2009年6月15日追記:
ホームレス大学生
著者:田村 研一
販売元:ワニブックス
発売日:2008-10-09
おすすめ度:
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ホームレス中学生で大ヒットした麒麟の田村君のお兄さん、田村研一さんの本。
ホームレス中学生と基本的には同じストーリーだが、お兄さんの目から見たホームレス生活のことを書いている。
田村君は「まきふん公園」だが、お兄さんとお姉さんは「たこ公園」だ。
田村君の本では兄弟がホームレス生活の後で、知人の好意で古家で一緒に生活できたことしか書いていないが、お兄さんの本ではどうやって生活費、家賃を工面したかが書いてある。
お兄さんは一家が「解散」した時には大学生だった。コンビニの深夜アルバイトで月12万円ほどの収入があったが、それだけでは3人が暮らすのは到底無理なので、「解散」後すぐに田村君は友達のところに行くと言って、実際には「まきふん公園」で、お兄さんとお姉さんは「たこ公園」でホームレス生活を始めた。
そして知人の好意で古家に兄弟3人で住めることになり、お兄さんは奨学金を受け、アルバイトし、お姉さんと田村君は生活保護を申請し、時にはアルバイトをして、なんとか家賃を工面した。
一時は毎日小遣い2,000円ということもあったが、生活保護がなくなると一日300円となった。このあたりは以下の田村君の「ホームレス中学生」に詳しい。
お兄さんはお父さんが蒸発したあと、家長として兄弟を支えたことがよくわかる。
お兄さんも吉本で芸人を目指したが、田村君がやはり芸人を目指すことになると、兄弟2人が芸人で、お姉さんの幼稚園教諭としての給料では3人生活できないとして、自分はきっぱり辞めた。
お兄さんのみが経験した話として、お父さんを追いかけていた借金取りに捕まり、怖い目にあったことが描かれている。
最後はテレビの企画で、逃亡していたお父さんが14年目に見つかり、お父さんが独りで住んでいる1DKを兄弟3人で訪問して、それから家族が一緒に暮らせるようになったことを書いている。
今や田村君は売れっ子芸人、妹さんは幼稚園教諭となって結婚し、あとは長男として弟妹をひっぱってきたお兄さんが自分の生き方を見つける番だ。
そんな将来の道を見つける決心をするための今回の出版かも知れない。
ホームレス中学生と同じストーリーながら楽しく読めた。
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