
最近は古典文学の新訳本が人気だ。
異常とも思える人気が出ているのは、ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」で、アマゾンの売上ランキングでも61位だ。

古典文学がこれだけ人気というのは、今までなかった現象だ。
なぜ「カラマーゾフの兄弟」なのか?なぜドストエフスキーなのか?よくわからないところだ。
最近筆者は昔読んだ小説をオーディオブックで読み直し(聞き直し)ているが、ヘッセの青春文学作品は、オーディオブックはないので、古典新訳本を読んでみた。
10代の時に読んだので、「そういえばそうだった」と、思い出す部分もあるが、それが「車輪の下」だったのか、「デミアン」だったのか、「ペーター・カーメンチント」だったのか、ストーリーがごっちゃになっている。
ほとんど筋を忘れていたため、かえって新鮮な感動を得られてよかった。
「車輪の下」は、ヘッセの自伝的作品で、ドイツのシュヴァルツヴァルト(黒い森)地方の田舎町出身の聡明なハンス・ギーベンラート少年が、難しい試験に合格して神学校に入学した後、神学校の友人との交友や、挫折を経験する青年の悩みを描いた作品だ。
車輪という言葉には様々な意味が込められ、運命の有為転変を意味すると訳者の松永美穂さんは解説している。
筆者のポリシーとして、小説のあらすじは詳しくは書かないが、今読んでも、感動が新たによみがえる。素晴らしい青春小説だ。
舞台は19世紀末のドイツの神学校だが、その入学試験のために、10代のハンス少年は、ヘブライ語で聖書を研究し、ラテン語、ギリシャ語を学んでいる。
19世紀のドイツの神学校受験生はドイツ語はもちろんのこと、ヘブライ語、ラテン語、ギリシャ語ができたのである!
そして聖書は原文のヘブライ語で研究しているのだ!
昔の人はすごかったと、つくづく思うし、自分はまだまだだなと思う。
やはり古典文学はいい。心が洗われる思いだ。
是非古典文学の再読をおすすめする。
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