2006年12月23日

グーグル ネット業界に強いジャーナリスト佐々木俊尚さんのレポート

グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する 文春新書 (501)


ヒルズな人たちなどの著書で知られるIT業界に強いジャーナリスト佐々木俊尚さんの本。

グーグルのすごさについては、大ベストセラー梅田望夫さんのウェブ進化論に詳しいが、キーワード広告で飛躍的に売上を伸ばした例など、違った角度から述べている。

たとえばGoogle News

ベータ版だが、日本版は610ものサイトから最新ニュースを自動的に収集して十数分毎に再構成する。

日本語版ではどうしても記事が限られるが、英語版だと4,500ものニュースソースから自動編集され、大変な情報量だ。

情報リテラシーの観点から、同じニュースを各国のメディアがどう見ているのかが比較でき、多様な価値観が理解できる。英語版であれば、辺境の新聞社の記事でも世界中の読者に読まれるようになるのだ。

情報のハブがCNNとか、ニューヨークタイムズとかの大手マスコミからグーグルに移っていくのだ。

新聞社から記事提供を拒むとかの動きもあったが、日本でも当初は記事提供を拒否していた読売新聞も記事提供を始め、スタートして三ヶ月で3大全国紙からの情報提供がはじまった。

まだまだYahoo!ニュースに比べると知名度も読者数も今ひとつだが、英語版なら世界の情報を収集でき、日本語版なら地方のニュースもわかるという意味では、使い方次第によっては非常に便利な情報源となるだろう。

この本ではグーグルの『破壊者』的性格と、すべてを検索、選別、そして『支配』していく全能の神的なグーグルの性格を様々な角度から紹介している。

成功例としては次を紹介している。

羽田の近くの有料駐車場がキーワード広告のアドワーズのおかげで、時にはお客を断らなければならないくらい顧客を集めることができたこと。

福井の三和メッキ工業という中小メッキ工場が、必殺メッキ職人というサイトを立ち上げ、キーワード広告やSEO(サーチエンジンオプティマイゼーション)で、全国の研究所や個人などから注文が集まったこと。

他方支配する神的な例としては、個人が広告収入を得られるアドセンスでクリック詐欺として停止処分を受けた映画評論家の例を紹介している。

この映画評論家のサイトの例では、1年2ヶ月あまりで30万円ほどの広告収益があったそうだが、その道が絶たれてしまったという。

梅田望夫さんのウェブ進化論の様なインパクトはないが、簡単に読めてグーグルを中心とする最近のインターネットの動きと意味がわかる本である。



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Posted by yaori at 23:00│Comments(0)TrackBack(0) インターネット | 佐々木俊尚

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