世田谷一家殺人事件―侵入者たちの告白
日曜日にこの本を家内が図書館から借りたので、インターセプトして2時間で急いで読んだ。
筆者は小説のあらすじは書かないことをポリシーにしているが、この本もノンフィクションとはいえ、詳しいあらすじがわかっては興ざめなので、簡単に紹介する。
この本はジャーナリストの齊藤寅(しん)さんが、事件発生(2000年12月30日)直後から全国の警察関係者から集めた情報を元に仮説を立て、様々なコネクションをつかって地道に調査した結果のレポートだ。
世田谷一家殺人事件といえば、ほとんどの人がわかると思うが、2000年年末の12月30日夜に、世田谷区上祖師谷3丁目のぽつんと3戸だけ離れた住宅地で起こった外資系経営コンサルタント会社勤務の宮澤みきおさん一家四人惨殺事件である。
国民だれもが、なんとか解決して欲しいと願う事件の筆頭だろう。
齊藤さんは仮説を元に、同種の曾根崎風俗嬢殺人事件、大分の留学生身元引受人殺人事件、名古屋の風俗店店長誘拐・殺人事件などの関連性と証拠を調べ、ある結論に達した。
そしてその結論を元に、犯人の写真入手まで成功した。
入手した証拠を警察に渡し、たぶんそのことが理由で2003年8月に石川警視総監(警視庁は東京都を担当する地方警察なので、国を代表する警察庁と違って、トップが外国を訪問することは通常ない)が戦後初めて韓国を訪問するということに繋がったが、いまだに犯人逮捕につながっていない。
そんななかで「侵入者たちの告白」とか「ついに犯人を突きとめた」とかいった、帯の本が出版されては、警察も心中穏やかではないだろう。
熱意を持った調査で、はっきりと三人の犯人像が浮かび、写真もある。
これが単にセンセーショナルな本を出しただけで終わらず、実際に犯人逮捕に繋がって欲しいと切に思う。
参考になれば次クリックと右のアンケートお願いします。