2006年03月23日

遊ぶ奴ほどよくデキる! 大前さんの計画的遊び、趣味、家族マネージメントのすすめ

亡き友 篠塚一太君の"Work hard. Play hard."を思い出す

筆者は商社に勤めているが、会社の長い歴史の中で飛行機事故で亡くなったのは二人しかいない。それほど飛行機事故に遭うリスクは小さいということだが、二人とも1984年8月のバングラデッシュの飛行機墜落事故で亡くなった。

そのうちの一人は筆者の職場の後輩、篠塚一太君だった。

当時ちょうど筆者も篠塚君もゴルフで50を切るかどうかという時だったので、よく一緒にゴルフに行ったが、彼がよく言っていた言葉が"Work hard. Play hard"だった。

決して洗練された言葉ではなく、和製英語かもしれないが、気持ちは伝わると思う。

この大前さんのエッセーも同じ『良く遊び、良く働け』の精神で、亡き友 篠塚一太君を思い出す。仕事は精一杯やりながら人生を楽しむ様々な実例が紹介されていて面白く、参考になる。


遊ぶ奴ほどよくデキる!


はじめに大前さんのメッセージがある。「『オン』と同じくらい『オフ』にも若いうちから神経を使い、クレバーに時間、金、余裕を生み出して大いに人生を楽しんでもらいたい」と。

『ONとOFF』というタイトルでは、ちょっと前にソニーの出井元会長の本がベストセラーとなった。出井さんの本はソニーの社内報(?)のエッセー集をまとめたもの、大前さんの本は週刊ポストの連載だ。どちらもスッと楽しく読めた。


ONとOFF



大前さんの遊び

大前さんの遊びはスゴイ。本の表紙にモトクロスに参加している写真があるが、スキューバダイビング、スキー、スノーモービル等々。さらに引退した後の楽しみとして、クルージングとつりを残してあると。

大前さんの本には時々商店主の発想の話とかが出てくるが、オフロードバイクでの仲間にはサラリーマンはおらず、商店主や職人の人がほとんどだそうだ。

サラリーマンはもっと遊び、オンと同時にオフも充実させようと呼びかけている。

そのためにはオフを年間の長期休暇計画をつくって計画的に楽しみ、オフの資金も住宅資金、教育資金、自家用車等を見直すことによってつくることをすすめている。

たとえばクルーザーだ。クルーザーを持つということは、贅沢で金持ちの趣味の様に思えるが、実はクルーザー自体は中古なら自家用車程度の価格でも買える。

試しにYahoo! Auctionで『クルーザー』で検索してみると、何艘か出品されている。

もちろん維持費とか係留費とかが掛かるし、免許も要るので、それなりに高く付く遊びではあるが、たしかに手が届かないということではない。

日本は漁民優遇で、2、927もの漁港があるが、現実には漁港として機能していないところが圧倒的に多い。漁港をプレジャーボートなど一般に解放すれば、ふつうにマリンスポーツを楽しめる国となるのではないかと。

いつもながら、なるほどと思わせる。

特にクルーザーのところで、カナダのバンクーバー沖のキングサーモン・フィッシングの話が出てきたが、これは以前、バンクーバー駐在経験者から話を聞いたことがある。筆者も行ってみたくなった。

カナダのフィッシングやウイッスラーのスキーなども、格安チケットを利用すれば、本場での贅沢な楽しみが比較的廉価でできる。

実現可能で、そそられる話だ。


大前さんの趣味

大前さんは多趣味で、ちょっとしたことでも凝っている。元々楽器演奏が趣味で、大学時代はオーケストラでクラリネットを吹いていたこともある。60歳の時には還暦記念コンサートも開催したほどだ。

買い物は定番、たとえばゴールドファイルのセカンドバッグ、トゥミのブリーフケース、香港仕立てのマオカラーのシャツなど。

時間の過ごし方では、美容院、タイ式マッサージ、ネイルサロン、電気自転車でのぶらぶら散策、バイクで江戸川河川敷を散策、蓼科の別荘など。

グルメも行きつけのお気に入りの店(西麻布交差点近くの屋台風のかおたんラーメンがお気に入りだとのこと)の休日の一人メシから、年に数回早朝5時起きして家族で行く築地市場の大和寿司、ビジネスに使える店などTPOに合わせて広いレパートリーを持っている。

読書ではジャックウェルチの『わが経営』や、ユニクロの柳井さんの『一勝九敗』などのビジネス書、敗者を描いた司馬遼太郎の『峠』などの歴史小説、プラトンの『ソクラテスの弁明』などの哲学書、ファラデーの『ロウソクの科学』などの自然科学書なども大前さんのおすすめだ。

筆者は以前は書斎を持っていたのだが、今は次男の子供部屋になってしまった。現在はリビングの書斎コーナーでこのブログを書いているが、大前さんは子供部屋を削っても書斎を持つべきで、ひとりの時間を生産的に過ごせと語る。

パソコンを使っての調べ事、自分史作成、オークションや酒場の楽しみ、男の料理、老後の趣味、ボランティア、海外移住など他の趣味の話も満載だ。


『脱・ビジネス時計』大前さんも元はモーレツ人間

大前さんは今でこそ多趣味で、オン・オフを使い分けているが、マッキンゼーに入って数年は、入社四年目で出版した『企業参謀』が売れに売れて、引っ張りだことなり、ほとんど休みを取らなかったので、過労で体調を崩し、喘息を併発した。

これではマッキンゼーをやめるしかないと思い、当時のアメリカ人支社長に相談すると長期休暇を取るよう薦められた。辞めるかどうかはその後に決めろと。

それで年末年始も入れて3週間の長期休暇を取り、家族でパラオに行った。ダイビングを楽しみ、テレビもなく、新聞もない生活を数日続けていると、自分のなかのビジネス時計が止まり、オフ時計に切り替わったのだと。

脱・ビジネス時計は重要で、『リバー・ランズ・スルー・イット』のモンタナ州はアメリカ人に何もない場所として人気の場所だと。

ロバート・レッドフォード、ブラピのフライフィッシングと、きれいな川の風景を思い出す。筆者もモンタナのイエローストーン自然公園には、実はビジネスで行ったのだが(イエローストーン地区産のタルクを日本に輸出した)、次回は是非フライフィッシングに行きたい。


リバー・ランズ・スルー・イット


国内、海外旅行はオフのメインイベント。マイレージは最高の親孝行のツールだと大前さんは語っている。


大前さんの家族(チーム)マネージメント

大前さんはどんなに忙しくとも毎週木曜日夕食は奥さんとの定期点検にあてて、奥さんから家庭内の悩みを聞き、基本方針の意見統一をしていた。土日は家族や友人で楽しむオフの時間で、悩みを聞いたり、うち明けたりするには不向きだからだと。

筆者は平日でもできるだけ自宅で食事をとるようにしているが、必ずしも家内と意見交換しているわけではない。大前さんのやり方は導入できないかもしれないが、考え方は参考になる。

大前さんの奥さんはアメリカ人だが、趣味は邦楽、歌舞伎、剣道など純日本的だ。大前さんは『夫婦別行動で家族の会話を豊かにしよう!』と言う。それが夫婦円満の秘訣であると。

奥さんに自由と権限を与えれば、熟年離婚は遠のくと。


大前さんの子育て

子育てでは機会を逃さないことが重要であると。

筆者も大前さんと同様に、息子が二人いるが、全く同感である。子供はすぐ大人になるので、子供の時代に一緒に過ごすことが自分にも、将来の子供との関係にも良いと信じている。

子育てについては『ジャングルの掟』とか、「同級生としか遊ばない子供はダメになる」とか、「子供に教えるのでなく、『学ぶ手助け』をしよう」とか、参考になる考え方が披露されている。

特に印象に残ったのは「『小遣い廃止』から始める子供のマネー教育」という部分だ。

日本では1,600万人もが消費者金融を利用しており、多重債務者は150ー200万人と推定されている。個人の自己破産件数は21万件余りだと。

こんな状態になったのは、学校でも家庭でも、お金とのつきあい方を学ぶ子供のためのマネー教育が欠如しているからであると大前さんは言う。

家事手伝いなどで、小遣いは労働の対価だと覚え込ますのだと。


軽い話題でスッと読め、それでいて話題が充実しており、主張すべきことは主張している。大前さんらしい、よくできたエッセー集だ。是非一読をおすすめする。



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Posted by yaori at 12:26│Comments(0)TrackBack(0) 篠塚一太 | 大前研一

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