2009年08月20日

政権交代で民主主義度がアップ? 国際ジャーナリストの英語術 

2009年8月20日再掲:

いよいよ衆議院選挙戦が始まった。8月30日の選挙では大方の予想通り、「山が動く」ような気がする。

政権交代が現実味を帯びてきている。

イギリスの雑誌"The Economist"は世界各国の民主主義度(Democracy index)を発表している。

2008年の民主主義度だと、日本は世界で17位で、米国は18位となっている。前回の2006年のデータでは日本は20位、米国は17位だった。

最低は北朝鮮なのは変わりない。

トップはスウェーデン、ノルウェー、アイスランドなど北欧諸国が占めている。

Democracy index




出典: Wikipedia

"The Economist"とは別に、米国国務省も各国の民主主義度を発表しているという。

米国国務省が発表している「民主主義度」で日本がトップグループに入れないのは、政権交代が起こっていないからだという。

このことは元朝日新聞ジャーナリストの村上吉男さんが「国際ジャーナリストの英語術」で書いているので、そのあらすじを再掲する。

今回政権交代が起これば、日本の「民主主義度」も上がり、トップグループに入れるだろう。

8月30日の総選挙が楽しみだ。


2009年4月3日初掲:

国際ジャーナリストの英語術 (朝日新書)国際ジャーナリストの英語術 (朝日新書)
著者:村上 吉男
販売元:朝日新聞出版
発売日:2008-05-13
おすすめ度:3.0
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先日読んだ「外交官のうな重方式英語勉強法」に紹介されていたので読んでみた。

著者の村上吉男さんは、朝日新聞顧問で、大学卒業後ジョセフ・グルー奨学金で米国フレッチャースクール法律外交大学院に留学し博士号を取得した後に帰国し、1965年に朝日新聞社入社。

バンコク、ワシントンに駐在し、1977年のロッキード事件の時にロッキード社のコーチャン副会長への単独インタビューに成功するなど、数々のスクープを挙げる。

村上さんの英語能力は、前述の「うな重方式」の著者で外交官の多賀敏行さんのお墨付きである。

村上さんは「英語は体育」と言い、積極的に口のまわりの筋肉を動かして発音しないと英語は上達しないと語る。米国駐在経験9年の筆者も目からウロコの指摘である。

筆者も日本人の少ないピッツバーグでアメリカ人相手に仕事をしていたので、自分ではそれなりに英語はうまいつもりだが、息子たちに言わせると「日本人(外国人)の英語」というのがわかるという。

ネイティブ並みの英語の発音をめざすには、やはり「体育」と思って、口をネイティブのまねをして動かすことが必須なのだろう。

この本では、発音のときのくちびるの形まで載せていて、大変わかりやすい。

英語は体育






前半では取材のコツ、ウラを取る、「スピン」=情報操作対策、機動力が勝負など国際ジャーナリストの仕事の進め方を簡単に説明している。マスコミの仕事の裏側の努力や駆け引きがわかって面白い。

後半の部分は「英字新聞は最高の先生」として、記事の構成、見出しの理解、ニュース・ソースなど英字新聞を読みこなすためのコツや、英字新聞読解のための200単語などを紹介している。

この本の目次

この本の目次は次の通りだ。

序章 ある英語学習者の体験

第1章 ジャーナリストと英語

第2章 英語は「体育」−「話聞読書」の学習法

第3章 それでは通じない!−和製英語からの脱却

第4章 英語の品格ーまずは"and, but, so"の卒業から

第5章 英語新聞は最高の先生ー読みこなすためのコツ

付録 英語新聞が読めるようになる200単語


筆者はTOEIC945点だが、この本の最後の200単語のうち1割くらい意味が分からなかったし、発音も間違って憶えていたものが多い。

特に"hose"や"post"の"o"(オー)の発音は、"ou"(オウ)となることは、この本を読んで初めて気が付いた(ホウズ、ポウst)。

上には上が居る。筆者の大学生の長男は(元)帰国子女なのでTOEIC975点だが、たぶん村上さんはTOEICだと990点(満点)なのではないか。TOEIC945点程度で満足している自分が恥ずかしく思えた。

この本では日本人の犯しやすい間違いと、どうやったらネイティブの英語を書けるか、どうやったら英語らしく聞こえるかがわかりやすく説明されていて参考になる。

英語があまりできない初級者から上級者までまんべんなく役に立つ実用書だと思う。

特に参考になるのが第4章の「英語の品格」だ。


「英語の品格」

次がこの章のサブタイトルだが、様々な観点から村上さんの豊富な経験に基づいた至れり尽くせりのアドバイスをしてくれている。英語の上級者にも参考になることがわかると思う。

・ただ「話せる」というだけではいけない

・感銘を与える英語

・くだけた物言いと流暢さは違う

・取り扱い注意の感動詞

・and, so, butからの脱却

・物や事象を主語にする

・品格ある英語

・good, wonderfulを別の語に

・badを別の語に

・単語の言い換えで会話の格を上げる

・英語らしい発音にするための微調整

・語尾の"n"と"m"をしっかり発音する

・子音をはっきりと。母音を勝手に付けない

・"f"、"v"の発音

・"wo"、"o"、"oa"の発音

・"i"(アイ)の発音

・さらに上を目指すなら

・フランス語の活用

・ラテン語の活用


その他、いくつか参考となる例を紹介しておく。


発音できなければ生活できない

そこそこ英語のできる日本人が米国に来て困るのが、自動音声対応装置とドライブスルーだ。

電話の自動音声対応装置は、ちょっとでも発音が悪いと通じないし、ドライブスルーも何回も聞き返されて、後ろに車の長蛇の列ができると焦ってしまってなおさら通じなくなるパターンが多い。

筆者もマクドナルドのドライブスルーでは冷や汗かいた思い出がある。なぜ通じないのかわからないのだ。

筆者がピッツバーグ日本語補習校の運営委員長をやっていた時に、このドライブスルーの件を、学校の卒業記念文集に書いたことがある。そうしたらアメリカ人と結婚した日本人の補習校の先生から「アメリカ人の夫も通じないことがある」となぐさめ(?)られたことがある。

アメリカでも方言があることも通じない原因の一つだ。

南部なまりは有名だが、東部のピッツバーグでもピッツバーグなまりがある。

たとえばピッツバーグでは”ファイリング”は”ファーリング”だし、”サンドイッチ”は”サムウィッチ”だ。

最初に秘書に”ファーリング”と言われた時は何のことか分からなかった。

アメリカ人でもドライブスルーは苦手の人がいるというのは、なまりとか人種による声帯の違いなどの事情もあるのかもしれない。


日本は民主主義度でトップグループではない

カーター政権の頃、米国国務省が「世界の民主主義国家リスト」を発表したことがあり、日本はトップグループでなく、第2グループだった。村上さんは国務省の担当にいきりたって電話を入れたが、理由を聞いて納得したという。

その理由は日本は長年政権交代が起こっていないので、第2グループなのだというものだった。

今年中には政権交代が起こる可能性が高くなってきたので、いまでもこの国務省のリストがあれば、来年は日本は初めてトップグループに入るかもしれない。


"Any government lies"(どんな政府もウソをつく)

2003年春の米国のイラク侵攻の時に、米国政府はメディアも使ってイラクが大量破壊兵器を持っているという情報を流したが、IAEAエルバラダイ事務局長は証拠はつかめていないと言っていた。

それにも関わらずアメリカはイラクに出兵した。

イラクの核開発について最後までアメリカと対立したIAEAのエルバラダイ事務局長とIAEAの組織全体が2005年のノーベル平和賞を受賞したことは、IAEAの立場が正しかったことが国際的に認められたものである。

次の2つは第4章「英語の品格」からだ。


パーティ用語の"byol"

村上さんはパーティの招かれた時に挨拶状に"byol party"と書いてあったのを見過ごして、恥をかいたという。

"byol"とは"bring your own liquor"のことで、飲み物持参パーティのことだ。

"byob"と呼ぶことも多い。"byob"とは"bring your own booze=酒"のことだ。


"and, so, but"からの脱却

次の2つの文を比べて欲しい。

"I went to school yesterday, and I saw a teacher. He said hello to me. But I don't like that teacher, so I didn't say hello to him"

"When I went to school yesterday, I say a teacher I didn't like. He said hello to me, but I didn't return a greeting"

どちらが説得力あるだろうか?

このように"and, so, but"から脱却することで、英文も小学生レベルの英文から、ピリッとしまった英文を書けるようになる。


英語の4大発音

村上さんは次の4つが英語の4大発音で、繰り返し練習が必要だという。("ae"と"з"は発音記号の代わり)

1."man"などの"ae"音

2."shirt","term", "worthy"などの"з:r"または"зr"音

3."learn"などの"L"音

4."think", "thank you"などの"θ"音

筆者はこれにアメリカ英語の特徴である"r"(アール)の発音を加えたらカンペキと思う。


アメリカ駐在のときに、当時幼稚園児と小学生の息子たちに「お父さんの英語は下手だ」と言われていた。

自分ではそれなりに英語がうまいつもりなのだが、当時の息子たちのようなネイティブと同じ発音と自分の発音が異なる理由がわかったような気がする。

「駐在のときにこの本を読んでいれば....。」と思うと残念だ。


英語の初級者にも上級者にもおすすめできる。読むだけでなく英語の発音も試して欲しい本である。


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Posted by yaori at 22:37│Comments(0)TrackBack(0) 趣味・生活に役立つ情報 | 英語

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