2007年08月08日

お金持ちになる心得71 韓国のベストセラー 蓮池薫さんの翻訳本

成功への道―お金持ちになる「心得71」
成功への道―お金持ちになる「心得71」


拉致問題の本をいくつか紹介しているが、翻訳家として活躍している蓮池薫さんへの応援の意味もあって、蓮池さんの翻訳本をいくつか読んでみた。

この本は2005年1月の発刊以来、韓国で42万部を超すベストセラーとなっている自己啓発本だ。著者のハン・チャンウクさんはフリーランスのジャーナリストのようだ。

英語のタイトルは"Good habit to change myself"となっており、そのまま訳すと「自分を変える良い習慣」となる。

翻訳者の蓮池薫さん自身も、「読んでいてこんなにうなずかされた本も最近めずらしい」と語っている。ちょっとしたファンになり、さっそくいくつかの心得を実践している。大事なのは自分を変えてみようという意識ではないだろうかと。

この手の自己啓発本は、筆者が好きなジャンルで、デール・カーネギーをはじめ、スティーブン・コビー、アンソニー・ロビンス、ジム・ローン、ブライアン・トレーシー、日本人では松下幸之助稲盛和夫PHPの江口克彦さん新将命(あたらしまさみ)さんなど多くの本を読み、かつこのブログでも紹介している。


能力主義の徹底 IMF危機を乗り越えた韓国らしい心得

韓国の自己啓発本を読むのはこの本が初めてだが、どの国でも通用する習慣を71例も紹介するとともに、いかにも韓国らしい部分もある。

1997年のIMF危機が、韓国でのビジネス慣行をガラリと変えたのだと。IMF危機後は終身雇用という概念が希薄となり、契約関係に急変した。人脈や学閥やコネが通用しない時代となり、できない社員はリストラの対象となった。社員も会社との関係を、報酬や待遇でドライに考える様になった。

心得28の「自分だけの特技を持て」では、世の中が急速に変わっており、年功序列給が能力給にかわり、目に付かない社員は無能な社員として烙印を押される様になった。リストラの対象になるのは、同じような能力を持った社員達で、他に埋め合わせができない必要な人材のみを会社は求めているのだと。

これといった特技のない人は淘汰されざるをえない。未来がどう変わるのかを予測して、特技を選択しろという。英語よりも中国語だと。

これには全く同感である。英語はいわば当然で、次に第2外国語としてなにができるかが重要だろう。筆者は英語もスペイン語もできるが、中国語はできない。

約30年前に会社の語学研修生というキャリアを選択した時、中国語やロシア語は駐在地とその後のキャリアが限定されるということで人気がなかった。当時は英語やスペイン語が人気だったが、今は中国語だろう。

筆者が最初に中国に出張したのは1983年だが、当時の上海は戦前の外国人居留区の風景が残っていて、まともなパンは上海で唯一のフレンチレストランのマキシムでしか食べられなかった。今の上海とは似ても似つかない。

著者のハンさんが言うように未来を予測するという意味で、中国語圏の人口から考えれば予測できた当然の結論だったのかもしれないが、それにしても中国の進歩はめざましいものがある。

ブラジル、ロシア、インド、中国のBRICs(最後のSは大文字にして、南アフリカを入れる場合もある)の次はベトナム、インドネシア、南アフリカ、トルコ、アルゼンチンのVISTAと言われているので、これからはこいうった国の語学を学ぶこともキャリアディベロプメントには役立つだろう。


自分を売り込もう!

自分を売り込むことをいろいろすすめていることも、この本の特徴と思える。

品格を備えよう。大声で笑ってあいさつをせよ。欠点をカバーし、長所が目立つ服装を。自分を宣伝しろ等々。

心得17は「失敗しても言い訳をするな」と。サムスングループの李建熙会長は失敗して弁解する人間を最低の社員とみなす。他のグループの総帥も同じだと。

心得18の「歯にお金をかけろ」では、浅田次郎の「天国までの百マイル」の主人公 安男が事業で失敗し、前歯が2本抜け落ちていることを例に出している。

”神の手”心臓外科医に、前歯がないと運が逃げていくと忠告されるシーンだ。「あなたなら前歯の抜けた女を誘惑するか」と。

成功する人は歯がきれいで、堂々としていると。

天国までの百マイル (朝日文庫)
天国までの百マイル (朝日文庫)



記録する習慣

心得27の「記録する習慣を身につけろ」では、1983年のソ連軍戦闘機による大韓航空機撃墜事件の時、ある日本人乗客が緊迫した状況の中で事故の記録を残していたことが、例として出されている。

絶体絶命のなかで記録を残したことをみると、その人の普段の習慣がどういうものであったかわかる。

記録することは良い習慣で、成功した人の中にはメモの習慣を持っている人が多い。本を読んだり、映画をみたら、感想をメモにしろと。反省のない人には進歩もない。


韓国人の儒教精神

心得33の「うちに秘めているリーダーシップを起こせ」では、韓国人が持っている儒教精神がリーダーとして重要だと説く。大義、奉仕精神、犠牲精神こそ、リーダーが備えるべき基本的な資質なのだ。

立派なリーダーになるためには、次の3つを肝に銘じよと説く:
1.責任感がなくてはならない
2.個人の利益よりも全体の利益を考えなければならない
3.犠牲心がなければならない

完璧に見えるリーダーは、忍耐と粘り強さで自らを磨いてきた人たちで、自分のやるべき事を知っており、引き受けた仕事はかならずやり遂げられるという自信を持っている。


韓国の留学熱

心得34の「惜しむお金と惜しんではならないお金」では、韓国人の留学に対する考えがわかって面白い。惜しんではならないお金は次の4通りだ。

1.能力の啓発と留学など未来に対する投資
2.健康に対する投資
3.配偶者に対する投資
4.セミナーや集まりの参加に掛かる費用


なんと小泉前首相も登場

心得36の「本を読まない人に進化は望めない」では、なんと小泉前総理の言葉を紹介している。「本を読んでものを考える人とそうでない人は顔に明らかな違いがある」と。

韓国のサラリーマンの一ヶ月の平均的な読書量は、1冊から3冊だが、成功する人は一般人よりずっと多くの本を読む。人間は今も進化しているはずで、その進化を可能にしているのが、本のような知識の媒体物なのだ。

成功する人は読書を通じて得たものを現実にうまく活用する。話をするときに本の内容や表現を使うなど、本を読んでたえず自分を進化させようとしている。情報化時代の成功は進化した人たちのものだと。


韓国流ポジティブ・シンキング

心得37「勝者になるのか、敗者になるのか」も良い。

二人の子供が居て、一人は小銭があると貯金し、一人は使ってしまう。貯金する子供の方が成功する可能性が高い。

バスが遅れて約束の時間を守れなかった。一人は「バスが遅れた」と言い訳をし、一人は「ごめん。僕がもう少し早く出ていれば…」と言った。

遅れた理由を自分のせいにする人は伸びる、その人は2度と同じミスを繰り返さないように努力するからだと。

「一朝一夕で大成する人などいない。成功するぞという覚悟、成功を目指す緻密な計画、成功のための自己革新、成功をめざしたたゆまない努力など、多くのことが一つに凝縮されてこそ成功という高い敷居をまたげるのだ」と。


シニアへのエール

心得61の「歳をとるほど強くなる」では、高齢のため自信をなくした人によく出会うが、新しい仕事を始めるという点から見ると、短所より長所がはるかに多いと、シニアへエールを送る。

金で買えない人生経験や広い人脈、豊富な知識を持っているではないかと。

好奇心と興味を失えば歳をとる。一生懸命仕事をする人は歳をとらない。

人生の年輪を積んだということは強くなったことを意味する。

孫子の兵書には「敵を知り、己をしれば百戦危うからず」という言葉がある。歳を取った人は既に己を知っている。だから戦うにはいっそう有利なのだと。


なにせ全部で71もの心得があり、全部紹介していると長くなりすぎるので、この程度にしておくが、それぞれが2〜4ページで簡潔にわかりやすく書かれている。

最後に男あるいは女の人生を駄目にする悪い心得が、それぞれ10ずつ挙げられている。たとえば男の場合には、時間に拘束されないようにしようとか、まずは自分の利益から追求しよう、言いたいことはその場で言おう、背広三着で1年をすごそうなどだ。

女の場合には、仕事ではあなたが女であることを密かにアピールしようとか、上司に叱られたら涙を見せよう、感情のままに行動せよとか、自分の非を認めてはならないなどだ。なかなか面白い。

韓国らしさもあり、ユニバーサルな提言もあり、それぞれが参考になる。簡単に読めるので、一度手に取ってみることをおすすめする。


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Posted by yaori at 23:32│Comments(0) 人生設計 | 蓮池薫