2008年01月31日

人はなぜ太るのか あたらめてダイエットを考えてみるのに最適な本

人はなぜ太るのか―肥満を科学する (岩波新書)


新潟大学教授で、予防医学、長寿科学が専門の岡田正彦教授による肥満のメカニズムを解説した本。

岡田教授自身はやせていて太りたいと思っているという。


実は筆者はここ半年で、4−5キロ体重が増えてしまった。

石井東大教授の「スロトレ」を読んで、基礎代謝を上げるために、筋肉をつけるべくトレーニング量を増やしたのだ。

体重は一旦は筋肉量の増加で増え、その後は減ってくるものと予想していたが、体重が4−5キロ増えたきり減らないのである。

おかしいと思って読んでみた本がこれだ。


ひと言で言って、筆者の場合は、カロリーの摂りすぎだった。

筆者の場合、毎日飲んでいたゲータレード、夕食時の牛乳、そして朝食シリアルに入れるドライフルーツやプルーン、ミックスシーズなどがカロリー過多の要因だった。

男性の場合は炭水化物、糖質の摂取量が肥満につながる。週末の夕食のデザートも肥満に直結する。

この本を読んで減量対策がわかったので、まずは一日500キロカロリー程度減らすべく、週0.5キロくらいのゆるやかな減量を始めたところだ。


横道にそれてしまったが、この本で覚えておくべきポイントは次の通りだ:


三大栄養素の整理

3大栄養素の体内での働きは次の通りだ。

1.タンパク質は1グラムで4カロリー。タンパク質のもとはアミノ酸で、不要なアミノ酸は体外に排出されるため、肥満の原因にはならない。

2.炭水化物も4カロリー。炭水化物のもとは糖分で、余分な糖分は脂肪酸に変化し体内に蓄積されるので、肥満の原因になる。

3.脂肪は9カロリー。脂肪のもとは脂肪酸で、余分な脂肪酸は中性脂肪として蓄積されるため、肥満の原因になる。


炭水化物のグリセミック指数(GI値)

アメリカで5年間にわたる調査の結果、男性は糖分を摂っているグループが圧倒的に太り、女性では脂肪を多く摂ると太ることが分かったという。

だから男性の場合には、炭水化物・糖質対策が重要だ。

炭水化物を食べて一定の時間で血糖値がどの程度上昇するかを指数で示したものが、グリセミック指数(GI値)だ。同じ炭水化物でもグリセミック指数の高い食品の方が、はやく空腹感を覚え、間食を取ってしまうので太る傾向がある。

また全く同じ総カロリーにもかかわらず、グリセミック指数の大きい食事ほどインシュリンの分泌量が格段に多く、アドレナリンと成長ホルモンが上昇することがアメリカの実験でわかった。つまりGI値の高い方が、肥満につながりやすいのだ。

この本によると、主な食品のグリセミック指数は次の通りだ:

70−79 パン、ベーグル、コーンフレーク、にんじん、かぼちゃ、ドーナッツ
60−69 全粒パン、クロワッサン、パイナップル、アイスクリーム
50−59 ご飯、オートミール、ゆでたポテト、とうもろこし、ポテトチップス、ポップコーン、バナナ、オレンジジュース
40−49 ぶどう、オレンジ、チョコレート
30−39 スパゲッティ、ヨーグルト、リンゴ、梨
20−29 ソーセージ、牛乳、グレープフルーツ
10−19 ピーナッツ

ネットで検索すると、次のような日本の食品のGI値を紹介したサイトがあるので、参考になる。

GI値






日本ではそばが良いと言われるが、これもグリセミック指数が低いからだ。ちなみに筆者が朝食で食べているブランフレークは、穀類では春雨に次ぎGI値が低い。


運動療法

健康的にやせる方法として、減量ペースとしては1週間に0.5キロ、1ヶ月に2キロを岡田さんはすすめる。ダイエットだけで0.5キロ減量するためには、毎日500キロカロリー以上も食べる量を減らす必要があるので、運動も必要になってくる。

まずは歩くこと、そしてジョッギングでも1時間8キロくらいでゆっくり走ること。水中では体重が1/10になるので、水泳もひざなどに負担が少なく無難な運動だ。

それと腹筋を鍛えるために、レッグレイズそして腕立て伏せをすすめている。

さっそうと歩くように心がけたり、エレベーターやエスカレーターに乗らないことも有効だ。

ちなみに筆者の現在のルーティンは次の通りだ。

平日1−2回 : 加圧式トレーニング 15分
平日1−2回 : 腕立て伏せ50回とレッグレイズ15回 x 2セット
土曜日     : 1キロ以上水泳(クロール)
日曜日     : 2−4キロジョッギング

月曜から金曜日: 駅まで2キロウォーキング

岡田さんのすすめる3種類の運動処方箋にも近く、妥当だと思われる。


果物の効用

バナナをはじめ、果物はカロリーが低いので、肥満対策にも効果がある。

次のように比較すると果物が良いことがわかる。

ミカン1個       35キロカロリー
バナナ1本      85キロカロリー
プリン1個      200キロカロリー
あんパン1個    200キロカロリー
大福1個       160キロカロリー
シュークリーム1個 160キロカロリー

特にバナナは良い。

東京マラソンはじめ、マラソンでは栄養補給用にバナナが大量に用意される。

岡田さんも「バナナは単糖であるぶどう糖と果糖、2種類のしょ糖、それに多糖類に属するスターチが微妙な割合で含まれている。それぞれ、体内でぶどう糖になるまでの時間が異なるため、血糖値のレベルが長時間にわたって維持されるので、長時間の運動には最適の食品なのである」と語っている。

もちろんバナナだけ食べていては栄養が偏るので、他の食品も摂る必要があるが、バナナはGI値が低いこともあり、腹持ちも良く、その意味でもダイエットには効果的だ。

尚、筆者はバナナと牛乳の組み合わせが好物だが、牛乳は脂肪量が極めて多いので、大人にとっては肥満の原因になる。

200CCの牛乳で140カロリーくらいあるので、上記のシュークリーム1個と同じくらいのカロリーである。子供にはバナナと牛乳は最適のコンビネーションだが、減量には牛乳は適さない。


アルコールでは体重は増えない

この本を読んで初めて知ったが、アルコールはカロリーが高いように思えるが、分解され体内に残らないので、それ以外の成分のカロリーのみが体に吸収される。

ビールのレギュラーサイズと清酒1合は、ほぼ同じ50キロカロリー程度で、食パン1/3程度だ。

アルコール以外の成分の少ない蒸留酒、たとえば焼酎などは、アルコールを除けば、ほとんどゼロカロリーだ。

酒類で太ったとしたら、つまみのせいで、ダイエットのためにアルコールをやめる必要はないと岡田さんは語る。


ダイエット薬など

ダイエットピルやダイエット手術についても岡田さんはコメントしている。

やせ薬のなかには、食欲をなくすものもあるが、かなり危険な副作用があるので、日本では自由に購入できる市販品はない。

フェンフルラミンエフェドラが有名だが、どちらも危険な副作用がある。中国のやせ薬でも死者が出たことも記憶に新しい。

甲状腺ホルモンや成長ホルモンも副作用がある。漢方薬も同様で、薬でやせるのは危険が大きいという。

アメリカではハリウッドスターでなくても、手術で胃を小さくしたり、小腸を切り取って胃とくっつけるという手術も行われているという。

そんなことをしなくても、適度な運動とともに、毎日の食事を見直して、少しでもカロリーを減らせるものはカットして、それで摂取カロリーを減らして減量するのが正道だろうが、ショートカットを求める人もいるものだ。


水を飲んでも太るという人がいるが、水だけで太れるなら人類の食糧問題は解決すると岡田さんは言う。考えてみれば当然の話だ。

GI値の違いでやや異なるが、基本的には摂ったカロリーがそのまま体重増加につながる。要は足し算の問題だ、ダイエットに奇跡はないのだ。

いろいろ迷信が多いダイエットにつき、正しい理解ができる。写真もほとんどなく、学術書のような本ではあるが、内容は大変参考になる。

フィットネスを気に掛ける人に、是非おすすめできる一冊である。


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Posted by yaori at 22:33│Comments(0) 趣味・生活に役立つ情報 
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中性脂肪とアルコール【中性脂肪を減らし、肥満や病気を予防しよう】at 2008年05月08日 00:26