2009年11月06日

自分の値打ちを高める法 ビジネスマン必修講座

自分の値打ちを高める法 (WAC BUNKO)自分の値打ちを高める法 (WAC BUNKO)
著者:廣瀬禎彦
販売元:ワック
発売日:2009-09-19
おすすめ度:5.0
クチコミを見る

アスキー、セガを経てアットネットホーム社長、コロンビア社長となり、現在はコロンビア名誉相談役の廣瀬禎彦さんの本。今年10月に121ワークスLLCというコンサル会社を設立予定とあるので、近々自らのコンサル会社を立ち上げる予定のようだ。

廣瀬さんは「IBMで学んだことアスキーで得たことセガで考えたこと」という本を2001年に出版しており、今回の本が2冊目だ。この本も現在読んでいるので、いずれあらすじを紹介する。

IBMで学んだことアスキーで得たことセガで考えたことIBMで学んだことアスキーで得たことセガで考えたこと
著者:廣瀬 禎彦
販売元:ワック
発売日:2001-10
おすすめ度:5.0
クチコミを見る

かつては先輩から後輩に伝承されてきたビジネス・ノウハウや、プロとしての考え方が、今の若いビジネスマンには伝承されていないと感じ、この本では廣瀬さんの経験を元にビジネスに役に立つエッセンスをまとめている。

先輩達からビジネスの基本を教えてもらっているつもりで読んで欲しいと語る。

アマゾンで登録されている表紙は何の変哲もないものだが、実際に本屋で並んでいる本は、次の写真のような廣瀬さんの写真入りの帯がついている。

hirose













実は先日、偶然地下鉄神谷町の駅で廣瀬さんをお見かけしたが、DJの小林克也さんに似ていると思った。

小林克也






出所;グーグルで「小林克也」で検索して表示された写真

廣瀬さんは慶應の工学部のマスターを卒業し、1969年にIBMにエンジニアとして入社。途中から営業に移り、IBM本社では広報も担当した。その後ソフト業界、ネット業界を経て、エンターテイメント業界に移ったキャリアの持ち主だ。

冒頭に書いたように、若いビジネスマンへのビジネスノウハウの伝承が目的で書かれた本なので、すぐに役に立つアドバイスが満載だ。


この本の目次

残念ながらアマゾンのなか見検索には対応していないので、ちょっと長くなるが目次を紹介しておく。

プロローグ 私はこうしてビジネス・ノウハウを取得した

第1章 自分の仕事の「価値」をつくる
 1. いま、自分の仕事の「価値」がどれだけあるか
 2. 「目に見えない価値」も大きな武器
 3.  「小さな価値」の積み重ねがブランド力に
 4. 「あなただけ」という価値

第2章 あなたがプロジェクトを任されたら
 5. 「仕様・機能・便益」を、うまくお客に伝える
 6.  商品開発の「思い」を必ず伝える
 7.  大幅なコストダウンを可能にする方法
 8.  ゴールを考えて、商品や計画をつくる
 9.  プロジェクトの進行管理はこうやる

第3章 「何を優先、徹底させるか」が最初の勝負
 10. デイリーコールは、すべての基本
 11. お客様の「不満」こそが「ニーズ」
 12.  最後の決め手は「情」になる
 13. まず、小さな成功体験をつくっていく
 14. 提案書には必ず理念やコンセプトをいれる
 15. 高いノルマを自分で決める

第4章 お客様の利益を考える交渉力
 16. 交渉では相手にまずメリットを
 17. 可能性とリスクの確認
 18. 組むならば、業界ナンバーワンと組む
 19. お客様の価値観に立つ

第5章 「売れない時代」のマーケティング
 20. マーケティングと営業はビジネスの両輪
 21. IBMで学んだ「イメージ」戦略
 22. 時代に応じた「コーポレート・キーワード」が重要
 23. 「コミュニティ・ワード」を重視せよ
 24. 「ユーチューブ」の活用を
 25. 仲間のリコメンドが重視される時代
 26. インターネット時代でも、やはり営業は「情報力」だ

第6章 リーダーとして組織を動かすために
 27. アメリカの「小学校3年生」と日本の「ガキ大将」に学ぶ
 28. 「段取り」が一番重要な仕事
 29. リーダーが肝に銘じておくべき8つのタブー
 30. いつも部下に声をかける
 31. 部下を楽しませるアフターファイブ
 32. 会議は「目的」をはっきりさせる

第7章 ベンチャー志向のあなたへ
 33. 「お金持ちになりたい」という気持ちを生かせ
 34. 「マーケットイン」と「プロダクトアウト」
 35. ともかく決断と行動を速く
 36. 「アマゾン」は既存のビジネスの組み合わせ
 37. いわゆる「スキマ」で勝負せよ
 38. 「MBA」は全く必要ない

第8章 使えるキャリアを目指せ
 39. 会社に依存はするな
 40. 自分の好きな仕事をすると、自然にスキルアップする
 41. スキルが身についていないうちは、積極的に残業する
 42. 変化の速い時代には、「経験」より「知識」が武器になる
 43. 得意分野で勝負すれば、転職は成功する

第9章 あなたも会社も、勝ち組になるために
 44. 会社の「利益」は、お客様のためでもある
 45. 「会社」と「自己」の価値を高める


あとがきによると、元々ジグソーパズルのようだった廣瀬さんのメモを編集してこの本にしたそうだが、章のタイトルも、それぞれの章の説明もわかりやすく整理されていて、このWACという出版社の編集者はなかなかなものだと思う。

良くできた目次なので、目次だけ読んでも廣瀬さんが懇切丁寧に若いビジネスマンに向かってノウハウを伝授していることがわかると思う。

詳しく紹介すると長くなりすぎるので、印象に残った部分を紹介する。


「教育に飽和点はない」

あとがきに出てくるが、IBMにいたときに教わった言葉だという。何歳になってもプロを目指すチャンスはあるし、プロになっても腕を磨き続ければプロとしての価値を高め寿命を延ばすことができる。

廣瀬さんは「プロ」というイメージは「職人」と言った方が廣瀬さんの好みにあっていると語る。

自分なりの原則、ルールが、まるで職人の道具箱のように蓄積されており、どんな職場に行っても道具を十分使いこなせるというのがビジネスのプロだ。

変化の速い時代は、「経験」より「知識」が武器となる。「知識」を得るためには本を読むことが一番効率的だ。経営書でも文学書でも良い。本をよく読んでおくと、経営に関する知識や、人間に関係する知識が豊富になって、キャリア形成に生きてくるはずだと。

筆者も全く同感だ。

しかしただ本を読むだけではダメだ。本の知識を自分のものとして消化しなければならない。メモでも良いが、筆者はこのブログを備忘録として書いている。是非備忘録としてのブログ活用をおすすめする。


マーケティングはインバウンド、セールスはアウトバウンド

筆者は米国にも合計9年間駐在し、長年ビジネスマンとしてキャリアを積んできたが、この整理ほどなるほどと思った言い方はない。廣瀬さんの言葉通り、何歳になっても学ぶべきことはあるものだ。

マーケティングのイロハも知らないのか!?と言われそうだが、マーケティングはマクロ「戦略」、セールスはミクロ「戦術」と漠然と理解してきたが、たしかにインバウンドとアウトバウンドと整理するとぴったりくる。

初めての米国駐在の時に、米国の一流メーカーでマーケティング・マネージャーを長年務めた人をセールス・マネージャーとして採用したが、オフィスに居てパソコンの前に座ったきりで、客を積極的に訪問しようとしない彼のパフォーマンスには今ひとつ満足できなかった。

採用するときに、米国人の人事責任者に相談したら、マーケティングができればセールスもできると言っていた。そういう人もいるのかもしれないが、長年マーケティングばかりやっている人にセールスをやれといっても、限界があったのだと思う。

廣瀬さんはマーケティングは空爆、セールスは地上戦にたとえている。


IBMで学んだイメージ戦略

ビジネスを進める上では、「実」(機能や品質)も重要だが、それだけではビジネスはうまくいかず、「虚」(イメージ)の部分もビジネスを成功させるためには不可欠である。

たしかにIBMは超一流会社で、社会貢献、フィランソピーに熱心な会社というイメージを筆者は持っているが、数ヶ月前にはIBMは東京の地下鉄のエスカレーター広告ジャックをやっていた。

たしかあれもイメージ広告だったと思う。イメージ戦略も重要ということが社内で徹底されているのだろう。

このブログでも「人類はみな兄弟」ということを実証したNational Geographicと組んだIBMのジェノグラフィック・プロジェクトを紹介したが、これも施策の一つだろう。 

この本では廣瀬さんがIBMを辞める前に担当したパソコンのアプティバの話が紹介されている。廣瀬さんは3年間のアメリカ本社勤務の後、帰国してパソコンを担当する。

当時の日本IBMでは「パソコンはスペックが低く、おもちゃみたいでチャチだから売れない」と一旦結論づけられていたが、廣瀬さんはIBMのアプティバが米国で飛ぶように売れていることを知り、帰国の時に自分で1台買って持ち帰る。

日本IBMの副社長に現物を見せて話すと、一旦はNOという結論がでていたにもかかわらずGOサインが出た。

当時のパソコン市場はNEC全盛で、IBMは後発だった。新しいイメージが必要なので、インターネット・パソコンというコンセプトで、当時15歳だったSMAPの香取慎吾をイメージキャラクターにつかって大成功する。

次のYouTubeのCM集の最初に出てくるのがIBMのアプティバのCMだ。




「実」の部分も必要だが、IBM製だから技術が優れているといっても、それだけでは消費者は買ってくれない。「虚」=イメージの部分も組み合わせることによって、はじめて買って貰えることを実感したと。


その他、「ユーチューブ」を使って無料で情報発信(廣瀬さんはユーチューブが出来たばかりの頃に、自分でチャンネルを持って情報発信していたので、ユーチューブのCEOがどんな人なのか見に来たという)、部下を飲みに誘う時にはエンターテインメント提供に徹しろ(会計も当然上司負担)、成功するには「金持ちになりたい」という気持ちを生かせ、など実戦的なアドバイスばかりだ。

ちなみに廣瀬さんが転職を意識したのは、IBM本社での大規模なリストラを目にしたからだという。このブログで紹介したルー・ガースナーの「巨象も踊る」で書かれている大リストラ時代にちょうど米国本社勤務をしてたようだ。

得意分野で勝負すれば転職は成功すると廣瀬さんは語る。


一つのトピックを具体例も入れて数ページにまとめているので、簡単に読めて大変参考になる。是非前記の目次も参考にして、本を手にとって欲しい。


参考になれば投票ボタンをクリックしてください。





Posted by yaori at 13:04│Comments(0)TrackBack(0) 趣味・生活に役立つ情報 | ビジネス

この記事へのトラックバックURL