2010年07月28日

はじめて語られる企画の「虎の巻」 CCC増田さんの久しぶりの本

はじめて語られる企画の「虎の巻」はじめて語られる企画の「虎の巻」
著者:増田 宗昭
販売元:毎日新聞社
発売日:2010-03-20
おすすめ度:2.5
クチコミを見る


CCC(カルチャー・コンビニエンス・クラブ)社長の増田宗昭さんの14年ぶりの本。

増田さんの以前の著書の「情報楽園会社」は、復刊ドットコムという会社から最近復刊されている。

情報楽園会社情報楽園会社
著者:増田宗昭
販売元:復刊ドットコム
発売日:2010-05-20
クチコミを見る


この本では世界一の企画会社をめざすCCCで、増田さんが日頃伝えている企画人になるための「虎の巻」をまとめたものだという。130ページあまりの本だが、だいたい半分は写真なので、1時間で読める。


「プロダクトアウト」と「マーケットイン」

ちょっと気になったのは「プロダクトアウト」と「マーケットイン」という言葉の使い方だ。

通常「プロダクトアウト」とは、供給者が見込み生産した商品を消費者に売りつけるというイメージだ。モノが不足していた時代の売り方である。

他方「マーケットイン」とは、モノ余り時代の売り方で、消費者のニーズをつかんで、それにあわせて製品を製造・供給するという手法だ。

ところが増田さんはそれぞれを全く逆の意味に使っている。

「『マーケット・イン』では、結果を手っ取り早く得ようと市場のニーズに合致した商品やサービスを作り、売り上げを立てようとします。しかし、この『マーケット・イン』の手法は、既に世の中に必要なものが全て揃っているモノあまりの時代では通用しなくなってきています。

「これからのビジネスで求められるのは『プロダクト・アウト』です。『プロダクト・アウト』では、企業サイドが、『この商品こそが世の中の人々が求めているものだ』と開発した商品を顧客に届けるビジネススタイルのことをいいます」

「言い換えると、前例のない中でやりきることだと私は思っています。そして、この『プロダクト・アウト』ができる人こそが、これから求められるのではないでしょうか。」

良く読んでみると、増田さんは昔の大量生産の時代の「プロダクト・アウト」のことを言っているのではなく、世の中のトレンドを先取りするような新規需要を喚起するような商品をつくれと言っているのだとわかる。

「プロダクトアウト」の進化については、J-Marketing.netというサイトの「プロダクト・アウト」、「マーケットイン」の説明に詳しい。


企画を規格化

増田さんの主張は、企画力を磨くことで、消費者や時代のニーズを先取りしろ、そして企画が圧倒的に成功するために、「企画を規格化」しろというものだ。

「企画を規格化」というのはわかりにくいが、要はツタヤのようなフランチャイズ制を思いおこすと理解しやすい。

つまり本とDVD/ビデオのレンタル/販売の複合店というライフスタイルを提案し(企画)、それをフランチャイズとしてリピートできるように規格化するということだ。

オーダーメードの採寸の洋服屋で、大きくなったところはないと。


企画セオリー20ヶ条

この本では増田さんの「企画」セオリー20ヶ条が紹介されている。

参考になった「セオリー」をいくつか紹介しておく。

☆原因>結果

結果でなく原因を探る。「原因」はプロダクト・アウトの基本で、企画はプロダクト・アウトでなくてはならない。「原因」が作れれば、「結果」は後からついてくる。

筆者もPDCAサイクルでの改善を常に意識しているので、この考え方には大賛成だ。通常「原因」と呼んでいることは、単に現象面での理由であり、根本原因でないことが多すぎる。

トヨタの様に、「なぜ」を5回繰り返して、根本原因を探らないと、「プロダクト・アウト」もできないのだ。

☆企画の3要素=情報とお金と好感度人間

☆お客様の目線で考える

☆「儲かる」とは、「信者」を作ること

顧客が儲かるということが一番大事だ。「儲かる」という漢字は、「信者」つまり、ファンを増やすこだ。ファンを増やせば、仕事は自然に増えてくる。

☆企画は「心」から生まれる

「心根」の良い人間、「好感度人間」こそが世界一の企画人間になれるのだと。

☆いつも初心が基本

「ありがとう」という一言が素直に言える。それだけで人は、幸せになれる。

☆約束と感謝

ビジネスの基本は「約束と感謝」の心を忘れないことだ。


Tポイントの特徴

この本では増田さんがTポイントのメリットを力説している。ポイントマニアの筆者には大変参考になったので、紹介しておく。

次が2010年1月のTポイントエクゼクティブ・カンファランスでの加盟店トップの発言だ。

カメラのキタムラの北村社長:「私たちの店だけのポイントだとそれは円でしかない。これが他の店で使えれば、面白いことになると思い直ぐに加盟することに決めた」

ニッポンレンタカー松本社長:「加盟後にTポイントを希望される顧客が突出して伸びている」

ファミマ上田社長:「コンビニはこれからはシニア層をきちんと、取り込めなければ脱落する。そこで、増田さんのリッチなシニア層を取る込むスキームという言葉に惹かれた。増田さんには夢がある」


Tポイントの5つの戦略

参加企業はTポイントに加盟すると「その結果が売り上げに出る」と語っているという。お客に喜んで貰うためのTポイントの5つの戦略とは次の通りだ。

1.ポイントが貯まる=ポイントの付与

2.一枚のカードで、どこでも使える=共通のカード

3.どこでもクーポンがもらえる=POSアライアンス

4.ネットでもポイントが受け取れる=ネットアライアンス

5.T会員だから参加できるイベント=共同事業

Tポイントは、日本でしか使えない「円」ではなく、世界に通用する「ドル」のような存在なのだと。いずれは海外へという思いはあると。

Tポイントの特徴は相互送客で、加盟店間の共同事業は広がり、2010年3月にはTポイントレディスゴルフトーナメントを初めて開催した。

TPoint ladies tournament







筆者は”ポイントマニアのブログ”も書いているポイントマニアなだけに、Tポイントには成功してほしい。

1業種1社の縛りがあると、今以上には拡大難しいのではないかと思うが、是非使える店を増やして、ユーザーの利便性を上げて欲しいものだ。


参考になれば投票ボタンをクリックして頂きたい。






Posted by yaori at 12:38│Comments(0)TrackBack(0) ビジネス | 企業経営

この記事へのトラックバックURL