2007年08月01日

山椒魚戦争 佐藤優氏の「獄中記」で紹介されていたので読んでみた

山椒魚戦争 (岩波文庫)
山椒魚戦争 (岩波文庫)


公判中の身ながら売れっ子作家となった佐藤優氏の「獄中記」に紹介されていたので読んでみた。

獄中記
獄中記


獄中記自体は、500ページ以上の作品で、佐藤優氏が獄中にあった500日強の間に読んだ本の感想/説明、弁護士団や外務省、大学などの友人にあてた膨大な手紙、そして佐藤氏の手記を載せたものだ。

佐藤氏のすごい読書量がわかるが、手紙などが大半を占め、内容についていけない部分もあり、あらすじは今のところ書いていない。

ただ知的好奇心が刺激される本でもあり、まずはこの山椒魚戦争を読んでみた。

この本の作者はチェコ出身のカレル・チャペックで、ロボットという言葉を作ったことでも知られるSF(寓話)作家だ。

山椒魚戦争は1936年の出版で、チャペック自身は1938年末に48歳で亡くなっている。

ヒットラーがドイツの政権を取った後、ヨーロッパ全体が戦争に向かって動き、日本はじめ列強が中国での権益拡大に動いていた時代の動きを、「山椒魚人」を使って痛烈に風刺している。

インドネシアのスマトラ島の近くで発見された身長1.2メートル程度の山椒魚人が、実はノアの洪水以前の人類の化石と一致したという設定だ。

人間が言葉を覚えさせ、列強各国が自国の山椒魚軍団として組織したり、軍事基地建設等の海中工事の労働力として積極的に使ったので、個体数は爆発的に増え、人間の人口を超える数十億までになる。

ドイツは北方系山椒魚を純血のドイツ山椒魚軍団として組織する。他の山椒魚に比べて色が白く、背筋をまっすぐ伸ばした姿勢で歩行し、頭骨も他と比較するとやや細長い…。

といった具合だ。

高い知能を持ち、水中砲などの武器も持つとなると、人間と敵対するのも自然のなりゆきだ。

小説のあらすじは詳しくは紹介しない主義なので、この程度にとどめておくが、作者のチャペックは当時の列強の権益争いと軍事力強化競争を山椒魚戦争として寓話化して、迫り来る第二次世界大戦をはっきり予見していたという意味で、すぐれた作家である。

簡単に読める作品なので、夏休みの読書におすすめする。


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Posted by yaori at 21:52│Comments(0) 小説