アメリカひじき・火垂るの墓 (新潮文庫)著者:野坂 昭如
販売元:新潮社
発売日:1972-01
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火垂るの墓 (新潮CD)
著者:野坂 昭如
販売元:新潮社
発売日:2001-07-25
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高校生の時に読んだ野坂昭如の「火垂るの墓」をオーディオブックで聞いた。
橋爪功さんの朗読だ。
電車の中で聞いていると、年甲斐もなくウルウルしてみっともないのではないかと恐れていたが、小説自体は涙がにじむことはなかった。
しかしこのオーディオブックの巻末についている野坂昭如さんの6分半にわたる談話にはぐっときた。
野坂さんは自分ではこの本を読めないのだと。
自分のことを飾って書いている。卑しい気持ち、死んでしまった妹に対する哀悼の気持ち、虚構の部分がヤリのように突き刺さってくるのだと。
神戸空襲で焼け出された昭和20年6月5日から妹が亡くなった8月21日まで、ほとんどまともなものが食べられなくて、妹が死んだ姿・形を見たときに自分の人生観が決まったという。
今度紹介するグラミンバンク創設者のムハマド・ユヌスさんは、自伝に次のように書いている。
「死に方はいろいろあるが、餓死は最も受け入れがたい死に方だ。餓死はスローモーションのようにやってくる。生と死の境がだんだんせばまり、生きているのか死んでいるのか分からない状態になる。餓死は静かにやってくるので、誰もが気が付かないうちに人は死んでしまう。」(筆者訳)
こういった死に方が戦地、そして内地でも終戦前後に起きた。野坂さんの妹もスローモーションのように餓死して息絶えたのだろう。
野坂さんは、「自分自身を甘やかして書いている。自分はあんなにやさしくなかった、妹の食べるものを奪って自分自身が生き延びた負い目がある」と語っている。
残酷な兄だということを隠して、食べ物をかっぱらって生き延びて、そのことを隠して飾って小説を書いて、カネを稼いで今贅沢をしているのだという。
この作品を語ることは苦痛ではあるが、物書きはその苦痛に直面せざるをえない。人によっては気が狂ったり、自殺したりするが、それは物書きの宿命なのだと。
なんとも含蓄のある著者談話である。
自分の作品について語る著者談話がオーディオブックの巻末についてくることは時々あるが、この野坂昭如さんの談話ほど感動したものはない。
野坂さん自身が非常に冷静に語っているところが、すごいところだ。
アニメや実写版になってDVDも出ているが、野坂さん自身の談話が含まれているCDも、機会があれば是非聞いて欲しい。
火垂るの墓 完全保存版 [DVD]販売元:ウォルトディズニースタジオホームエンターテイメント
発売日:2008-08-06
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火垂るの墓 [DVD]出演:吉武怜朗
販売元:バンダイビジュアル
発売日:2009-03-27
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昔読んだ作品を読み直す(聞き直す)のも、感動を新たにできて良い。
高校の時に読んだので、文庫本で一緒に収録されている「アメリカひじき」が何のことなのか、懐かしく思い出される。
(アメリカひじきが何かは、続きに書いておいた)
時には昔読んだ本を読み返すことも良い。その際にはオーディオブックの活用も是非おすすめする。
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