2008年02月28日

フォーカルポイント ブライアン・トレーシーの一点集中のすすめ

フォーカル・ポイント―仕事の「その一点」に気づく人、気づかない人


成功哲学のブライアン・トレーシーの一点フォーカスのすすめ。

最初に原子力発電所のシステムトラブルの例が挙げられている。呼ばれてやってきたコンサルタントは、2日間くまなく歩き回り、何百もの計器、スイッチをチェックして計算をし、最後に一つの計器に「×」と書いた。

「この計器が壊れているので、これを交換すれば問題は解決する」と。その通り計器を交換すると発電所はフル稼働を始めた。

その後1万ドルのコンサルタント料の請求書が届いた。

あんな単純な×を付けただけの作業に1万ドルとは高すぎるとして、コンサルタント会社に問い合わせすると、計器に「×」を付ける料金 1ドル + 「×」を付けるべき計器を探す料金 9,999ドルという明細が届いたという。

人生のどの局面にあっても、どこに「×」を付けるべきか知ることは、なにかを成し遂げるため重要だ。

この「×」がフォーカルポイントである。

太陽光線を虫眼鏡で焦点を合わせると紙を燃やす熱が出る様に、またレーザー光線の凝縮されたエネルギーが鋼を切り裂く様に、重要な活動だけに集中すれば、あなたの知性や能力が高まり、普通の人よりも早く高い目標に到達できる。

フォーカルポイントの中心となる考え方は、「自らの明確化」である。自分が何者で、本当は何がしたいのかを明確に認識する方法だ。このために、次の4つのことを実行することをブライアンはすすめる。

1.重要なことには、現在より多くの力を注ぐ。
2.重要でないことはやらない。有益でないなら、その活動は減らすかやめてしまう。
3.今までしたことのない何か新しいことを始める。
4.ある特定のことから完全に手を引く。

この本では前半の部分では様々なフォーカルポイントプロセスと、それを実行するためのいくつかのヒントが述べられている。

後半の部分で1.億万長者、2.健康、3.ひとかどの人物、4.他人と違うことをする、5.精神的に満ち足りた生活の5つの観点にしぼって具体的アドバイスが書かれている。

フォーカルポイントプロセスを実行し、80:20の法則で仕事を効率化して、収入を3倍にした。それで時間ができたのでマメに運動して10キロ減量し、家族との時間、旅行もできるようになったセールスマンのことが紹介されているが、それはほんの一例にしかすぎないという。

フォーカルポイントプロセスとは、収入は倍、労働時間は半分になる方法だ。


GEホーソーン工場での実験

面白い例が紹介されている。GEのホーソーン工場で、照明の明るさや、騒音、室温、作業員の配置など、様々な条件を変えて最も生産性が高く、最もミスの少なくなる最高の労働条件を探す実験を行った。

結果は労働条件をどんなふうに変えても生産性は上がったという。

理由を調査したところ、従業員(彼女)たちは、実験の対象に選ばれたことに誇りを持ち、自分たちが重要な存在に思えたので、さらに一生懸命に働いたのだという。

このホーソーン工場の発見がその後のマネジメント革命の引き金となった。生産性向上に関わる心理的な要素の重要性だ。


SLAMが鍵

フォーカルポイントの要素は次の4つ、SLAMだという。先に紹介した本田直之さんのレバレッジ人脈術も似たような考え方だ。

1.合理化(Simplification)
  効率の悪い仕事、つきあい、習慣などをリストラする。

2.てこの力(Leverage)
  他人の力、他人のエネルギー、他人の資金、他人の成功のマネ、他人のアイデア、他人の失敗、人脈を利用する

3.加速性(Acceleration)
  誰よりも早く物事を処理する方法を探し出す。

4.多様化(Multiplication)
  自分にない技能や能力を持った人たちを集めて一緒に働くと、自分の能力や可能性を多様化できる。

優秀な人材が集まったチームをつくり、彼らに重要な業務を完了させる管理能力を身につければ、長期にわたる成功が保証される。まず第一はやるべきことを決定することだ。重要性と緊急性のクワドラントでやるべき仕事と優先度を決める。


様々なルール

詳しくは説明しないが、とても覚えきれない次のような様々なルールが述べられている。

☆生産性を高める3つのルール

☆生産性を高める7つの鍵

☆簡素化のための7R

☆生活をシンプルにする6つの方法

☆精神力を鍛える7つのプログラム

☆戦略的人生設計についての7つの質問

☆仕事で成功するための4つの鍵

☆お金を貯めるために毎日する4つのこと

☆いつまでも健康でいるための7つの秘密

☆1000%方式の7つの方法

☆21世紀を生きるあなたへの7つの教訓

やはりこの手の本はオーディオブックで繰り返し聞いて、頭にたたき込んだ方が良く理解できると思う。

"Forcal Point"ではオーディオブックは出ていない。

Focal Point: A Proven System To Simplify Your Life, Double Your Productivity, And Achieve All Your Goals


ただし、同じブライアン・トレーシーの"The Power of Clarity"のオーディオブックがほぼ同じ内容で出ているので、筆者はこれを購入しようと思う。

Focal Point: A Proven System To Simplify Your Life, Double Your Productivity, And Achieve All Your Goals
The Power of Clarity


最後に印象に残った部分を3点紹介しておこう。


1.億万長者を目指そう!

100万ドルを稼ぐことなど、想像以上に簡単だとブライアン・トレーシーは語る。

20歳から65歳まで毎月100ドルを運用益の良い投資信託に投資すれば、普通なら平均年率10.8%のリターンが得られる。その利率だと月に100ドルの投資が退職するときには120万ドルを超えている。

にわかには信じられないかもしれないが、エクセルで次のように入力してみて欲しい。

=PMT(10.8%/12, 45*12,0,1200000)

=PMTは毎月の支払い金額を求める関数だ。これを逆に使って、金利が10.8%で、元手ゼロ、45年後の受取額120万ドルの値を求めると、上記の答えは86ドルとなる。

10.8%の平均利回りなら、45年後に120万ドルの資産をつくるには、86ドルで済む。毎月100ドルも必要ないのだ。

人がそれをやらない理由は次の3つだとブライアン・トレーシーは言う。

1.そんなことに気づかない
2.行動を起こすのに必要な決断ができない
3.実行をぐずぐず先送りにするから

まさに目から鱗で、しかも筆者にぴったり当てはまるので耳が痛い。


(余談)35年満期の生命保険

余談ながら、筆者は10年以上前のアメリカ駐在の時に、死亡時の受け取り保険金50万ドルで35年満期の掛け捨て生命保険を買って、今も毎月100ドル払い続けている。

100ドル X 12ヶ月 X 35年 = 42,000ドル

支払額は35年間の合計で4万2千ドルにしかならないのに、万が一の死亡時には50万ドル支払われるので、非常に有利な掛け捨て生命保険だと今まで思っていたが、上記の話を知り、試しに計算してみた。

=PMT(11%/12, 35*12,0,500000)

この答えは101ドルだ。

何のことはない、筆者から受け取る100ドルを保険会社が年間11%以上で複利運用できれば、筆者が満期までに死亡しない場合、保険会社は50万ドル儲かる。

万が一筆者が期間中に死亡したとしても、35年間での被保険者の死亡率が一定率を超えない限り保険会社は儲かる。

筆者の保険の満期年齢は73歳だが、米国の平均余命は75歳を超えているので、契約時に38歳の人が73歳までに死ぬ確率は、筆者の推測では、たぶん10ー20%程度ではないかと思う。

亡くなる人が期間中どのように分布するかによって計算は変わってくるが、80−90%の人が生き延びれば、生存者の保険金運用で一人当たり50万ドルの資産となっているので、10−20%の人が期中に亡くなっても保険会社としてはペイする。

米国でもこのような超長期の生命保険はなくなり、今は最長10年間になっていると思うので、筆者はえらく安い生命保険を買ったと今まで思っていたのだが、リスクはあるものの、保険会社として大損する取引ではないのだ。

ちなみに筆者は非喫煙者だが、喫煙者の保険料は倍だ。アメリカの保険会社の保険料はすべて確率をベースに計算されているので、いかに喫煙の健康リスクが高いかがよくわかる。


成功者は長期目標を立てる

どの社会でも、経済的に成功した人は10年、20年、時には40年先を考えて計画を立て、長期目標に従って日々のスケジュールを立てる。

これが経済自立の本来の姿だとブライアン・トレーシーは語る。

アーノルド・シュワルツェネッガーの例を挙げている。

シュワルツェネッガーはオーストリアのグラーツ市で育ったやせっぽちの少年だったが、自分の筋肉を鍛えたいという一念があったので、ボディビルのチャンピオンになり、さらには俳優、カリフォルニア知事にまでなったのだ。

筆者も昔ボディビルをやっていたので、シュワルツェネッガーの10代の時の写真を見たことがある。たしかにやせっぽちだった。

長期目標を立てることで、人は変われるのだ。


1000パーセント方式

「1ヤード進むのは大変だが、1インチずつなら難しいものはない」という法則だ。毎日0.1%、週5日間生産性を上げると、週に0.5%、月に2%、1年間では26%生産性が上がる。

楽天の三木谷さんも同じ事を言っている。三木谷さんの言葉では「常に改善、常に前進」だ。


社会貢献の目標を決めよう

ブライアン・トレーシーは人生の目標の一つとして、社会貢献の目標を決めることをすすめる。

ジョンD.ロックフェラーは初めは週給3.75ドルの事務員だった。しかし薄給にもかかわらず、彼は毎週教会に給料の半分を寄付していたという。やがて52歳の時に世界一の富豪となっていたロックフェラーは余命1年と宣告される。

彼は残りの人生で自分のお金を使い切ってしまおうと慈善団体への寄付を始めると、寄付をするほどに精神的に満たされ、病状が良くなり、やがて病気がすっかり完治して、91歳まで生きたという。

鉄鋼王アンドリュー・カーネギーは「富は墓には持ち込めない」、「金持ちのまま死ぬのは恥だ」と言って、自分の資産を社会貢献に使い全米に3,000を超える図書館をつくり、各地にカーネギーホールや博物館などをつくった。

マイクロソフトのビル・ゲイツも、世界の病気・貧困撲滅のためビル&メリンダ・ゲイツ財団を組織した。今年半ばにはビル・ゲイツはマイクロソフトから引退し、慈善事業に専念する予定だ。

ウォレン・バフェットが賛同して300億ドルを提供したので、ビル&メリンダ・ゲイツ財団は世界最大の慈善基金団体となっている。

いかにもアメリカ人らしい博愛主義の行動だ。いずれは筆者も慈善活動に奉仕したいと思う。


目から鱗の発見もあり、おすすめの本だが、内容を自分のものにするには、何回も読まなければならない。

「なんとかの7つのルール」とかを覚えようとせず、サッと流して読んでも、それなりに得るところはあると思う。



参考になれば次クリックお願いします。


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Posted by yaori at 23:52│Comments(1)TrackBack(0) 成功哲学 | ブライアン・トレーシー

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この記事へのコメント
お金の話がとっても分かりやすかったです。
複利運用できるものを見つけることが先決ですね。

ありがとうございます。
Posted by kei at 2009年09月29日 10:26