変われない組織は亡びる(祥伝社新書206)
著者:二宮 清純
祥伝社(2010-07-02)
販売元:Amazon.co.jp
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自民党の若手代議士のプリンス河野太郎とスポーツ評論家二宮清純との対談集。
スポーツの話題もあるが、大半が政治についての対談だ。へーえということがいくつかバラされている。たとえば:
★ゆうちょ銀行の預け入れ最高額を倍にしようと日本新党の亀井静香が動いているが、もしそうなれば銀行のペイオフの1,000万円を超える安全な金融資産となる。
現在郵貯は預貸率(よたいりつ)が2%しかない。つまり預金の2%しか貸付しておらず、残りはすべて国債を買っている。
預け入れ残高が倍になれば、その分国債を買わせられるので、財務省はOBの斉藤(愛称デンスケ)元大蔵次官を送り込んだのだと。
★大臣は引き継ぎはしないという暗黙のルールがあるという。大臣の引継書は官僚が書き、定型的な政策の説明を一式バインダーで閉じたもので、中身など誰も見ていないという。河野太郎は法務副大臣の時に、引継書を自分で書いて官僚に驚かれたという。
★パラリンピックの選手はナショナルスポーツセンターは使えない、パラリンピックは文科省ではなく、厚生労働省管轄だからだ。特例として車いすテニスなどの有名選手には、特別に使わせてやるという姿勢だ。
★社民党の福島みずほ党首などは、すぐに大企業に税金を払わせろとか言うが、日本の法人税は実効税率で約40%、OECD30カ国の平均が26.3%なので、大企業ほど外に出て行く力がある。
サッチャーは「金持ちを貧乏人にしたところで、貧乏人が金持ちになるわけではない」と言っていたそうだが、民主党の政治は「共存共貧」であり、この国で将来何で食っていくのかが明確でないと。
★衆議院には投票ボタンがない。参議院には投票ボタンがあるから、若林正俊議員の「なりすまし投票」が起きた。
簡単に読める本で、参考になった。
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