アイム・ファイン!
著者:浅田 次郎
小学館(2010-01-28)
販売元:Amazon.co.jp
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小説家浅田次郎さんのJAL機内誌「スカイワード」に2002年から2009年までに連載したエッセーを集めた本。
機内誌だけに旅の話題が多い。全40作のうちはじめはアメリカラスベガスの話題が多いが、JALがラスベガスへの直行便をやめたこともあってか、最近になるにつれ「中原の虹」、「珍妃の井戸」、「蒼穹の昴」の三部作の関係で中国の話題が多くなってくる。
中原の虹 (全4巻)
著者:浅田 次郎
講談社(2007-11)
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珍妃の井戸 (講談社文庫)
著者:浅田 次郎
講談社(2005-04-15)
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蒼穹の昴(1) (講談社文庫)
著者:浅田 次郎
講談社(2004-10-15)
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筆者も知らなかったが、現在は東京からラスベガスに行く直行便はなくなっているそうだ。直行便がなくともユナイテッドあたりのロスかシアトルあたりにワンストップ(機体は同じ)するフライトなら、準直行便となると思うが、浅田さんは仕事柄JALにしか乗れないのかもしれない。
筆者もラスベガスのベネチアンがオープンした翌年に家族で泊まったことがある。浅田さんはベネチアンのVIP会員になっているそうで、無料でVIPスイートルームに泊まれるという。カジノの掛け金も一般人とは違うレートのようだ。
最近は中国の話題が多い
浅田さんの話は最近は中国の話題が多い。「浅田次郎とめぐる『中原の虹』ツアー」でツアコンとしてアテンドする企画を2006年、2008年と開催した話も紹介されている。
浅田次郎とめぐる中国の旅 『蒼穹の昴』『珍妃の井戸』『中原の虹』の世界
著者:浅田 次郎
講談社(2008-07-30)
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この企画では浅田さんが「世界一の食べ物」と呼んでいる北京の全聚徳の北京ダックを旅程に織り込んでいる。
筆者も全聚徳の北京ダックは大好きだ。日本によくある皮だけの北京ダックでなく、肉も程よくついているのがいい。
しかも全聚徳はファミリーで行ける店もあり、値段も手ごろだ(この本によると、全聚徳の本店は清代からのかまどもろとも消えてしまったそうだが)。
日本にも数店あるので、一度家族で行ってみようと思う。
気軽に読めるショートストーリー集
6ページずつのエッセーを40話集めているので、気軽に読める。
浅田さんの生い立ちや、小学生の時にお父さんが事業で失敗して家族ちりじりになったこと。おじいさんが初めてレタスを見た時「ヤロウ!いかにくすぶったってな、人間はウサギじゃねえんだ」と言った、ちゃぶ台返しのタンカ。自衛隊員だった時に30キロの装備を持って100キロ行軍した話。北京郊外の万里の長城の一部、司馬台の簡易ケーブルカーのFlying foxの話も楽しい。
司馬台のFlying foxはYouTubeにも載っているので紹介しておく。
朝から一日7時間著作、5時間読書というのが普通の日の生活なので、運動不足になりがちなため、医者の娘さんに言われて浅田さんも電子万歩計を持っているそうだ。
浅田さんの体験した世界三大暑気は、ミラノのドゥオーモ、チュニジア、伊勢神宮だそうだ。筆者はこのうちチュニジアだけ行ったことがない。
チュニジアの日本大使はこのブログでも紹介した多賀さんなので、本当は多賀さんがおられる間に行かなければならないのだが…。
筆者も体験したことのある話題もあり、楽しく読める本だった。
最後に一つ告白しておく。実は筆者は浅田さんの作品は、「天国への100マイル」とこの本しか読んだことがない。
天国までの百マイル (朝日文庫)
著者:浅田 次郎
朝日新聞社(2000-10)
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筆者の家内は小説好きなので、浅田さんの本をたぶんほとんど読んでいると思う。大半は図書館からリクエストして借りて読んでいるが、家にも何冊か買った本もある。
筆者はそもそもあまり小説を読まないせいもあるのだが、人気作家というと、つい敬遠してしまう傾向がある。
この本を手始めに、次は「終わらざる夏」を読んでみる。
終わらざる夏 上
著者:浅田 次郎
集英社(2010-07-05)
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