2008年05月05日

効率が10倍アップする新・知的生産術 勝間和代さんの10倍シリーズ本

効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法
効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法


昨年から”10倍アップ”シリーズでベストセラーを連発している公認会計士で経済評論家の勝間和代さんの知的生産効率アップ術。

次回あらすじを紹介する勝間さんのベストセラー「お金は銀行に預けるな」に書いてあったが、勝間さんのライフワークは、(1)現代の日本に生きる多くの人がワークライフバランスをもっと上手に整えられるよう、労働時間短縮に向けたしくみ作りを手伝うことと、(2)金融・経済・会計の知識を社会に還元するために、わかりやすく伝えていくことの2つだそうだ。

この本は他の”10倍アップ”シリーズ同様(1)の路線だ。

すべての本の帯に自分の写真を載せ、この手の本に比較的縁遠かった主婦やOLなどの女性読者もターゲットにしていることがうかがえる。

この本にも書いてある通り「本を出すと人生のステージが変わる」ので、勝間さん自身を世の中に売り込みことも目的とした”10倍アップ”シリーズである。

現代は「情報はお金より大事」であり、この本では情報処理での「トヨタ生産方式」を目指して生産性を上げる様々なやり方(グーグル化)を紹介していくと語っている。


情報収集

基礎となる情報収集では、ツールとしてブラウザのFirefox, RSS,有料の日経テレコン21,GMail(メールを常にGMailに転送)、Google Desktop, Google Calenderなど様々な機能を使った効率的な情報収集策を紹介している。


情報処理

こうして集めた膨大な情報の中から、本当に価値のある1%の情報を見極める方法として、勝間さんは次の6つの技術を紹介している。

(1)フレームワーク力をつける

フレームワーク力というのはマッキンゼーに入社したときに仕込まれたもので、必要な情報と不必要な情報の区別、情報の因数分解などの整理のために、或るフレームワーク(思考の引き出し)に割り当てるという思考方法だ。

マッキンゼーには200くらいの基本パターンをまとめたフレームワークのマニュアルがあり、勝間さんはマッキンゼーに入社して毎日そのマニュアルを見続けたという。数学でいうと「解法」というところか。

(2)ディープスマート力をつける
ディープスマート力とは、聞き慣れない言葉だが、経験を重ねると長年の勘で情報の価値がわかるようになる。その熟練した洞察力をディープスマート力と呼んでいる。辞書にも見あたらないので、決して一般的な言葉ではないが、この言葉を使った本を紹介している。

「経験知」を伝える技術 ディープスマートの本質 (Harvard business school press)
「経験知」を伝える技術 ディープスマートの本質 (Harvard business school press)



(3)失敗力をつける
失敗力とは、失敗から学ぶことだ。

(4)ベスト・プラクティスの共有で学びを分けてもらう

(5)自分の価値を見いだせないところはバッサリ切り捨てる

(6)本代をケチらず良書を読む
ここで勝間さんの本領が発揮される。勝間さんは月100冊、月間10〜15万円を読書に使っているという。

本は多くの企画から厳選された良質なコンテンツであり、筆者が採算度外視で自己実現のために書いている場合が多いので安価で、一覧性に優れており、携帯性もあるという様々なメリットがある。

たった2時間の労働(読書)だけで、筆者が何年も、何十年もかけて培った情報と交換させてくれるので、本ほど効率的で安価なものはないと勝間さんは語る。

勝間さんの場合、本当の良書に巡り会う確率は数冊から10冊に1冊くらいだという。だからすき間時間を中心にどんどん読んで、不要な本は売るなり捨てるなりするのだと。

筆者は「積ん読」の傾向があり、買った本は買うだけで満足してしまい、読まないことが多いので、本は読んでから気に入った本だけ買うことをポリシーにしている。

勝間さんはとりあえず買っておいて読み、頭の中にしまって、保管は10分の1にしておくと言っている。アプローチは違うが、同じ結果だと思う。

筆者のおすすめのモーティマー・アドラーの「本を読む本」や本田直之さんの「レバレッジ・リーディング」も推薦書として紹介されている。

この本の文末に推薦図書やオーディオブックのリストがあり、116冊の本と33のオーディオブックが推薦されている。参考にはなるが、必読書としてカーネギーや松下幸之助の本が入っていないことが気になる。

年収10倍アップにも紹介されていたが、オーディオブックのダウンロードサイトとして、次が紹介されている。

FeBe(日本語)

audible(英語)


勝間流インプット力を高める6つの技術

次にインプット力を高める技術が6つ紹介されている。

(1)ノートパソコンを自分の補助脳として使い倒す

(2)フォトリーディング、親指シフト、マインドマップなど 
勝間さんは米国での4日間のフォトリーディングのセミナーに参加したという。親指シフトなども、もはや名人の域に達していると。

(3)アナログ入力とデジタル入力をバランスよく使い分ける

(4)マスメディア情報を減らし、実体験、他社体験、良書を3大情報源とする

(5)目以外の感覚器、特に耳をもっと活用する

(6)睡眠は投資、よく運動して、よく寝る


勝間流アウトプット力を高める6つの技術は、次の6つだ。

(1)自分独自のアウトプットをつくって、インプット情報を確かめてみる
たとえばインターネットビジネスを評価するなら、自分でサイトを立ち上げてみるとかだ。

(2)自分の学びを言葉で表現してみる

(3)自分の学びを数字に置き換えるクセをつける

(4)自分の学びから情報を絞り込み、軸を発見する

(5)自分の学びをブログに表現してみる

(6)自分の学びを本として出版する


集中力=体力なので、体力をつけるトレーニングとか食生活など、5つの生活習慣の技術を紹介している。集中力=体力というのは筆者も全く同感である。試験などもまさに体力勝負である。

人脈作りは、Giveの5乗でGive & Give & Give & Give & Giveなりと。決してGive & Takeではないところがミソだ。

最後に今日の行動から明日が変わるとして、成果は「知識」 x 「実行割合」 x 「定着率」で決まるので、実行を促している。

様々な方法が紹介されて、ごった煮状態なので、多くを試すよりは、まず自分がやれる1−2のことから行動に移すのが良いだろう。

簡単に読めるので、まずは書店でパラパラっと立ち読みすることをおすすめする。


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Posted by yaori at 22:33│Comments(0)TrackBack(0) 読書 | 勝間和代

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