
在日米海軍司令部渉外報道専門官の長尾秀美さんの本。『起業バカ』などのベストセラーを多く出している光文社のペーパーバックスシリーズの一つだ。
「アメリカの属国でなにが悪い!」というキャッチが目を引く。
日米安全保障条約を様々な論点から分析する内容を予想していたが、1908年のアメリカ太平洋艦隊の日本寄港や1902年から1922年までの日英同盟に多くのページが割かれている。
知識として参考にはなったが、それにしても予想していた内容とは相当異なる。
結論も日米同盟の期間を100年にしろとか、棍棒外交(Big stick diplomacy)の実践として日米で『極東平和連合艦隊』をつくって、演習を実行するとかが提言である。
それがいやなら、いずれは中国の植民地になることを宿命として甘受するのだと。
エキセントリックな提言をするなら、もっと論拠を示して、多角的な情報から納得性のある議論をして欲しいものである。
そんなことを感じた。