2007年04月06日

ダーリンの頭ン中 Vの発音はくちびるを噛まない!?

ダーリンの頭ン中


ベストセラーになった「ダーリンは外国人」で有名になった漫画家の小栗左多里(さおり)さんと、夫のトニー・ラズロさんの本。

ダーリンは外国人―外国人の彼と結婚したら、どーなるの?ルポ。


トニーさんは、自他共に認める語学オタクということで、話もおもしろいし、漫画も楽しい。

筆者もアルゼンチンと米国に海外駐在した経験から、英語とスペイン語ができ、ポルトガル語も少々、他のラテン語系のイタリア語、フランス語も書いたものなら、結構わかるという語学オタクもどきなので、興味深く読めた。

本の帯に「"V"の発音はくちびる噛まなくてもいいらしい・・・」とか、母音の前の"THE"は「ジ」なのか、「ザ」なのか、とかおもしろい話題が紹介されている。

"The"の真実

トニーは苦悩していたという漫画が楽しい。

なにげない会話で、母音の前の"The"は「ジ」と読むとさおりさんが言った一言で、「え?ホントに?」と悩んでしまったのだと。

普段"The"のことを意識していないからだ。

スピーチするときは、「ジ」というが、普通の会話では「ザ」と、意識しないが変わる。

日本語でも普段は暖かいを「あったかい」と言ってても、改まった席では「あたたかい」と言う様な感じだという。

ネイティブは母音の前の"The"を「ジ」とは教わらないが、たとえば詩を書く人や、コーラスなどを習っている人は、「ジ」と言う方が美しいと指導されているそうだ。

必ずしも一律ではなく、国や地域、環境などによって異なるのだと。


"V"の発音はくちびるを噛まなくてもいいらしい

ある日さおりさんはテレビを見ていて、外人が"V"の発音でくちびるを全く噛んでいないことに気が付く。それでトニーさんに聞いてみると、くちびるは噛まないとの答え。

愕然とするさおりさんの絵が面白い。

英語の"V"の発音では、学校で教わった様にくちびるを噛むというのは、やや大げさで、上の歯をくちびるにつける程度なのかもしれない。

ヨーロッパ系の言語でも、スペイン語にはそもそも"V"の発音がなく、すべて"B"と同じ発音だ。

その意味で、スペイン系の外国人だと"V"の発音が苦手の人もいるので、日本流かもしれないが、学校で教えられた人のくちびるを噛む"V"の発音は、悪くないと思う。


漢字ってすばらしい

トニーさんは漢字は効率が良く、すばらしいと語る。「列島」は英語ではarchipelagoとなるが、漢字の様に意味がわからない。

漢字が元々表意語だから、当然といえば当然だが、次のような例ではトニーさんは特にそれを感じると。

congenital bilary atresia=先天性胆道閉鎖症

英語だと何がなんだかわからないが、漢字では初めて聞いても大体わかる。


それぞれ異なる「はん」の発音

トニーさんは、次の言葉の「はん」の発音はそれぞれ異なると指摘する。

はんのう
はんぱ
はんこ
はんを
はん

これまたさおりさんは愕然とする。

英語の発音記号が出せないので、アルファベットで書くと次の通りだ:

hanno:
hampa
hangko
han.o
haN

たしかに言われてみると、それぞれ微妙に発音が異なる。今まで全く気が付いていなかった。


#と♯

ナンバーサインと音楽のシャープとは同じものだと思っていたが、違うものだということが、この本を読んでわかった。

ナンバーサインは#、音楽のシャープは♯、傾きが違うのだ。


日本語には受け身表現が多い

日本語には受け身表現が多く、トニーさんは翻訳がやりにくいと語る。

「思います」でなく「思われます」というと、自分の責任ではない感じになる。

「あるとされる」
「言われている」

とかも、主語がなんなのか、翻訳者が創作しなければいけない部分が出てくると。

あいまい表現は、英語でも"like"とか"stuff"とかという単語を前後につけて、最近使われていると。

トニーさんは、ビジネスとか会議とかはともかく、あいまいの方がストレスが貯まらず、健康に良いのではないかと。

ところで医者が患者に挨拶するときは、"How are we today?"と言うそうだが、距離を縮めるための"We"も、相手との間をあいまいにする表現の一つだ。


近くて近い韓国

トニーさんが語るには、日本語で「チ」または「ツ」で終わる言葉は、昔の中国で"T"の発音だったのを、日本人は「チ」または「ツ」で表したものだと。

それが、韓国ではほとんど例外なく"L"で終わっていると。

たとえば一(いち)はイル、実(じつ)はシルなどだ。

韓国語の「サ」は日本語の「シ」または「ジ」にあたることが多い。

たとえば事故(じこ)は韓国語では「さご」だと。

スペイン語とポルトガル語でも、同じような例がある。スペイン語の"L"は、ポルトガル語では"R"となる例が多いことだ。

たとえば:

            スペイン語      ポルトガル語
喜び           placer         prazer
浜辺           playa         praia
広場           plaza         praca
白            blanco         branco
恩            obligar        obrigar

"L"と"R"の発音が苦手の日本人にはなんとなくほっとする法則である。

韓国語では"F"の音が言い表せないので、"P"の音になる。ファッションは、ペション、ゴルフはゴルプ、フランスはプランスなどだ。


このような法則を覚えておくと、韓国語が身近に思えて、楽しくなる。


具体例もあるので、わかりやすく、面白い実用英語の本だ。

漫画なので、楽しく読める。一度手にとってみられることをおすすめする。



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Posted by yaori at 23:48│Comments(0) 趣味・生活に役立つ情報 | マンガ
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