう。

ホリエモンはそれでいいと思ってやっているのだろうが、このような本を出版することでかえって敵を増やしている様な気がする。結局最初に読んだ百億稼ぐ仕事術が肩肘張らず、一番ではないかと思える。

最近力みすぎじゃないの。

浅草キッドとの対談ではなにか訳の分からない言い訳とかもある。

『プロ野球買います』で、尊敬するソフトバンクの孫社長には坂本龍馬のようになって欲しいという一節がある。

坂本龍馬は明治維新への道筋だけつくって、志半ばで倒れた。孫さんにはあの役目をお願いして、自分はその後の新政府で総理大臣になった伊藤博文になる」と書いていると浅草キッドが指摘する。

これに対してホリエモンは「そうじゃないんですよ。僕はあんなこと書いてないのに、あとから出版社が、刺激的になるよう、おもしろおかしく勝手に手を入れたんです」と。

ホントかよ?出版社が社長の書くことを勝手に修正するわけ?

三木谷さんについてはこう言っている。

「だから僕は三木谷さんに仙台のNHKの前で言ったんですよ。これでどっちが勝っても将来に禍根を残すからやめたほうがいですよって。」やっぱりシコってるんだ。

この本を読んでホリエモンをなおさら嫌いになる人の方が多いような気がするが、書いてあることはまともであり、1時間程度で読めるので、まずは立ち読みをおすすめする。

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Posted by yaori at 23:10│Comments(0)TrackBack(0) インターネット | ホリエモン

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