2006年10月14日

ノーベル平和賞を生み出した本?

今日(10月14日)の新聞でバングラデシュのグラミンバンク創設者ムハマド・ユヌス氏がノーベル平和賞を受賞したことを知った。

ユヌス氏が始めた貧民に無担保で貸し付けるマイクロクレジットが、バングラデシュの貧困対策に大きな成果を上げ、このやり方は世界全体に広めることが出来ることを評価してのノーベル平和賞受賞だ。

今日の朝日新聞朝刊では「100ドル程度の少額を無担保で融資する画期的な仕組みを考案した」と紹介されているが、これではインパクトが全然ない。

たしかに貸付額を平均すると100ドル程度になるのだろうが、マイクロクレジットのすごさは、貸付額が数ドルから数十ドルの少額からという点なのだ。

つまり日本では昼食代程度の金額でも貧しい人たちに無担保で貸し付け、その人たちの自立を支援しているのだ。

筆者がこの話を知ったのはスティーブン・コヴィーの『第8の習慣』を読んでからだ。


第8の習慣 「効果」から「偉大」へ


スティーブン・コヴィーは『7つの習慣』で世界的に有名なリーダーシップ研究の権威で、『7つの習慣』は全世界で約2千万部売れている超ベストセラーだ。

デール・カーネギー、スティーブン・コヴィー、ナポレオン・ヒルと並び評せられる人生論の3偉人の一人である。


7つの習慣―成功には原則があった!



7 Habits of Highly Effective People (3CD)


『第8の習慣』は日本語訳で550ページあまり、スティーブン・コヴィー自身が吹き込んだ英語のCDでは13CD+1DVDと14時間余りの大作だ。

筆者は最初に英語の完全版オーディオブックを買ったが、なぜスティーブン・コヴィーが『第8の習慣』と呼ぶInner voice『内面の声』のことを13枚のCDを使って、これほどまでに力説するのか、よく理解できなかった。

だから次に要約版のオーディオブックを買い、これでも今ひとつ理解できなかったので、日本語訳を買って読んだ。

同じ本を完全版オーディオブック、要約版オーディオブック、日本語訳と3種類買ったのは初めてだ。

その『第8の習慣』の最初のストーリーがこのムハマド・ユヌス氏のグラミンバンクである。

こんなあらすじだ:

今から30年ほど前、ユヌス氏は米国留学から帰国しバングラデシュの大学で経済学を教え始めたが、大学のキャンパスの外では餓死寸前の人だらけだった。

竹細工づくりの女性に聞くと1日の稼ぎは2セント(2円)で、材料の竹を買う金がないから、仲買人から借金して、製品もその仲買人だけに売っていると。仲買人に搾取されているのだ。

いくらあれば材料の竹が買えるか聞いたところ、20セントあればよいと。

つまり20セントあれば仲買人に依存せず、その女性は自立して自分で事業主となれるのだ。

学生に手伝ってもらって、その村で彼女の様に少額の資金が必要な人を調査したところ、42人がいて、必要額の合計は27ドルだった。

42人の勤勉で才能ある人たちのためにわずか27ドルすら提供できない社会。ユヌス氏は自分がそんな社会の一員であることが恥ずかしかったと。

ユヌス氏は42人に27ドルをある時払いで貸し付けて、その人たちの自立を助け成功例をつくった。お金を借りた人たちは、たとえ貧しくとも、必ずお金を返す誠実な人たちなのだ。

大学のキャンパスにあった銀行の支店長に、貧しい人たちに無担保で貸し付けてはどうかと提案に行き、さらに銀行界のトップたちにも会ったが、銀行では与信できないと相手にされず、結局自分で銀行を設立することになった。

政府の許可を得るまで2年掛かったが、そうして誕生したグラミンバンクはバングラデシュの46,000以上の村で、1,267支店を通じて、平均200ドル以下、合計45億ドルを貸し付けている。

96%は女性だが、借り主の女性たちも、村での自分たちの評判にかかわるとして、ある借り主が返済しないと、プレッシャーをかけ返済を促してくれるので、回収率は99%と非常に高いのだ。

ユヌス氏のマイクロクレジットは、それなりに知名度があったのかもしれないが、たぶんノーベル平和賞を受賞するほど有名になったのは、スティーブン・コヴィーの『第8の習慣』に紹介されたからだろう。

その意味で、『第8の習慣』はノーベル平和賞を生み出した作品と言えるだろう。

第8の習慣は『内面の声』が主題で、『内面の声』とは良心、天命、使命などと言えるだろうが、スピリチュアルな内容も含んでおり、上記のようにオーディオブックから始まって、理解するために日本語訳まで読まざるをえなかった。

筆者自身が、正直いまだに完全に理解できたとは言えず、このノーベル平和賞受賞のニュースを聞き、再度また『第8の習慣』のオーディオブックを聞き直しているところである。

人にお勧めできるような立場ではないかもしれないが、まずは絶対におすすめできる『7つの習慣』を読むなり、オーディオブックを聞くなりして、読んでいただき、次に『第8の習慣』に進んで頂きたい。

ユヌス氏のストーリーの他にも心に残るストーリーが多く載せられており、付録のDVDも心に訴えるものがある。


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Posted by yaori at 16:39│Comments(0)TrackBack(0) ビジネス | スティーブン・コヴィー

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