2009年11月15日

太らない教室 東大石井教授のメタボ年代向けダイエット本

太らない教室―正しいダイエットを知るための“やさしい科学”太らない教室―正しいダイエットを知るための“やさしい科学”
著者:石井 直方
販売元:情報センター出版局
発売日:2009-10
おすすめ度:5.0
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「スロトレ」が大人気となり、テレビなどで頻繁に登場している東大石井直方教授のメタボ年代向けダイエット読本。

このブログでも石井教授の「スロトレ」「一生太らない体のつくり方」、「一生太らない体のつくり方 スロトレ実践編」、加圧式トレーニング理論トレーニング理論などの本を紹介しているが、今までの本はどちらかというと女性向けのダイエット本や松阪大輔などプロアスリート向けのトレーニングの本が多かった。

この本はメタボ年代、特に中年男性に向けたダイエット本だ。

最初のページに「太らない教室・事前チェックテスト20問」がある。

太らない教室












出典:本書1ページ

筆者は石井教授の1年上なのでトレーニング歴37年の自称「トレーニングのプロ」ではあるが、この常識問題は結構出来なかった。答えはアッと驚くほど単純なものだ。

答えを公開してしまうと石井教授にしかられそうなので、書店で本を手にとって2ページめを見て欲しい。

筆者は最近は全身の筋力(特に腰痛予防のため背筋と腹筋のバランス)と心肺機能強化のために毎週1.5キロ クロールで泳いでいるが、この本を読んでまたウェイトトレーニングをやろうという気が起こった。


食事抜きダイエットは逆効果

この本で石井教授は、朝食抜きダイエットやご飯やパンを食べない主食抜きダイエットなどを、科学的根拠のないダイエットとして警鐘を鳴らす。

絶食したり、朝ご飯を抜いたりすれば、体重は落ちる。しかし絶食を続けると基礎代謝が落ちて省エネモードとなり、エネルギー消費量が多い筋肉が真っ先に落ちる。

絶食などで筋肉を落として基礎代謝が減ってしまうと、今度はやせにくい体質になり、かえって逆効果だ。やはりダイエットの基本は筋肉をつけて、基礎代謝を上げ、太りにくい体質に転換することだ。

日本人女性を対象とした調査で、22歳から27歳までの5年間で体の組成がどう変化したかを調べたら、体重は2キロ減っていたが、筋肉が実に5キロ減り、脂肪は逆に3キロ増えていたという。

これが食事抜きやサラダのみダイエットなど、思い違いダイエットの結果だ。


断食ダイエットの疑問(筆者の意見)

最近石原結実さんの断食とか朝食抜き療法の本をいくつか読んだ。

「石原式」血液をサラサラにする健康法―ガン、動脈硬化、糖尿病よ、さようなら (光文社知恵の森文庫)「石原式」血液をサラサラにする健康法―ガン、動脈硬化、糖尿病よ、さようなら (光文社知恵の森文庫)
著者:石原 結實
販売元:光文社
発売日:2009-09-08
おすすめ度:5.0
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石原さんの体温を上げて免疫力を上げるという考えには納得するが、断食はダイエット法にはなりえない。

石原式かんたん断食ダイエット―体の毒素を出して、きれいにやせる!石原式かんたん断食ダイエット―体の毒素を出して、きれいにやせる!
著者:石原 結實
販売元:日本文芸社
発売日:2003-11
おすすめ度:4.0
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断食(といってもリンゴとにんじんジュースはOK)がぴったりハマる人もいるのかもしれないが、筆者は自らの経験から食事を連続してスキップしても筋肉が落ちるだけで、決して脂肪は減らないと思う。

特に年配の人が断食などやると、単に足の筋肉が落ちて、最悪の場合は歩行に支障を来すだけだ。断食は精神修業に良いのかも知れないが、それはダイエットとは関係ない。

以前も書いたが、筆者は学生時代スクワットで220キロ上げていたので、既製服は太ももが入らないため全く着られなかった。背広をつくっても、太ももがスレてひどいときは1〜2ヶ月でズボンの足の付け根に穴が開いてしまった。

それが会社に入って10年ぐらいしたら、LLサイズの既製服が着られるようになり、太もものスレはなくなった。

会社ではラグビーをやっていたので、体重は学生時代とそれほど変わらない85キロ前後だったが、最も筋肉量の多い脚・腰の筋肉がおちたからこそ、既製服のズボンが着られるようになったのだ。

ウェストは細くなったらすぐに気がつくが、脚の太さの変化には、ほとんど気がつかない。だから知らず知らずのうちに脚の筋肉が落ちて、基礎代謝が落ちて太りやすい体に変わってしまうのだ。


低糖質ダイエットの危険

低糖質ダイエットは脳にエネルギーが行かなくなる。そうするとやる気を失い、糖分を供給するために筋肉が分解されてしまうというさんざんな結果となる。

筆者の仕事上の友人で、「プロティンダイエット」をやっていたアメリカ人が居た。その人は炭水化物は一切取らないで、ステーキとか脂っこいものばかり食べていたら、半年で20キロ近く体重は減ったが、日常生活に支障を来すほどにエネルギー不足に陥ったと言っていた。


正しいダイエットの基本

ダイエットは今の摂取カロリーからどれだけ減らすかがポイントであり、全部で何カロリー摂取するかは問題ではない。

自分の体重が安定しているということは、カロリーのイン・アウトがバランスしている状態なので、そこから1日にたとえばご飯1杯分の150カロリーを減らすということを積み上げていくのが適切なダイエットだ。

世の中には○○ダイエット法なるものが氾濫しているが、石井教授はこの本で、ダイエットの基本を明確に打ち出している。

1.体重ではなく脂肪を落とす
2.摂取エネルギーよりも消費エネルギーを増やす
3.基礎代謝を高める


この基本を忘れなければ、誰でも体質改善ができるだろう。


基礎代謝を上げて太りにくい体に

この本ではスロトレ、加圧式トレーニングなど、筋肉トレーニングで基礎代謝を上げ、太りにくい体に体質転換することの効用を力説している。

筋肉トレーニングは週2回でいいという。スロトレあるいは加圧式なら腕と足とで15分程度で3セットできるので、誰でもトレーニングが始められると思う。


ドローインとバキューム

最後に石井教授はとっておきの腹を引っ込める簡単なトレーニングを紹介している。

それはたんにギューッと腹を引っ込めるだけのことだ。最低30秒、ベルトの穴が一つ減っている状態をキープする。これがボディビルダーもやっているドローインと呼ばれるトレーニング法だ。

さらに効果を上げるためには、息を吐いた状態で腹をへこますことだ。これはバキュームと呼ばれる。

これだけでも腹筋それと背筋のトレーニングになるという。一度30秒試して欲しい。結構キツイ。

いわゆるダイエット薬のなかでは、カプシエイトは辛くもなく、代謝を上げる効果があるという。


体重の増減で一喜一憂する気持ちはわかるが、太らない体質にするにはやはり基礎代謝を上げるトレーニングが最適である。

自分の反省も含めて、この本を読んでスロトレなど自宅で簡単にできるトレーニングで、体重ではなく、脂肪を落として欲しい。


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Posted by yaori at 23:31│Comments(0)TrackBack(0) ダイエット | 石井直方

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