2005年12月25日

ニュービジネス活眼塾 大前研一のアタッカーズビジネススクール講義録

ニュービジネス活眼塾 アタッカーズ・ビジネススクール講義録


大前研一氏が塾長をつとめるアタッカーズ・ビジネススクールの1995年から2002年までの大前さんの講義録をまとめたもの。

アタッカーズ・ビジネススクール自体は『平成維新の会』のボランティアたちが、若い人たちに大前さんの経営ノウハウを伝授してもらいたいということで、勝手連的につくりあげたものだ。

講義は半年間で、年間2回開講されている。既に4,000名の卒塾生を送り出し、卒塾生が起業した会社は600社にものぼり、筆者の知人も卒塾生に名を連ねている。

アタッカーズ・ビジネススクールは24時間ビジネス衛星放送のビジネス・ブレークスルーと合併し、ビジネス・ブレークスルーとして最近上場した。

同じ様な経緯でできたものにNPO政策学校『一新塾』があり、筆者の友人にも参加している人がいる。

大前さんは始業式と卒業式に5時間ずつ2回講義をしており、この本はその講義のいくつかをピックアップしたものだ。

大前さんの本は新しいアイデアが常にあり、いつも刺激を受ける。この本はビジネススクールの講義だけに、基本的な発想法や構想力の鍛錬法などを、自分の体験を元に説明しており、参考になる。


いくつか印象に残ったポイントをご紹介する:


メンタルブロックバスター

起業家になるには、メンタルブロック(思いこみ)を外す必要がある。日本の教育は覚えることに主眼を置いて、考える力を養っていない。一旦記憶すると、それが正解だと思ってしまい、そこで思考が止まってしまう。

メンタルブロックバスターで自分を鍛え直すには、何事であれ、わかったつもりにならずに、「本当にそうなのか」、「そうじゃない例が本当にないのだろうか」、「なぜそんなことが言えるのか」ととことん追求してみる訓練が役立つ。

また電車に乗って広告を見たときに、「自分が営業部長ならあんな広告をやるだろうか」とか、「自分ならこうやる」とか、誰を対象に何を訴求するかを常に考える訓練をして、事業について考えるチャンスをつくっていかないといけない。

覚えてしまってはダメである、そのとたんに頭はレイジーになり思考停止してしまうのだと。

大前さんの『考える技術』『質問する力』については、このブログで紹介しているが、たしかに覚えることが目的の教育だと、答が出た段階で満足してしまい、それ以上突っ込むことはしない。

大前研一もMITに留学したとき、原子炉の設計の難しい計算はできるのだが、それなら直径3メートルの原子炉を設計してくれといわれると、とたんにできなくなったという。

筆者も反省するところ大なのだが、なんでも頭に詰め込んで覚える、知識があることだけでは学者の世界はともかく、ビジネス、特に経営の世界ではダメなのだ。

ビジネスに必要なのは考える力であり、質問する力であり、コミュニケーション能力である。

メンタルブロックバスターで面白い問題が例題として出されている。

内径がほとんどピンポン玉と同じで、長さ60センチの鉄パイプが地面に突き刺さっている。ピンポン玉がパイプの中に落ちてしまった。道具は電球のフィラメント、ハンマー、糸、針金、板、鋸、ハンマーなどがある。パイプを破壊せずに、どうやって玉を取り出すか?

答は文末の続きを読むをクリックして見て頂きたいが、筆者は正解できなかった。自分のメンタルブロックを痛感する。


事業戦略の基本は3C

戦略を考える場合のキーワードは3C、最も重要なのがCustomer, 次にCompetitor, 最後がCompany(自分の会社)である。

つまり「カスタマーニーズに対して、コンペティターよりも相対的に優位な製品またはサービスを、持続的に提供すること」が戦略の定義であると。

案外実際のビジネスでは最も重要なCustomerより、自社の技術や製品に対する過信や思いこみ(Company)が優先されてしまうことがよくある。

たとえば写真フィルムはコダックが20枚撮りを出しているということで、長年12枚、20枚、36枚の三通りだった。

大前さんが、18,000枚の写真を分析して、カスタマーニーズを分析して、24枚撮りのフィルムをつくった。またレンズとフラッシュ付きのフィルムをつくったのだと。

カスタマーは何を求めているのかをとことん追求して失敗した事業家はいない。肝に銘じておくべきである。


FAW(Forces At Work)

事業を起こすということは、人が考えないことを考えることでもある。話の根っこにあるトレンド(そこに働いている力:FAW=Forces At Work)について真剣に考える訓練をすべきであると。

知的好奇心と執着力の旺盛さが起業家の基礎的条件である。

アタッカー起業家の例として、オムロンの立石一真さん、ヤマハの川上源一さん、ダスキンの千葉弘二さん(その後逮捕され有罪となったが、経営感覚の価値は決して損なわれるものではないと)、元スクウェア社長でお台場ヴィーナスポートの仕掛け人の宮本雅史さんなどが紹介されており、参考になる。


卒塾生の言葉

第一期塾生のケンコーコム後藤玄利社長が「Just Do It!の精神で起業にチャレンジを!」という一文を寄せている。

後藤氏はアタッカーズビジネススクールを受講したころは、健康食品の通信販売会社を立ち上げたばかりだったが、1999年にアメリカでeコマースが急拡大するのを見て、リスクを取ってeCサイトのケンコーコムをスタートさせた。

どうせリスクにさらされているなら、そのリスクを楽しみ、あわよくばチャンスにしようという精神が、大前氏のJust Do It!というかけ声に感じられ、それを実践したのだと。

アタッカーズビジネススクール。大前さんだからできたユニークな起業家養成組織だ。

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答はパイプの中に小便をして、ピンポン玉を浮き上がらせること。インテリは道具がこれだけあると言われると、どうしてもその道具を使うことを考えてしまう。これがメンタルブロック(思いこみ)だ。
Posted by yaori at 23:13│Comments(0)TrackBack(0)ビジネス | 大前研一

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