2006年07月12日

ホスピタリティの教科書 赤のリッツ・カールトンの林田さんの近著

ホスピタリティの教科書


このブログでも紹介している赤のリッツ・カールトン(「リッツ・カールトンで学んだ仕事で一番大事なこと」)の著者の林田正光さんの近著だ。


リッツ・カールトンで学んだ仕事でいちばん大事なこと


林田さんはお客様が賢くなったことをまず指摘する。賢くなったお客様にどのように接していけば満足していただけるのか、そして感動させられるのか。それがこの本のテーマである。

「気くばり」とはビジネス上のマナーのこと。「心くばり」は漢字で書くと「心配」で文字通り相手のことを心配するのだ。「通常のサービス」に「気くばり」がプラスされると、お客は「満足」する。さらに「心くばり」がプラスされると、お客は「感動」するのだと。

3回来られたお客をファン、5回以上をリピーター(常連客)と呼ぶなら、5回以上来店されてお店のよい噂をふりまいて営業してくれるお客はロイヤルカスタマーである。

ロイヤルカスタマーになってもらうには、満足よりも感動が必要である。

まずは3回までの来店に全精力を注ぎ込み、それをクリアできたら5回以上を狙い、最終的にロイヤルカスタマーになってもらうことを目指すのだ。

ユダヤ人の教えに「あなたの周りの数十人の友人だけを大切にしなさい」というものがある。親しい友人が20人いるとすると、その友人一人一人に20人の友人があり、400人の潜在顧客がいることになるのだと。

数十人のロイヤルカスタマーを大切にするだけで、意外と経営は成り立つものであると林田さんは語る。

会員カードなどをつくって割引したりするとリピーターはつくれるが、問題はロイヤルカスタマーをいかにつくるかである。

普通のサービスでは、ファンやリピーターしかつくれない。感動のサービスを提供することで、はじめてロイヤルカスタマーにアップする可能性が出てくるのだと。

賢くなったお客様は消費行動に感動を求めているのだ。

なるほどと考えさせられる。

口コミをひろめてくれるロイヤルカスタマーをいかに増やすか。これがサービス業共通の成功の秘訣だと思う。


この本の最も重要な部分はこの点だが、その他にいくつか印象に残った点を紹介しよう。


従業員のモチベーションを高める方法

従業員のモチベーションを高めるには、正当な評価を与えることが一番である。リッツ・カールトンではファイブスター制度があり、その評価基準は「経営理念を実際にどのように活用したか」である。

数字はあくまで目安である。

どこの会社でも、まずは評価の基準となる企業の経営理念を、しっかり時間を掛けてつくることを林田さんはすすめている。


個人プレイでは感動は与えられない

個人プレーではお客様に感動は与えられない。ラグビーの「みんなは一人のために、一人はみんなのために」という言葉があるが、サービス業にこそチームワークが必要なのである。

これまでうまくいっていたのに、最近は会社の業績が落ち込んでいるという会社もよくあると思う。

従業員にハッパをかけ続けているが、伸びる気配はない。こういう時には一度「セクショナリズムが強まって、チームワークが軽んじられているのではないか」と疑ってみることを林田さんはすすめる。

どのようにすればチームワークが自然と生まれてくるのか、全員で検討してみるのが良いだろうと。


感性を磨く自己投資と想像力

感性を磨くためには有名な画家の美術展に行ったり、能や歌舞伎、狂言を見ることを林田さんはすすめる。ミュージカル、禅寺、生け花、ハリウッド映画等々、いつも新しいことにふれ、勉強していると自信が出てくるからだ。

自信が出てくると、どんなときでも落ち着けるようになる。

感性は知識や教養ではない。知識や教養をもう一段昇華させた知恵を磨くのだ。


笑顔とアイコンタクトで心温まる雰囲気を

「人は見かけが9割」ではないが、林田さんもアメリカの心理学者マレービアンの顔の表情が55%、音声が38%、話の内容が7%で人の第一印象が決まるという研究結果を紹介している。

林田さんは毎日鏡の前で5分間笑顔の練習をしていると。

接客、ホスピタリティのプロでもここまでやるのか!

さすがサービスのプロである。

最後に林田さんは、「ホスピタリティの原点は心です。お互い、笑顔で、誇りを持ち、そして常に心を込めてお客様とおつきあいをしていきましょう」と呼びかけている。

サッと読めて、印象に残るストーリーが一杯である。赤のリッツ・カールトンと並んでおすすめの本である。


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Posted by yaori at 23:39│Comments(0)TrackBack(0) ビジネス | リッツ・カールトン

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