2006年06月26日

人は見た目が9割 本はタイトルが9割かも

人は見た目が9割


次回に紹介する『国家の品格』など、最近立て続けにヒットを出している新潮新書のベストセラー。

さいふうめい』というペンネームでマンガの原作を書いている竹内一郎氏の本だ。竹内氏は舞台演出家でもある。

トリビアの泉ではないが、『へぇー』っというネタがいくつかあるが、タイトルに惹かれて読むと、結局何の本だったかよくわからないという印象を持つ。

人は見た目が9割という根拠は、アメリカの心理学者アルバート・マレービアン博士が他人から受け取る情報の割合について次のような実験結果を発表しているからだ:

顔の表情 : 55%
声の質、大きさ、テンポ : 38%
話す言葉の内容 : 7%

これがこの本のタイトルの『人は見た目が9割』の根拠になっている。

この9割という数字には、あまり納得性があるとは思えないが、いずれにせよノン・バーバルコミュニケーション(言葉以外の伝達)が重要だという竹内さんの主張には同感である。

アメリカの大統領選挙の公開討論では「まばたきの多い方が世論調査で負ける」とか、なぜか百姓は東北弁(水戸黄門がどこに旅しても百姓は「ごぜえますだ」だ)とか、女がウソをついた時は相手をじっと見つめて取り繕うとするとか、「そういわれてみればそうか」と思う点があり、読んでいて面白い。

最初が本のタイトルになっている「人は見た目が9割」に関する話で、それ以外の部分はマンガについての話が多い。


いくつか印象に残った点を紹介しておく。

竹内さんは本よりマンガの方がよく売れていることも文字と絵の組み合わせの方が、受け手に理解されやすく、伝達力が高いからだと語る。

マンガはなぜモノクロかの理由は、水墨画の持つ「省略の美」がマンガ読者の「読むリズム」をつくりやすいからだと竹内さんは推測している。

筆者も米国に駐在していたが、たしかに日本の少年マガジンや少年ジャンプ、あるいはコロコロコミックの様な分厚い漫画本は見たことがない。コストが安いモノクロで多くの作品やページを載せるというのが、日本の読者に受けており、読むペースにあっているのだろう。

背景を変えることや、吹き出しの文字の大きさを変えること、アングルや絵の傾きを変えることなど、マンガの表現力や強い印象を与えるやり方を様々な例を使いながら説明しており、なるほどと面白い。

第7章の「良い間、悪い間、抜けている間」では、話しかけるタイミングの悪い人が増えたのは、ネット社会の影響だろうと竹内さんはコメントしている。演劇やマンガに於ける『間』について説明している。

また第8章の「トイレの距離、恋愛の距離」では距離で人間関係を説明している。

アメリカの文化人類学者エドワード・ホールによると、次の種類の距離があると。

密接距離(45センチ以下)夫婦や恋人の距離

個体距離(45センチ以上120センチ以下)親しい間柄

社会距離(120センチから360センチ)仕事上のつきあいの距離

公衆距離(360センチ以上)

これらの距離を人とのつきあい方で応用するのだ。

たとえば若い人が恋を成就させたいのなら、あまり離れてはいけないし、近づきすぎてもいけないのだと。


本のタイトルの「人は見た目が9割」に関するところは最初の部分だけだが、全体として面白い読み物に仕上がっている。ベストセラーとなるゆえんだろう。

まずは立ち読みをおすすめする。


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Posted by yaori at 22:47│Comments(0)TrackBack(0) 趣味・生活に役立つ情報 

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