2009年10月22日

「古代カルタゴとローマ展」に行ってきました チュニジア大使の「うな重方式」英語勉強法

2009年10月22日追記:

多賀さんの本にたびたび登場する会社の先輩(TOEIC970点!)と同僚で大丸で開かれている「古代カルタゴとローマ展」に行ってきた。

次は会場で配られていたチュニジア政府の観光案内だ。

Tunisia2





チュニジアの各都市の位置を示したのが次の資料だ。
Tunisia1





出典されていたのは、テラコッタの様々な像や瓶など、ギリシャ風の大理石の彫像、ガラス細工の置物や首飾り、指輪やコインなどの金属加工品、墓を飾った石柱装飾や彫刻された石棺、そしてモザイク画などだ。

古代カルタゴとローマ展」のサイトの写真をいくつか紹介しておく。

これが筆者が感心した金属加工による装飾よろいだ。ミネルヴァの女神像が彫られている。
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紀元前3世紀というと日本では弥生時代にこれだけの精密な金属加工製品ができていたことに驚かされた。

極彩色のガラス細工の置物もきれいだった。そしてカルタゴ展を代表するモザイク画も見事だった。

バラのつぼみを撒く女性のモザイク像:

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モザイクのメデューサ像。

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これが石棺のふたの彫刻だ。下半身が羽となった女神が右手で鳩を持っている。

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筆者が1980年代はじめにエジプトに出張した時に、先方の接待でエジプト料理のレストランに行き、鳩料理を食べたことを思い出す。なぜか「オム・デ・アリ(アリのお母さん)」というフルーツタルトのようなホットデザートを食べたことが記憶に残っている。

カルタゴの港は海の入口の商港とその奥にある軍港にわかれていたが、軍港にあった巨大な木製の人口島のモデルには驚かされた。

軍船200隻以上を収納可能だったそうで、中央は司令室、ドック自体は乾ドックとなっており、軍船を収納して修理したもので、当時の再現CGが流れていて大変興味深かった。

次のカルタゴの想像図で、丸い出島のようなものが描かれているが、これが軍港の乾ドックだ。

carthage_img2








カルタゴは今のシリアあたりに居たフェニキア人の植民地で、ローマと戦ったポエニ戦争でのハンニバル将軍の象を使ってのアルプス越えが有名だ。

カルタゴの最大領土(出典:Wikipedia)

CarthageMap




しかし第3次ポエニ戦争でローマ軍に破れ、住民はほとんど殺戮されたり奴隷にされて、不毛の地にするために土には塩がまかれ、カルタゴは徹底的に破壊されたという。もちろんこの軍港の巨大な木製人工島も破壊されたのだろう。

筆者はエジプトには出張したことがあるが、チュニジアには行ったことがない。ましてやカルタゴが現在のチュニジアにあることも知らなかった。アフリカにあるが、住民は見たところアラブ系の浅黒い人というよりは、白人が多いようだ。

この本の著者の多賀敏行さんがチュニジア大使で赴任されたので、おかげで知識が広がった。是非機会があれば「古代カルタゴとローマ展」も見て欲しい。


2009年10月18日追記:

「外交官のうな重方式英語勉強法」の著者多賀敏行さんは、今年7月に辞令を受けて、在チュニジア全権大使としてチュニジアに赴任されている。

そのチュニジアにちなんだ「古代カルタゴとローマ展」が全国各地で順繰りに開催されている。

現在は東京駅の大丸百貨店で10月25日まで開催されている。

カルタゴ





来週にでも一度行ってみようと思う。

それにしても今回カルタゴの英語読みのスペリングを初めて知った。"Carthage"(カーセージ)がカルタゴとは!

チュニジアはアラビア語国だが、フランス語も普及しており、多賀さんも昔独学で覚えたフランス語が役に立っているそうだ。

「芸」は身を助けると言うが、いろいろな国の言葉ができることも立派な「芸」だと思う。

その意味も含めて多賀さんの最新作「外交官のうな重方式英語勉強法」のあらすじを再掲する。


2009年3月11日初掲:

外交官の「うな重方式」英語勉強法 (文春新書)外交官の「うな重方式」英語勉強法 (文春新書)
著者:多賀 敏行
販売元:文藝春秋
発売日:2008-11
おすすめ度:3.0
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この本の最後のクレジットに挙げられている先輩に勧められて読んでみた。著者の多賀敏行さんはジュネーブ日本政府代表部公使や、バンクーバー総領事などを歴任した外交官で、現在は東京都知事本局の儀典長だ。

まず不思議なネーミングに興味がわく。

多賀さんが「うな重方式」と呼ぶのは、うな重は、ご飯、たれ、ウナギ蒲焼きが混ざって初めておいしいのであって、別々に食べても良さがわからない。

英単語もこれと同様に、名詞の前後の動詞なり、主語なりを一緒に覚えることで、記憶にとどめようというものだ。

たとえば日本の戦争責任について、カナダの新聞に"Japan's amnesia"というタイトルの記事が掲載されたことがあったが、"amnesia"とは健忘症のことで、日本の首相が靖国神社に参拝することに中国などが日本は戦争責任を忘れていると怒っているという内容の記事だ。

同じ記事に"The Japanese are contorting the truth"という文が出てくる。"contort"というのは難しい単語だが、"contort the truth"(事実を歪曲する)だと覚えやすい。

このような言い回しで英単語を覚えることを「うな重方式」と 多賀さんは呼んでいる。

筆者も今でこそTOEIC945点だが、会社に入ってアルゼンチンに研修生として赴任する時、パンナムのアメリカ人スチュワーデスに"milk"を頼んだら、何度言っても通じず、"milk","milk"と連呼していたら、結局ビールを持ってこられたときには落ち込んだ。

当時筆者は"L"と"R"の発音の区別ができなかったし、朝食時でもないのに、大の大人が牛乳を頼むというのも、スチュワーデスからすれば、ありえないことだったのかもしれない。

このことが教訓となり、それからはミルクを頼む時は、"(a glass of)fresh milk"と頼む様になり、特に"a glass of"を付け加えるようにすればカンペキになった。

これも多賀さんの言う「うな重式」の例になるのかもしれない。

TOEIC945点までになったのも、このパンナムの"milk"の件で発憤したことも大きいと思う。

ところで、アルゼンチンにいる間に"L"と"R"の発音ができるようになったので、その後の英語の進歩につながった。

アルゼンチンで"L"と"R"が区別できるようになったのは、ワインのおかげだ。

スペイン語で白ワインは”ビノ・ブランコ”だが、はじめはvino brancoという風に発音していた。ある時vino blancoと言えたら、同じ下宿のアルゼンチン人の友達が"L"が言えたじゃないかと祝福してくれた。

余談ながらポルトガル語では白ワインはvinho brancoだ。どういうわけかヨーロッパもポルトガルまで行くと他の国と"L"と"R"が逆転する。


200語を覚えると10,000語理解できる!?

多賀さんは昔の英語勉強法のベストセラー作家岩田一男さんの本を紹介し、100の接頭語(a, in, ex, re, conなど)と100の語幹(たとえばspire)を覚えると、マトリクスで10,000語の意味がわかる50倍の投資効率だと紹介している。

英単語記憶術―語源による必須6000語の征服 (カッパ・ブックス)
著者:岩田 一男
販売元:光文社
発売日:1967-03
おすすめ度:4.0
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筆者も岩田一男さんのカッパブックスの本を学生時代に読んだことがある。英語を語源で覚える英語勉強法の本はいくつもあるが、たぶん岩田一男さんの本が元祖ではないかと思う。

ちなみに接頭語の"a"や"con"は元々ラテン語起源で、"a"は英語の"to"だし、"con"は"with"である。


●冠詞が分かれば英語は分かる

そこそこ英語が出来る人には、冠詞の重要さ、冠詞の使い方の難しさは共通認識になっていると思う。

冠詞が正確に使えると、ネイティブと区別がつかない英文を書ける。

この本では多賀さんはいくつか例を紹介している。たとえば:

・Do you have time?(時間がある?)
・Do you have the time?(今、何時?)
・What is time?(時間とはなんであろうか?ー哲学的疑問)
・What is the time?(今、何時?)

・within a month(1ヶ月のうちに)
・within the month(その月のうちに)

・I ate a chicken in the backyard.(庭で一羽のにわとりを締めて食べた)
・I ate chicken in the backyard.(庭でチキンを食べた)

参考として次の2冊を紹介している。

国際ジャーナリストの英語術 (朝日新書)国際ジャーナリストの英語術 (朝日新書)
著者:村上 吉男
販売元:朝日新聞出版
発売日:2008-05-13
おすすめ度:3.0
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村上吉男さんはよく米国のメディアにも登場した英語の使い手だという。また日本人の英語についてのマーク・ピーターセン氏の本も、冠詞の使い方について参考になるという。

日本人の英語 (岩波新書)日本人の英語 (岩波新書)
著者:マーク ピーターセン
販売元:岩波書店
発売日:1988-04
おすすめ度:5.0
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マーク・ピーターセンは、最初に冠詞が決まり次に名詞を選ぶのだという。発想が全く日本人とは逆である。

多賀さんは、筆者も高校生の時に使ったなつかしい「山貞」(山崎貞)の参考書、「新々英文解釈研究」(初版はなんと1915年)を今でも使える英文法の解説書として、"what"の関係形容詞的用法などを紹介している。

新々英文解釈研究復刻版新々英文解釈研究復刻版
著者:山崎 貞
販売元:研究社
発売日:2008-12-11
おすすめ度:5.0
クチコミを見る


"what money I have"は"all the money I have"の意味だ。

●"can"と"be able to"の違い、"will"と"be going to"の違い

この本では"can"と"be able to"の違い、"will"と"be going to"の違いなどが、多賀さんの経験を通じて説明されているので、わかりやすい。

"can"と"be able to"は、多賀さんがケンブリッジに留学していた時、判例が見つかったときに、教授に"I could find the case"と言ったら、理解されなかった例を紹介している。

"could"は、「いつでも望めばできた」という意味で、「ある時あることができた」と言うなら、"be able to"か"manage to"を使うのだと。

"will"と"be going to"の違いは次の通りだ。

・I will take you to the observatory floor."(展望階につれて行ってあげましょうー意志決定)

・I am going to take you to the observatory floor."(これから展望階につれて行ってあげますー元々の計画をこれから実行)


●同じように見えて意味が違うケース

この本には同じように見えて、様々な意味の違いがあるケースを紹介している。答えは続きを読むに記載した。

・「古池やかわず飛び込む水の音」は"A frog has jumped into the water."か、"A frog jumped into the water"か?

・"I have painted the chair"と"I painted the chair"の違い

・"My grandfather has done a lot for me"と"My grand father did a lot for me"の違い


●チャーチルの名言

バトルオブブリテンの時のチャーチルの英国議会での有名な発言が倒置法の例として紹介されている。

"Never in the field of human conflict was so much owed by so many to so few."
(人類の戦争において、こんなにも多くの人々が、こんな少ない人達によって、これほどまでに助けられたことはなかった=訳は筆者バージョン)

横道にそれるが、筆者はオーディオブックで、チャーチルのノーベル賞受賞作"The Second World War"第2次世界大戦を聞いている。

Audibleでダウンロードしたものだが、元々6巻をチャーチル自身が4巻にまとめたものを、声優が全文朗読している。

1巻が10時間から14時間で、4巻全部で50時間程度の大変なボリュームだが、第2次世界大戦のあちこちの戦場での出来事が詳しく語られている。

the second world war





バトルオブブリテンは第12章、オーディオブックで30分ほどが割り当てられている。

撃墜機数も戦果発表当時とは違い、実は半分程度だったとか、レーダーもまだよちよち歩きの段階だったという風に、第2次世界大戦の帰趨を決めた重要な戦いながら、控えめな表現なのが印象的だ。

ずいぶん前から聞いているが、やっと1944年10月のレイテ沖海戦まで来たところだ。

元外交官の関榮次さんの「チャーチルが愛した日本」を読んだことでもあり、時間を掛けて興味深く聞いている。

チャーチルが愛した日本 (PHP新書)チャーチルが愛した日本 (PHP新書)
著者:関 榮次
販売元:PHP研究所
発売日:2008-03-15
おすすめ度:3.5
クチコミを見る


ちなみにアメリカを訪問した時に、チャーチルは自分のことを"Half American"と言っており、アメリカ人である母のジェニーの影響を強く受けていることをみずから語っている。


ややセンスが古いところもあるのでアマゾンのレーティングは低いが、軽妙な語り口で1時間程度で読める。

「うな重方式」という奇抜なネーミングに難があるような気がするが(混ぜて食べて味わうならカレーライスでも天丼でも何でも良いはず)、かなり英語が出来る人でも参考になる点が多いので、一度手に持ってページをめくってみることをおすすめする。


参考になれば投票ボタンをクリックしてください。




同じように見えて意味が違う場合の例:


・「古池やかわず飛び込む水の音」は現在完了形の"A frog has jumped into the water."だと飛び込んだ水音や波紋の余韻が残るが、過去形の"A frog jumped into the water"だと、余韻は残らず、さらに次々にかえるが飛び込むことだってありうる。

・"I have painted the chair"はペンキ塗り立ての意味、"I painted the chair"だと、私がこのいすのペンキを塗りましたという意味。

・"My grandfather has done a lot for me"と"My grand father did a lot for me"の違いは、前者はまだ祖父は生きているが、後者は祖父は亡くなっている。

Posted by yaori at 13:00│Comments(0) 多賀敏行 | 英語