2008年05月13日

企業通貨マーケティング 中上級者向けのポイント・電子マネーの本

企業通貨マーケティング企業通貨マーケティング


日本のポイント・電子マネー研究の第一人者、野村総研のポイント経済レポート。

2006年に出版された「2010年の企業通貨」以来、テレビや新聞、雑誌でポイントというと野村総研の安岡さんや冨田さんが頻繁に登場する。

2010年の企業通貨―グーグルゾン時代のポイントエコノミー (未来創発2010)


筆者は経済産業省の企業ポイント研究会のメンバーだったので、野村総研の企業通貨プロジェクトチームとは知り合いだ。

日本の年間ポイント発行額は野村総研の推計が、しばしば引用されており、今回の見直しでは2006年度のポイント発行額は少なくとも6,600億円と見込まれている。

前回の推計では2005年度のポイント発行額は5,500億円だったが、前回の推計と計算のベースが異なるので、単純比較はできない。

たとえば家電量販店上位10社の平均ポイント還元率はたしか前回は1%で計算されていたと思うが、今回はより実体にあわせた6.5%で計算している。

大手家電量販店でもポイント還元せず、現金割引をセールスポイントにしている企業もあり、またクレジットカード払いだと2%程度ポイント還元率が下がるので、平均6.5%というのは妥当なところだと思う。

ちなみに現金の代わりにポイントで買い物した場合、ポイントがつく量販店と、つかない量販店があるので、その意味でも平均6.5%というのは妥当な数字ではないかと思う。

他の業界についてもポイント還元率を見直しているが、筆者の印象としては、全体としてまだ低めではないかという気がする。

この本は2006年の「2010年の企業通貨」の改訂版とも言える内容で、この2年間で急速に拡大した電子マネー及び電子マネーのポイントをさらに詳しく取り上げている。

スイカにしろ、ナナコ、Waonにしろ、すべて電子マネーとポイントがパッケージになっているので、電子マネーとポイントの差が、よりはっきりしてきた様に思える。

さらに昨年の企業ポイント研究会で議論された消費者間取引への拡大(ポイントで友達に支払うなど)、地域連携の拡大(地域通貨、地域ポイントの拡大)、グローバルトレンドから見た進化(英国のNectarや韓国のOKキャッシュバッグ(今までCash Backかと思っていたら、Cash Bagだった))も取り上げられている。

そして未来解説としてポイント格付け機関の登場と、ポイントを巡る法制度のこれからについての予測が載せられている。

もちろん基本的なポイントや電子マネーの「企業通貨」マーケティングのすすめに多くのページが割かれており、これからポイントや電子マネーを導入検討している人には役立つ本だ。

ポイントプログラム導入時に陥りやすい罠と、ポイントプログラム2.0として企業通貨マーケティングの進化が説明されている。

筆者は経産省の企業ポイント研究会では、ポイント交換のメリットとして優良顧客の相互送客効果を説明したが、この本でも同様の説明がなされている。

最後の第9章は「日本が誇る現金より強い企業通貨」というタイトルで、「企業通貨は日本が誇る文化」、「企業通貨は現金より強し」という様に説明されている。

筆者が日頃「ポイントはお金より気になる」と言ってポイントマニアのブログにも書いていることと同じで、我が意を得たりという気持ちだ。

日本のポイント、電子マネー研究を代表する慶応大学の國領先生、東大の須藤先生、明治学院大学の森田先生、日本大学の階戸先生、早稲田大学の守口先生、中央大学の杉浦先生の論文やコラムが紹介されており、さすが野村総研、という感じだ。

初心者向けではないが、中上級者には旬の話題が満載で、大変参考になると思う。ポイントに携わる人には必読の一冊である。


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Posted by yaori at 18:12│Comments(0)TrackBack(0) ビジネス | 趣味・生活に役立つ情報

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