2011年01月01日

池上彰の情報力 ベストセラー「伝える力」の原型

2011年の最初のあらすじは、ニュース解説というテレビプログラムを2010年に大ブレークさせた池上彰さんの「伝える力」の原型の2004年の本だ。

池上彰の情報力池上彰の情報力
著者:池上 彰
ダイヤモンド社(2004-01-29)
販売元:Amazon.co.jp
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池上さんは2010年の流行語ベスト2に「いい質問ですねぇ~」が選ばれている。

当時は池上さんはNHKの社員で「週間こどもニュース」のお父さん役だったので、今のようにブレークする前の本だ。

この本はなか見、検索!に対応しているのでここをクリックして目次を見て欲しい。以下に章のタイトルだけ紹介しておく。大体の感じがわかると思う。

第1章 私の情報収集術

第2章 私の取材・インタビュー術

第3章 私の情報整理術

第4章 私の読書術

第5章 私の情報解釈術

第6章 私の情報発信術

池上さんの情報整理ノウハウや、わかりやすい文章の書き方を指南している。第6章の「私の情報発信術」では、わかりやすい文章の書き方についてもガイダンスしており、今度紹介するベストセラー「伝える力」の後半部分と同様の内容だ。

伝える力 (PHPビジネス新書)伝える力 (PHPビジネス新書)
著者:池上 彰
PHP研究所(2007-04-19)
販売元:Amazon.co.jp
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池上さんは同じような本がいくつもあるが、それぞれが面白く読ませる。参考になる情報が多いのはさすがだ。

この本も池上さんの意見に賛同できる点が多く、参考になる情報が満載だ。


私の読書術

特に「私の読書術」では大変参考になる点が多かった。いくつか紹介しておく。

★判断力を鍛えるためにも、いつでも本を手元に
池上さんは読書が最大の趣味ということはさておき、ニュースキャスターとして世の中の動きを知っておく必要があるから本を読むのだと。

池上さんは「タリバン」という本を9.11が起こる前に読んでいたので、参考になったという。
タリバン―イスラム原理主義の戦士たちタリバン―イスラム原理主義の戦士たち
著者:アハメド ラシッド
講談社(2000-10)
販売元:Amazon.co.jp
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「コーラン」も、「ハディース」も文庫本を読んだという。

コーラン 上 (岩波文庫 青 813-1)コーラン 上 (岩波文庫 青 813-1)
岩波書店(1957-11-25)
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ハディース〈1〉イスラーム伝承集成 (中公文庫)ハディース〈1〉イスラーム伝承集成 (中公文庫)
中央公論新社(2001-01)
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筆者は「コーラン」自体は読んだことがない。以前紹介した「コーラン入門」という本を読んだ。

図解 これだけは知っておきたいコーラン入門図解 これだけは知っておきたいコーラン入門
著者:島崎 晋
洋泉社(2007-06)
販売元:Amazon.co.jp
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★新聞の書評欄には、本探しのヒントや新たな発見がいっぱい
池上さんは斉藤美奈子さんの書評に絶大な信頼を置いているという。

誤読日記 (文春文庫)誤読日記 (文春文庫)
著者:斎藤 美奈子
文藝春秋(2009-09-04)
販売元:Amazon.co.jp
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筆者も新聞の書評欄や「日経ビジネス」、「週刊東洋経済」等のビジネス書の書評欄は参考にしている。

★通勤電車の中は理想的な図書館
まさに筆者も同感だ。

★書店で「時代」を感じ取ろう
池上さんは毎日書店をのぞくという。書店も重要な本の選択情報ソースだ。

★積ん読だけでもためになる
並んでいる本の背表紙をみても発想がわいて来るという。

★そもそも何のために情報収集するのか
池上さんは、情報収集自体楽しいが、それだけではなく、仕事の面でもプライベートの面でも正しい判断をするために情報収集するのだと語る。その通りだと思う。


私の情報発信術

★良い文章か悪い文章か。音読すればすぐにわかる
たとえば長い文章だと、読んでいて息が続かないという。筆者も意識して短い文章にしているが、常に注意が必要だ。

★原稿はワインのように、書いたら寝かせておこう
池上さんは一週間は寝かせておこうと言う。筆者も書いたそのままではなく、必ず一日以上置いて見直して正式に提出している。

池上さんは「ひとり突っ込み」と読んでいるが、原稿を書いたら、きちんと読み直さないで提出する人が結構多い。書いたらそれで仕事が終わったような気がするからだろう。

読みやすい文章にするには、池上さんの「ワインのように」というアドバイスは貴重だ。

★意識的に接続詞のない文章を書くことで、論理力を鍛える
「そして」の連発は小学生の作文並になる。

★順接の「が」は使わない
筆者も最近気を付けているが、「○○だが、△△だ。」という文章の場合、△△が○○を否定していない場合が「順接」だ。

「順接」の「が」の場合論理が繋がらない文章となる場合が多く、要注意だ。

★プリントアウトするだけで、自分の文章を読者の立場で読める
これも100%同感だ。やはり画面では細部までチェックしにくい。

★矢印が持つ意味は?安易な図解でかえってわかりにくくなることも
これも注意しなければならない。

以上、印象に残ったものだけリストアップしたが、その他にも懇切丁寧なアドバイスが満載だ。

是非なか見、検索!で目次を見て欲しい。

全体を通して、読者のためにという思いが伝わってくる。まさに「伝える力」の本である。


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Posted by yaori at 22:39│Comments(0)TrackBack(0) 趣味・生活に役立つ情報 | 池上彰

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