2012年04月29日

ニーチェの言葉 いまなぜニーチェ?

超訳 ニーチェの言葉超訳 ニーチェの言葉
ディスカヴァー・トゥエンティワン(2010-01-12)
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ベストセラーになっているフリードリヒ・ニーチェの言葉を集めた作品。「超訳」となっているので、かなり読みやすいように言い換えられているのだと思う。

ニーチェの作品は、学生時代にいくつか読んだが、読んだという記憶だけで、内容は全く覚えていない。難解だという印象だけは残っている。

ツァラトゥストラはこう言った 上 (岩波文庫 青 639-2)ツァラトゥストラはこう言った 上 (岩波文庫 青 639-2)
著者:ニーチェ
岩波書店(1967-04-16)
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その難解なニーチェの作品から、次のようなグループに言葉をまとめている。

I  己について
II  喜について
III 生について
IV  心について
V  友について
VI  世について
VII 人について
VIII 愛について
IX  知について
X  美について

なか見!検索に対応しているのでここをクリックして目次をチェックしてほしい。


ばらばらの言葉で哲学を語れるのか?

哲学書の部分部分をコピー・ペーストとして一冊の本に仕立て上げるというのは、新しい発想だと思うが、ばらばらの言葉をまとめてもニーチェの哲学を語るものにはならないと思う。

人生訓のような本となっており、実存主義哲学の先駆者のニーチェ哲学の特徴や価値が全くわからない。

人生訓といえば代表作は論語だが、論語はもともと孔子のその時々の言葉を特に意図なくまとめたもので、系統だった本ではない。

論語 増補版 (講談社学術文庫)論語 増補版 (講談社学術文庫)
著者:加地 伸行
講談社(2009-09-10)
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これに対してニーチェの著作は、それぞれに基本となる主張があり、それに沿って論理を展開している。だからばらばらにして人生訓の本をつくるのは無理があると思う。

ニーチェが言ったということで特筆すべき言葉でもないと思うが、ともあれ、いくつか印象に残った言葉を紹介しておく。


043 脱皮して生きていく
脱皮しない蛇は破滅する。人間もまったく同じだ。(中略)常に新しく生きていくために、わたしたちは考えを新陳代謝させていかなくてはならないのだ。


061 勝利に偶然はない
勝利した者はもれなく、偶然などというものを信じていない。たとえ彼が、謙遜の気持ちから偶然性を口にするにしてもだ。

この言葉は「負けに不思議の負けなし」という野村前監督の勝負観と好対照をなす。筆者としては野村監督の言っている方が実態にあっているような気がする。

負けに不思議の負けなし〈完全版〉 上 (朝日文庫)負けに不思議の負けなし〈完全版〉 上 (朝日文庫)
著者:野村 克也
朝日新聞出版(2009-03-06)
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065 反対する人の心理
提示されたある案に対して反対するとき、よく考え抜いたうえで確固とした根拠があって反対する人はごく少ない。多くの人は、その案や意見が述べられたときの調子とか言い方、言った人の性格や雰囲気に対して反発の気分があるから、反対するのだ。

このことがわかれば、多くの人を味方にできる方法が何かがおのずと知れてくる。(後略)


118 カリスマ性の技術
自分をカリスマ性を持った深みのある人間であるように見せたいなら一種の暗さ、見えにくさを身につけるようにすればよい。自分をすべてさらけださないように、底が見えないようにするのだ。

多くの人は、底が見えないことに一種の神秘性と深さを感じるからだ。自然にある池や沼にしても、濁って底が見えない人は深いと思って恐れてしまう。カリスマ的人物と呼ばれる人への恐れとは、その程度のものなのだ。


119 体験だけでは足りない
確かに体験は重要だ。体験によって人は成長することができる。しかし、さまざまな体験を多くしたからといって、他の人よりもすぐれていると言うことはできない。
体験しても、あとでよく考察しなかったら、何にもならないのだ。(後略)



140 怠惰(たいだ)から生まれる信念
(前略)信念がある人というのはなんとなく偉いように思われているが、その人は、自分のかつての意見をずっと持っているだけであり、その時点から精神が止まってしまっている人なのだ。つまり、精神の怠惰が信念をつくっているというわけだ。

どんなに正しそうに見える意見も主張も、絶えず新陳代謝をくり返し、時代の変化の中で考え直され、つくり直されていかなければならない。

ニーチェは自分の主張自体も「新陳代謝」、つまり常に見直すべきだと語っている。ニーチェのような大哲学者で、そのようなことを言う人は少ない。その意味からも尊敬すべき姿勢であり、筆者も自らの反省をこめてここに紹介する。

最後に本と読書についての部分を紹介しておく。

Nietzsche1













Nietzsche















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Posted by yaori at 09:10│Comments(0)TrackBack(0) 趣味・生活に役立つ情報 | 成功哲学

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