2009年03月08日

女女格差 タイトルに惹かれて読んでみた

女女格差女女格差
著者:橘木 俊詔
販売元:東洋経済新報社
発売日:2008-06-13
おすすめ度:3.0
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タイトルに惹かれて読んでみた。

著者は元京都大学教授で、現在は同志社大学教授の橘木俊詔(たちばなき としあき)さんだ。

ちょっと長くなるが、内容が大体推測できると思うので、この本の目次を紹介しておく。

第1章 男女格差
 1. 人口学からみた男女格差
 2. 労働の男女格差
 3. 生活状況の男女格差
 4. 教育水準の男女格差

第2章 女性の階層
 1. 女性の階層はどう決まるか
 2. 出身階層が女性の人生におよぼす影響力
 3. 女性の階層
 4. 出身階層は結婚に影響するのか

第3章 教育格差
 1. 教育の需要と供給
 2. 女性の教育を需要と供給から評価する
 3. 女性の教育格差拡大の影響 ー 三極化の意味(超高学歴層、高学歴層、低学歴層)

第4章 結婚と離婚
 1. 人が結婚に至るプロセス
 2. 結婚しない理由
 3. 結婚のマッチング
 4. 結婚・家族に関する妻の意識
 5. 離婚率の上昇とその要因
 6. 離婚にまつわる「女女格差」

第5章 子どもをもつか、もたないか
 1. 出生率の細かい検証
 2. 人は子どもをなぜほしがるのか
 3. 子どもをもつことの負担感
 4. 子どもをもつことで変わる女性の人生
 5. 少子化を防ぐための議論を呼ぶ試案

第6章 専業主婦と勤労女性
 1. 専業主婦は女性の夢だった
 2. 専業主婦からの脱出
 3. 女性の就業を決定する要因とその実態

第7章 総合職か一般職か、そして昇進は
 1. 総合職と一般職の違い
 2. コース別人事管理制度の導入理由と歴史的変遷
 3. 「女女格差」からみた総合職と一般職
 4. 昇進への道

第8章 正規労働か、非正規労働か
 1. 就業形態の実態
 2. 就業形態による処遇の格差
 3. 非正規労働者が多く存在する理由
 4. 正規と非正規にまつわる「女女格差」

第9章 美人と不美人
 1. 美人・不美人はすぐれて主観による
 2. 平均への回帰
 3. 美人は得か
 4. 美人が得なのは不公平か
 5. まとめ

第10章 おわりに


いくつか参考になった点を紹介しておく。

●合計特殊出生率(いわゆる出生率)は1.3を切るまで低下しているが、夫婦一組あたりの子どもの数は2でずっと変わりがない。

合計特殊出生率





完結出生児数





この本の多くの統計は国立社会保障・人口問題研究所が発表している資料だ。

国立社会保障・人口問題研究所





この研究所は少子化情報ホームページで役に立つ情報をとりまとめている。

shoushika






●女性も男性も30歳を過ぎると「ある年齢までには結婚する」という人が少なくなり、「理想の相手を待つ」という人が大幅に増える。女性の場合は30歳未満はほぼ50:50で、むしろ「ある年齢までには結婚する」の方が多いが、30歳を超えると1:2と「理想の相手を待つ」が急増する。

男性の場合はここまで極端ではない。


この本では多くの統計をもとに、橘木さんが分析・コメントするという形式で、学会発表のような内容だ。

目新しい発見はないが、いままでおおざっぱに理解していた少子化の原因(要は男女ともに未婚化、結婚年齢上昇であることがわかり、橘木さんは、非嫡出子と嫡出子の権利の差をなくして、たとえばフランスの様な結婚によらない子どもが増えるようにすべきだと主張している。

また、この本のタイトルになっている「女女格差」は学歴と結婚相手、そして就労形態に関連があることがわかる。

少子化問題に興味がある人は、国立社会保障・人口問題研究所の少子化情報ホームページとともに役立つと思う。


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Posted by yaori at 03:33│Comments(0)TrackBack(0) ノンフィクション 

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