2010年07月06日

グーグル秘録 グーグル礼賛本にあらず 時系列的な多角分析が優れている

+++今回のあらすじは長いです+++

グーグル秘録グーグル秘録
著者:ケン・オーレッタ
販売元:文藝春秋
発売日:2010-05-14
おすすめ度:3.5
クチコミを見る

雑誌「ニューヨーカー」記者で、IT・メディア業界に強いジャーナリスト ケン・オーレッタの力作。

アメリカ屈指のジャーナリズムスクールを擁するコロンビア大学の「コロンビア・ジャーナリズム・レビュー」ではオーレッタ氏を「アメリカ最高のメディア論者」と評しているという。

原著のタイトルは"Googled"、つまり「ググった」だ。

やや距離を置いたタイトルからもわかる通り、この本はグーグル礼賛本ではない。あくまでグーグルの過去とこれからを冷静に分析した本である。

Googled: The End of the World as We Know ItGoogled: The End of the World as We Know It
著者:Ken Auletta
販売元:Virgin Books
発売日:2010-02-25
おすすめ度:5.0
クチコミを見る


翻訳がすばらしい

筆者は頭にスッと入らない翻訳本よりは、英語の原著(あるいはオーディオブック)の方を好むが、この本の翻訳はよくできていると思う。

英語の原著と比べた訳ではないが、頭にスッと入る翻訳で読みやすい。

どうやったらこんな訳になるのかというような絶妙の訳もある。たとえば新聞など伝統的なメディアとグーグルの関係について書いた部分で、こんなのがある。

「シリコンバレーのある重鎮は、グーグルについて何が不満かといえば、新聞社に同情的な姿勢を見せるなど、かまととぶっていることだという」

かまとと」なんて言葉、本では初めて見た。英語でなんというのか興味があるところだ。"pretend to be naive"あたりか?

このように当意即妙な訳なので、500ページの大作ながら、頭にスッと入る本だ。


グーグルの成長の系譜

この本ではグーグルの誕生から現在までを時系列的に述べ、あわせて同時代の他社の動向や、インターネットと既存マスメディアの力関係、広告業界の変化などを取り上げている。

特にグーグルが収集する個人のサイト閲覧履歴や、携帯電話のGPSによる行動履歴などのマーケティングのための利用が、個人情報保護に反するおそれがあるので、様々な見地から検証している。個人情報の有効活用は、筆者がまさに研究している点なので、大変参考になった。

このブログでは「ザ・サーチ」、「ウェブ進化論」、佐々木俊尚さんの「グーグル」、「検索エンジン戦争」などをグーグルについて紹介した。現在最も注目すべき企業の筆頭格であることは間違いない。


グーグルをあらわすキーワード

この本では、グーグルの本質をあらわすいくつかのキーワードでグーグルのコーポレートカルチャーを説明している。

「別の惑星」、「邪悪になってはいけない」、「我々の目標は世界を変えることだ」

「君たちは魔法をぶち壊しにしているんだ!」というのはバイアコム社長が、グーグルがうまみのあるマス広告ビジネスを危うくさせていることから、思わず叫んだ言葉だ。


ビル・ゲイツの予言

この本は150回におよぶグーグル社員への取材、メディア嫌いの創業者2人への数回のインタビュー、CEOのエリック・シュミットとの11回にもおよぶインタビューを経て書かれたものだ。

その他にも多くの識者、ネット業界とメディア・広告業界関係者に直接取材しており、その情報の質はベストセラーの「フラット化する世界」を書いたピューリツァー賞受賞のトム・フリードマンにも匹敵するものがある。
著者のオーレッタ氏はマイクロソフトのビル・ゲイツにも直接インタビューしている。

グーグルが誕生した1998年にビル・ゲイツは、「最も恐れている挑戦者は、どこかのガレージで、まったく新しい何かを生み出している連中だ」と語っていたという。

ビル・ゲイツの予言は正しかった。


グーグルの創業者

グーグルの創業者のセルゲイ・ブリンラリー・ペイジはともに1973年生まれのエンジニア。父親はともに大学教授で、母親も科学関係の仕事についていた。セルゲイ・ブリンはロシアからの移民だ。

セルゲイ・ブリン

460px-Sergey_Brin_cropped











ラリー・ペイジ

586px-Larry_Page









出典:Wikipedia

ともにモンテソーリ式の小学校に通い、好きなことを自由に学ぶことを許されたという。筆者の次男もピッツバーグでモンテソーリの幼稚園に行っていた。自由な雰囲気でこどもは楽しんでいたものだ。

ラリー・ペイジは偉大な発明をしながら、極貧の中で一生を終えたニコラ・テスラの伝記をこどものときに読んで、「世界で最も偉大な発明をしても、単に発明しただけでは何もならないことを学んだ」と語っていたという。

「何かを発明するだけでは、まったく意味がない。社会に影響を与えるには、それを世に送り出し、人々に使ってもらうことが何より重要だ」と。

ちなみにテスラは磁気密度の単位に名を残しており、トヨタが出資したことでも有名な電気自動車メーカーテスラモーターズもテスラの名前にちなんだものだ。




グーグル誕生

ラリーとセルゲイは1998年1月に、当初「バックラブ」と呼ばれていた検索の基本となるペイジランクを支えるアルゴリズムを博士論文に書いて公表した。10の百乗を意味する"googol"にちなんで、検索エンジンは"Google"という名前にした。"googol"は既にドメインが登録されていたという。

うっかりアイデアを他人に漏らしてしまったために、発明の成果を奪われたテスラの教訓から、ラリーはペイジランクをそれまでずっと秘密にしていたという。

グーグル設立は1998年9月だ。

最初の出資者は25万ドルずつ4人だった。ネットスケープで財を成したインド人のエンジェル投資家ラム・シュリラム、サン・マイクロシステムズの共同創業者のアンディ・ベクトルシェイム、スタンフォードのデビッド・チェリトン教授、そして余り知られていないがシュリラムの紹介があったアマゾンのジェフ・ベゾスだった。ベゾスはグーグル検索のデモを見てほれ込んだという。

インターネットバブルのピークの1999年6月にはシリコンバレーの超有名ベンチャーキャピタルのクライナー・パーキンスとセコイアから2,500万ドルずつ出資を受けた。同時にクライナーのジョン・ドーア、セコイアのマイケル・モリッツがグーグルの取締役会のメンバーに就任した。

Googleは当初ポルノ情報が検索に引っかからないようにアルゴリズム設定に苦労したという。当時のトラフィックの1/4がポルノ検索だった。

1999年のインターネットバブルの時に名声を極めたモルガン・スタンレーのアナリストで”インターネットの女王”と呼ばれていたメアリー・ミーカーの話が出てきてなつかしい。

また2001年に副大統領を辞めたアル・ゴアに「バーチャル取締役」になってもらった話などが、時代を反映している。


創業当初のグーグル

毎週金曜日午後に社員みんなが集まるTGIF("Thank God It's Friday")ミーティングが開かれ、世界中の支社の社員がビデオ会議システムを通じて参加していたという。

2000年にはネットバブルが崩壊し、巨大な時価総額を売り物にしていたネット企業は大打撃を受ける。しかしグーグルは2000年6月にYahoo!の検索エンジンに採用されたり、2000年10月にアドワーズをスタートさせるなど基盤が着々とできている。

ベンチャーキャピタリストからプロの経営者を雇い入れるよう強く求められ、2001年には元ノベルCEOのエリック・シュミットをCEOとして雇い、ラリーは製品部門担当社長、セルゲイは技術部門担当社長になった。

エリック・シュミットは1955年生まれで、コンピューター・サイエンスの博士号を持っており、サンマイクロシステムズのCTOからノベルCEOに転じた。採用面接ではラリーとセルゲイからケンカをふっかけられ、1時間半も議論してテストに合格したという。

ちなみにシュミットも父親が大学教授、母親が科学者という家庭で、ネバダ砂漠で行われる儀式バーニングマンの常連だという。バーニングマンの常連がまともな企業人であるはずがないというのが採用理由の一つだったという。

グーグルのいわばメンターとしてシリコンバレーのいくつかの企業のCEOやアップルの取締役を経験したビル・キャンベルがコーチするようになったのは、2001年秋からだ。

ビル・キャンベルはエリックと創業者2人の間をよく取り持ち、内部崩壊からグーグルを救った立役者だ。


グーグルロケット点火

グーグルは2001年に黒字に転換し、2002年には個人ブログなどに広告を載せるアドセンスをスタートさせ、収入の半分以上を稼ぎ出した。「グーグルロケット」に点火されたのだ。

ネット業界でグーグルは広告代理店をお払い箱にしただけでなく、コンテンツ企業の広告営業部門も不要にした。

シュミットの言葉によると2002年はグーグルが「自らが広告業であると気づいた年」だったという。

グーグルは思い切った条件でAOLの検索エンジンを受注するかわりに、"Powered by Google"と毎回表示させることで、知名度という大きなメリットを得た。

2004年には創業者が一般株主の10倍の議決権を持つデュアルストック制度を導入してIPOを実施し、公開会社となった。売り出し価格は85ドルだった。グーグルの株価はすぐに急上昇し、これで社内にはビリオネア、ミリオネアが続出した。

IPOで得た資金を使ってサーバーを100万台以上使って、世界数十ヶ所にデータセンターを建設した。エリック・シュミットがサン・マイクロシステムズ時代から20年以上も研究してきたテーマがクラウド・コンピューティングだったという。

この頃、グーグルとアマゾンを想起させる「グーグルゾン」という巨大企業が、2014年に世界を独占するという「EPIC 2014」というビデオがユーチューブで掲載され、話題となっている。




グーグルのダブルクリック買収がネット広告会社買収合戦を誘発

2005年にはメディア王ルパート・マードックがSNSのマイスペースを5億8千ドルで買収した。グーグルはマードックやヤフーなどを相手に回して、YouTubeを16億5千万ドルで買収した。

YouTubeに対抗してニューズコーポレーションとNBCはhulu.comを始め、CBSはYouTubeに配信を始めた。

広告業界の懸念が恐怖に変わったのは、2007年にグーグルがマイクロソフトとヤフーに競り勝ってダブルクリックを31億ドルで買収したからだ。

テキスト広告中心のグーグルとバナー、動画広告などディスプレー広告に強いダブルクリックはシナジーがあり、ネット上のあらゆる広告インフラになるチャンスだと競争相手は恐れた。

その後ネット広告会社の買収合戦が起こり、数ヶ月のうちにヤフー、AOL、世界最大の広告代理店WPP、マイクロソフトがそれぞれネット広告会社を買収した。

この本ではグーグル関係者やダブルクリックのCEOの話を聞くとともに、グーグルを「フレネミー」(friendとenemy両方を兼ねるという意味)と呼ぶ世界最大の広告代理店WPPのCEOや、WPP傘下のメディアバイング会社グループMのCEOの話も紹介しており、話を立体的に構成している。

ちなみにWPPという会社名は、およそ広告代理店らしからぬWire and Plastic Productsという社名の略だ。

すでに終了したサービスも多いが、Google Print Ad, Google Audio Ad, Google TV Adなどのインターネットで直接広告主が広告を作成できるツールも提供した。広告代理店が脅威と思うのは当然だろう。

現在ではグーグル・アド・プランナーという、広告主がターゲットとする視聴者がよく訪問するサイトを特定できるツールも無料で提供開始している。


グーグルと個人情報の取り扱い

ダブルクリックを買収することで、ダブルクリックとグーグルの検索履歴やクリック履歴などのデータを統合すると巨大な消費者行動のデータができる。さらにダブルクリックの100万社以上にも上る広告主ネットワークを手に入れたので、ネット広告のワンストップショッピングが可能となった。

携帯電話会社が取得する検索履歴や位置情報まで個人情報として統合できるようになると、たとえば訪問した場所の近辺のレストランやショップの情報など、消費者に便利なサービスが提供できる。広告とサービスは表裏一体となるのだ。

グーグルが収集する検索履歴やクリック履歴など、クッキーを使って収集する個人情報が悪用されるというのは、映画の中の話だとグーグルの創業者は否定する。

アメリカではポイント制度が発達していないので、グーグルで唯一個人を特定できる情報を集めているのはグーグルチェックアウトという支払いサービスだ。それ以外は個人を特定できる情報は集めていない。


IPアドレスから個人を特定する

この本では、電話会社やインターネット・プロバイダーと連携して、匿名性は守りつつ、消費者一人ひとりの行動を記録しようとするフォルム社という会社が紹介されている。

フォルム社は2007年末までに英国企業3社と契約して、英国内でインターネットのブロードバンド回線を利用している家庭の2/3を追跡できるようになったという。

フォルム社の活動は、WWWの発明者ティム・バーナーズ・リーを激怒させたという。検索履歴などの情報はプロバイダーのものではなく個人のもので、使いたければ個人の同意が必要だと語る。EUの役人も規制すべきか調査しているという。

アメリカでは9.11以降、"Patriot Act"により、大統領府は個人のeメール、検索内容、読んだ資料、通話内容、YouTubeやFacebookで見たもの、ネットで購入したものを調べることができるようになった。まるでジョージ・オーウェルの「1984」のビッグブラザーのような監視社会が現実のものになっている。

日本でもプロバイダー責任制限法があり、公権力の強制捜査令状があれば、プロバイダーは個人情報を犯罪捜査に提出しなければならない。

2年ほど前に、神奈川県の高校生の個人情報がIBMの下請け社員の私物パソコンからWinnyに流出した事件で、警察は故意にShareに再放流していた人物をプロバイダー責任制限法を使って割り出し、逮捕したという例がある。

普通インターネットに接続する場合にはプロバイダーを経由するので、IPアドレスはDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)といって空いているIPアドレスを自動的に振り分けるので、IPアドレスからは個人は特定できないが、国家権力を使ってプロバイダーまでさかのぼれば、過去のセッション情報を調べることによって個人を特定できるのだ。


国の検閲とグーグル

中国政府の検閲の方針に一旦は従ったグーグルだが、結局香港での検閲のない検索結果を中国からの検索にもフィードするという形で、中国政府の検閲を拒否した。

グーグルが中国政府の検閲に反対して、中国での検索サービスから撤退したことは、訳者あとがきに記されている。

しかし実は中国政府だけが検閲者ではない。ドイツでもナチスに関する情報を流布させないというドイツの法律に従って検索結果をコントロールしているという。


グーグル経営陣の混乱

頂点を極めたグーグルでも、2008年頃になると不協和音が出てくる。勤務時間の20%を自由な開発に使ってよいという20%ルールのおかげで、150もの製品・サービスが生み出されたが、それらをどうするかという問題が発生してきた。

エリック・シュミットでさえも本当の決定権を持っていないことがはっきりした。

さらにエンジニアがキングである企業文化を誇るグーグルでも、重要なエンジニアの流出が始まった。

最たる例がアドワーズを開発したシェリル・サンドバーグがフェースブックのCOOに転出したことだ。シェリルはアドワーズとアドセンスの2大商品を統括しており、グーグルの収益の98%を生み出していた。


旧メディアの衰退と通信社の隆盛

旧メディアの衰退もこの本の大きなテーマだ。iPodにやられたソニー、CDからダウンロード販売に変わった音楽業界、雑誌業界、主要紙が大幅な業容縮小、人員削減をはじめた新聞業界、書籍出版業界、ラジオ業界の窮状が紹介されている。

新聞でネット購買の有料課金に成功したのは、ファイナンシャルタイムズとウォールストリートジャーナルだけだ。たぶん、これに続くのが日経新聞だろう。

大手メディアでも通信社は例外で、AP(1,500社の新聞社が株主)、ロイター、ブルームバーグの3社は業績は好調だ。新聞社が縮小して、通信社にアウトソースするようになり、ニュース供給の需要は増えたからだという。また、ブルームバーグとロイターは世界中の主要企業にばらまいている専用端末という大金脈を持っている。

新聞社と情報サービスの差は、買収金額でも明らかだ。2007年にルパート・マードックがダウ・ジョーンズを買収した時は50億ドルだったが、2008年にメリルリンチがブルームバーグの20%の権益を売却したときは、220億ドルという値段がついた。時期の違いはあるが、会社全体の時価からするとブルームバーグはダウジョーンズの20倍の価値を認められたわけだ。

旧メディアについてエリック・シュミットの発言を紹介している。「ポケットベルを惜しむ奴はいるか?」と。


ネット広告の急成長

広告の成果が測れるネット広告が急成長し、透明性が増し、広告代理店業界は「わくわく感」を高く売りつける能力を失った。

モルガン・スタンレーのメアリー・ミーカーの2008年12月のレポートでは、消費者が新聞を読む時間は7%だが、広告支出の20%が新聞に使われている。一方インターネットに消費者が使う時間は25%だが、広告支出は8%に過ぎない。これからも広告は伝統メディアから、おそらく劇的に離れていくだろうと予想している。

2008年9月にグーグルは創立10周年を迎えた。グーグルの活動はさらに進化している。世界最大規模の広告主P&Gと社員の相互派遣をはじめたり、GEとは電力供給ネットワーク効率化技術のスマートグリットで提携した。


世界同時不況後のグーグル

2008年末からの世界同時不況はシリコンバレーも例外ではなかった。ジョン・ドーアは、ベンチャーキャピタルの資金は2007年の370億ドルから、2009年には50ー100億ドルに減少するだろうと予測している。

セコイア・キャピタルの支援者会合でも、最初のスライドは「さらば、良き時代よ」だったという。

モルガン・スタンレーのメアリー・ミーカーは相変わらず楽観的な見通しを出しているが、インテルやシスコは減収を発表し、マイクロソフトは5千人の削減、グーグルも採用を絞り、派遣労働者を削減した。買収したダブルクリックでは人員整理を行った。

グーグルの成長の伸びが止まったと認識されるようになり、グーグル創業以来はじめてコストを気にするようになったという。無料軽食メニューは100種類から50種類となり、自宅への持ち帰りは禁止、営業時間も短縮された。

しかし研究投資やデータセンターへの投資は削減せず、社員に対するストックオプションの行使価格も引き下げ、太っ腹なところを見せた。

2009年度の売上は31%減少する見込みだが、利益は4%増える見通しで、グーグルはうまく軟着陸したといえる。

グーグルの最近の動きで注目すべきことは、エリック・シュミットが2008年の最も重要な製品と位置づける自前のブラザー、クロームと携帯電話のOSアンドロイドだ。


マスメディアの生きる道

以前このブログで紹介した「フリー」の論点が紹介されている。

「フリー」の著者のクリス・アンダーソンはかつては「無料こそ完璧なモデルだ」と主張していたが、「フリー」に最終章を加えて、かつての主張を変更し、「今では無料だけでは十分ではない。有料サービスと組み合わせることが必要だと考えるようになった」と結んでいる。

オーレッタ氏は、新聞などの旧メディアは小額決済に活路があるのではないかと記している。

アマゾンのキンドルなどの電子端末も急速に普及している。ジェフ・ベゾスによると、キンドルで分厚い本が楽に読めるようになると、消費者はもっと長編作品を読むようになるだろうと語っている。常に本を持ち運ぶようになると読書量も増えるだろうと。

ケーブルテレビ業界は安定している。毎月の使用料と広告収入があるためだ。デジタル回線ならビデオオンデマンドの販売も見込める。しかしケーブルテレビ運営会社をバイパスする無線通信技術も登場しているので油断はできない。

セズミ・コーポレーションが開発した無線装置だとケーブルや衛星通信の回線が不要となるのだ。


第17章 これからどうなるのか

最後の第17章の「これからどうなるのか?」が締めくくりとなっている。この本はなか見、検索に対応しているので">、是非目次をチェックして欲しい。この章のサブタイトルを読むと論点がつかめるので、紹介しておく。

・磐石に見えるが

・二心を抱きつつキスを投げ合う関係

・グーグルも新たなサービスに置き換えられる?(SNSはグーグルの検索を脅かす?)

・グーグルになくてツイッターにあるもの(群集の叡智?)

・専門家によるサーチにも一定数支持がある

・「検索に従ってばかりいると視野が狭くなる」

・内容の真偽を見分ける力が必要

・書籍のデジタル化独占阻止

・共通の価値観は世界に存在しない

・聞く耳を持たぬグーグル

・内容の質と検索結果の不一致

・経営の焦点がボケはじめている?

・偉大な企業の原則を忘れれば(「イノベーションのジレンマ」の著者のクレイトン・クリステンセンの話)

・一社でメディア業界全域を揺るがした企業

最後の第17章だけでも十分時間をかけて読む価値があると思う。


日本語版で510ページもの大作だが、訳も良いので、スッと頭に入る。グーグルがこれからどうなっていくのかに興味がある人には、最後の第17章の様々な見地からの分析は必読だと思う。

ちなみに筆者はグーグルのアドセンスはブログに載せていない。自分のブログにあまり関連性のない、うっとおしい広告は載せたくないからだ。

検索連動広告は万能ではないし、限界がある。しかし膨大なデータを元にした行動ターゲティングと一緒になったり、あるいはマイクロソフトの”キャシュバック”のように、検索結果にポイントがつくような形にして個人情報と統合すれば、次世代の広告ができると思う。


比較的読むのが速い筆者でも読むのに4日ほどかかった。それだけの価値はあるが、情報が満載なため、メモでも取らないとあまり頭には残らないと思う。

新しいビジネスモデルを検討するにも、この本で詳しく取り上げられているグーグルの例は大変参考になると思う。

このあらすじを参考にして、自分でもメモを適宜取りながら読むことをお勧めする。


参考になれば投票ボタンをクリックして頂きたい。









Posted by yaori at 00:53│Comments(0) ビジネス | インターネット