2006年06月27日

グーグルを越える日 ネットにアットホームなコミュニティをつくるオーケイウェイブ

グーグルを超える日 オーケイウェブの挑戦


2006年6月27日追記: 

オーケイウェイブが先週名古屋セントレックス市場で株式公開した。初日は売り出し値より高く、初値がついたが、その後初値を割っている。OK Web(オーケイウェブ)からOK Wave(オーケイウェイブ)とサービス名を変え、やっと上場したが、収益力が疑問だと見られているようだ。

上場を記念(?)して、昨年紹介したオーケイウェイブの兼元社長の本の紹介を再掲する。尚、社名・サービス名が変わったので、文中のOK WebはOK Waveと変更した。


前回OK Waveの『教えてください!!』を紹介したので、同時期に発売されたOKWave社長の兼元(かねもと)さんの本を紹介する。

兼元謙任さんについてはこのブログのヒルズな人たちで簡単に紹介したが、ネットに人間味を吹き込んだ信念の人である。

この本のタイトルの『グーグルを越える』も、普段から誰彼となく言っているそうだが、兼元氏の志の高さがわかる。

OK Waveは現在従業員55人の会社。OK Waveのミッションと信条は次の通りである:


OK Waveのミッション

1.Q&Aインフォメディアリ(情報仲介者)のNo. 1となり世界知識資産を構築する

2.世界一大きな助け合いの場を創造している

3.世界一早い回答を提供できる窓口を構築している

4.世界一多くのQ&Aをつくり出している

5.世界一多くの人々、企業にQ&Aサービスを提供している


OK Waveの信条

1.私達は『世界知識資産』を創造させていただきます

2.私達は質問と回答を中心とした情報仲介の分野においてNo. 1を目指します

3.私達は上記1,2においてお客様、ご利用者に十分喜んでいただけるサービス、
ツールを提供させていただきます

4.私達は喜びをもって、一つ一つの仕事を完遂させていただきます

5.私達はお客様が対価に応じて通常望む、二倍以上の成果を提供するよう努めさせていただきます


兼元さんの経歴

愛知県で在日韓国人として生まれ、後に日本国籍を取得した。在日と意識したのは小学校の頃、区役所で指紋捺印をさせられた時だと。

孫さんと同様、生い立ちからくる『なにくそ』という反骨心、さらに小さい頃から体が弱かったので弱い者いじめにもあい、これに対する負けん気がエンジンだ。

大学は愛知県立芸術大学デザイン学部に進学。デザインは本来みんなの意見をどう取り入れるかというもので、自分の作りたいものをつくる芸術とは違うという考えから、仲間とグローバルブレインという組織をつくり、愛知県の環境デザインなどいろいろな賞を受賞する。

三菱自動車への就職が内定していたが、単位が足りず留年。翌年京都のデザイン研究所に就職。名古屋の建設会社に転職し、結婚、子供も産まれる。

その後独立し、25歳ころから体調が良くなったが、グローバルブレインの仲間割れなどがあり精神的にも追いつめられ、このころ奥さんから離婚届けを突きつけられる。

東京で一旗揚げるためにソフマップの社長を頼って上京。

お金がないので、表参道の児童公園、麻布に近い児童公園で野宿し、宿代を節約しながら必死でデザインの仕事をこなした。

このころQ&Aというスタイルを思いついたが、実際に当時の電子掲示板に投稿してみると、『こんな事も知らないのか』と、つまはじきされるという体験をする。

気軽にわからないことを教えあい困っている人を助けるコミュニケーションシステムを誕生させることが自分の使命であると考え、1999年にOK Waveを設立。資金集めを始めた。

しかし儲かるビジネスモデルを考えないとダメということで、見事にベンチャーキャピタルからはすべて断られる。

しかたなく、自分で月2万円のレンタルサーバーを借りる。資金もなくプログラム作成に困っていたところ、たまたま友人に紹介された外人プログラマーが無償で二週間でプロトタイプまでつくってくれ、2000年1月にOK Waveとして無償Q&Aサービスをスタート。

起業家支援に熱心な会計事務所の向ヶ丘遊園の無料共同オフィスで仕事をスタート。住所不定ではまずいので、名古屋から妻子を呼び寄せ、町田に家を借りて引っ越した。(蛇足ながら筆者も町田に住んでいるので親近感を感じる)


OK Waveの目的

社会起業家―社会責任ビジネスの新しい潮流


OK Waveの目的について説明するために、兼元さんは『社会起業家』という言葉を使っている。

『社会起業家』とは(1)『働くという行為』を単に金を稼ぐ手段としてでなく、自己実現の場だと考えている、(2)『何のために生きているか』の答えとして事業を興している企業家である。

兼元さんは人を助けたいという思いからQ&Aコミュニティを始め、究極的には誰もがあらゆるポータルから困ったときに質問して回答をもらえる『世界知識資産』の開設を目指している。

あらゆる人のあらゆる疑問を解決し、あらゆる望みをかなえられる機会を提供することを使命に、インターネットによって社会の発展に寄与したいと。Q&Aは情報のコンビニだとも言っている。

ビジネスを通じて社会を変えていきたい。インターネットで世の中を良くしたい。それが『社会起業家』の兼元氏の考えである。


OK Waveの特徴

OK Waveは2005年5月で会員37万人。月間300万人以上が訪れ、ページビューは1億/月。

350のカテゴリーに分かれており、質問を投稿するとそのカテゴリーに登録してる会員にメールで質問が連絡が行き、あるいはサイトでその質問を見た会員が回答を寄せるという簡単な仕組みである。

筆者自身も自分で会員になって驚いたのだが、何の報酬もなくとも、単に人を助けられた、小さな親切をしたという満足感で回答する人が集まっており、苦品質の役に立つ回答を効率的に得られる優れた仕組みである。

『グーグルを越える』と言っているのは検索とQ&Aの違いからである。

検索はあくまでマニュアル化された情報で『形式知』だけだが、Q&Aなら『暗黙知』が伝えられる。

グーグルもグーグルアンサーズを始めているが、有料で専門の調査員に聞くという形で、まだ試行錯誤状態の様だ。

いずれ検索エンジンは限界が来て、インターネットでつながった人間のパワーを使って解決に導く仕組みが必ず求められるはずである。それが『グーグルを越える』という目標に込められた思いである。

OK Waveは特許も出願しており、これは質問をデータベース化してインデックスをつける技術の様だ。


兼元さんの人脈

筆者も愛読している評論家の田坂広志氏は『OK Waveは知識のイーベイだ』と語っているそうだ。

製造業向けネット市場のNCネットワーク社長も支援者の一人だ。

楽天の三木谷さんも投資家として登場する。

三木谷さんは『面白そうだからあしたそっちの会社に行く』ということで来社した。

『僕らも創業のころはこんなところでやっていたんだよ。いいねえ。将来的にはどうするの?』

『これを世界に広めていきたいと思っています』

『うん、わかった』という具合で、3分で立ち去り、同日投資すると回答があった。

楽天の4000万円を筆頭に他に、サイバーの藤田晋さんが2000万円、インプレスの塚本社長他も投資し、1億円強の資金を調達し、システム売りでなく、ASP事業としてサポートセンターの人件費一人分程度という価格設定で事業を拡大した。


OK Waveの発展

当初のヘルプデスクの機能はユーザーの質問を全社員が見られ、気が付いた者から回答を入れるというものだったが、引き合いは多いのに、全く売れなかった。

そこで『FAQを充実させて取い合わせを減らすツール』ということで発想を変えると、爆発的に売れ、ニッサン、ヤマハ、ソニー、日本航空、東京ガスなど大手150社に導入された。

ナレッジマネージメントの社内ツールとしても住友生命に『スミセイ 教えて!答えて!ドットコム』を販売、社内情報共有ツールとして一躍注目を浴びた。


兼元さんの信条

兼元さんが経営者として注目しているのはワタミの渡邉美樹社長であると。ワタミは『地球人類の人間性向上のためのよりよい環境をつくり、よりよいきっかけを提供する』ことを会社のミッションとして掲げている。

『やられた』と思ったと。

ライブドアのホリエモンは『はっきりいってつまらない』と。

このブログでも紹介したが『稼ぐが勝ち』の『人の心はお金で買える。中略。人を動かすのはお金です』発言が兼元さんと相容れないのだ。

兼元さんはジョン・レノンのイマジンに強く影響されているそうだ。イマジンの歌詞のようにdreamer(夢想家)だがBut I am not the only oneだ。

これからも広がって欲しい、また必ず広がるはずのサービスである。


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Posted by yaori at 23:32│Comments(0)TrackBack(1) インターネット | ビジネス

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