2009年01月20日

祝!大統領就任 マイ・ドリーム バラク・オバマのケニア出身の父親への複雑な気持ち

2009年1月20日再掲:


本日深夜(日本時間1月21日01:30〜02:00頃)オバマ新大統領が就任演説を行う。

NHK総合とBS-1でも01:10から放送されるので、オバマ氏の2つの著作のあらすじを再掲して筆者からの就任祝いとしたい。



2008年10月7日初掲:

マイ・ドリーム―バラク・オバマ自伝マイ・ドリーム―バラク・オバマ自伝
著者:バラク・オバマ
販売元:ダイヤモンド社
発売日:2007-12-14
おすすめ度:4.5
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米国民主党の大統領候補で、現時点では大統領に一番近いバラク・オバマ氏の本。

「自伝」だと思って読んでみたが、結論から言うと「自伝的小説」だった。

「自伝的小説」というとわかりにくいかもしれないが、白人の母とすぐに離婚して本国に戻ってしまったケニア人留学生の父への怒りを含んだ複雑な気持ちが主題となったノンフィクションだ。

英語の原題も"Dreams from My Father: A Story of Race and Inheritance"というもので、こちらの方が内容をあらわしている。

Dreams from My Father: A Story of Race and InheritanceDreams from My Father: A Story of Race and Inheritance
著者:Barack Obama
販売元:Random House (a)
発売日:2005-05-10
おすすめ度:5.0
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それ以外にシカゴの貧民街でのコミュニティ・オーガナイザーとしての生活、父の国ケニアでの父の生活や親戚との出来事などを書いている。

両親が二歳のときに離婚したので、子どもの時は父親の記憶はなく、父と生活したのはケニアに戻った父がハワイに遊びに来た10歳の時の約一ヶ月だけだった。

小説のあらすじは詳しく書かないのが筆者のポリシーなので、簡単に紹介しておくが、オバマ氏の父への複雑な気持ちは、日本で言うと志賀直哉の作品、特に「和解」を思い出させる内容だ。

和解 (角川文庫)和解 (角川文庫)
著者:志賀 直哉
販売元:角川書店
発売日:1997-06
おすすめ度:5.0
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アマゾンのなか見検索には対応していないので、目次を紹介しておく。

第1部  起源(オリジン)

第1章  ナイロビからの電話
第2章  インドネシア
第3章  ハワイでの再会
第4章  人種のはざまで
第5章  オキシデンタル・カレッジ
第6章  コロンビア大学

第2部  シカゴ

第7章  オーガナイザー
第8章  コミュニティー開発プロジェクト
第9章  雇用訓練センター
第10章 いくつもの方法論
第11章 オウマ(オバマ氏の異母姉)
第12章 アスベスト問題
第13章 ユースカウンセリング・ネットワーク
第14章 希望を持つ勇気

第3部  ケニア

第15章 ルーツを巡る旅
第16章 父が抱えた苦悩
第17章 サファリ
第18章 父の故郷
第19章 オバマ家の物語

実はビル・クリントンのマイライフの様な自伝を予想していた。

マイライフ クリントンの回想 MY LIFE by Bill Clinton 上マイライフ クリントンの回想 MY LIFE by Bill Clinton 上
著者:ビル・クリントン
販売元:朝日新聞社
発売日:2004-09-10
おすすめ度:3.5
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このブログでも紹介したがマイライフはビル・クリントンが大統領退任後2年間掛けて書き上げた自伝で、日本語だと上下1、600ページ余り。

実の父がビルが生まれる前に交通事故でなくなったこと、自らの生い立ちや学生時代のこと、JFKに会ったこと、留学後弁護士となり、アーカンソー知事に最年少で当選、再任失敗、返り咲き、そして大統領に当選してからの様々な出来事を語っている。

もちろんオバマ氏はまだ大統領になっていないが、それにしても1995年に書いた自伝をそのまま書き加えることなく出版するというのは、彼なりに考えがあってのこととはいえ、いかにも大統領選挙に間に合わせたという感が強い。

オバマ氏はもう一つ「合衆国再生」という本を出している。

合衆国再生―大いなる希望を抱いて合衆国再生―大いなる希望を抱いて
著者:バラク・オバマ
販売元:ダイヤモンド社
発売日:2007-12-14
おすすめ度:4.5
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近々読んでみるが、こちらはオバマ氏の政策提言を説明した本で、オバマ氏を一躍有名にした2004年の民主党大会での演説内容を敷衍したものの様だ。



「マイ・ドリーム」の最後はケニアの祖父と父の二つの墓の間で涙を流すオバマ氏の心の描写で終わっている。

人生の輪が完成したのだと。

「黒人としての生活、白人としての生活、少年時代に感じていた捨てられたという感覚、シカゴで目撃してきた挫折や希望など、アメリカでの私の人生はすべて、海のこちらにある小さな土地と繋がっていて、その繋がりは、私の名前や皮膚の色なんかより、もっとずっと深いものだったのだ。そして私が心に感じた痛みは、父の痛みであり、私の疑問は、きょうだいの疑問だった、彼らの苦悩は、私が生まれながらにして受け継いだものだったのだ。」

アフリカ系アメリカ人のノンフィクション小説としてベストセラーになり、テレビドラマにもなったアレックス・ヘイリーの「ルーツ」があった。筆者もテレビドラマを見て、クンタ・キンテが白人に捕まる場面や、奴隷船の場面など感動したことを思い出す。




「ルーツ」のオバマ版として読むことをおすすめする。


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Posted by yaori at 18:28│Comments(0)TrackBack(0)政治・外交 | バラク・オバマ

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